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2026年6月30日火曜日

愛犬マメちゃん(トイプー)17歳と11ヶ月の近況

愛犬マメちゃんは7月生まれ。
去年の7月で17歳になり、地元の市役所では「長寿犬」として表彰の対象になるくらいの長生きになった。

えっ?表彰?されたいされたい!

と、奥様と盛り上がっていたら…表彰状の授与式に犬は出席できません…飼い主だけです…
「なんじゃそりゃ、つまらん」となってそれっきりになった。

そんなマメちゃん、来月には18歳の誕生日が迫ってきた。
白髪が増えたワン

マメちゃんの毛色はブラウンで、犬種的には割と珍しい色。そして毛質のクセが強めでクリンクリンにカールしている。プードル系のスタンダードなカットよりも、「テディベアカット」が似合うということで、ずっとそれ。

性格はキツめで頑固。家族以外には愛想を振り撒くことはない。ものすごい活発で、こんなに小さいのに、1日20kmの山道を一緒に歩いたり(中禅寺湖一周)もした。

だが、昨年の秋頃だったか、後ろ脚が効かなくなり、今ではすっかり落ち着いて、寝ていることが多くなった。

お外行きたい…

ボクの後ろを着いて歩いて、ふと気がつくといなくなっていて、探してみたら玄関のマットの上で外を見ていた。
雨、上がったよ

散歩に行きたいそぶりだったので、「お外雨だから行けないよ」と言ったのだ。そうしたら、雨が止んだのに気づいて、静かに玄関でボクが気がつくのを待っている。要求とか催促とかはしない、ただ、静かに待っている。

COSTCOのベッド最高!

後ろ脚もだいぶ回復して…そう、自力で立てなくなって留守番ができなくなったのだ。ボクと奥様が二人とも仕事の日は、「老犬ホーム」にデイケアで預かってもらうようになったのだ。そこは動物病院が経営していて、「東洋医学」のケアプランもあって、そこで鍼灸を週に2回受ける様になったら…立ち上がって歩けるまで回復した。

回復したと言っても、いつお別れが来るかわからない、そんな覚悟はしている。
桜や紫陽花を一緒に見るのは、今年が最後だろう、そんなふうに感じている。
もこもこです

寝てることが多いので、少しでも快適なように、羊毛を敷いたり、コストコのクッションを買って敷いたり。

座る場所選びたい放題

ふわふわに突っ伏して寝ている姿を見ていると、ほんとうに愛おしい。
フワフワ…サイッコー

可愛がってくれたボクの友達も、会いにきてくれる。
日陰が涼しいワン

ボクら家族は、マメちゃん連れて引っ越しを繰り返した。横浜からグンマー、グンマーで今が3箇所目。

それぞれの場所で、マメちゃんを可愛がってくれた人がいる。
マメちゃんの食が細くなった、そうSNSで呟いたのをみて、横浜からわざわざ車で会いにきてくれた人もいた。
マメじいちゃん、会えてよかったね

ヨギボーも買ってみた…けどお気に召さなかったのでヨギボーは人間用にすることにした。
高すぎると怖いワン

前回会った時は小学生だった子が、大きくなってマメちゃんに会いに来てくれた。
なでなでマメちゃん

さっき、愛想が無いと書いたけれど、優しくしてくれた人や、お芋をくれた人は覚えててファンサに勤めてくれる。

そんなマメちゃん、17歳と11ヶ月。

**この投稿の下書きを書いた少しあと、マメちゃんは亡くなりました。お別れの覚悟はしていたつもりではありますが、喪失感はやはり強く、ブログを書き進めることも困難になりました。2ヶ月たった9月になって、ようやく少しずつ先へ進める様になりつつあります。

2026年6月21日日曜日

スポーク切れを直しました…

さて…
600kmブルベを50mでDNF(リタイヤ)する原因になったスポーク切れだが…

もうニューホイール買っちゃおう!とウキウキしたものの
冷静に考えて修理することにした。

もう今期はSRほぼ絶望だし、愛犬マメちゃんの体調考えると、そう走ってばっかりいられないしね。

幸い、リア・ノンドライブサイドのスペアスポークは手持ちがある。
スペアスポークとスポークプレップ

まずはタイヤを外し、チューブレスタイヤを外し、シーラントを抜く。

こないだ補充したばかりのシーラント

シーズン初めに、後輪のチューブレステープを貼り替えたばかりだが…
こればっかりは仕方ないので剥がす。
振れてます…

タイヤの内側についた、シーラントのカスはできるだけ綺麗に落としておく。
取れないところは仕方がない…

記録を見たら、前回破断したスポークがわかった。NDサイド(ディスクブレーキ・ローター側)で、一つ隣のスポークだった。
ディスクブレーキ側

このまま順番に切れていったら面白い。
トルクがかかるドライブサイドではなく、ブレーキ側が切れる理由はよくわからない。ただ、多分だけど、ディスクブレーキの制動力の影響があるような気がする。

ローターチェック

スプロケットとディスクブレーキローター外して、ローターは厚みをチェック。
チューブレステープ外して、チューブレスバルブも外す。バルブ穴からニップルを回収する。

スペアスポークのネジ山(スレッド)に、スポークプレップ塗って仮組み。
スピードセンサーマグネットの右どなりが前回、その右が今回交換したスポーク。
スポークは台湾のPiller

振れ取り台に乗せ、Park Tool のスポークテンションメーターで張り具合を調整しながら張っていく。周囲のスポークとほぼ同じテンションまで上がったところで、フレが消えた。センターゲージで確認すると、センターも出ている。

同じサイドのスポークテンションの平均値と比べても、ほぼ同じだったのでこれで良いことにする。素人が他のスポークいじってもろくなことは無いからね。

リムを綺麗に掃除して脱脂し、チューブレステープを貼る。チューブとクリンチャータイヤをセットし、6Bar程度まで上げて2晩放置して馴染ませる。クリンチャータイヤを外すと、テープが隙間なくリムに圧着している。
テープ貼り完了

チューブレスバルブを嵌め、タイヤを仮組みする。すでに一度組んであるチューブレス・レディ・タイヤは気持ち延びているのか、セットがやりやすい。
シーラントはシリンジで注入

シュワルベのタイヤブースターに、車用の電動エアコンプレッサーを接続し、空気圧を上げてビード上げ。特に問題なく、パン!パパン!とビードが上がってくれた。

一度空気を抜き、バルブ穴からシーラントをシリンジで入れ、バルブコアを戻し、空気を高めの5Bar程度まで上げて放置。

これで翌朝、減圧してなければ完了。

修理完了

初めてチューブレスレディタイヤに手を出した時は、ずいぶんと苦労した記憶がある。でも、最近はボクが慣れたのか、タイヤの精度が上がったのか、さほど苦労せずにケアができている。

チューブレスレディタイヤ+シーラント多めのセットアップ。なにしろ振動が少なくて体への負荷が低く、そこそこのパンクなら勝手に直るところが大好き。

とりあえずこれでもうしばらく走ってみよう。そして、600とか400kmの長いのにエントリーする機会があれば…ホイールの買い替えも考えてみようかね。

おしまい

2026年5月3日日曜日

そなえよつねに 登山靴のメンテナンス

中山製靴謹製の革製登山靴、テント背負っての縦走とかしか出番が無い。
それでは寂しいので、伐木とか伐採とかの作業で使っていたらソートー汚れてしまった。

というわけで、お手入れをしたというお話。

※メーカーが推奨しないやり方が含まれています※
※真似するなら自己責任でお願いします※

まずは泥汚れを落とすために、洗浄する。

ボクも昔は「サドルソープ」などを使っていた。
革製品を洗浄するにはだいたい「コレを使えと指定されている」サドルソープ…
表面がツルんとしている表革の製品なら、汚れが表面だけにとどまっている。だいたい表面にコーティングとかもされているから、サドルソープでも落ちるのよ。

でもねぇ、ボクの登山靴みたいな「裏革」だと話が変わってくる。防水ワックスをしっかり効かせるために、ブーツの表面は毛羽立っている。そこに擦り付けられ、押し込まれ、皮の繊維の中に入ってしまった汚れはサドルソープでは落としきれない。

なのでボクは、中性洗剤とタワシで洗ってしまう。
衣類用洗剤なら、エマールとか、Nanoxが中性で攻撃性が低い。これを使って汚れを落とし、よく濯ぐ。

内張もサッと洗う。クッション材に洗剤が染み込むと面倒臭いので、染み込まないようにサッと洗うか、濡らした布で拭いて汚れを落とす。

乾燥しきると皮革から油分が抜けてカサカサになるので、「ほぼ乾いた」状態で次の工程へ。

縫い目の保護材を浸透させる

まずはアッパーと底の縫い目に、防水保護材を浸透させる。

昔は「亜麻仁油」を使っていた。ピッケルのウッドシャフトの表面保護にも使える亜麻仁油…しかし、ウッドシャフトなんてほぼ絶滅した今日、靴専用の防水保護材のほうが手に入りやすいし間違いない。

形を整えてから、アッパーの手入れに入る。

傷などをチェックしつつ形を整える

防水・防汚効果と、皮革の柔軟性維持のために、ボクが使っているのは「ワックス系」の保護材。

皮革油系のサラサラのやつだと、塗りやすいけど抜けやすいと感じている。そして、浸透することで皮が柔らかくなりすぎるような気もしている。

ミンクオイルなんか典型的だけど、皮革の油が抜けちゃってたり、カサカサになっているなら別だけど、オイル類の使用は慎重にしたほうがいいかもね。

コロニルのチューブワックス

チューブ上のワックスなら、手に入りやすいのはコロニル。これを指先につけて、「体温で溶かしながら」塗りつけていく。

裏革の表面は毛羽立っている。その毛羽立ちの奥のほうまで、ワックスを届けて定着させたい。このときワックスが固まっていると、流動性がなくて表面で弾かれてしまう。

体温で溶かしつつ塗る

素手でやるほうがいいけど、手がベトベトになるので、ニトリル手袋を使う。
手袋越しだとワックスの溶けが悪いので、基本的にお手入れは気温の高い季節か、ファンヒーターが出ている時期にやる。

ファンヒーターの温風処理

ヘアドライヤー程度の温風だと、作業効率が甚だしく悪い。ファンヒーターの前にブーツを出して、表面が温められたらすこしずつワックスを出し、指先で伸ばしつつ刷り込んでいく。

Collonil とSNO-SEAL

長い間、スノーシールを好んで使っていた。記憶では、「ワックス」成分に加えて「蜜蝋」のロウ成分も入っていて持続力が高いのが売りだった。廃盤なのかどうなのか、最近は見かけなくなった。そんなわけで、気分と用途によってコロニルと使い分けている。

テント泊縦走、久しぶりに計画したいな。

おしまい

2026年2月5日木曜日

2025年のブルベメダルが届き始めました

雪のない時期の遊びとして、この3年くらいはブルベをやっている(主催団体のHPリンク)。

最低200kmの距離を、定められたコースで、定められた時間内に、交通法規を守って走るという…なんというか…服を着て25mプールを往復する的な遊びだ。

で、そーゆーある意味マゾヒスティックな遊びの常として、完走したらメダルを記念品として購入できる。さらに、「シーズン中にこれを達成したら」という基準が設定してあって、それをクリアしたら特別なメダルを購入することができる。

ブルベシーズンは、コロナの影響で紆余曲折があったけれど、今はカレンダーイヤー。つまり、1月スタートして12月で終わる。12月末でそのシーズンのレザルトが確定し、それぞれのサイクリストは購入できるメダルの申請をし、到着を待つことになる。

早く、確実にメダルが届けられるのは事務手続きが国内で完結するやつ。さすが日本人の事務処理能力って感じで、日本の生産性が低いとかどんな世界観やねん?と言いたくなる。

第1号は、SPR(スーパー・パーマネント・ランドヌール)の記念メダル。これはパーマネントブルベを、シーズン中に1,200km以上完走すると申請できる。ちなみにボクは、ギリギリだとちょっと恥ずかしい感じがしたので、1,500km 弱を走って申請した。

さっき、ブルベシーズンはカレンダーイヤーと書いたけれど、パーマネントブルベのシーズンは異なる。それ以外にも、いろいろと通常のブルベとは異なるところがあるので、興味があったら調べてみてほしい。パーマネントブルベは、出走のタイミングを調整できるし、自分にとって課題を確認したりしながら走れて経験値を上げることができる。

SPRメダル

裏側に名前が刻印してあったりして、芸が細かい。さすが日本人事務局。
そして、日本のブルベ管掌団体である、AJ(オダックス・ジャパン)の20周年記念メダル。

ボクは対象ブルベとパーマネントと走っているので、申請基準を満たしていた。

巨大…

届いてびっくりしたのが、このメダルの大きさと重量。普段の完走メダルと比べると2回りくらい大きくて重い。これで殴ったら人を◯せそうなくらいの立派なメダルだった。そのせいで、メダルケースに入らず、特別に大きなケースを買う羽目になった。

通常のブルベの完走記念メダルとは異なり、パーマネントブルベはその主催団体が企画・作成する完走記念メダル(バッジ)がある。25年はパーマネントを集中して走ったので、その完走記念メダルがどんどん届き始めた。

パーマネントブルベの完走記念#1

パーマネントブルベの完走記念#2

よく頑張りました…

ブルベやパーマネントブルベの醍醐味の一つは、完走記念メダルを手に入れられること。一つ一つのメダルそれぞれに、いろいろな記憶が紐づけられて、忘れられない経験になる。特に、「年間(シーズン)を通して設定された基準」をクリアすることで手に入れられるスペシャルなメダルは別格だ。そんなメダルを手に入れて、思い出に浸ったという記録でした。

2025年12月18日木曜日

クィックエントリー・バインディング購入 (Bataleon FASE)

最近はクィックエントリー・バインディングが流行りだ。

ボクはもともとBurton SIバインディングを使っていた。そして、Accubrade で痛い目にあって、ストラップバインディングに乗り換えた。正直…Unionのストラップバインディングになんの不満もない(Union推しな理由はこちら)。

そんなボクだが、最近のクィックエントリー・バインディングの進化を見て、もう一度試したくなった。ゲレンデ用に、楽で便利で、多少ルーズなやつがあってもいい気がした。

もちろん、使えるならBCでも使いたい。脱いだり履いたりが必要なルート、川場のS沢、N沢、谷川の湯檜曽川沿い、岩鞍のK沢とかで楽ができたらいいなと。

Bataleon の FASEシステム

ボクがFASEを選んだ一番大きな理由は固定方式だ。リリースレバーワンプッシュのシステムは、誤解放が怖い。さらにリリースレバーを「上から押す」仕組みだと、BCでの危険性がさらに高まる。

BCでは、デブリやアイスブロック、ブレーカブルクラストの破片が板の上に溜まることがある。特にブレーカブルクラストの破片が厄介で、コンクリート平板みたいなやつとか、エッジが立った棒みたいなやつは、引っかかりが多いのでお互いに絡み合い、なんらかのはずみでレバーを押してしまう。非常に稀ではあるけれど、実際に起こった事例をボクは知っている(その人はワンフット転倒で膝の靱帯断裂)。

これがわかっているBurtonとAccubradeのリリースレバーは、引き上げ開放。そしてBurton の Step On は、リリースレバーの位置を高くして、crud snow (腐れ雪)に覆われないようにしている。Accubradeはレバー位置が低いのだが、ノブを回転させるとロックがかけられた。

そんなこんなを観察していくと、Burton Step-Onはかなりイケてるように見えるのだが…ボクはSalomonのブーツがお気に入り。今更他のブランドで冒険するつもりもない。だから ブーツとバインがセットのシステムになる Step On はチョイスから外れた。

気に入っているブーツがそのまま使える、 Nidecker Supermatic はリリースレバーが押し下げなのと、後述するけどヒールカップがボリューミーなので選択肢から外れた。

年齢的に、怪我をしたら治りが遅いボクは誤解放が起こらない、ラチェット方式にこだわりたい。ラチェットは、何かのはずみでリリース用の爪が引かれても、一段、二段ずれて止まるだけ。「引き続けない限り」開放しないという信頼感はやはり大きいのだ。

で、FASE登場までは、ラチェット式のクィックエントリーは…SPとかFLOW。ユーヤパイセンもSPを好んで長く使っていた。だが、スリッパタイプは雪が詰まるとスリップインがとても困難になるみたいだし、SPは時々マイナートラブルの話を聞く。

普通のストラップバインは、少しぐらい雪がソールについていようが構わず履けるし、スペアパーツも携行しやすいし、山で応急修理もできるから…って考えると、SPやFlowに移行しようというモチベーションが湧きにくい。見た目も重そうだし

スペア・パーツと言えば、Bataleon は最初から消耗部品の予備が付いてきた。これは嬉しい。他社のスペアパーツは結構な値段がする。納期も遅かったり、廃盤になってたりもするし、バインのモデルチェンジがあると、買い置きの予備パーツが適合しなくなってゴミになったりもする。

最初からついてくるスペア・パーツ

クィックエントリーのシステムは傍に置いて、Bataleon のバインディングとしての性能はどんな感じなのだろうか?その辺りを書いてみよう。

Bataleon のボードをボクは好んで乗りついでいる。その理由は、ちょうどいいホドホド感を感じるからだ。なんというか、雪面が荒れてきたり、コンディションが悪くなってきた時にイジワルをしない。コブとか入るとよくわかるけど、変なエッジの引っ掛かりが無い。

コブに脱力して入りボードを自由にしてあげると、ノーズがスルスル動いて一番いいポイントに適当に入っていく。乗り手は、ちょうどいいところでエッジを入れてやるだけで、スピードコントロールとバランスが取れる。コブで乗りやすいボードは大体がBCでも乗りやすい。スプーンカット、流水痕、ブレーカブル…BCでは斜面のコンディションもさまざまで、そんなところをうまくイナせる相棒がBataleonのボード。そんなブランドがチューニングしたバインに興味があったのだ。

パッと見てわかるのはミニディスク。ボクが初めて履いたストラップバインは、Genesis の Re-Flex だった。ボードのフレックスを活かすために、柔らかいセンターディスクを使っていた。ガチガチのAccubradeから乗り換えた時は、頼りないフラフラ感にめまいがしたが、慣れたらその自由さに目が醒めた。ミニディスクもボードのフレックスを活かすための仕組みで、Re-Flex特有のネガも無いから興味を持っていた。

ミニディスク

ミニディスクと言えば、UnionのContact Pro。買おうかと真剣に悩んだことがあった。結局はAtlasにしたのだけれど、ミニディスクはボードフレックスを活かせるのはいいがセンタリングができないのだ。

センタリングはできない

Bataleon のミニディスクもそうだけれど、ディスクのスリットを前後方向に向けるのがデフォルトだ。つまり、スタンス幅は変えられる。ディスクを90度回転されられないので、トウ・ヒール方向の調整(センタリング)は、ディスクではできない。

スタンス幅の微調整はできる

センタリングは、ヒールカップをスライドして前後させることで調整する。これは、Union、Drake、Rideなど、同様の構造をもっているバインに共通する考え方だ。

センタリングはフレームの取り付け位置で調整

このスライド機構はブーツサイズに合わせた調整用だと誤解されているが、実際はセンタリングのためだ、根拠はこちら。

左右非対称のレール構造

Bataleonのこのバインは、左右非対称構造が特徴の一つ。その効果はよくわからなかった。ボクが鈍感だったせいもあるかもしれない。他のバインと比べて明らかなのは、前後のバインの間に重心を置くのがすごく楽ということ。これが非対称構造によるものか、後述のカントによるものかはよくわからない。

全面ブッシングで母指球下だけ固い

このバインはベースプレートの裏側全面が厚いブッシングで覆われている。多分感覚はルーズになるのだろうけど、荒れた雪面ではとても有効だろうと期待していた。実際に履いてみると、ルーズさはほとんど感じない。エッジの噛みも普通に良いし、それでいながら不快な振動はカットしている感が強い。

2度のカント

ベースプレートには2度のカントが入っている。そのせいか、ボードのノーズ〜テール方向のバランスが取りやすい。

ボクは重心を、前後バインディングのディスクセンター内側に維持して滑ろうとしている。前乗りしても、重心はフロントバインのディスクセンターを超えないし、後ろも同様だ。で、実際に滑っていると、外乱の影響で体の位置が想定よりも前後することがある。そんな時でも我慢して堪えていると、重心がなんとなくwセンターに戻ってくる。

ブーツソールとのフィッティングはガスペダルで

ガスペダルはなんの変哲もない。ただ、表面の溝が縦方向に切ってあるのが良い。ガスペダルに溜まった雪を、トウ側とヒール側に払う時に何の抵抗もない。ガスペダルのデザインが凝っていると、ここに微妙に雪が凍りついて不快な感覚になる。Genesisのガスペダルとか、もう

フォワードリーンは2段階

Contact Pro を買わなかった理由にはもう一つあった。それは、フォワードリーン。調整が2段階しかなくて、あんまり前傾入れられそうに無かった。前述の通り、ミニディスクのバインはセンタリングの調整幅が少なくなる。それに加えてハイバックリーンが入れられないと、バックサイドでキレるターンを作れないような気がしてやめた。買ってから気がついたけど、Bataleonのこれも2段階しかなかったw

実際に履いてみて分かったけど、元々のハイバック角度が適切なら、調整は2段階で不満なかった。荒れてて固い人工雪バーンで、強いバックサイドターンを作ろうとすると、流石に工夫が必要になるけど、それ以外のシチュエーションでは、まったく不自由がない。

Bataleon のこのバインディングをまとめると、Union の Contact Pro をクィックエントリーにした感じ?で、このバインディングを履いてみて、Contact Proに持っていたネガティブなイメージは払拭された。で…ボクが次に買うBC用のバインは、きっと Union の Contact Proだなw

まとめると、バインディングの基本性能ではなんの不満もない。バックサイドターンはハイバックで倒すというよりは、踵で押し込む感じになる。トウサイドも面で踏み込むのだが、アンクルストラップのサポート力が強くてレバレッジが効く。だからアンクルストラップをあんまり締め込まなくても済む。ベースプレートのカントのためかセンターに乗りやすい。ブッシングとミニディスクのおかげか、ジャガイモ畑やアイスバーンでも振動がカットされて疲れにくい。期待以上に、滑走性能のバランスが良かった。

クィックエントリー・バインディングとしてみると、ちょっと微妙ではある。トウストラップの位置が一発で決まらないので、微調整が必要になる。そして、踏み込んだだけではロックされない仕組みなので、エントリーして、アンクルストラップのラチェットをスライドさせて、2アクションくらい巻き上げ操作する必要がある。踏み込んでからラチェット操作するまでの間、後ろ足の荷重はカカトになるから、滑りながらの装着はチョット難易度が高い。でも、普通のバインに比べると、装着のスピードは確実に速い。

そんなわけで、ゲレンデで使うにはかなりおすすめできる。

BCではどうか?ちょっと微妙なところがある。

ハイバックを畳んだ時、ヒールカップからジョイントバーが突き出すのだ。ヒール側で蹴ってスケーティングする人(ボク)にとっては、このバーがスネに刺さりそうで怖い。実際は面取りがされていて、スネは無事なのだがあまりいい感じはしない。

畳めるハイバック、突き出すジョイントバー

BCではワンフットでの移動がわりと発生する。そんな時に、ヒール側に転倒したら、このバーは雪面にブッ刺さる。そこが、ちょうどバーが刺さるくらいのブレーカブルクラストだったらどうだろうか。何かしら壊れそうな予感がする。

ドラグしやすさについても書いておこう。BCで良くあるのが、高度を下げたくないトラバースだ。高度を維持するために、速度を維持する必要があるのだが、このとき表面が柔らかい crud snow だと問題がおこる。FASEのトウストラップは、表面形状(深いメッシュ状ラバーパネル)がドラグしやいので、湿雪やブレーカブルクラストでは強いブレーキになる。

ヒール側のドラグはヒールカップに左右される。装着状態ならば、FASEのヒールカップはノーマルバインと大差がない。トラバースの途中で失速して、後ろ足を外す必要が無ければ問題は無い…が、そんなことが得てしてありうるのがBCの辛いところだ。

BCで遭遇する、「距離は短いけど強烈な傾斜」についても書いておこう。ボクらシロートは、そこをダイレクトに落とすなんてことは無いのだが…そこをトラバースしたり、木の葉で降りないと帰れないみたいなことはある。ゲレンデで超急斜面というとだいたい40度くらい。45度というのが、営業しているリゾートでありうる最大傾斜ってところだろうか。で、バインの設計もだいたい…40度くらいでドラグしないって、そんな目安になっている気がする。

BCでやばい傾斜というのは、40度+α の傾斜で、そこが凍結してたりすると独特のノウハウが必要になる。無造作にヒールサイドエッジでトラバースに入ると、ヒールカップが引っかかってエッジが外れて滑落…こうなると最悪死ぬ。この点で非常に危険なのが Supermatic のボリューミーなヒールカップ。これも大きな理由で、ボクの選択肢から外れた(繰り返すけど、ゲレンデで滑るなら問題はない)。

ちなみに、ボクが経験したやばい斜面というのは、谷川岳西黒沢本谷の落ち込み、谷川岳赤谷川本谷のドウドウノセン・マワットノセンの側壁、上州武尊山剣ヶ峰西方シュート、といったところだろうか。そのあたりだと、斜度で言うと45度前後。滑落防止のアックス持って、トウサイドエッジを使って通過するか、ダブルストック使って早い切り返し(西黒沢本谷の記録に飛びます)でクリアするのが基本になる。

ヒールサイドのドラグ防止に有効なのは、そもそもヒールカップのないFlowやSPだと思う。しかしこの2つについて、ボクには語れるほどの知見が無い。

つらつら書いてきたが、やはりシビアな状況のBCでボクが連れ出すのは、Union の Atlasになるだろう。そして、Atlasを温存するために、Bataleonはゲレンデを中心にフル活躍してもらう。ただ、BCではどうかという視点は、やらない人にはまったく関係がない。なので、ここで書いていることは、参考にしてくれたら嬉しいが、好きなのを選んで使えばいいと思う。

そんな感じで、ボクのクィックエントリーバインディングへの回帰行が始まった。

あ、そうそう、このFASEシステム、履いてみたいという舎員にはどんどん試してもらいたい。ユーヤみたいに、雪面と喧嘩せず、繊細にエッジ角と圧を調整していく…バカっ速なライダーには特に向いているんじゃないかなーとか妄想してます。 オシマイ

2025年12月15日月曜日

流行りのクィックエントリー・バインディング(考察2)

前回の投稿では、BurtonのSIからK2のクリッカーあたりを振り返ってみた。

さて、「安心の日本製で信頼のシマノ」が、満を持して投入したアキュブレードについて書いてみよう。

ヨーイチ師匠とアキュブレードXTR(高級版)

Accubradeを買うかどうしようか迷っていたボクの背中を押してくれたのは、ヨーイチ師匠。師匠はさっそくアキュブレード投入されてたので(さすがです)、どうですか?そう聞いたらこうおっしゃられた。

エントリーしやすいっすね。左右にレールが付いてガイドになるから
ハイバックがあるせいか、すごい反応がクイックっすよ
ハイバックローテーションできるから、前振りでも問題ないっすね
ブーツのインナーハイバックみたいなのがなくなって、軽くなりました
ブーツが固すぎないので動きやすいっす
自転車屋のブーツ?って心配だったけど、超快適で本革でかっこいい

何よりもイイのは…

…なんですか?

値段が高くって、そう簡単に買えないじゃないですか。
人と被らないのがサイコーっすよね ← こればっか

スノーボードの上手い人は、タクジもシンヤもユーヤもカズくんもタカヤンもアメちゃんもみんなそうなのだが、人格的にはやや問題がある人が多いような気がするのだ。

しつこいですが、このブログはフィクションで、登場人物の発言は創作です

で、ボクもAccubrade導入を決めた。
ヨーイチ師匠と被って破門されないように、ボクはセカンドラインを選んだ。

バインは確か2モデルがあり、ベースプレートがカラーアルマイト処理されて、ハイバックもカーボン?強化された高級版のXTR(もちろん師匠はこちら)と…廉価版のXT(ボクはこちら)があったと記憶している。ブーツも同様に、師匠は一番高いやつ(確かイタリア製かなにかの銘柄革)、ボクは本革だけど普通のやつを選んだ。

Shimano Tripper ABブーツ

ちょっと笑ったのは、「Accubrade だけではブーツ開発費の元が取れないのではないか?」そう思ったのかどうか、フツーのソールバージョンも投入されたこと。そんでもって、ソールにクリートが埋め込まれていないフリーソールブーツは…フレックスが絶妙で軽く、スノーボードブーツとしての出来は数段上だったようだ…

ブーツ履き比べた結果…こんないいブーツが、Accubradeのクリートを埋め込むとこうなっちゃうんだ?…って感じて…Accubradeへの移行をやめた人がけっこういた…ダメじゃん

ヨーイチ師匠@至仏山 川上川

そんな感じで、道具としてはかなり頑張って開発されたAccubrade。マーケティング的には割と迷走していたような気がする。と言うか、Burtonがヘタ打って撤退したせいで、クィックエントリーバインの信頼がほぼゼロだったのが大きかった。時代の趨勢には勝てず、華々しくデビューしたAccubradeだが、ほんの数シーズンで撤退が決まった…ナンデヤネン

えっ?ブーツとバインで15マン近くぶっ込んだボクの立場は?

スノーボード事業を、鼻かんだ後のティッシュみたいにブチ捨てようとしていた「釣具と自転車部品メーカーのShimano」も流石に…そんな怨嗟の声を気にしたのだろうか…

越後の誇り、世界に冠たるテニスとバドミントンラケット!ゴルフクラブ!カーボンオタク!のYonex様が、Accubradeシステムをそのまま引き継ぐことになった。

さすが超一流メーカーのYonex様、バインディングはまったく問題なく引き継ぎを済ませて、ユーザーを救ってくれた。え?Yonex製の…Accubrade ブーツ?まぁいいじゃないですかw

Burton Supermodel と Accubrade

ちなみに、時代感を補足しておこう。上の写真は、今は亡き草津白根山のロープウェイで撮ったもの。

Burton Cascade、Fish(初代)Jones Hovercraft (初代)

ボクは物持ちが良いので、割と古いモデルを大事に乗っていた。まぁ当時はまだスキーのうほうが優先で、シーズン中のスキーとスノーボードは 2:1 くらいだったから、ボードも消耗しなかったし。だいたい…BurtonのFishのトップシートが割れ始めて、ムラスポが日本に Jones Hovercraft を独占初投入したくらいの話だと思って欲しい(かえってわかりにくいw)

そんな Accubrade とボクの別れがやってきた。理由はいろいろある。ブーツが重いこと、どパウや湿雪でハマらず地獄を見ること、これがやっぱり大きかった。

最終的に踏ん切りがついたのが誤解放…からの怪我だった

その日、ボクは北軽井沢のスキー場で滑っていた。人工降雪機の固く締まったバーンは、エッジも良く噛みスピードが乗って滑りやすかった。リフト降り場も良く踏み固められていたから、降りてそのままステップインがやりやすい。リフト降りる、ステップイン、バックサイドターンしながらカカト押し込んでロック、そこそこの斜面に飛び込む、みたいなのを繰り返していた。

10時くらいになったのだろうか、リフト降り場の雪がちょっと緩んできていた。んで、リフトから降りてステップインした時に…なんとなく…緩んだ雪が挟まって…カカトのロックが甘いような…気がした。でもまぁちょっとの雪ならバックサイドターンで踏み込めばハマるので、そのまま斜面に向かったら…そこに人がいた。人を避けるためにターンを切り替えてフロントサイドターンに入って、荷重がトウに移ったところで後ろ足が誤解放した…

この斜面は北向きで、雪は締まったままだった。エッジはしっかり噛んでしまって、ずらすことができない。ワンフットのトウサイドターンでやばい加速を決めたボクは、コース脇のグリーンネットを薙ぎ倒して…コース外の土の上に背中から転げ落ちた…

コースは人工降雪機の雪で覆われているけれど、コース外の地面とは段差が50cmくらいあった。「ワンフットでこの段差を落ちたら、ボードが変なふうに持って行かれて膝がモゲる」そんな恐怖があったので、あえてボードを宙に浮かせたままこの段差を、結構なスピードで落ちたのだ。

後頭部も強く打って、意識が少し遠のいたけれど、ヘルメットをかぶっていたので大丈夫だった。それより、背中を打って息ができなくなり、仰向けのボクは抜けるような青空を見上げながら…これで死ぬのか?と思った。

何分か空を見上げて苦痛にうめいていたら、ようやく呼吸が戻ってきた。ボクはボードを外し、コースに復帰した。肋骨が刺すように痛み(肋骨ヒビ&肋軟骨損傷)、屈むことが難しかったが、固くしまったコースをつぼ足で降りることができなかったので、とりあえず左足だけステップインした。肋骨の痛みで右足は嵌められなかった。

リフトの上から一部始終を見ていたスキーヤーの何人かが、パトロールを呼ぼうか?と声をかけていただいたが…斜度と雪面の固さからモービル搬送は難しそうだった。ボート搬送を頼むのも申し訳ないし、なんとか動けたので自力で降りる決断をした。

斜面の下を向いて座り、尻で滑り、左足のヒールエッジでスピードコントロールしながらボトムまでなんとか降りられた。

そもそもこの日、普段行かないこのスキー場に来たのは、「使い残したリフト券」を使い切るためだった。シーズンが終わろうかというタイミングで、残った早割りリフト券を使うために来て怪我をしたのは…不幸中の幸いだったのか?ボクのそのシーズンはそれで終わり。

そして…いいところもあったし、愛着はあったけど、最後まで100%の信頼を置けなかったアキュブレードに…ボクはサヨナラをすることにした。

13-14 Burton SL & Genesis(初代)Re-Flex  

そして、Burtonのストラップバインディングに乗り換えて10年…再びクィックエントリー・バインディングを、装備に加えることにした。クィックエントリーの便利さと怖さを知るボクが選んだのは FASEシステム。そしてブランドは、Bataleon…

正直…クィックエントリーの便利さだけを考えたら、他のシステムの方が優れていることはわかっている。バートンのブーツで問題ないならStep On、ブーツにこだわりがあるならNidecker の Supermatic が多分一番いい。でも、ボクがFASEを選んだのは、少しくらい便利さを犠牲にしても信頼できるシステムを選びたいから。そのあたりは次の投稿で説明したいと思います、長っ!