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2021年4月20日火曜日

bum というライフスタイル Travel Trailer

2004年から15年くらい、僕はトラベルトレーラーを牽引していた。 

僕の仕事は不規則だった。原則土日祝日が休みで、有給休暇も取れる。でも、僕の役割はトラブル対応的なことが多く、突発的な対応で休日をずらさなければならなかったり。いつ、ドタキャンが発生するかわからないから、お宿の予約を取ることが難しい。

そうこうしているうちに、犬を飼うようになり、ペット可の宿しか選択できなくなり、さらに泊まりの旅行が難しくなった。そんな時、自宅の近くにキャンピングカーの店があったりして、気がついたらトラベルトレーラーを手にいれていた。

最初の牽引車(トレーラーヘッドとも呼ぶ)は三菱のデリカスターワゴン。乗ったことのある人はわかると思うけど、2トン以上の重量級ボディに非力なエンジン。あんなんで引っ張れるのか?って思うかもしれない。

4WDのデリカは非力だけど雪道も頑張った

でも、僕のデリカは2.4Lのガソリンエンジンを積んだレア車。回転数をあげればなんとかなった、エンジン音がやかましかったけど。荷物がたくさん乗せられるミニバンと、トレーラーの組み合わせはかなり使い勝手が良かった。

MTB乗りに、富士見パノラマに良く出かけた

デリカは5万キロくらいの中古を買って、17万キロくらいで廃車にした。アンダーパワーなエンジンでエアコンを回しながら牽引すると、夏場はリッター5キロくらいしか走らなかった。最後はエアコンが効かなくなって引退となった。

次はもうちょっと牽引キャパシティがあるヘッドにしようとおもった。しかし、エンジンパワーがあるミニバンは値段が高い。そんな時に知ったのだけど、アストロがたくさん中古車市場に出ているということ。調べてみると、アルファードやエルグラどころか、セレナとかノアなんかよりも安かったりして。一時期アストロはブームになって大量に売れた、それがブームが去って、大量に売りに出て、在庫がだぶついているということだった。

ちょうど自宅の近くに、アメ車を専門にやっているお店があって、そこで履歴がしっかりしているAWD(四輪駆動)のアストロを購入した。4.3LのV6エンジンはトルクフルで、エアコンかけてようが、牽引してようが、高速ならリッター8〜9キロ、街中でも6キロくらいは走った。なんだ、デリカよりいいじゃんw

か弱いおフランスのトレーラーと、荒くれアメリカンカウボーイ、的な

そして、アストロが良い点は他にもあって、レギュラーで走ること(注1)。そして、AWDが凄い性能が良かった。僕は雪道を走ることが多いので、基本的に自家用車は全部4駆なんだけど、アストロのAWDはどれよりも自然で、駆動のかかり方も理想的だった。

で、僕の家族は休みのたびに、ほぼ必ずお出かけしていた。

プーさんも快適

夏休みとか、有給休暇を取って、1週間まるまる放浪とか。娘の夏休みの宿題で、朝顔の観察日記があったので、朝顔の鉢植えも一緒に行動した。

このキャンプサイトで朝顔の鉢があったのは当家だけ、のはず

このトレーラーは Hymer というドイツのブランドで、製造はおフランス。前方に2人掛け、後方に4人掛けのテーブルがあって、それぞれシングルベッドとダブルベッドになる。他の装備は2口コンロと冷蔵庫付きのキッチンに、ファン付きのガスヒーター。3人家族+家犬には何不自由ない空間。

内装のデザインも好きだった

アストロが17万キロで寿命が来て(注2)、次はもうちょっと燃費がいいヘッドが欲しいと思ってエクストレイルに乗り換えた。これはディーゼルターボの2L。排気量は少ないんだけど、ターボの加圧が最大2気圧まで上がる仕様なんで、ガソリンエンジン換算なら3.5Lくらいのトルクがある。燃費も良くて、軽油なので、長距離を放浪するには最高のヘッドだ。

エクストレイル20GT クリーンディーゼル

ヘッドは3代入れ替わったけど、トレーラーの寿命は長い。家族で休みのたびにお出かけをした。ディズニーにも牽引していった。家犬をトレーラーでお留守番させて、TDLで遊んで、ランチタイムに戻ってお散歩とか、昼寝とかして、再度出動するとかね。

ベッドルームはトレーラー、昼間のリビングはスクリーンタープ

家族だけじゃなくて、友達も泊まりに来た。ベッド構成が シングル+ダブルなので、野郎3人の時はちょっと困ったけど。誰と誰がダブルベッドに並んで寝るのか?

まぁ、だいたい、罰ゲームで負けたやつがヘッド車で車中泊するとかになった。そっちはヒーター無いので、寒いけどねw

ヒーターぬくぬくで宴会

鍋物したり、フライパンでミニピザ焼いたり

結露は多少するけど、雪が降っても平気さ

冬の寒さが厳しい欧州で開発されたトレーラーなので、壁の断熱材も優秀で、アクリルの窓は2重構造。どちらかというと、冬を中心にした3シーズンがとても快適だった。

なんというか、僕の人生は割とチャレンジングで、波乱万丈系だった。今、僕は持ち家も財産も無く、大した貯金も無い。だけど、娘が中学校に入るまでの期間、もうこれ以上は遊べないくらい遊んだ。

この間奥さんがしみじみとこう言った。

「あの時期に、たくさんたーくさん思い出作れて、幸せだな〜。あれ以上遊べって言われても、不可能なくらい遊んだもんね。もう、悔いとかまったくないくらいに遊ばせてもらった!」

トレーラー、思い切って手に入れて良かったなって、しみじみ思う。で、そんな僕がトレーラーを手放した理由については、次回。

注1 輸入していたヤナセはハイオク推奨。でもね、アメリカではトラック扱いで、レギュラーで普通に走らせている。そして、北はアラスカから、南はメキシコまで、地続きならどこまでも走ることが求められる車。多少燃料の品質が悪くたってへっちゃらで、30万キロくらい走る。日本のレギュラーガソリン入れたくらいで、壊れないよ。

注2 てなこと言って17万キロで寿命になったのは、下回りのサビ。おそるべし、日本の融雪剤。