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2021年6月2日水曜日

スポーク切れの顛末

Ride5 で書いたけど、リアホイールのスポークが一本破断した。

僕のグラベルバイクは、イギリスのブランドで、イギリスの海外通販サイトの Wiggle から購入した。予算が限られているので、2年型落ちのエントリーレベル。だから最初についてくるホイールは頑丈だけど激重。ヒルクライムが辛いので、軽量なロードホイールを購入した。

ピンク矢印先が破断したスポーク

ブランドは Prime 、Wiggleと姉妹サイトのCRCが企画しているプライベートブランドだ。諸々の仕様で比較検討すると、ここのホイールが最もコストパフォーマンスが良かったから。というよりも、カーボンリムのチューブレス対応。ほんで、ディスクブレーキ用ホイールセット。それを限られた予算で買おうとしたら、現実問題としてこれしかなかった。

中国製のあやしいブランドの直販なら…もっと安く買えるのだけれども…命かかってる自転車のパーツには、やっぱり安全面で譲れない一線ってあると思っている。

届いたホイールセットはびっくりするぐらい軽量で、それまでのホイールは室内ローラー台専用になり、「いざという時に買った筈の軽量ホイールを常用」して 4,800km走行したところでスポークが破断した。

ニップルはリムの内側に落ち込んで、コロコロと音がする

破断した瞬間はよくわからない。自宅に帰って、メンテナンススタンドにバイクを乗せて軽く洗車を始めた。リアのホイールを回したところ、「チッ、チッ」て定期的に何かがあたる音と、「コロン、コロン」と、何かがリムの中で転がっている。

で、良くみてみたら、ノン・ドライブサイドのスポークが一本破断していた。

Non-Driveサイドが破断、ディスクブレーキの制動トルクが影響?

こんな時、最寄りのプロショップで、一流ブランドの正規品を買っていれば、サポートを受けられる。だがしかし、海外通販で買った物に関しては、基本的には自分でなんとかする必要がある。

海外通販は値段が安いけど、それにはちゃんと理由がある。ぶっちゃけ、通常なら間に入る輸入代理店やプロショップの利益を、中抜きによってカットしているということだ。

万が一の故障や不良、トラブルが起こった時に、中抜きしたプロショップに駆け込むということは、あまり美しくないような気がする(注1)。

で、まぁ、とりあえず状況を把握しなければならないので、バラす。スプロケットとブレーキディスクを外し、チューブレスタイヤを外してシーラントを捨て、シーズン前に張り替えたリムテープを剥がす。

みたところリムのダメージはない

回収したニップルとスポークを合わせると、ニップル内に6.9mm入り込んだところで破断している。ここは、スポークのネジ切りがスタートしているポイント。

ノギスの口の長さぶん、ニップルに入り込んだとこどで破断

で、Wiggle の保証対象になるのかなと思って、駄目元で問い合わせて見た。

ねーねー、これって、何らかの保証対象になるの?  
とりあえず、状態がわかる写真をいろんな角度から撮って送ってくれる? 
それと、どんな風に使ってたか教えてね?

すぐに返事が返って来たので、写真を撮って送る。

こんな感じで、僕の体重は 〇〇kg で、チェーン落ちもないし、破断したのはココ。
OK、確認して返事するね〜

で、「購入してから1年以上経ってるし、走行距離も長いし、スポーク&ニップルは消耗品扱いになるから保証対象ではない。ただし、こんなことならしてあげられるよ!」という返信をもらった。

正直…予想外に手厚いサポート内容だったのでびっくりした。誤解を招くとまずいので、あえてここでは、内容は書かない。で、僕は、少し考えた結果、自力で解決することを決めた。

破断したスポークとニップルの補修部品と、スポークプレップの小瓶をゲット。

ネットで全部揃うのが、本当にありがたい

知り合いから振れ取り台とテンションメーターも借りられたので、それを使って狂いを取る。結果として、走行に差し障りが無いレベルにまでは修復できた。

プロのレベルまでは治らないけど…
 
というより、多分破断したのは、本当に帰宅直前だったんだろうね。縦ブレは1mm 程度、横ぶれは3~4mm 程度出てたんだけど、新しいスポーク&ニップルを入れてテンションかけたら、縦ブレはほぼ無し、横ブレも0.5mmくらいまで戻った(注2)。交換したスポークは初期馴染みを考えて周囲より少し強めに張ってやる。

で、僕はWiggleにメールした。

自分で解決できたよ。

提案していただいた通りにすると、結構なコストがかかってしまいます。だから僕は自分で解決することにしました。そもそも、僕には夢があって、その一つは、自立したサイクリストになることなんです。今回、僕が本当に自立しているのか、自分を振り返る機会になった気がする。 

皆さんが親身に考えてくれたことに、本当に感謝しています。とっても守られている感じがしました。通販は不安だって人も多いけど、僕はこれからも皆さんのところを利用するでしょう。本当にありがとう。

カッコ付け過ぎかな?でも、まぁ、これは本音であって、みんながみんな、保証しろとか、ドーノコーノごね始めたら、通販というビジネスは破綻する。僕のように、近くに馴染みのプロショップが無いサイクリストにとって、通販の破綻は本当に死活問題になってしまうからね。

「メンテナンスや修理とか、自分でやるつもりはない。そんな暇があれば走る!」って人はもちろんそれが正しいと思う。実際のところ、作業品質を突き詰めていけば、プロショップで買って、そこで継続してメンテナンスするのが一番良い。

もし、僕のように、通販サイトでお買い物をするという決断をするならば、やっぱりある程度の覚悟はしておいたほうがいいんじゃないかな。基本、自分でなんとかするって感じで。

おしまい

注1 これは価値観の問題で、個人輸入で購入した並行品でも、さらっとプロショップにメンテナンスで持ち込んでも平気って人はいるだろう。そして、そうした製品のメンテナンスを歓迎するショップもあるらしい。

注2 今までやったことなければ、振れ取りに手を出すのはお勧めしない。僕は今まで振れ取りの真似をいろいろやって、痛い目にもあってきた。いきなり固着したニップルを回そうとしたら、スポークがねじれちゃったり。ニップルの角を舐めちゃってドツボにハマったりとかね。