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2021年4月2日金曜日

名機スーパーモデルが、ある界隈で支持された理由

まず、これ見てください。
Men:
Height in inches: 69.0 ≒  175cm  (身長)
Weight in pounds: 199.8 ≒  90.3kg  (体重)
Waist circumference in inches: 40.5 ≒ 102cm  (胴囲)
Women:
Height in inches: 63.5 ≒ 161cm (身長)
Weight in pounds: 170.8 ≒   77.5kg (体重)
Waist circumference in inches: 38.7  ≒ 98cm  (胴囲)

アメリカCDCの健康調査による、アメリカ国民の平均的な体格です。

スポーツを全然やらない肥満体の人も含めての数字なので、ウエストサイズが 102cm とかになっている。そこは参考にならないですが、身長と体重、体の大きさが日本人とは全然違うってことは、わかってもらえますよね。

ちなみに、Healthlineというサイトによると、アメリカ人の成人男性、足のサイズは平均 US 10.5 (28.5cm)なんだそうです。全世界に広げると US9-12 が、男性の標準的な足のサイズ(注1)。

そんな体格の人たちが開発したボードを、アジア系の人が乗るとマッチしない。そこんところは、なんとなくわかってもらえると思います。

典型的なのが、北米で開発されて、マービンとかの工場で生産されるボードたち。Lib T●ch, G●U, A●bor, J●nes… もうね、ガッチガチだし、重いし、鉄板か?って。みんなはそう感じないんかね?不思議…

僕なんか足はUS7 (25.0cm) で、それ以外の体格はもうアメリカの女性とおんなじ(注2)。正直、この辺のブランド買うなら、ウイメンズモデルのほうがいいんじゃないか?って思うくらい。

Jones Snowboards の板は重くて硬いと言われる

そんなアメリカ製スノーボードの中で、例外的に日本人にフィットしたモデルがあった。それが、Burtonのスーパーモデル(オリジナルでクラッシックなほうのスーパーモデル)。

手前がスーパーモデル

このモデルはクレイグ・ケリーのシグネチャーボード。彼はコンペでも無敵だったけど、BC・パウダーライドにシフトしていった。そして当時、BCスノーボーダーに向いているとされたセッティングは、スタンスアングルは前振り、スタンス幅は狭めだった。

で、そうしたセッティングに合うボードは、幅が狭くて、ノーズは長めのディレクショナル、トーションとフレックスは柔らかめ(注3)。結果的に小足・小柄・体重軽めの日本人にぴったりのディメンションになったのだ。

ケリーのライディングスタイルは「水が流れるように、スムースで抵抗を受けずに速い」と形容された。そんな、力任せでないところも、日本人の美意識にマッチしていたように思う。


今乗っても感動するくらいクィックでいい板

そんな名機も、ケリーがデカイ雪崩で亡くなってしまい、開発するライダーがいなくなったことで廃盤になった。ケリーがいなくなったことで、Burtonに奇跡的に生まれた日本人にとっての名板の系譜が途絶えてしまった。

CostcoのPBウィスキーボトルはアメリカンサイズの1.75L

で、この、スーパーモデル大好きライダー達は、彷徨える旅に出て、どこに向かったかと言うと…ゲンテ●スティック。なぜか?

つづく

注1 Healthline によると、足のサイズと身長には相関関係があるので、「平均的な身長」の人の「平均的な足のサイズ」がUS8.5だそうです。ちなみに、水泳の金メダリスト、マイケルフェルプスは サイズ14!(32cm) 。この大きな足が、水中での推進力を産んでいるんじゃないか?って言われているとか。

注2 北米でスポーツ用品とか靴とか買いに行くと、もう僕のサイズが無い。一番小さくてUS8.5 とかで、 US7.0 って言うと、もう「あるわけねーだろ」みたいな扱い。それ考えると、それなりに小さいサイズのニーズがあって、スノースポーツの大きい市場がある日本で生まれ育ったことに感謝。

注3 BCスノーボードでなぜこのセットアップになるのかは、また今度書いてみます。