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2026年1月31日土曜日

25-26シーズンの雑なまとめ1月…写真多め

*この投稿は2026年6月に作成しましたが、公開日はバックデイトにしています*

前回の投稿で書いたけど、老愛犬のマメちゃんが留守番できなくなってしまった。
2時間以上は一人にさせられない。なので必然的に、お出かけする時は一緒に連れて行くことになる。

荷物多い…

ドライフードはそのままでは食べられないので、お湯でふやかす。以前は1日2食だったのだけれど、食が細くなってしまったので一回の量を減らして1日3食。

食べ残し…

ボクはベッドの上で、マメちゃんは床で寝る。踏ん張れなくなったので、簡単に段差をおっこちてしまうから。

ベッドの設営中

寝具は冬用の寝袋とフワフワ毛布。そして中綿入りのフリースパーカー。


マメちゃんのお世話グッズを忘れないように…ばかり気をつけていたら、シーズンパス忘れて一日券を購入。ま、こーやってホームゲレンデの収入増加に貢献するのも大事ってことで… クゥゥゥゥ

パス券ゲットォォ

窓の断熱をなんとかしないと寒いので、断熱マット購入。開口部に合わせてカットして、吸盤で固定。今までの夏用のフェルトマット(片面はアルミ蒸着だけど薄くてペラペラ)は一部を残して処分する。
荷物置き台も追加

荷物を置けるサイドテーブルも導入し、そこに毛布をかけて洞窟みたいにした。マメちゃんが寒くなったら中に潜り込み、暑かったら出られるように。

動ける範囲が少し増えた

トップシーズンになって冷え込みが強くなってきたので、湯たんぽも投入。小さな金属製のやつと、標準サイズのプラスチック製のやつ。
お湯沸かし中

湯沸かし用のコンロで軽食も作る。
鍋焼きうどん

ふーあったかい…

てな感じで、工夫しながら滑っていたら、月末に膝を捻った…
自宅に転がっているサイドフレーム入りサポーター装着

嵩張るサポーターは、仕事には着けて行きづらい。昼間はテーピングでなんとか乗り切る。
早く治りますよーに

そんな感じで過ぎていった1月でした。

2025年12月31日水曜日

25−26シーズンイン

今シーズンは早くから雪のたよりがあり、久しぶりに冬らしい冬?と期待していた。
ところが…12月に入ってから気温が下がらず、やきもきする日が続いていた。

でもまぁ、なんとかホームゲレンデがオープンしたので、無事にシーズンイン。

ゆるキャラ ロックン

今シーズンは基本的に、愛犬マメちゃんを連れて出撃することになる。

おくるみマメちゃん

マメちゃんは超高齢犬の17歳、一人で長い時間の留守番ができなくなった。ボクも奥さんも仕事の日は、老犬ホームのデイケアに預けることになった。そして、ボクが奥さんのどちらかがお休みの日は、どちらかがマメちゃんのケアをする。

足がチベタイよぉ

で、ボクが滑りに行く日、全て奥様に任せると言うわけにはいかない。そんなことしたら、奥様のお休みがなくなってしまうから。

なんかくれ

万全の寒さ対策をして一緒に出掛けて、車で留守番させて2時間おきくらいに様子を見に戻るということにした。
オープン初日!

今シーズンから変わったことは他にもある。
ゲレンデ用に地味で安価なウェアを買った。

ゲレンデ用ウェア買いました

ゲレンデ用に、Bataleon Blaster - FASE バインディングを買った。なかなか調子がよろしい。

パッカンと開くクィックエントリー

クィックエントリーバインとしては、誤解放が起こりにくいはずのシステムだけれど、リフトの上で外れたら嫌なのでリーシューをセットアップ。

Magic Mountain のリーシュコード

オールラウンドの、 Bataleon Whatever 154との組み合わせは、名前の通りなんでもできる組み合わせ。硬すぎず、柔らかすぎず、コブもパウパウも圧雪も、アイシーバーンもこれで大丈夫。兄弟舎のスピードマスター軍団についていくには…限界スピード低めだけど…もうこれでいい気がしてきた。というか… Bataleon Thunder でかっ飛ばすのはサイコーに気持ちいいのだが…いつかは大怪我しそうで怖いw

前夜泊

2時間おきに車に戻るということは、ゲレンデの近い場所に駐車スペースを確保する必要がある。ということで、基本は前夜入り。前の晩に駐車場に入って、マメちゃんと車中泊する。翌朝、マメのご飯とか散歩とかトイレとか済ませたところで出動。

撫でて撫でてぇ

当然、パフパフ競争には遅れるけど…まぁしゃぁない。

パフパフDAY

あさー

抱っこ散歩

暖房は、冬用の寝袋と湯たんぽ2個。だが、湯たんぽだと恒温性に欠ける。ホッカイロだと低温ヤケドが心配。自由に体勢を変えられないマメちゃんのために、色々試行錯誤した結果、ポータブル電源を買いました。

ポータブル電源導入

これに、ペット用のヒーター(小型の電気アンカみたいなやつ)を接続。電源の容量と消費電力から計算すると、湯たんぽを併用すれば2泊3日程度は持ちそうな感じ。

パパ!あったかい!

岩鞍ゴンドラ

クレート

そんな感じでスタートした25−26シーズン。

前の方ゲト

西山ゲレンデから上州武尊山

お気に入りセットアップ

スタンスはゆるダック…スイッチも練習してみようかな…多分しないけど…

まだまだ雪の量は少ないけれど、岩鞍もなんとか下部ゲレンデまで繋がった。怪我をしないように、ここから少しずつでも上げていきたい。そんな感じです。

2025年12月18日木曜日

クィックエントリー・バインディング購入 (Bataleon FASE)

最近はクィックエントリー・バインディングが流行りだ。

ボクはもともとBurton SIバインディングを使っていた。そして、Accubrade で痛い目にあって、ストラップバインディングに乗り換えた。正直…Unionのストラップバインディングになんの不満もない(Union推しな理由はこちら)。

そんなボクだが、最近のクィックエントリー・バインディングの進化を見て、もう一度試したくなった。ゲレンデ用に、楽で便利で、多少ルーズなやつがあってもいい気がした。

もちろん、使えるならBCでも使いたい。脱いだり履いたりが必要なルート、川場のS沢、N沢、谷川の湯檜曽川沿い、岩鞍のK沢とかで楽ができたらいいなと。

Bataleon の FASEシステム

ボクがFASEを選んだ一番大きな理由は固定方式だ。リリースレバーワンプッシュのシステムは、誤解放が怖い。さらにリリースレバーを「上から押す」仕組みだと、BCでの危険性がさらに高まる。

BCでは、デブリやアイスブロック、ブレーカブルクラストの破片が板の上に溜まることがある。特にブレーカブルクラストの破片が厄介で、コンクリート平板みたいなやつとか、エッジが立った棒みたいなやつは、引っかかりが多いのでお互いに絡み合い、なんらかのはずみでレバーを押してしまう。非常に稀ではあるけれど、実際に起こった事例をボクは知っている(その人はワンフット転倒で膝の靱帯断裂)。

これがわかっているBurtonとAccubradeのリリースレバーは、引き上げ開放。そしてBurton の Step On は、リリースレバーの位置を高くして、crud snow (腐れ雪)に覆われないようにしている。Accubradeはレバー位置が低いのだが、ノブを回転させるとロックがかけられた。

そんなこんなを観察していくと、Burton Step-Onはかなりイケてるように見えるのだが…ボクはSalomonのブーツがお気に入り。今更他のブランドで冒険するつもりもない。だから ブーツとバインがセットのシステムになる Step On はチョイスから外れた。

気に入っているブーツがそのまま使える、 Nidecker Supermatic はリリースレバーが押し下げなのと、後述するけどヒールカップがボリューミーなので選択肢から外れた。

年齢的に、怪我をしたら治りが遅いボクは誤解放が起こらない、ラチェット方式にこだわりたい。ラチェットは、何かのはずみでリリース用の爪が引かれても、一段、二段ずれて止まるだけ。「引き続けない限り」開放しないという信頼感はやはり大きいのだ。

で、FASE登場までは、ラチェット式のクィックエントリーは…SPとかFLOW。ユーヤパイセンもSPを好んで長く使っていた。だが、スリッパタイプは雪が詰まるとスリップインがとても困難になるみたいだし、SPは時々マイナートラブルの話を聞く。

普通のストラップバインは、少しぐらい雪がソールについていようが構わず履けるし、スペアパーツも携行しやすいし、山で応急修理もできるから…って考えると、SPやFlowに移行しようというモチベーションが湧きにくい。見た目も重そうだし

スペア・パーツと言えば、Bataleon は最初から消耗部品の予備が付いてきた。これは嬉しい。他社のスペアパーツは結構な値段がする。納期も遅かったり、廃盤になってたりもするし、バインのモデルチェンジがあると、買い置きの予備パーツが適合しなくなってゴミになったりもする。

最初からついてくるスペア・パーツ

クィックエントリーのシステムは傍に置いて、Bataleon のバインディングとしての性能はどんな感じなのだろうか?その辺りを書いてみよう。

Bataleon のボードをボクは好んで乗りついでいる。その理由は、ちょうどいいホドホド感を感じるからだ。なんというか、雪面が荒れてきたり、コンディションが悪くなってきた時にイジワルをしない。コブとか入るとよくわかるけど、変なエッジの引っ掛かりが無い。

コブに脱力して入りボードを自由にしてあげると、ノーズがスルスル動いて一番いいポイントに適当に入っていく。乗り手は、ちょうどいいところでエッジを入れてやるだけで、スピードコントロールとバランスが取れる。コブで乗りやすいボードは大体がBCでも乗りやすい。スプーンカット、流水痕、ブレーカブル…BCでは斜面のコンディションもさまざまで、そんなところをうまくイナせる相棒がBataleonのボード。そんなブランドがチューニングしたバインに興味があったのだ。

パッと見てわかるのはミニディスク。ボクが初めて履いたストラップバインは、Genesis の Re-Flex だった。ボードのフレックスを活かすために、柔らかいセンターディスクを使っていた。ガチガチのAccubradeから乗り換えた時は、頼りないフラフラ感にめまいがしたが、慣れたらその自由さに目が醒めた。ミニディスクもボードのフレックスを活かすための仕組みで、Re-Flex特有のネガも無いから興味を持っていた。

ミニディスク

ミニディスクと言えば、UnionのContact Pro。買おうかと真剣に悩んだことがあった。結局はAtlasにしたのだけれど、ミニディスクはボードフレックスを活かせるのはいいがセンタリングができないのだ。

センタリングはできない

Bataleon のミニディスクもそうだけれど、ディスクのスリットを前後方向に向けるのがデフォルトだ。つまり、スタンス幅は変えられる。ディスクを90度回転されられないので、トウ・ヒール方向の調整(センタリング)は、ディスクではできない。

スタンス幅の微調整はできる

センタリングは、ヒールカップをスライドして前後させることで調整する。これは、Union、Drake、Rideなど、同様の構造をもっているバインに共通する考え方だ。

センタリングはフレームの取り付け位置で調整

このスライド機構はブーツサイズに合わせた調整用だと誤解されているが、実際はセンタリングのためだ、根拠はこちら

左右非対称のレール構造

Bataleonのこのバインは、左右非対称構造が特徴の一つ。その効果はよくわからなかった。ボクが鈍感だったせいもあるかもしれない。他のバインと比べて明らかなのは、前後のバインの間に重心を置くのがすごく楽ということ。これが非対称構造によるものか、後述のカントによるものかはよくわからない。

全面ブッシングで母指球下だけ固い

このバインはベースプレートの裏側全面が厚いブッシングで覆われている。多分感覚はルーズになるのだろうけど、荒れた雪面ではとても有効だろうと期待していた。実際に履いてみると、ルーズさはほとんど感じない。エッジの噛みも普通に良いし、それでいながら不快な振動はカットしている感が強い。

2度のカント

ベースプレートには2度のカントが入っている。そのせいか、ボードのノーズ〜テール方向のバランスが取りやすい。

ボクは重心を、前後バインディングのディスクセンター内側に維持して滑ろうとしている。前乗りしても、重心はフロントバインのディスクセンターを超えないし、後ろも同様だ。で、実際に滑っていると、外乱の影響で体の位置が想定よりも前後することがある。そんな時でも我慢して堪えていると、重心がなんとなくwセンターに戻ってくる。

ブーツソールとのフィッティングはガスペダルで

ガスペダルはなんの変哲もない。ただ、表面の溝が縦方向に切ってあるのが良い。ガスペダルに溜まった雪を、トウ側とヒール側に払う時に何の抵抗もない。ガスペダルのデザインが凝っていると、ここに微妙に雪が凍りついて不快な感覚になる。Genesisのガスペダルとか、もう

フォワードリーンは2段階

Contact Pro を買わなかった理由にはもう一つあった。それは、フォワードリーン。調整が2段階しかなくて、あんまり前傾入れられそうに無かった。前述の通り、ミニディスクのバインはセンタリングの調整幅が少なくなる。それに加えてハイバックリーンが入れられないと、バックサイドでキレるターンを作れないような気がしてやめた。買ってから気がついたけど、Bataleonのこれも2段階しかなかったw

実際に履いてみて分かったけど、元々のハイバック角度が適切なら、調整は2段階で不満なかった。荒れてて固い人工雪バーンで、強いバックサイドターンを作ろうとすると、流石に工夫が必要になるけど、それ以外のシチュエーションでは、まったく不自由がない。

Bataleon のこのバインディングをまとめると、Union の Contact Pro をクィックエントリーにした感じ?で、このバインディングを履いてみて、Contact Proに持っていたネガティブなイメージは払拭された。で…ボクが次に買うBC用のバインは、きっと Union の Contact Proだなw

まとめると、バインディングの基本性能ではなんの不満もない。バックサイドターンはハイバックで倒すというよりは、踵で押し込む感じになる。トウサイドも面で踏み込むのだが、アンクルストラップのサポート力が強くてレバレッジが効く。だからアンクルストラップをあんまり締め込まなくても済む。ベースプレートのカントのためかセンターに乗りやすい。ブッシングとミニディスクのおかげか、ジャガイモ畑やアイスバーンでも振動がカットされて疲れにくい。期待以上に、滑走性能のバランスが良かった。

クィックエントリー・バインディングとしてみると、ちょっと微妙ではある。トウストラップの位置が一発で決まらないので、微調整が必要になる。そして、踏み込んだだけではロックされない仕組みなので、エントリーして、アンクルストラップのラチェットをスライドさせて、2アクションくらい巻き上げ操作する必要がある。踏み込んでからラチェット操作するまでの間、後ろ足の荷重はカカトになるから、滑りながらの装着はチョット難易度が高い。でも、普通のバインに比べると、装着のスピードは確実に速い。

そんなわけで、ゲレンデで使うにはかなりおすすめできる。

BCではどうか?ちょっと微妙なところがある。

ハイバックを畳んだ時、ヒールカップからジョイントバーが突き出すのだ。ヒール側で蹴ってスケーティングする人(ボク)にとっては、このバーがスネに刺さりそうで怖い。実際は面取りがされていて、スネは無事なのだがあまりいい感じはしない。

畳めるハイバック、突き出すジョイントバー

BCではワンフットでの移動がわりと発生する。そんな時に、ヒール側に転倒したら、このバーは雪面にブッ刺さる。そこが、ちょうどバーが刺さるくらいのブレーカブルクラストだったらどうだろうか。何かしら壊れそうな予感がする。

ドラグしやすさについても書いておこう。BCで良くあるのが、高度を下げたくないトラバースだ。高度を維持するために、速度を維持する必要があるのだが、このとき表面が柔らかい crud snow だと問題がおこる。FASEのトウストラップは、表面形状(深いメッシュ状ラバーパネル)がドラグしやいので、湿雪やブレーカブルクラストでは強いブレーキになる。

ヒール側のドラグはヒールカップに左右される。装着状態ならば、FASEのヒールカップはノーマルバインと大差がない。トラバースの途中で失速して、後ろ足を外す必要が無ければ問題は無い…が、そんなことが得てしてありうるのがBCの辛いところだ。

BCで遭遇する、「距離は短いけど強烈な傾斜」についても書いておこう。ボクらシロートは、そこをダイレクトに落とすなんてことは無いのだが…そこをトラバースしたり、木の葉で降りないと帰れないみたいなことはある。ゲレンデで超急斜面というとだいたい40度くらい。45度というのが、営業しているリゾートでありうる最大傾斜ってところだろうか。で、バインの設計もだいたい…40度くらいでドラグしないって、そんな目安になっている気がする。

BCでやばい傾斜というのは、40度+α の傾斜で、そこが凍結してたりすると独特のノウハウが必要になる。無造作にヒールサイドエッジでトラバースに入ると、ヒールカップが引っかかってエッジが外れて滑落…こうなると最悪死ぬ。この点で非常に危険なのが Supermatic のボリューミーなヒールカップ。これも大きな理由で、ボクの選択肢から外れた(繰り返すけど、ゲレンデで滑るなら問題はない)。

ちなみに、ボクが経験したやばい斜面というのは、谷川岳西黒沢本谷の落ち込み、谷川岳赤谷川本谷のドウドウノセン・マワットノセンの側壁、上州武尊山剣ヶ峰西方シュート、といったところだろうか。そのあたりだと、斜度で言うと45度前後。滑落防止のアックス持って、トウサイドエッジを使って通過するか、ダブルストック使って早い切り返し(西黒沢本谷の記録に飛びます)でクリアするのが基本になる。

ヒールサイドのドラグ防止に有効なのは、そもそもヒールカップのないFlowやSPだと思う。しかしこの2つについて、ボクには語れるほどの知見が無い。

つらつら書いてきたが、やはりシビアな状況のBCでボクが連れ出すのは、Union の Atlasになるだろう。そして、Atlasを温存するために、Bataleonはゲレンデを中心にフル活躍してもらう。ただ、BCではどうかという視点は、やらない人にはまったく関係がない。なので、ここで書いていることは、参考にしてくれたら嬉しいが、好きなのを選んで使えばいいと思う。

そんな感じで、ボクのクィックエントリーバインディングへの回帰行が始まった。

あ、そうそう、このFASEシステム、履いてみたいという舎員にはどんどん試してもらいたい。ユーヤみたいに、雪面と喧嘩せず、繊細にエッジ角と圧を調整していく…バカっ速なライダーには特に向いているんじゃないかなーとか妄想してます。 オシマイ

2025年12月15日月曜日

流行りのクィックエントリー・バインディング(考察2)

前回の投稿では、BurtonのSIからK2のクリッカーあたりを振り返ってみた。

さて、「安心の日本製で信頼のシマノ」が、満を持して投入したアキュブレードについて書いてみよう。

ヨーイチ師匠とアキュブレードXTR(高級版)

Accubradeを買うかどうしようか迷っていたボクの背中を押してくれたのは、ヨーイチ師匠。師匠はさっそくアキュブレード投入されてたので(さすがです)、どうですか?そう聞いたらこうおっしゃられた。

エントリーしやすいっすね。左右にレールが付いてガイドになるから
ハイバックがあるせいか、すごい反応がクイックっすよ
ハイバックローテーションできるから、前振りでも問題ないっすね
ブーツのインナーハイバックみたいなのがなくなって、軽くなりました
ブーツが固すぎないので動きやすいっす
自転車屋のブーツ?って心配だったけど、超快適で本革でかっこいい

何よりもイイのは…

…なんですか?

値段が高くって、そう簡単に買えないじゃないですか。
人と被らないのがサイコーっすよね ← こればっか

スノーボードの上手い人は、タクジもシンヤもユーヤもカズくんもタカヤンもアメちゃんもみんなそうなのだが、人格的にはやや問題がある人が多いような気がするのだ。

しつこいですが、このブログはフィクションで、登場人物の発言は創作です

で、ボクもAccubrade導入を決めた。
ヨーイチ師匠と被って破門されないように、ボクはセカンドラインを選んだ。

バインは確か2モデルがあり、ベースプレートがカラーアルマイト処理されて、ハイバックもカーボン?強化された高級版のXTR(もちろん師匠はこちら)と…廉価版のXT(ボクはこちら)があったと記憶している。ブーツも同様に、師匠は一番高いやつ(確かイタリア製かなにかの銘柄革)、ボクは本革だけど普通のやつを選んだ。

Shimano Tripper ABブーツ

ちょっと笑ったのは、「Accubrade だけではブーツ開発費の元が取れないのではないか?」そう思ったのかどうか、フツーのソールバージョンも投入されたこと。そんでもって、ソールにクリートが埋め込まれていないフリーソールブーツは…フレックスが絶妙で軽く、スノーボードブーツとしての出来は数段上だったようだ…

ブーツ履き比べた結果…こんないいブーツが、Accubradeのクリートを埋め込むとこうなっちゃうんだ?…って感じて…Accubradeへの移行をやめた人がけっこういた…ダメじゃん

ヨーイチ師匠@至仏山 川上川

そんな感じで、道具としてはかなり頑張って開発されたAccubrade。マーケティング的には割と迷走していたような気がする。と言うか、Burtonがヘタ打って撤退したせいで、クィックエントリーバインの信頼がほぼゼロだったのが大きかった。時代の趨勢には勝てず、華々しくデビューしたAccubradeだが、ほんの数シーズンで撤退が決まった…ナンデヤネン

えっ?ブーツとバインで15マン近くぶっ込んだボクの立場は?

スノーボード事業を、鼻かんだ後のティッシュみたいにブチ捨てようとしていた「釣具と自転車部品メーカーのShimano」も流石に…そんな怨嗟の声を気にしたのだろうか…

越後の誇り、世界に冠たるテニスとバドミントンラケット!ゴルフクラブ!カーボンオタク!のYonex様が、Accubradeシステムをそのまま引き継ぐことになった。

さすが超一流メーカーのYonex様、バインディングはまったく問題なく引き継ぎを済ませて、ユーザーを救ってくれた。え?Yonex製の…Accubrade ブーツ?まぁいいじゃないですかw

Burton Supermodel と Accubrade

ちなみに、時代感を補足しておこう。上の写真は、今は亡き草津白根山のロープウェイで撮ったもの。

Burton Cascade、Fish(初代)Jones Hovercraft (初代)

ボクは物持ちが良いので、割と古いモデルを大事に乗っていた。まぁ当時はまだスキーのうほうが優先で、シーズン中のスキーとスノーボードは 2:1 くらいだったから、ボードも消耗しなかったし。だいたい…BurtonのFishのトップシートが割れ始めて、ムラスポが日本に Jones Hovercraft を独占初投入したくらいの話だと思って欲しい(かえってわかりにくいw)

そんな Accubrade とボクの別れがやってきた。理由はいろいろある。ブーツが重いこと、どパウや湿雪でハマらず地獄を見ること、これがやっぱり大きかった。

最終的に踏ん切りがついたのが誤解放…からの怪我だった

その日、ボクは北軽井沢のスキー場で滑っていた。人工降雪機の固く締まったバーンは、エッジも良く噛みスピードが乗って滑りやすかった。リフト降り場も良く踏み固められていたから、降りてそのままステップインがやりやすい。リフト降りる、ステップイン、バックサイドターンしながらカカト押し込んでロック、そこそこの斜面に飛び込む、みたいなのを繰り返していた。

10時くらいになったのだろうか、リフト降り場の雪がちょっと緩んできていた。んで、リフトから降りてステップインした時に…なんとなく…緩んだ雪が挟まって…カカトのロックが甘いような…気がした。でもまぁちょっとの雪ならバックサイドターンで踏み込めばハマるので、そのまま斜面に向かったら…そこに人がいた。人を避けるためにターンを切り替えてフロントサイドターンに入って、荷重がトウに移ったところで後ろ足が誤解放した…

この斜面は北向きで、雪は締まったままだった。エッジはしっかり噛んでしまって、ずらすことができない。ワンフットのトウサイドターンでやばい加速を決めたボクは、コース脇のグリーンネットを薙ぎ倒して…コース外の土の上に背中から転げ落ちた…

コースは人工降雪機の雪で覆われているけれど、コース外の地面とは段差が50cmくらいあった。「ワンフットでこの段差を落ちたら、ボードが変なふうに持って行かれて膝がモゲる」そんな恐怖があったので、あえてボードを宙に浮かせたままこの段差を、結構なスピードで落ちたのだ。

後頭部も強く打って、意識が少し遠のいたけれど、ヘルメットをかぶっていたので大丈夫だった。それより、背中を打って息ができなくなり、仰向けのボクは抜けるような青空を見上げながら…これで死ぬのか?と思った。

何分か空を見上げて苦痛にうめいていたら、ようやく呼吸が戻ってきた。ボクはボードを外し、コースに復帰した。肋骨が刺すように痛み(肋骨ヒビ&肋軟骨損傷)、屈むことが難しかったが、固くしまったコースをつぼ足で降りることができなかったので、とりあえず左足だけステップインした。肋骨の痛みで右足は嵌められなかった。

リフトの上から一部始終を見ていたスキーヤーの何人かが、パトロールを呼ぼうか?と声をかけていただいたが…斜度と雪面の固さからモービル搬送は難しそうだった。ボート搬送を頼むのも申し訳ないし、なんとか動けたので自力で降りる決断をした。

斜面の下を向いて座り、尻で滑り、左足のヒールエッジでスピードコントロールしながらボトムまでなんとか降りられた。

そもそもこの日、普段行かないこのスキー場に来たのは、「使い残したリフト券」を使い切るためだった。シーズンが終わろうかというタイミングで、残った早割りリフト券を使うために来て怪我をしたのは…不幸中の幸いだったのか?ボクのそのシーズンはそれで終わり。

そして…いいところもあったし、愛着はあったけど、最後まで100%の信頼を置けなかったアキュブレードに…ボクはサヨナラをすることにした。

13-14 Burton SL & Genesis(初代)Re-Flex  

そして、Burtonのストラップバインディングに乗り換えて10年…再びクィックエントリー・バインディングを、装備に加えることにした。クィックエントリーの便利さと怖さを知るボクが選んだのは FASEシステム。そしてブランドは、Bataleon…

正直…クィックエントリーの便利さだけを考えたら、他のシステムの方が優れていることはわかっている。バートンのブーツで問題ないならStep On、ブーツにこだわりがあるならNidecker の Supermatic が多分一番いい。でも、ボクがFASEを選んだのは、少しくらい便利さを犠牲にしても信頼できるシステムを選びたいから。そのあたりは次の投稿で説明したいと思います、長っ!