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2025年11月13日木曜日

端境期のクライミング…やっぱ楽しい

すっごい乱暴に、分けてみていいですか?
その…接待に…使えるかどうかで…スポーツを分けてみて…いいですか?

いきなりどうしたの?って?

前から感じてたんだけど、ボクの周りでゴルフをやる人って仕事の繋がりしか居ないんだ。仕事が絡まない友達でゴルフをやる人ってすごく少ない。

少ないながらもゴルファーは居るけど、「ゴルフはゴルフでも使うのはボールじゃなくてフリスビー」とか…で普通のゴルファーはほんといない。

つまり、普通にゴルフやる人とやらない人って、多分ライフスタイルが全然違うんだ。一つの理由として、ゴルフをやる動機には「接待」があるからじゃないかな?そう思ったのだ。別にゴルフに興味はないんだけど、「接待で使うから覚えなさい」と言われてクラブを買ったとかね。

クライミングは接待には向かない、と思う。

ショートルート、マルチピッチ、バリエーション、ボルダリング…どう考えても接待に使っているイメージが湧かない…

うん、そういえば、接待クライミングしてるかもって友達はいるな…っておい…

そりゃぁ、モン◯ルとか、ロス◯アローとか、パ◯ゴニアとか、コロン◯アとかなら、あり得るけどさぁ(ありえるのか?)、そーじゃなくて、いわゆる業界じゃ無い人たちの中では接待クライミングは多分ありえないよね。

 元ホームのGoofy

一つの理由は、クライミングは優劣がはっきり出るから。

クライミングは誤魔化しができない。登れるか、登れないかのどちらかであり、周囲がおだてようが、本人が調子に乗ろうが、気合い入れようが、カッコつけようが…ふてくされようが…まぐれで登れることも基本的にはない。

僕の場合なんか調子に乗って限界ギリギリのボルダリングしてたら、肩ぶっこわれて両肩ともに脱臼の手術したけどね…

で、僕は自転車や登山と、スノースポーツの間の時期にちょろっとクライミングをする。特に雨の日とか、いろいろ他の用事があって丸一日遊べないような時にする。

以前はわりと一所懸命に登っていた時もあるけれど、あんまり上達もしなかった。高所恐怖症だし…

お初のコロレ

最近は登るとしてもボルダリング、せいぜい1〜2時間遊ぶだけのエンジョイクライマー。

なんか登山の行程で岩場があるじゃない?鎖がある、無いにかかわらず、岩の持ち方、足の置き方、ボルダリングをやっておくと役にたつと感じている。なので定期的に登る。

猫と大仏

不思議なもので、以前真剣にやってた時と、ダイエットすら適当でたまにしか登らない今と、登れるグレードがあんまり変わらないwww

看板猫に癒される

 僕のやっているスポーツ…ゲレンデのスノーボードはギリ接待で使えるかもしれないけど.他はすべて自分の、自分だけの楽しさのためにやっているな。ブルベとか接待で使ったら絶対相手に怒られて、接待どころじゃなくなるのは間違いないけどね。

人のためじゃなく、自分のためにやるスポーツはやっぱり楽しい、そう思いませんか?

もうすぐ雪、来るシーズンも、皆々様よろしくお願いいたします。ご要望があれば、BCにもぜひぜひご案内させていただきますし、なんなら荷物もお持ちいたします。どうぞなんなりと…お申し付けくださいませ❤️ グヒヒ

2025年11月6日木曜日

ちょっと近場をポタリング・上毛三山 妙義山

この間、近所をのんびりポタリングして、こーゆーのもやっぱり楽しいなぁ、改めて思った。

そんで、上毛三山のひとつ、妙義山にポタリング出かけたという話…



Bryton のナビゲーションで、妙義山の南側に回り込んでからヒルクライムするルートをセットした。乗り物を「自転車」で設定しておくと、すごい細い道を優先して選んでくれる。普段だったら絶対に通らないところを進むので、新鮮で楽しい。

サイクリングロードの向こうに妙義山が見えてきた。

穏やかな秋の1日

上毛三山の中では一番獲得標高が短く、斜度もほどほどなヒルクライムをこなすと妙義山が見えてきた。

こっち側から登るの初めてかも?

巨大な大黒様と妙義山

今日もRidgeback 先輩

少しパラパラと雨が降ったりした。

オドロオドロしい空

見上げると、妙義山ってほんとに山容がえぐいよね。あの稜線を歩いたなんて、ちょっと信じられない気がする。ま、たまに登りたい気になるんだけどね。

稲刈りシーズン
田んぼの向こうに妙義山のスカイライン、その後ろに裏妙義。裏妙義もずいぶん登ってないな…

少しボルダリングで岩の感触を取り戻したら、登ってみようかな、そんな気持ちになった。

紅葉にはまだ早かったけれど、良い運動になりました。
おしまい

2025年11月2日日曜日

ちょっと近場をポタリング・棚下不動の滝

午後から弱い雨予報の休日、一応雨対策だけして北に向かって走り出した。

行き先は特に決めずに、雨がポツリポツリ降ってきたら帰るつもり。考えてみれば最近はブルベばかりで、こうした自由気ままなサイクリング(ポタリング)をしていなかったな。

とりあえず利根川サイクリングロードに出て、北に向かって渋川まで。サイクリングロードのはここまで利根川の右岸を通して続いている。

右岸をそのまま遡ると国道17号に入る。R17は大型車が多く、路肩が狭く、路面が荒れていて面白くない。そこで橋を渡って左岸を遡る。

利根川左岸道・お気に入りスポット

道幅が狭く、大型車通行禁止のせいもあって、のんびり走るのにちょうどイイ道が続く。穏やかなアップダウンもあって、少しずつ高度を上げていく。

コーナーの向こうに、水線が見えない滝が現れた。

水流が見えないのは雌滝?

そう言えば、この道沿いに、日本の滝100選にも選出された滝があったな…
いつか行こうと思っていながら、未訪だった…今日がそのいつか行く日だな…きっと

遠景

やがて、不動明王像が道路脇の駐車場に見えてきた。

大岩に穿たれた不動明王像

この大岩と不動明王像の由来は、横に説明がある。東日本大震災の地震でこの大岩が崖の上から落ちてきたんだそうだ。幸い被害はなく、震災の犠牲者を悼み、今後の安寧を祈念するために彫られたというようなことが書いてある。

脇の急峻な遊歩道を歩いて登る。
ここから見える滝のようなものは、どうやら雌滝らしい。本体の雄滝への道は、尾根を回り込んでいくので下からは見えない。

雌滝?

眼下には利根川が曲がりくねって降る。対岸はひするまキャンプ場。ここは以前1泊したことがあって、なかなか良いところだったことを懐かしく思い出した。

利根川…高いところ苦手なボク

尾根を回り込んだら、意外なくらいに立派な公衆トイレと、鳥居が見えてくる。

鳥居

お社

ここまで登ってくるだけで、何人もの参拝者とすれ違う。後ろを振り向くと、下からも数人が登ってくる。結構人気のあるスポットなんだね。

道は自然歩道のようになり、一と登りすると滝が見えてきた。

水流!

ハング下にもお社

遊歩道は滝の下に伸びていて、滝裏からの景色も楽しめる。



ひするまキャンプ場

想像していたよりも数段立派な滝だった。今度奥さんも連れてこよう、そう思いながら駐車場に戻る。

左岸道を再び遡って沼田方面へ。
上越線の線路鉄橋のトンネルが見えてきた。


この辺りはずっと落石注意の看板が出ている。
路上に岩屑が出ていることがあるので、注意して走行する。



もう少しで沼田、というところでポツリポツリと雨が落ちてきた。
気温も下がり、風邪をひきたくないので引き返すことにする。

下り坂基調の帰り道はあっという間。
北橘の、かのうやさんを通りかかったら入店待ちがなかったのでin

かのうやさんの昭和ラーメン・メンマ増し

少し冷えた体をホッとするラーメンであたためて…外に出たら…

雨が本降りになっていた…

2025年8月31日日曜日

長瀞のガイド付きMTBツアーが楽しい BLSS(Bike Life Support System)

兄弟舎 舎員のタカやんがMTBにハマっている。息子ちゃんも大きくなって、一緒にMTBに乗って楽しんでいる。普段はローカルのトレイルを、時々は「かたしな高原スキー場」のゲレンデで走っている。

微笑ましく聞いていたら、「MTBの聖地的なところに行ってみたい」という話になった。距離長めで、ゴンドラでガーンって上がって走れるところがいいと。

聖地かぁ…

富士見パノラマ
白馬岩岳
野沢温泉
白馬47

そんな感じで候補を上げて、日程決めて…雨予報…候補エリア全部雨予報w

当日は昼頃まで天気持ちそうではあったのだけれど、前夜に雨予報。そうすると、朝はウェットコンディションでのスタートになる。初めてのコースで、ウェットは厳しい。根っこ、岩、ガレ場、ドロップ…全部難易度が上がっちゃうし、遠征して怪我したら帰りが大変。

撮影サービス付き

そしたらタカやんが、「長瀞…は天気持ちそうですよ?

ということで、blss バイク・ライフ・サポートシステムのMTBツアーの予約状況を確認したら、参加可能!ということで行ってみた話。

集合場所

長瀞駅の南口を、少し西に行ったところにBLSSはある。ボクは何度かここのツアーに参加したことがある(過去の投稿はこちら)。

タカやんと息子ちゃんは、Specialized のMTB持ち込み。ボクは今MTB持ってないので、レンタルした。

レンタルバイク

ずっと気に入って乗っていた GT iDrive 5 が、26インチホイールだったことを覚えてくれていて、Trekの26インチフルサスバイクを用意してくれていた。

ボク・タカやん・ジュニア

BLSSのツアーはトランポ付き。
アシスタントのキョウちゃんがサポートして、車を回してくれる。ヒルクライムが車で済むことで効率よくコースを回ることができる。

扇風機大事

キャラバンの後席にはエアコンが無いけど、乗車時間は短いので苦にはならない。扇風機もあるしw

最初はジープロードから

息子ちゃんは年齢制限的にはギリギリなんだけど、MTB経験者。最初のジープロード・ダブルトラックは無問題。

岩瀬プロガイドは、タカやんと息子ちゃんのライディングを確認し、2本目からはシングルトラックに連れて行ってくれる。

シングルトラック・ヨユーのジュニア

まってー!置いてかないで〜! 笑

タカやんもジュニアも快調に飛ばしていく…速いw

父と子

親子でこーゆー遊びできるのいいよなぁ、ウチもこうなる筈だったんだけど、娘はインドア派になってしまった…w

適時アドバイス

岩瀬ガイドは、元MTBの全日本チャンピオン。それも、一回頭を取ったとかじゃなくて、シリーズチャンピオンだった、勝ち続けた人。

速いってだけじゃなくて、MTBで走るのが大好き。その楽しさを多くの人に伝えたいと考えて、BLSSを立ち上げた人。そんな人だからもう、ツアー参加者への目配りが凄い。

自分で一から作ってきたトレイルだから、全部頭の中に入っている。走りながら振り向いて、後続のコース取りを確認し、コーナーでタイヤのスキッド音を聞き…
疲れてないか、自信持って走れているか、機材に不具合はないか、確認してくれている。

午前中に3本走って、長瀞のお蕎麦屋さんでランチ。

ランチ&散歩で石畳見に行った

BLSSに一度戻って、水分補給して、午後のライディングに備える。

冷たいおしぼり&ドリンク付き

息子ちゃんも、岩瀬ガイドのすぐ後ろを走ることで、そーとー刺激になったみたい。タイヤの空気圧設定の大事さとか、ブレーキの掛け方、斜面の傾きにタイヤをどう合わせるか、目をキラキラさせながら聞いている。

午後、初級のシングルトラックを走った後、根っこルートにいくことになった。
ボクはここでGTバイクを放り投げて崖から落ちたことがあるw

肩の脱臼・靭帯損傷で抑えが効かなかったのだが、地味にトラウマになっていた。その現場を再訪…

この段差でバランス崩した

ここここ。シングルトラックの途中で、岩盤が露出している。トラックを斜めに横切る形で岩が出ていて段になっているのだ。この岩でフロントホイールが右に押し出されて、ボクは肩の怪我のせいで抑えが効かず、崖下にダイブすることになった。

この崖に前転ダイブした

その時は下草が茂っていて、間伐材が散らばっていた崖。今回は綺麗に手が入っていて見通しが良い。改めて見ると…結構な斜度で…よく無事だったなオレ…

そんな感じで、トラウマも解消できて良い1日でした。
おしまい

2025年8月22日金曜日

学生寮の話: 西寮の無頼漢・タテカンタンカ (2/2)

西寮の先輩らしからぬ、柔和で笑顔が素敵なJun先輩から、ナベちゃんとお酒に誘われた話を続けよう。

「Junさんって欠点って無いの?」そう聞いたら、ナベちゃんは腕組みしてしばらく瞑目し…

酒癖は悪いかも…

ボクはビビってさらに聞く。

酒癖が悪いって…殴るとか?
ん?いや?武道の有段者だから、それは無い。
なんかね、幸せになっちゃうんだよね…ずっとニコニコしながら飲んでる。
それは…別に…酒癖悪く無いと思うが?
んーーーー表現が難しいなぁ…
あの人、いい人じゃん?で、周囲に悪人がいるってこと忘れるくらいにハッピーになっちゃうんだよね。そんで、ニコニコしながら際限なく呑んで、しまいには寝ちゃうんだよ…
で、起こすと殴られるんだ?
いや、だからそれは無いって。

なんか、そんなに心配するほど酒癖悪くなさそうで一安心。ボクは話題を変える。

そもそもだな…なんでJun先輩にお酒誘われたの?
あぁ、今度、彼女とスキーに行くんだって。
どこのスキー場がオススメか教えて欲しいって言われてんの。

なるほど…

当時はスキーブームの真っ只中だった。
ボクはグンマー出身、ナベちゃんは東北出身、スキーの足前には自信があった。オススメのスキー用品や、スキー場や、スキーバスツアーや、色々相談されることもあった。

谷川岳天神平のゲレンデサイド

リフト待ちがとにかく酷かったし、レストハウスも満席があたり前だった。だから、デイパックにランチを入れておいて、ゲレンデサイドで休憩したり。

天神峠のお社

周囲で一番高い場所にある鳥居の下から、なぜか湧き水が溢れ出してるとか、そんなマメ知識が割と役に立つ時代だった。

で、ボクとナベちゃんは、風呂を済ませてから Jun 先輩の部屋を訪問した。

入塾のご挨拶や、自己紹介で散々やらされた作法通りドアノックを3回して、返事を待って入室する。

マメで几帳面で、キチンとしている、そんな性格通りの整った部屋。

シワのないベッドと、4人が座れるラグにクッションがある。ちゃぶ台に、ウィスキーボトルとビールに、ガラス製のコップが並んでいる(洗うのが面倒だし、割れるので、ガラスのビールグラスを使っている人は珍しかった)。

おー入って入って〜良く来たね〜
ヒデオと呑むのは久しぶりだね、今日は色々教えてよ〜
キミと呑むのは初めてだよね?名前は?なんて呼んだらいいの?ヒデオと親しいの?W大?

Jun 先輩は、朗らかに声をかけながらビールを開けて、ツマミを勧めてくれる。なんていい人…  

ふと…なんとなく…違和感を感じて、壁を見るとベニヤ板が立てかけてある。良く見ると、1寸角の杉の角材で畳ぐらいの枠を作り、そこにサブロク(3尺x6尺)のベニヤが向こう側から張られている。和室の襖(ふすま)の、襖紙を貼っていない押入れ側を見ているような感じだ、それが壁に立てかけてある。

それは、演劇部の大道具の一部みたいに見えた。

Jun 先輩… 演劇とかやるんですか?

ボクが聞くと、Jun 先輩は照れくさそうに「裏側を見てごらん」という。ベニヤ板を壁から離して、裏側(本来の表側)を覗き込んで…ボクの呼吸が止まる。

学費値上げ反対!
革◯ル、中◯派、セクト主義粉砕!
大学当局の横暴を許すな!

赤とか黄色とかの原色で書きなぐられた…これは…アカン、アカンやつや…なぜここに?
Jun 先輩は、いつもの温厚な笑顔で続ける。

本当は返しに行かないとなんだけど、ヒデオがやめろって言うから…

そのファーストネームヒデオ、ラストネームナベちゃんが続ける。

Jun 先輩交えて馬場で飲むとさぁ、近いって油断があるのか、いっつも飲みすぎるんだ。早◯田まではなんとか帰って来るんだけどさぁ、◯学部の前あたりでいつも寝ちゃうんだよ。無理やり起こすと、「そこの立て看で運んで」って言うんだぜ。いや、タテ看はやばいっすよって言うんだけど、「ボクはT大だし、普段はここにいないから大丈夫、大丈夫!」って。

ヒデオ〜いっつも飲みすぎるって、それは言い過ぎだろう?
いや…3回ありましたよね?

ん? ボクは壁に立てかけてあるタテ看の裏を見た。そこには…確かに…横倒しで立てかけられたタテカンがあと2枚…あった。

ボクの背中をちょっと嫌な汗が流れる。

バレてないの?

誰かが取ってったことは気づいてる、あたり前だけど。
翌週見に行ったら、「タテカン返せ!」って書いてあるタテカンが立ってたし…

えっ?なにそれ面白い!
タテカン返せってタテカン?面白い!

ちょっと黙っててもらっていいですか?

ナベちゃんと今後どうしたらいいか相談した結論は、とりあえずほとぼりが冷めるまでこのまま。いつかタイミング見計らって、解体して粗大ゴミで捨てるしかないか…

ふと振り向いたら、Jun 先輩は横倒しになって寝ていた。
スヤスヤと寝息を立てて…なんか、寝顔もニコニコしていて…ちょっとだけイラッとした

2025年8月17日日曜日

学生寮の話: 西寮の無頼漢・タテカンタンカ (1/2)

ホントーにくどいですが、このブログの内容はフィクションです

時々ふと記憶をたぐって書く、学生寮の話は結構人気がある。
今回は、Jun さんという先輩の思い出話をしてみよう。

まずは長い前振り

今はすでに遠い昔になりつつある、バブル期の飲み会は「闘い」だった。新宿にあった「居酒屋ビル」でコンパした時の写真がこれ。

居酒屋の垂れ幕がヤバい

ボクが所属していたサークルは、「イッキはあった」が「強制はなかった」。飲めない人、飲みたく無い人は飲まずにすんだ。何を言っているのか分からないとおもうが、当時の雰囲気では、理性的なほうではあったと思う。救急車騒ぎは…あったけれど。

闘いに敗れる10分前

なんというか、会費の分以上は飲まないと負け、みたいな雰囲気で、酔い潰れるまで飲む。で、酔い潰れると、後輩がワラワラと、油性マジック持って集まってくる。

コンパにマジック持ってくるんじゃねぇよ…なんで油性なんだよ…水性でいいじゃねぇかよ…なんで極太マッキーなんだよ…

酔い潰れた男は、おもちゃになる。
酔い潰れた女を、おもちゃにしたことはない。その点だけはしっかりしていた。

可哀想な、た◯ぐち君

顔への落書きはまだいい。
いや…よくは無いが…まだいい…

問題なのは、鼻の穴の中とか、耳の穴の中とか、「物理的に洗えない部分」に着色されると、数日間はそのまま過ごすことになる。夏休み入る前の日のコンパでコレやられて、まぶた、耳穴、鼻の穴…赤やら青やら黒やらで彩色されたまま実家に帰省し…あやうく勘当されそうだった奴もいた…ゴメンよ

何が言いたいかというと、バブル期の学生の飲み会とは…呑むか呑まれるかの戦場であった…ということだ。

前振り終わり

ボクが棲んでいた学生寮、西寮はヤバめの先輩濃度が高かった。

「表札フェチ」事件の後、ボクは西寮を訪問する時は用心にも用心を重ねるようになった。変な人に目をつけられたら、こちらまで塀の向こう側に落ちかねないからだ。

ある日、寮の食堂で西寮のナベちゃん(仮名)と夕食を取っていると、Jun先輩がやってきた。

よう、ヒデオ!(ナベちゃんの下の名前)
後で部屋来てよ、ちょっと聞きたいことがあるんだ!

そして、ボクの顔を見て整った白い歯を見せてニッコリ笑って言った。

君も一緒においでよ、ヒデオの友達なら一緒にお酒飲もうぜ!

Jun先輩は、180cmくらいの長身、色白の艶々肌に切長の涼やかな目、水泳やってそうな広背筋と胸板に引き締まった身体、真ん中でふわっと分けた髪はサラッサラで、うっすらブリーチがかかっている。POPYE や Hot Dog Pressの表紙に出てきそうな、いかにも育ちの良い、サーファーっぽいナイスガイ。

ボクは怪訝に思ってナベちゃんに聞いた。「西寮にあんな先輩いたっけ?」。ナベちゃんは色々と教えてくれた。

Jun先輩はT大の文系看板学部に現役合格。在学中に公務員上級職と弁護士資格を取る見込みだそうだ。勉強してたらどっちも被る分野があるので、どうせなら一緒に取ってしまおうということらしい、なんだそれw

でまぁ、色々がハイスペックなのに加えて、ルックスがあれで人柄も良い。だからもうソートーモテるらしい。先輩の仲間によると、先輩と話した妙齢(17歳〜60歳くらい?)の女性は、先輩と話すと頬を赤らめて、上気した顔で…小走りで走ってきて…「なんかジュンとしちゃった」と言うんだそうだ。そんなバカなと思うだろうが、もう、ほんと全員、モジモジしながら、漏れなくなんか漏れてるのかもしれないがジュンとしちゃった!」っていうんだそうだ。そんで、いろいろあきれた周囲は、なんとなく…先輩を Jun さんと呼ぶようになった。

誰に対しても分け隔てなく接し、フレンドリーで礼儀正しく、モテまくるのに浮いた話はなく彼女一筋。世の中にこんなできた漢がいるのか??

腕っぷしはどうなの?そう聞いたら「拳法の黒帯で合気道は袴持ち…」

歌舞伎町で、酔っ払ったヤーサンたちに絡まれたことがあったそうだ。先輩は、ことを荒立てないように、ひたすら謝っていた。そうしたら、ヤーサンは調子に乗って、一緒にいた女子に集団でちょっかいを出し始めた。先輩は、仕方なしに、謝りながら制圧したらしい。

あっ、ごめんなさい!

そう言いながら外腿への下段蹴りで動きを止める

もうもうやめましょうよ、危ないですよ!

そう言いながら相手のパンチを受けつつ、手首を掴んで放り投げる。新宿駅東口交番からお巡りさんが駆けつけた時は、3人を同時に組み伏せながら…謝っていたらしい。

ヤーサンたちは本署に、先輩は交番に連行された。調書をとっているときに判明したのが、当時の新◯暑の署長さんが Jun さんの同窓の先輩…相手に怪我もさせていないし、事情が事情だし、相手も相手なので無罪放免になった。

欠点って無いの?そう聞いたら、ナベちゃんは腕組みしてしばらく瞑目し…

酒癖は悪いかも…
えっ?ちょちょちょっちょ…さっき俺たち、酒に誘われたよね? 
なになになになに?なにが起こるの?

コワイヨー
ダレカタスケテー

つづく

2025年8月14日木曜日

学生寮の話: 西寮の無頼漢・表札フェチ

 ホントーにくどいですが、このブログの内容はフィクションです

ブログ主として励みになるのは、アクセスログ。
こんな国から見に来てくれてるのか!とか、こんなにたくさんの人が読んでくれたのか!とかね。踏み台使ってとか、ロボットとかそーゆー話はいらんのだよ。

当たり前だけど、マニアックすぎる話はアクセスが少ない。結構時間かけて書いた投稿が、全然読まれてないと結構凹む。それに引き換え、僕が棲んでいた学生寮の話は、結構人気がある。何かが降りてきて、さらっと書き殴った投稿にびっくりするくらいのアクセスがついたりすると、

君らヒマなん?

そんな悪態もつきたくなる。

寮から徒歩3分の教会

僕が棲んでいた学生寮は、お上品で高級な文教地区にあった。


すぐ近くには、有名な教会があり。
すぐ隣には、当時都内でトップ5に入る高級ホテルがあり。

わりと近くには、地方出身の優秀な女子学生が集う女子大があった。 

可愛い娘を手元から離したく無いご両親の目を欺く、じゃない、親の愛というくびきを振り切るために、「良妻賢母になる勉強をするから!卒業したら地元に帰るから!」という言い訳で上京してた、カントリー・ヤング・レイディのための女子大だった。彼女たちが卒業後、本当に地元に帰ったのかはよく分からない。

そして…
お隣と言っていい距離に、元総理大臣のお屋敷があった。

その学生寮は、食堂・講堂・浴室がある本館を囲むように、北・南・西の3つの寮棟が建っていた。各寮独特の文化があって、ボクの居たのは硬派の北寮。そして、軟派の南陵、野人の西寮…という感じだ。

各寮の交流は…「年に1度の体育祭」という名前の、血で血を洗う抗争以外は…あまり無かった。ただ、ボクは、西寮に何人か親しい奴が居たので、オドオドしながら遊びに行ったことがあるw

この投稿はそんな感じで西寮に遊びに行った時の話(前置き長っ!)

友人の部屋でだべっていたら、先輩に呼び出されての部屋に遊びに行くことになった。

ビールをいただいて飲んでいると、隅に表札が2つ転がっている。見るからに高級そうな表札で、表面には「T中」と書いてある。

ん??「T中?」先輩の苗字とは違うやんな?

不思議そうに見ていると、先輩が気がついてこう言った。

おう!お宝に気ぃついたか?
一個目は、去年手ぇ入れたんやで。
機動隊のおっちゃんがしっつこく追っかけてきてなぁ、危うかったんやぁ。

えっ?き、機動隊?それってもしかして???

せやで!!一個めは単独犯やぁ!

そう言って先輩は愉快そうに笑った。

あのぉ、一個めは単独犯?ってことは?

おう、一個目がちょいギリギリやったんや…
そんでな、ほとぼりさまそう思てな、2個めは1年我慢したんや。

たまに近く通ると、機動隊のメンツ変わっとるのが分かるやろ?あぁ、人事異動あったんやな、去年の人はどっか行ったかな?そんなタイミング待っとったんや、さすがに同じ隊員さんやったら警戒しとうやろうからなぁ

ほんで、2個めは頭を使った連携プレイや!山下(仮名)おるやろ、あいつに直前に酒ぇしこたま飲ませてなぁ。機動隊の前まで頑張って行かせて、そこでぶっ倒れさせるんや。

機動隊っちゅうてもなぁ、あそこに回されてくるんはなぁ…心根の優しゅう、人のいいおっちゃんばかりなんや。もうみーんな心配して、駆け寄ってくる。

その隙に後ろからそーっと近づいていって、パッと!

そう言って、先輩は豪快に笑って続けた。

そしたらな、敵もさるもの、裏側が接着されてた!簡単に取られてたまるか!そんな気合い感じたやで。

でもなぁ、そんなこともあるかと思って、マイナスドライバー持ってってたんや。それで、ベリベリってな。

それが2個めの奴や。

そう言って、先輩はビール瓶を手に取ってボクのグラスを満たしてくれた。

他では言わんといてな、これ、このビールが口止め料や!
おまえもこれで共犯やで!

そんな先輩が何人かいらしたのが…野生の西寮…

口止め料ももらったし、墓場まで持っていくつもりではいた。

でもすでに時効だし、年齢的に先輩はもう…役職定年か転籍出向とかのはず。バレても失うものもなさそうなのでまぁいいか…

あっ、違う違う、そもそもこのブログ、ぜーんぶフィクションだからさ。真剣に受け止めないでね?そこんところよろしくね?

続く…かも…

2025年5月5日月曜日

愛犬マメ様と、久しぶりに家族でお出かけ…

当家のハウスドッグ、マメ様は今年17歳になる。
小型犬は長命だと言われるけど、それにしても長生きなほうだと思う。

若犬の頃から一緒に山に行って、最後は2023年の夏に玉原湖を周回した。
一番長いハイクは、日光中禅寺湖一周20km。

そんなマメ様も、後脚が踏ん張れなくなって、散歩にも行けなくなった。
ペットカート
それでも…外に出かけたいって言うので、ペットカートを買った。

余は満足じゃ
そんなタイミングで、愛娘が帰省した。ちょうどいいので、マメカートのテストライドに出かけることにした。

ねーねーこれ美味しそう!
マメのことを第一に考えつつ、道の駅グルメも大事にしたいよね。

構って構って!
ボクは…
イイって書いてあったんだから!
いや、その、子供用に見えるけど「大人も乗れます!」って書いてあったんだよ、ホントよ?

牡丹桜?八重桜?

なんかクレ

チーズプレート
マメにおやつを食べさせている隙に、人間もチーズ・生ハム・バケットのプレートを貪る。

後脚サポートリーシュ
後脚が踏ん張れないマメは…ウ◯チをするのに苦労するようになった。オシッコの軌道も安定しないので、後脚をサポートするハーネスを自作して使っている。

たくみの里
道の駅川場は見てまわったので、月夜野に移動してたくみの里を歩く。

水車小屋

旧三国街道
かってはここを三国街道が通っていた、そう考えると不思議な気持ちになる。

かっての主要街道が、今は観光客がそぞろ歩きする半歩道になる。
かっては抱っこされただけで「降ろせ降ろせ!!」と言っていた犬が、おとなしくカートに揺られる。

今は…今のボクも、やがてはおとなしく…介護カートに揺られながら…今のマメの姿を思い浮かべるようになるのだろうか…そう思った刹那にボクは神か仏の啓示を得た。

介護カートに乗せて散歩してもらえるような
愛されるジジイになれるように努力せよ!!!

ほんとそうだと思います。頑張ります。