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2025年5月29日木曜日

バックカントリーへの扉 祈りを込めて強く叩け (2/2)

バックカントリーへの扉 (1/2)では、一般的なBCへの扉を説明した。

…その一般的な扉がボクには開いていなかった。仕方なく他の扉を見つけてこじ開けた、そんな話をしてみたい。

連休が取れず、単発休みですら直前になっての出勤に変わるなんてことが良くある…そんなブラック企業がボクの職場だった。普通の社会人団体に加入することはまず不可能だった。

1990年代の初期、BCツアーを催行しているガイドさんはほとんどいなかった。白馬や北海道にはいたのかもしれないけれど、ボクが日帰りで行けるエリアには見当たらなかった。

んでボクは…単独でバックカントリーを始めることを決めた。

単独のバックカントリーはリスクが高い、それくらいは初心者のボクにもわかっていた。そこで、ボクなりに「これをやる」「これはやらない」という線を最初に引いた。

残雪期の水ノ塔山周辺

「これをやる」ということは、死なないためにどんなことをやるかということ。

具体的には、冬山の基本訓練(耐寒・ビバーク、ラッセル技術)、残雪期登山(アックス・クランポン、滑落停止、グリセード)、生活技術(衣服・糧食・燃料計画)、夏山登山(基礎体力向上と偵察山行)、BCギア理解(貼り付けシール、スキーリーシュ、3ピンバイン、凍結防止、メンテナンスなど)だ。

偵察兼ねて谷川岳

「これはやらない」というのは、ドツボにハマるような山行はしないということ。具体的には、厳冬期、高所、パウダー狙いのBCはやらない。連休取れないボク、山行の翌日は仕事がある。翌日出勤できなければ即誰かに皺寄せがいくから、必ず日帰りで帰ってこれないとまずい。

パウダー時期にBCに入らなというのは、単独で深いラッセルはものすごい時間がかかるから。スキー履いてても膝上まで潜るような深雪だと、500m 前進するのに数時間かかるようなこともある。

それに、当時のテレマークバインディングは、ビス抜けトラブルとかがありえた。ビスが抜けちゃうと、バインはブーツに残ったまま、スキーは流れてどっかに行ってしまう。そんなことになると、スキーが無いのでツボ足ラッセル…場所によっては夜通しラッセルしてもゲレンデまで帰れない。

そんなわけで、雪が落ち着いた残雪期、3月中旬以降を中心にBCに入るようになった。

ビバーク訓練も良くやった。日帰りなのだけれど、とりあえずツェルト張ってみたり、被ってみたり…

高峰山斜面

そうやって、「このくらいまでなら死なない」というのを理解してから、活動範囲を広げていった。ごく短いルートのBCとか、登ったところをそのまま滑る、シンプルなピストンコース。当時は山頂まで入れた浅間山とかね。

浅間山山頂
峰の茶屋から左に巻いて登って、偽ピークに上がり、そこから2段くらい段差を上がると山頂。

浅間山カルデラ

猛烈な北風が吹いていて、それが外輪山で火口への吹き戻しに変わり、吸い込まれそうになった。恐々とカルデラを見下ろしてから下降したが、風で磨かれ氷化したスロープの上に、畑の畔のような風紋が20cm…滑れたもんではなかったが、それも経験と割り切った。

テレマークスキーでの滑りはどうだったのかって?それは大丈夫だった。

ボクはスキーにどハマりしていて、ポールもコブも好きだったし、すべてのゲレンデがクローズしてからは、谷川岳のマチガ沢をハイクアップして7月ごろまで滑ったりもしていた(バカ)。

ポール練習

テレマークスキーは前傾過多だとすっ転ぶ。テレマークターンで転ばないように、前後のポジショニングを見直したら、普通のスキーも上達した。ポールのタイムも速くなったくらいだ。

ブレーカブルクラスト蹴散らす

ただ、あんまりテレマークっぽくない滑りだとは言われていたw

ダブルストック

コンディション悪くなると、ダブルストック(両方のポールを同時に突く)でリカバリーしたり。

サンクラスト 5mm

とりあえず…滑りで困ることはほとんど無かった。

娘背負ってトレーニング

背負子に娘を入れて、「大事な荷物を背負って滑る」練習もした。

至仏山オヤマ沢田代近辺

そんな感じで一つ一つ積み上げて、谷川岳や至仏山にも入れるようになった。

調子に乗ってた頃(日付は間違いです)

そうやって、ボクはバックカントリーへの扉を無理やり押し開けた。

そんなボクに大きな転機が訪れた、会社をクビになったのだw。

ボクは仕事は仕事、遊びは遊びできっちり分けようと考えていた。でも、誠心誠意頑張っていた仕事をクビになって、気持ちを切り替えた。むしろ、思いっきり自分の好きなことをやれる仕事はないか?そんなふうに考えて探したら…そんな会社に入ることができたのだ。その後の数年間は、ボクの人生のハイライトだった。そこの話は本筋から外れるので省略。

長くなったので、話を整理する。

もし、BCスキー・スノーボードに憧れているならば、できる準備をするべきだ。「山力」とボクらは呼ぶけれど、「体力」「生活技術」「滑走技術」を磨くこと。そうすれば、BCやっている奴らの視界に入ってくる。

一緒にBC入ってみる?

そんなふうに誘ってもらうためには、準備をしておくこと。準備していれば、チャンスは来るかもしれないし、準備していなければ、声すらかからない。

繰り返しになるけど、ボクにとってBCはずっと憧れの対象だった。そして、BCへの扉を、同じようにこじ開けようとしている人を、ボクは応援したいと思っている。BCへの扉、開けたいと思うならば、祈りを込めて強く叩き、叩き続けていればいつかは開くとボクは信じている。

忘れるところだった。

BCはそれなりにお金がかかる趣味だし、家族の理解と応援も必要だ。だから、良き家庭人であり、強き職業人(クビになってもなんとかなるような)であることも、ぜひぜひお忘れ無く。

なんか説教くさくなっちゃったな、まぁいいか

おしまい

2025年5月16日金曜日

バックカントリーへの扉 祈りを込めて強く叩け… (1/2)

こないだ新入舎員のトミーを迎えて、ムジナ沢に行った。

夢にまで見たバックカントリースキーに来れて感動です

そんな嬉しいことを言ってくれた。

そうなんだよね、バックカントリー行きたいって人は割と多いと思う。
ただ、実際にバックカントリーを経験した人はあまりいない。

多分なんだけど、「バックカントリーへの扉がどこにあるのか」わからないんじゃないかなぁ。ボクはそう思う。で、ボクや周囲の人は、どのようにしてバックカントリーに足を踏み入れたのか、そんな話をしてみようと思う。

まず、王道なのは「山の関連団体」と「ガイドツアー」経由の入口だろう。

学生さんなら、山岳部とかワンゲルかな。雪山宴会部なら、アオッキーがワンゲル出身だった。社会人なら山岳会がある。兄弟舎では、モロちゃんとヨッちゃん。タカやんとトミーは、元社会人山岳会。

ここから入れるのは基本的には若い人。部活動なら学生でないと始められない。山岳会でも、募集は若手中心のはず。40歳を超えて、山未経験の入会は多分ハードルが高いんじゃないかな。

あくまでも噂でしかないけれど、山岳会によっては合う合わない相性問題もあるらしい。これにはリーダーや幹部の個性が、その会のキャラクターを大きく左右するせいもあるだろう。

その会が何を志向しているかと、会員一人一人がやりたいこととのミスマッチがあるだろうことは容易に推測できる。団体によって求める方向性が異なるし、あくまでも「冬期登山」の道具としてBCを考えているところは、スキーしかやらないってところもある。

こうした会のメリットとしては(本人次第だけれど)「基礎をしっかり学べる」のと、「頼りになる仲間ができる」ことかな。ボクも一時期山の会に所属していたけれど、そこは高所登山、クライミング、BCスキー・スノーボード、山岳パラグライダー、ホワイトウォーターカヤック、シーカヤック、長期縦走…錚々たる実績と経験のあるレジェンドが顔を揃えていた。

こうした入口から入ってきた人たちは、なんというか基礎がしっかりしていると感じる。
安全に関する意識もそうだし、一つ一つの所作を安心してみていられるというか…

ダイビング五体投地

本文には関係ありません

まぁ、やる時はやる、そんな人たちであることは…間違いない

もう一つの「ガイドツアー」は、ボクは参加したことがないので想像だけど、お金さえ十分にあれば無難だと思う。友人にもガイドさん(と元ガイドさん)がいるけど、あの人たちは本当にレベチ。知識・経験・体力・技術、すべてが桁違いの人たち。そうした人にガイディングしてもらって、初心者コースからスタートすればトラブル無しに安心して始めることができるはずだ。ここから入った人は、マサヨシ(Y溝さん)かな。

ボクはガイドツアー未経験なので、あんまり詳しく語ることは無い。ただ、ツアー参加者の人と話をして感じるのは、ガイドさんに全部頼ってる危うい人もいるように見える。

どこから入山して、どこに行くのか。なぜ今日このルートに入ったのか。なぜ今日のギアを選択したのか。エスケープルートはどこか。今日明日の天候見通しはどうか。現時点の標高はどれくらいで、ペースは計画通りか。緊急事態の時にとるべき行動は何か。コレをツアー参加者に尋ねたとして、どれくらいちゃんとした答えが返ってくるか… ボクはわりと疑問に感じている。

でもまぁ裏返してみれば、そうした参加者が多くても、事故なく楽しくツアーを催行できるガイドさんは本当にすごいということだろう。

40代半ばを過ぎ、子育てもひと段落し、収入面の不安も無いが山は初心者。そんな人がBCを始めようと思ったら、実際問題ガイドツアーが一番間違いない選択肢になるだろう。

学ぶ意欲のある人にとっては、ガイドさんからしっかりとしたノウハウを吸収できる。同じようなライフスタイルや趣味趣向を持った仲間と、巡り合うチャンスも多いのだろうと思う。

さて、この2つの入口「山岳団体」と「ガイドツアー」だけれど、人によっては選択しようにもできない問題が発生する。それは、土日祝日盆暮正月が休めず、有給を自由に取得するのが難しい人たち。

多くの勤労者がまとめて休めるタイミングで、山岳会もガイドツアーも計画を立てていくのだから、そこから外れた人たちは実際のところ参加の機会を失ってしまうことになる。

20代後半から30代半ばまでのボクがまさしくコレだった。会社は地方のブラック小売業。勤務は早朝から夜遅くまで。休みは週2日で、続けては取れず、有給取得は年間3日まで…

そんな環境だったから、ボクがBCに足を踏み入れるには単独でなければならず、単独は危ないからBCやらないという選択肢は無かった。

ボクにとってBCスキーとは、「夢にまで見る憧れ」の遊びだったし、ボクにとってBCスキーヤーこそが、「自然に対峙する真のスキーヤーである」、そんな風に思っていたから。

つづく

2024年8月16日金曜日

エッジングパワーの6要素まとめ: ボクのセッティング遍歴

エッジングパワーの6要素シリーズ」のまとめとは、ボクのセッティング遍歴。

赤線が過去のセッティングだ。ボクはずっと、少し長め(適正より+5センチくらい)の板を選んでいた。スピード出しても安定するし、バックパック背負ってちょうど「推奨ライダーウェイト」のレンジにはいるから、それでいいと思っていた。

ただ、オーバーサイズの板は、幅も適正より少し太め。太めの板はエッジが踏みにくい。それにボクは足が小さくい(25.0cm)。つま先も踵もエッジから遠くなるから、さらにエッジが踏みにくい。

オーバーサイズの板は、ボクにとって固めのボードになる。エッジグリップはいいけど、少し扱いずらくなるのは否定できない。

センタリングは目一杯の踵寄り、ヒールエッジの効きを最優先に考える。トウサイドは…気合いと筋力と固いブーツでなんとか押し込めるからねw

ハイバックは立たせ気味。前傾強いと疲れちゃう。ボクはバックカントリー・スノーボードが第1目的なので、疲れない、疲れていても乗れるセッティングが好き。

ブーツは固いやつ。トウサイドエッジを効かせるために、ブーツのレスポンスと剛性が必要になってくるから。

アングルはF30 R9くらいの前振り。元スキーヤーにありがちだけれど、腰と胸を前に向けないとしっくりこない。しかし、これだけ極端な前振りだとフロントの押さえが効かず、ノーズがフラフラする。

ま、そんなもんだ、そう思って20年くらい滑っていた。



3シーズンくらい前からセッティングをいじり始めた。

BCのメインボードは長めでいいだろう。でも、普段使いには張りが強すぎる、そんな気持ちになってきた。

セッティング見直しで一番大きいのがフロントのアングル。

F30 R9 → F27 R0 → F24 R0 → F21 R0 → F18 R0 → F9 R-3

もともとボクはワンフットが苦手で、リフトの乗り降りでよくすっ転んでいたw
センタリングを踵よりにすることで、バックサイドターンはだいぶマシになった。しかし、フロントサイドは相変わらず、しっかり踏み込めない感じだった。

で、試しにフロントを21度くらいまで横向きに戻したら、ワンフットが苦にならなくなったのだ。エッジングパワーが改善されてノーズがふらつかず、意図する方向へ進むようになった。

股関節の可動域が正面に矯正されてきたのも大きい。これは意図していたわけではない。ブルベやロングライドでビンディングペダルを履いてペダリングしているとき、つま先は強制的に真正面を向く。その状態で、脚の曲げ伸ばしを繰り返すことで、股関節の柔軟性が増して、つま先が正面を向くようになったのだと思う。

そんなわけで、フロントは12~9くらい、リアは0~-9くらいで滑っている。そう、ゆるいダックでスイッチスタンスにもトライを始めている。

横ノリスタンスにすると…エッジングに力がいらない。以前はフロントが流れた分を、リアで辻褄合わせてなんとかする、みたいな…余裕が少ない滑りになっていた気がするのだ。

楽に滑れるので、「硬いブーツでなくても大丈夫かも?」そう思うようになってきた。

ブーツのフィッティングも、以前はしっかり密着!隙間ダメ!が基本だった。今はわりと…緩めでもいいかなぁ、そんな感じで滑れるようになった。この2〜3シーズンで、それまでなんとなく感じていた壁を超えた、そんな気がしている。

未来は…もう少し短くて(適正サイズ)、柔らかい、細身のボードに乗り換えたら、もっといいんじゃないかな?そんな感じがしています。

おしまい

2024年7月27日土曜日

エッジングパワーの6要素 カービング向けセッティング

以前はスキーにハマっていて、今はスノーボードにハマっている。

そんなボクが、2つのスポーツに共通すると思うのは、「キレとズレをいかにコントロールするか」が大事ということ。

このブログ、「エッジングパワー」というキーワードで検索すると、スキーもボードも結構な数の投稿がヒットする。それは、ボクがエッジングを大事に考えているから。

今回は、スノーボードでカービングをグリグリやりたい人のセッティングについて。
レーダーチャートの上から、時計回りに説明してみよう。

「カービング向け」とされているボードは、標準より細身。細いとエッジの切り返しが速く、エッジプレッシャーも上げやすい。

カービング中は強い遠心力を受けるので、それに耐えるためにフレックスは硬めになる。限界スピードが上がって、急斜面でのカービングをやるようになると、さらに硬いボードが欲しくなるかもしれない。その代わり低速では曲がらないかも知れないけどな…

ボードの幅が狭いので、センタリングは調整する余地がない。ドラグしない範囲で、微調整をするだけ。それでもドラグするなら、プレートを噛ますか前振りにする。

ハイバックは深い前傾になる。板を履くにもコツが必要になってくる。

ブーツのタンを軽く押し潰して、前傾させた状態でないと、ブーツのかかとがバインの奥まで入らないはずだ。アンクルをしっかり絞めないと、ブーツは勝手に押し出されてくる感じ。

ブーツのふくらはぎはハイバックに密着し、わずかな動作に反応してヒールエッジを立ててくれる。それでも反応が遅いと感じるなら、固いハイバックとベースプレートを装備したバインディングを選ぶべきだろう。

ブーツはもちろん固め。フロントサイド、バックサイド、両方のターンでエッジの効き具合が異なるとリズムが取りにくい。ハイバックのところで説明したように、ヒールエッジがパワフルなセットなので、バランスを取るために硬くて反応の速いブーツを選択する。

そもそもハイバックが強い前傾なので、常時膝を曲げた姿勢を強いられる。それは空気椅子状態なわけで、脚力だけで支えるのは辛すぎる。ブーツが固くてサポートしてくれれば、すこしだけモモが楽になるというわけ。痩せればいいんだけどね。

さて、最後の要素のアングルだけれども、これが問題だ。ボードの幅が狭いので、ドラグを避けるためにフロントを前振りにせざるを得ない。極端に細いボードを選ぶとこれが顕著になる。もっとも極端なのはスクォール(wikipedia)。そして、前振りにするとエッジングパワーは低下する。

前振りはエッジングパワー的にはマイナス要素だけれども、それ以外の要素でエッジングパワーを稼いでいる。トータルではエッジを効かせやすい、それがカービング向けのセッティング。

このセッティングは、デメリットも大きい。
  1. 空気椅子状態で、ターン中を含めて脱力する時間がないので疲れやすい
  2. 前振りスタンスは、ターン中に重心を前後させる必要がある(動作が複雑になる)
  3. 逆エッジを喰らいやすい(特に危険なバックサイド側)
  4. 上下動を使える範囲が限られるので、ギャップの吸収がやりにくい
  5. 姿勢が低くなるので、広い視界の確保が難しい
そんなわけで、広いリゾートを滑り倒すだとか、いろんな斜度、雪質、コブに柔軟に対応するとかは割と苦手だと思う。すごい上手い人は別かもしれないけどね…

まぁそれでも、スノーボードもスキーも、いろいろセッティングを変えてみるのは、自身の成長の糧にもなるからチャレンジするのがいいと思う。

グラトリ・初心者のセッティング」と見比べてみればわかると思うけれど、カービング向けセッティングとグラトリ向けセッティングはある意味正反対。道具を2セット用意するか、期間を決めてどちらかのセッティングで集中的に練習するか、ほどほどのセッティングで幅広く対応力を磨くか…それは自分で考えて決めてみてください。 Happy Riding!

2024年7月26日金曜日

冬の下見で日光白根山 湯本ルート

20代のころから(30年近く!)、ボクは日光白根山に登っている。

丸沼高原にまだロープウェイが無かったころ。メインルートは菅沼からの「瞑想の森」。今よりもずっと静かで、人も少ない山だった。

平日なんか人と出会うこともそんなになかった。だから五色沼のほとりで、ほぼ全裸で日光浴しても大丈夫だった。凍らせて持ち込んだ缶ビールを飲んで昼寝して、日焼けで痛い目にあったりとか…

そんな日光白根で数年前から気になっているのが、東面ルンゼ。

傾斜はさほどでもないし、距離も短い。狭いルンゼ上なので、落石にも注意が必要だろうし、アクセス(山頂からのドロップ)も悪い。けれど、挑戦欲が掻き立てられるし、見栄えがいいのでいつか滑ってみたいと思っている。

そんなルートを偵察しに、長めの湯本ルートから登った記録。
湯本キャンプ場から入山
湯本からのルートは、樹林帯の中の急傾斜。段差も大きくて歩きにくいので人気が無い。その代わり落ち着いた雰囲気でボクは好き。
外輪山に出る
外輪山に出ると見晴らしが開ける。ここから縦走が始まる。
日光白根ドーン
狙い通り、東面ルンゼを正面から見ることができた。
視界良好

駒草の写真を撮っている人を数人見かけた。
駒草がまだ咲いていた
登山者が少なく、砂礫状の登山道の踏み荒らしも少ないから、高山植物にはやさしい。
東面ルンゼと五色沼
歩くにつれて日光白根が近づいてくる
山頂直下から斜めに走るルンゼ

崩壊地
スキーヤーズライトは山頂稜線の東面にあたる。朝早い段階から日射を受けるので、側面からの雪崩や落石、デブリに要注意って感じ。

シュルンドに注意しながら、日陰になるスキーヤーズレフトを滑走することになるだろう。

男体山女峰山
外輪山を反時計回りに縦走していく。
東面ダイレクト
勝手に東面ダイレクトと名付けた斜面を見上げる。山頂から東面ルンゼにドロップし、200mくらい先をスキーヤーズレフトに乗り上げて尾根を超える。そこから樹林の無い溝状を滑ると五色沼に出る。

無木立なので…雪崩の走路ですね…ここは
夏の装いで弥陀が池
久しぶりの登山靴なので、パシャパシャしてみる。
防水チェック
日光白根本峰への登りに入る。
木立の向こうに弥陀が池が見える。

見下ろす弥陀が池
やがて五色沼も見えてきた。
五色沼
視界よく絶好の登山日和
尾瀬方面と燧ヶ岳
男体山と中禅寺湖
本峰山頂への枝尾根からルンゼを見下ろす。崩壊した岩クズの先、傾斜が落ちて左の尾根に切れ目ができている。ここを左に入れば東面ダイレクトへ、直進すれば東面ルンゼ。
東面ルンゼ
ルンゼへの降り口
ドロップポイントは、短い(5mくらい?)けれど、40度を超える急斜面。ここがうまく雪で埋まってくれているといいのだけれど…

山頂は丸沼高原ロープウェイからの登山者で大賑わい。
混雑
山頂に近づくにつれ、殺伐とした雰囲気。ちょっとした岩の片斜面で軽い言い争いが聞こえる。

どちらが先か、譲る譲らない、寄れ、寄ると危ない…

こんなところでそんなに困るのに…登っちゃうの?

山頂はパス!

ボクはもう何十回ときてるから、山頂は巻いて通過した。
人が途切れない
祠にお参り
UFO基地
UFO基地からちょっと寄り道すると、五色沼が綺麗に見えるポイントがある
目の前の尾根の手前が東面ルンゼ
傾斜が急すぎて、ルンゼのボトムは見えなかった。

南面登山道、スイッチバックを繰り返して樹林帯に入るとまもなく避難小屋。
思い出の避難小屋
ここでは何度か泊まらせてもらった。
内部は2階建て
トイレと水場が無いので、いろいろと工夫は必要だけれど快適な小屋。
5S
地域の大学がいろいろ調査で使用していることもあり、手入れが行き届いている。

小屋の裏から再び外輪に登り上げる。
外輪山アゲイン

駒草アゲイン
ここにも駒草が風に震えていた
さらば日光白根山
名残を惜しみつつ、湯本への下降を始める。
慰霊碑
この白根沢登山道は、雪崩の走路になっている。過去の遭難慰霊碑を兼ねた道標があった。
玉川大学のW.V.部は歴史のある名門だったはず。確かこの事故で活動が止まったんじゃなかったかな?
道標

そして近年、ここの上部から出た雪崩が、よりによって高校山岳部の冬山講習会を襲たと記憶している。講習会なのに犠牲者が出て、問題になったような…?
かかと…
シーズン最初に登山靴を履く日は、だいたいこんな感じになる。マメが治ると、皮膚が分厚くなって登山シーズンがスタートできる。
ログはこんな感じ
下山したら、当然タンパク質の補給
サービスステーキ

山菜ピラフ
通し営業に感謝
今シーズンもよろしく
マメが治ったら、今シーズンはちょっと長めのルートを歩いてみたいな。できればテント泊の縦走とかしたいな。