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2026年10月15日木曜日

SR600上毛三山DAY3 道の駅くろほね〜草木湖〜三境峠〜梅田湖〜蛇喰渓谷〜大山祇神社〜中山峠〜高崎駅(ゴール)

2夜目の仮眠は、3時間ほどぐっすりと寝ることができた。

道の駅くろほねの東屋は、ぐるりと巡らされた腰壁が風を遮って快適だ。内側には幅のある腰掛けがグルリとあり、中心には大きな木製のテーブルが2つ。

バイク乗りらしき人が仮眠中だったので、ボクは反対側のベンチにそのまま倒れ込む。出入りする車の音が気になったので、耳栓をする。浄化槽の臭いがしたけれど…あっという間に眠りに着いた。

1時間程して寒くなって目が覚めた。スリーピングバッグカバーを広げて潜り込み、もう一度眠って気がついたら携帯のアラームが鳴っていた。

長く厳しいSR600も、残り140km。朝5時再スタートで16時まで残り11時間…要求される平均速度は13キロ。通常のブルベの15キロよりは余裕がある…もしかして…時間内完走…なんとかなるんではないだろうか?キラキラ

そんな皮算用しながら、行動食で朝食を済ませて出発。渡瀬川に沿ってアップダウンのある国道を上流に向かって進む。丸美屋自販機コーナーでうどんでも食うかと思っていたが、先客もいたので先へ進む。
丸美屋自販機コーナー

傾斜が上がってきて、草木ダムの堰堤まで標高を上げ、ほどなくしてダム湖の真ん中あたりにかかる草木橋へ到着。
CP14草木湖

今だから言えるが、この時ボクの心の中には葛藤があった。SR600上毛三山の本来のコースは、ここから三境峠(サンキョウとうげ)を超えて桐生川の梅田湖に向かう。

しかし…この峠は土砂崩れ等で閉鎖されることが多く、その場合は代替ルートの選択が認められている。代替ルートは峠に行かず、ここから坂を下って西桐生駅が次のチェックポイントになる。峠越えが1箇所少なくなって獲得標高が減るから難易度も下がる。時間内完走の確率も上がるという訳だ。

臨時の通行止めだったことにして代替ルート走っちゃう?
熊の気配がしたので代替ルート選びました!でイイじゃん

そんな、悪魔の囁きがボクの脳内をグルグルと回っていた…

直前に確認したところでは、三境峠の災害復旧工事は最近完了したようだし、すでに坤六峠とか野反湖とかも走ってきているのに、ここで熊に日和るのも変な話だ。そもそもここでズルみたいなことしたら後悔するのは自分だ…と心を決めて三狂…じゃない三境峠へ向かった。
崩壊・落石・落葉・湧水…そして熊の気配…

この峠はピークが二つある。斜度のキツイヒルクライムに耐えた最初のピークから、一度標高を下げる。「せっかく登ったのに!もう降りたくない!」そう叫んで、多分その辺にいる熊を追い散らしながらボトムに着き…そこからもう一度登り返しが続き、ようやく二つ目のピークが見える。二つ目のピークにはトンネルがある、こちらが三境峠。
三境トンネル工事看板

急登続きでアキレス腱痛が悪化しつつあった。ここから下り坂で、本来ならば借金返済のチャンスなのだけれど…落葉シーズンで落ち葉の下に「落ちたばかりでカドがビンビンに立った落石」が隠れている。こんなんに勢いよく乗り上げたら、一発でパンク間違いなし。
時間内完走を諦めかけた姿…

単なるパンクなら、チューブレスタイヤはシーラントで自己修復してくれる。しかし、カーカスがきれちゃうようなパンクとか、サイドカットとかだと時間のかかる修理になる。はやる気持ちを抑えながら、ゆっくりと坂を下っていく。避けきれずに踏んだ石が弾けて、左右に飛んでいく。坂を下り切ったところで、リアタイヤが底付きを始めた。視認が難しい小さい穴が開いて、スローパンクが起きていた。

とりあえず電動ポンプでエアを補充して先に進む。1キロ程走ったところで、また空気が抜けてきた。水たまりを通過したあとでタイヤが濡れていたので、パンク箇所から泡が出ていた。

トレッド面とサイドウォールとの境目で、耐パンク層の入っていないところに2mmほどの 「I」 形の傷があった。水たまりでシーラントが流れてしまうので穴が塞がらないようだ。この先の路面は乾いているので、シーラントは効いてくれそうだ。電動ポンプでエアを補充して再出発。ここまでで20分程度は時間をロスしたと思う。

CP15梅田湖を過ぎて坂を下って桐生に出る。コンビニで朝食をとりつつ、パンクの様子を確認したところなんとかエア漏れは止まっていた。パンク2回程度は塞がるように、シーラントは多めに入れているのでなんとかなるだろう。
とりあえず朝ごはんを補給

ここから長いフラット区間が始まる。風向きは弱い追い風で、ルートは今まで何度も走って馴染みがある。ここで借金返済をするためにエネルギー補給、カップヌードルBigとおにぎり食べて再スタート。桐生の街中で累積走行距離が500km、残り100kmで時刻は8時20分…ゴールまで7時間半程度…ブルベペースのグロス平均時速15キロで届く計算だ。
桐生で500kmに到達

順調に飛ばして、CP16の伊勢崎みらい公園に着く。ここでボクは大事なことを思い出した。それは、「スタートからの累積距離だけで残り距離を計算していると、最後でどハマりすることがある」ということ。

600kmのブルベで、走行距離550キロだと、残り50km…3時間ちょいでゴール…と思ってしまう。しかし、そもそもブルベは誤差を考えて実際の走行距離は数%長めに設定されている。600kmブルベとかだと、実際は610km とかもありえるし、その場合60kmが真の残り距離となる。

もう一つは、「コースミスや立ち寄り」の影響だ。ミスコース1kmすると、戻ってくるのにさらに1kmで2kmロスをする。これが細かく積み重なっていくと、サイコンの走行距離よりも実際の走行距離が少ない…なんてことは割とある。

200や300のブルベならまだいいのだが、600だと数%の誤差、例えば3%の誤差でも18km、ブルベペースで1時間の狂いが出てくる。これを防ぐために、ゴールが近くなったらサイコンの設定を「ゴールまでの距離」に切り替える。誤差が多くなる「スタートからの累積距離」よりも、確実な残り距離と残り時間がわかるというわけだ。
CP16伊勢崎みらい公園

CP16 で走行距離は530km、残りは70kmのはず。ボクはここでサイコンの表示を「ゴールまでの距離」に切り替えた…残りは…97kmと出た…

えぇぇええぇっ!なんで?
ここでなんで30km近く増えんの??なんで?なんでぇぇ〜!

今から考えれば、キューシートを確認すれば済む話だ。しかし、500km走った頭はうまく働かないまぁその普段だって働いていないのだが。

「あーあそこのミスコースと、こことそこの寄り道が原因かぁ」って思い込んだボクは、残り97kmで計算してみる。今の疲れきったボクだと、届かない走行ペースが必要だった。

もう…ランドヌール部門でなくてもいい、ツーリスト部門での完走でいい。諦めの気持ちを抱えつつ、残りの平坦路のペースを下げないように走り、最後のヒルクライムへ。

蛇喰峡(じゃばみきょう)あたりで、疲労と睡魔で大幅にペースダウンした。計算すると、時間内ゴールは絶望的だった。ボクは休憩スペースにあったベンチに倒れ込んで仮眠した。

30分程度仮眠して、痛むアキレス腱をストレッチして、最後のCPへのヒルクライムを再開した。
CP17大山祇神社…

大山祇神社(おおやまずみじんじゃ)から、長いダウンヒルが始まる。途中でB級スポットのアダルト保育園。
アダルト保育園

今まで通り過ぎるだけで立ち寄ったことは無い。もう時間内完走は厳しいし、寄ってみようかなと思ったところでモーターサイクリストのお二人が出て来た。

…どうでしたか?
んーーーーーーー微妙っしたぁ 笑

ということだったので、「まぁそうだよね」という感じで進むことにした。
次こそは…寄るかも…w

下り基調で走りやすいR254バイパスをいいペースで走り、吉井に着いた。残り距離は28km、残り時間は1時間チョイ…疲れ切ったボクが、小さいとは言え峠(中山峠)を越えて平均時速30kmで走るのはムリ…ということでファミマで最後の補給を取った。
中山峠超え前に最後の補給

で…中山峠を登っている時に…ふと気がついたのだ

ん?まてよ?中山峠から高崎駅まで…20kmなんてないよな??
せいぜい10kmくらいしかないはず…
今は15時20分だから…リミットまで40分…
残り10キロなら間に合うよな?

あっ!と気がついたボクは、サイコンのルートを確認した。すると、「間違えてゴールを設定してトータル距離が625kmになったルート」をナビゲーションさせていたのだ。画面のゴールは高崎駅をはるか越えて、赤城山の裾野に設定されていた。

「スタートしてからの距離」に切り替えると、走行距離は592km…誤差があっても残りは…だいたい10kmで間違いない!間に合う!

これで数分とかオーバーでゴールだったらネタになるな…
なんであそこでカップラーメン食べてんだオレ?みたいな…

そんな気持ちがグルグルと回る。

峠から坂を下ると信号にひっかかった。

焦る気持ちでジリジリする。実は…この辺りは、子供の頃に自転車で何度も走ったことがあって、裏道をゴニョゴニョすると信号がホニャララなコースが頭に浮かんでくる。そっちを使えば数分は短縮できるかも…

ここでズルして時間内完走しても意味ないだろ!

ボクは頭の中で「慌てふためいて走り回る、ダークモードのボクの横っ面」を思いっきり引っ叩いた。

ブルベは審判のいない自己完結の遊び、だからこそ自分が後悔しない走りをしよう。ルール通り交通規則遵守、右折交差点は2段階右折をきちんと守り、高崎駅に着いたのは12分前。歩道で降車して自転車を押し、小走りでゴールのローソンに向かうと目の前に奥様が!

奥様撮影…

ローソンでレシートゲットして、ゴール時間を確定。15:52分ゴール、残り8分の時間内完走となった、マジかw
タイムアウトまで8分w

胸に手を当ててこの60時間を振り返ってみる。この8分間は、ルールを破ったり誤魔化したりしてひねくり出したものではない…そう自分で納得がいったので改めて喜びが湧いて来た。
しばしの放心w

奥様には、チェックポイントをマークした地図を渡してあった。そして、通過するごとにメッセンジャーで写真を共有していた。で、奥様は、「これならギリ間に合うんじゃね?」と考えてゴール地点まで来てくれていたのだ。

なんか残り1時間切ったタイミングで、トムヤムクンカップラーメンの写真↑が送られて来て、ビビった。パパ!なにやってんの?これどこ?カップラーメン食べてる場合じゃないよね?トラブル?大丈夫?とかいろいろ考えちゃった〜

どーもすみませんでしたw
タイヤダスト

自宅に戻ったボクはほぼ廃人に変身し、かろうじてシャワーだけ浴びてぶっ倒れて寝た。
ブレーキダスト

翌日は休みをとっていて、片付けとか洗車とかを済ませる。車体のあちこちに残る、普段とは違う痕跡にSR600の過酷さを見た。

こうしてボクのSR600上毛三山は、最後のドタバタはあったものの…時間内で完走できた。今年の自転車シーズンは、思うようにいかないことが多かったけれど、終わりよければすべてヨシ。充実した気持ちで終えることができた。

そして、1000kmブルベと今回のSR600は、オーバーナイト2回以上するなど共通するところがあるように感じている。そのあたりも、今後このブログでまとめていきたい、そんなふうに感じている。

ヒルクライムが苦手なデブだって、
諦めずに押して歩けば…
なんとかなることもある…

高齢者デブの希望の星…そんな存在に私はなりたい

おしまい

2026年10月14日水曜日

SR600上毛三山DAY2 沢渡温泉〜奧四万湖〜ロックハート城〜坤六峠〜赤城山〜空っ風街道〜道の駅くろほね(仮眠)

SR600上毛三山のDAY1を深夜2時で終え、ボクは沢渡温泉の公園で3時間仮眠をとることにした。だが…この公園…記憶では東屋とベンチがあった筈なんだけど…無かったアヒャヒャヒャヒャヒャ

ビーチパラソルを一回り大きくしたような形の屋根が、いくつか並んでいる。その下には幅の狭いベンチがいくつか置いてある。仮眠場所としてははなはだ心許ないけれど、疲労と眠気でこれ以上先に進む気力が無い。スリーピングバッグカバーに潜り込み、夜露で濡れて滑るベンチから、転げ落ちそうになりつつ寝た。

3時間のタイマーをセットしたけれど、2時間で目が覚めた。カロリーメイト主体の朝食を摂り、5時少し前にDAY2のスタート。

沢渡温泉から少し下って奥四万湖へのヒルクライム。往路は四万温泉の温泉街を通って上流へ向かう。なんと…立派な足湯があった。
ゆずりはの足湯と飲泉所

この近くにもいくつか快適な休憩場所があり…こっちで仮眠とれば良かったなぁ…熊出没注意の看板はあるけれどw
広い屋根に広いベンチw

ここで足湯に入ったら沈没間違いなしになりそうなので…飲泉所で温泉をいただくのみで先へ進む…
四万川ダム

ダム直下までは穏やかな登り坂が続き、ここから一気に堰堤上まで標高を上げる。当然ここは推し活…で乗り越える。奥四万湖の周遊道路は時計回りの一方通行。その一番奥がCP9の赤沢橋
赤沢橋

もうウン10年前になるが、ぼくはここにしばしば来ていた。この橋のたもとから入る林道の奥に、「湯の泉」という野湯があった。ダムの工事中に発見された自噴泉は、ダム工事の余った資材でゴニョゴニョして、現場の皆様の憩いの場所として活用され、それはそれは素晴らしい桃源郷に姿を変えたのだ。
もう野湯はありません

湯の泉はダム工事後もそのまま残され、ボクを含む一部好事家の間で良く知られるようになり…まぁその…名が知られすぎて色々な経緯があり…解体撤去された。その後一度行ってみたけれど、かっての姿は消え去っていた。サミシイ

周遊道から見る奥四万湖は随分と水量が少ない。
渇水中の奥四万湖

ダムからの復路は新道を一気に下り、中之条まで出てから高山村へ。草津からここまでコンビニが無かったので、最初に現れたセブンで朝食をとる。穏やかな登り坂から斜度が上がってきた先が、CP10のロックハート城。このすぐ先が今井峠で沼田へのダウンヒルとなる。
CP10ロックハート城

沼田でちょっと寄り道してすき家で牛丼…と思っていたけれど、水上のコンビニでカツ丼にした。そのまま利根川に沿って上流へ向かい、水上を過ぎて藤原ダムへ。
藤原湖

藤原を過ぎると、道は狭く急になる。
奈良俣ダム

奈良俣ダムへの分岐を過ぎると、通過車両がめっきり少なくなる。少し広い場所を探して、陽がかげるまえに湿ったビバーク装備を干す。
防寒着・スリーピングバッグカバー・雨具

照葉峡前後の急坂は推し活…道路の右側が渓流なので、そこを見ているフリをしながら押して歩く…
紅葉の木の根沢

なんかの滝

膝の痛みはさほどないのだが、膝を庇っているせいかアキレス腱痛が周期的に来始めた。
樹林が少し薄くなった先でCP11坤六峠に到着。
CP11坤六峠
坤六峠は、水上側からも尾瀬片品側からも何度か登ったことがあるが…今回が間違いなく一番キツイ…

ここから戸倉までのダウンヒルは、道が狭くて曲がりくねっており、斜度もある。陽が暮れる前に降り切りたいと思っていた。幸い日暮前に、老神温泉手前まで降ることができた。陽が落ちたのと、ここから先はまた補給ができないのでセブンイレブンで夕食。食欲が無く、買った弁当を半分くらいしか食べられなかった。痩せちゃったらどうしよう…

園原ダムの脇を下ったところのバス停で、1時間仮眠を取る。

ここから本日2つめの大ボス、赤城山の北面道路を登る。南側の前橋からだと標高差は1,300mくらいあった筈だが、北面からだと1,000m位なのが救いと言えば救い。だが…

標高差1,000m を、10kmで上がるってことは、平均勾配が10%…

いきなり直線的に標高を上げていく北面道路…サイコンの傾斜計で15%とかアホな数字が連続する。実際は10~13%くらいだと思うけれど、それくらいのところはもう諦めて押す。距離はせいぜい10km程度なので、2時間半も歩けばいいのだ…

CP12赤城神社
実際はそこまで時間はかからなかった。北面道路のピークを超え、鹿の群れが集会を開いている中を「はいはい、ちょっとすみません、通りますねー」といいながら下って赤城大沼(おの)のほとりへ。赤城神社がCP 12、気温は一桁台で止まっていると震えが来るので早々に南面道路へ向かう。

周辺ではそこかしこからエンジンを吹かす音や、タイヤを滑らせるスキッド音が聞こえてくる。人様の趣味や嗜好をとやかく言うつもりはないけれど、自分がここで生活していたら、深夜にこの音を聞かされ続けるのは…勘弁してほしいなぁ…これじゃぁ宿泊を伴う観光地としても致命的だよなぁ…とも思う。

南面道路を下っていく時には、数十台以上の走り屋さん達とすれ違った。みなさん車線を跨ぐことなく、整然と坂を登って行った。

斜度と距離のあるダウンヒルは油圧ディスクブレーキが頼もしい。空っ風街道で左折してすぐ、CP13の開運河童大明神。ここは地元民でないと、見過ごしてしまいがちなスポットだけれど、以前ここから下ったあたりに住んでいたボクは見知った場所。色も最近塗り替えられたようで、地元で愛されている河童さま。
CP13開運河童大明神

SR600 上毛三山はグンマーから一歩も出ない。これは地元民にとっては土地勘があるので有利であると言える。

ただし、他県との県境はほぼほぼ分水嶺で分けられている(渡瀬川・栃木県境は例外)。ということは「グンマーから出ない≒分水嶺を跨がない」ということ…で、これが心理的には、重大なDNFのトリガー要因だと感じた。

だってねぇ、赤城山南面の空っ風街道って、自転車乗りにとっては地獄よ?繰り返しやってくるアップダウン、しかも斜度がエグい。

厳しいアップダウンってさぁ、普通ならダウンヒルで加速して、惰性で対面のアップヒルを途中まで登れるじゃん?

ここねぇ…下り切った先がだいたいヘアピンカーブなのよwww

スピード出しすぎるとカーブ曲がりきれずにコースアウトしちゃうから、減速するでしょ?そうすると、カーブ曲がったところの「坂のボトムからキッチリ上り返し」ヨ。これがキツイwww

赤城山からの下り坂で、何度も思ったもん。

あぁ、ここで空っ風街道で左折しないで、スーッって降りちゃえば…
帰れるんだなぁ、暖かいお家に…

分水嶺跨がないんだから、鏑川、烏川、吾妻川、利根川、笠品川、渡瀬川…主要な河川にそって伸びる幹線道路に沿って「坂を降れば」、ほぼほぼ前橋・高崎まで戻れてしまう。

もう疲れた、やめよう、そう思った瞬間に気づく「あぁ、ここから下り坂で自宅に帰れる」という安心感…やばいやばいw

克己心の維持が…このSR600コースの核心なんだなぁ…そう気づいた2日目は、道の駅くろほねで終わった。時刻はまたしても2時を回っていた…

DAY3に続く

2026年10月13日火曜日

SR600上毛三山DAY1 高崎駅〜榛名山〜妙義山〜地蔵峠〜二度上峠〜草津温泉〜野反湖〜沢渡温泉(仮眠)

前回のまとめで書いた通り、自分の限界に挑戦する!と意気込んでSR600にエントリーしたものの…出走日が近づくにつれて気持ちは重くなっていった。

SR600はパーマネント・ブルベの一種なので、出走日時を選べる。天候などがよろしくなければ、延期することも可能だ。雨だったら延期しようか、寒波が来たら来年に持ち越しでいいか、そんな弱気の虫が囁いてくる。

幸か不幸か、600km60時間の二泊三日は晴れ予報。気温も平年並みで、強い風も吹かないという「絶好のサイクリング日和」の予報となった。
CP1・スタートは高崎駅西口4時

60時間の制限時間、考え方は丸二日の48時間+半日の12時間というのがしっくりくる。48時間後は丸二日、翌々日となる。今日スタートしたら、明後日がゴールで、出走時間の12時間後がリミットとなる。つまり、今日の午前6時にスタートしたら、明後日の午後6時がゴールリミットだ。

ちなみに、夜スタートするなら朝ゴールになる。今日の午後9時にスタートすると、明々後日(しあさって)の朝9時がゴール…オーバーナイトが3回になるので、難易度が上がる。

ボクが選択したのは、無難な朝スタートで時間は4時、ゴールは明後日の午後4時で二泊三日の行程となる。

4時スタート

朝4時の理由だけど、スタートは夜明け前で暗いけれど、最初のCP2伊香保までは上り坂でスピードが出ない。早朝で通行量も少ないから、フロントライトの照度を落としてバッテリーをセーブしつつ走ることができる。そして、ゴール想定の午後4時はまだ明るい。疲労した目や思考力でも比較的安全だ。これが朝6時スタートだと、走り出しは明るいけれどゴール直前の1時間は薄暮で、事故の多い時間帯にさしかかる。

想定通り、高崎駅を暗い中スタートし榛名山を中腹まで登ったところで夜明けを迎えた。
夜明け

アップダウンを越えて、水沢うどんで名高い水沢観音にたどり着く。
水澤観世音

ヘアピンカーブを登ると、水沢観音の大駐車場の奥に水沢山が見える。そこからフラット気味に先に進むと、日本のお寺とは少し趣の違うお寺の前にでる。
水沢山と台湾仏教の寺院

伊香保温泉へ短いけれど急な上り坂を交えて登る。
CP2は伊香保温泉

今日の課題はとにかく消耗しないこと。日暮れまでに脚が終わってしまうと、草津あたりで動けなくなる。そうすると、二日目・三日目が厳しくなる。
後方は明日横を通る子持山

展望所で写真を撮るフリをしながら休み、軽いギアでクルクル回して一と登りするとヤセ尾根峠。これで本日1本目のヒルクライムが終わり、獲得標高は1,200m程度なので…10分の1を稼いだ。これ、あと9本やるのかと考えると意識が遠くなる。
榛名湖へのダウンヒル

榛名湖を通り過ぎ、天神峠へ登り返すと榛名神社への下りとなる。
途中の男根岩…

フルーツ街道を下り、小さな峠を越えて旧中山道に出るとCP3の安中駅。
CP3安中駅

安中からはまた小さな峠を越えて富岡に出て、そこから鏑川を遡ってCP4の下仁田駅へ。ここまでは「平坦基調」で貯金が稼げる。
CP4下仁田駅

トラック・ダンプがすごい勢いで行き交う狭い下仁田街道を辛抱して走り、枝道に曲がって斜度が上がってくると妙義山へのヒルクライム。妙義山の南側からの登りは、距離は短いけど最後に傾斜が上がってくる。ここで踏ん張りすぎると、脚が終わってしまうので(以下略w)
写真撮ってるふりして休む

最後に2つ大きなヘアピンカーブを抜けるとCP5の中之岳神社。
中之岳神社

写真だけ撮って先に進む。下り坂で借金を返さないと後が厳しくなるのだけれど…ね
中之岳から鷹戻しの岩峰と茨尾根

松井田妙義ICの脇を下り、R18に出て松井田へ向かう。ここから地蔵峠を越えて倉渕に出るのだ。この道は補給場所がないので、セブンイレブンで食事をする。

地蔵峠は何度か車で通っているのだが、1箇所気になっているところがあった。背の高い砂防ダムを魚が遡れるようにつくられたらせん魚道。車だとシューっと通り過ぎてしまうこんな場所も、自転車だとヒョイっと見ていける。
上木馬瀬砂防堰堤らせん魚道

獲得標高は3〜400m程度の地蔵峠…軽いギアでクルクル回して…超える。峠の先は北向きの斜面に開かれた道路となり、路肩に近いところが苔と浮砂で絶妙に怖い。
地蔵峠

峠を下って二度上峠に向けて烏川に沿って上流へ向かう。
おしい…

もう補給できる場所なんてないんだろうなぁ、というところで現れる丸山商店。ここのおばあちゃまが、大変いい味をだしている。食料のチョイスはあまりないけれど、スポーツドリンクなどを買えるのはありがたい。
丸山商店

二度上峠の手前のはまゆう山荘でもドリンクは買えるが、車道から少し入らなければならない。
日本の秋in倉渕

はまゆう山荘から先、斜度が上がって地味に長くて厳しい二度上峠が始まる。この峠は何回か走ったことがあるのだが、猪はうろちょろするし、猿は叫ぶし、狸はキョトンとした目でこちらを見ているし…野生の王国かよ…
二度上峠…

陽が沈む直前にCP6の二度上峠についた。この浅間山に沈む夕日が見たかったので、間に合ってよかった。半袖ジャージから長袖に着替え、ウィンドブレークタイツを履き、ウィンドブレーカーを着て、ウィンドストッパーグローブを装着してダウンヒルに入る。
日暮の浅間山

北軽井沢へのダウンヒル途中で暗くなり、ヘッドライトを点灯。気温はどんどん下がり、ウィンドブレーカーを通して入る風で歯の根が合わなくなる。

北軽井沢を過ぎて嬬恋を通り、大津の交差点のセブンイレブンで補給を取る。ここから草津へのヒルクライムが始まるのだが…ここがとても…やばかった…

斜度がエグくて、道幅が狭く、路肩には丈の高い雑草が生えて道路側に倒れかかっている。横に寄れずに白線ギリギリの内側を走るのだが、後方から大型バスやらトラックやらが轟音を上げて迫ってくる。まぁ…みなさん…こんな夜にチャリがフラフラ坂道登ってるなんて思ってもないみたいで、わりかしギリギリを通過あそばされる…2カイクライシヌカトオモッタ

7つあるチェーン着脱所の、広くなった路肩に各駅停車で止まって休む。なんとかヒルクライムをこなしてCP7草津運動公園の道の駅に着く。

疲労感的には、「もういいよ、休もうパトラッシュ…」てな感じだったのだが…
草津道の駅

この先しばらく補給ポイントが無い。セブンイレブンで軽く補給し、夜食と明日の朝食と行動食を買い込み、防寒装備を身につけて六合村へダウンヒル。暗黒の六合村への道は寒さがひとしおで、奥歯がガチガチ言うくらいの震えが来た。

六合村に降りきった時には、体温が下がりきっていてここで仮眠をとるという選択肢はなくなっていた。ヒルクライムで身体を温めたい、という気持ちで野反湖へのヒルクライムが始まる。

花敷温泉への分岐を過ぎて入山を超えると、斜度10%超の急坂が連続する。夜も更けて気温も下がり、通る車もほとんどないので、人目を気にせず降車して推し活三昧。野反湖へのクライム、三分の一くらいは…押して歩いたような気がする。
野反湖!8度!寒っ!

気温は8度で冷え切っているが、歩き続けている身体は熱い。疲労と眠気で朦朧としながら、CP8野反湖自然休養林の石碑についた。

ここからのダウンヒル、今までの防寒装備では堪えられないことは分かっていた。そこで、もしもの時のための防寒着、モンベルのUL(ウルトラライト)インサレーションパーカーを着た。このパーカーは化繊の中綿なので、発汗時に羽織ってもロフトを殺さない。その上にモンベルの山岳用ゴアテックスレインウエアを着る。サイクリング用のウインドブレーカーと違って、このレインウェアは風を通さない。このモンベルコンビで寒さを乗り切り…尻焼温泉の川の湯で沈没したいという誘惑…あそこの川端には温泉溜があって、そこに横たわると床暖房みたいで気持ちいいんだよなぁ…を振り切って…暮坂峠のヒルクライムをすませた(我ながらスゴイよ)。

暮坂峠にある東屋で仮眠をとろうとしたのだが…なんというか…すぐそこの暗闇から、何人かがこちらを見つめているような…「ここで寝てはいけない」、という圧を感じた。結局、寝るのを諦め、再度荷物をパッキングして沢渡温泉まで降りて、公園のベンチで仮眠に入った、時刻は2時になろうとしていた。  DAY2に続く