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2023年3月20日月曜日

DIY 教室 スノーボードバインディングをカスタマイズする

スノーボードバインディングのトウストラップって、ワンタッチで長さを変えられるようになってるモデルが多い。

それはいいんだけれど、一度長さを設定したら、そこで固定したいって思いませんか?
なのに、ちょっとした弾みで長さが変わっていることがあって、地味にイラッとする。

まぁ勝手に短くなることはないんだけど、長くなることは割とあるはず。
溝を塞ぐスポンジパッドを用意する

この原因なんだけれど、ベースプレートにトウストラップを嵌める、細長い溝が切ってある。そこに、トウストラップの根本が刺さっているのだけれど、溝の「前」と「後ろ」の2箇所に引っかかるポイントがある。んで、ひっかかるポイントは、バインを板についた状態でも、ずらすことができる。

ストラップをベースに向けて押し込んでやると、中でひっかかりが解ける。その状態でストラップを前なり後ろなりにずらして、引っ張ると中で固定される。
ベースプレートの裏側からパッドを入れる

ストラップをベースに押し込めないようにすれば、ひっかかりが解けないので移動ができなくなる、ということ。
大きさぴったり
はめ込むパッドを薄いのにすれば、簡単には、動かないけれど、力を込めてやれば位置が変えられるようにもなる。ボクの場合は、厚めのパッドを入れて、上からゴリラテープ貼っちゃうからズレは皆無になる。

勝手にズレたり外れたりしないように、ということ繋がりでもう一つ。
ハイバックの角度を調整するパーツを、固定するロッキングレバー。

深い雪、特に湿り気の多い重い雪を滑ったり、お尻を擦りそうなくらいに急な斜面のトラバースとか、そうしたところで引っ掛けるとこのレバーは簡単に緩む。
ドリルでビューンと
緩むだけならいいんだけど、パーツがなくなると困る。そして、このパーツが緩む状況って、大体が…落ち着いて対処することが難しいような時だったりする。

だから、事前に予防しておいたほうがいいよね。
インシュロック通して締める
なんでもいいんだけど、インシュロックとかファスナーとか言われるやつを通して、固定してやる。
余分な長さは綺麗にカットしておく
こうやって処置しておくことで、山での不安材料が一つづつ事前に潰されるということになり、結果として安全下山につながる。ボクはそう思っている。

えっ?
買ったばかりのバインにドリルで穴あけちゃうの??

ええ…必要とあれば、やります。ボクはねw

2023年3月18日土曜日

Day4 岩鞍時間券終了…

岩鞍の12時間券が3時間残ったので、消費するために出動。

18日は土曜日しかも、世間様的には飛石連休。
本来なら激混みの週末なんだけど、天気予報は雨〜みぞれ。

南関東は朝からガッツリ雨、こんな日に滑りにいく人はそんなにいないだろうと予測して出発。
最下部はコース1/3が地雷原
案の定人少ない…ゴンドラはそれでも悪天候に強いので、お客さんいたけれど、10時回る頃に帰る人が出てきて待ち時間無し。

昨夜の雨はかろうじてみぞれだったようで、ガリガリのぼこぼこの上に3cmくらい、しっとりしたクリーミーな…練乳が溜まっている。

で、その練乳(粘度高め)が、ネチョネチョに揉まれて溜まり、ガリガリ君とマダラ模様になっているゲレンデ。しかも下部には妖怪板掴みが現れた。
使い切りました
ミルキーウェイはちょっと斜度が足りない感じで、むしろ女子国のほうが滑りやすい(個人の感想です)。で、ゴンドラ上がって右左交互に降る、修業走。
第2Pへの連絡路にも雪無し
最後に西山ゲレンデ覗きに行ったけど、そちらも気温が上がってみぞれが降っている。一番奥のコースに行ったら、リフト乗り場まで最後の300mで失速して、スケーティングでたどり着く。

やれやれとリフトに乗ったら、対向して降ってくるリフトスタッフの人がこちらに何か叫んでいる。

コース外滑走はやめてねー!
今度やったらリフト乗れなくなるよー!

一瞬、えっ?やばい!
なんで見つかったんだろう
……ん?? いや、俺、コース外滑ってないし今日は

ええっ!僕じゃないすよ!笑

叫び返したら、苦笑いしながら、

そうかーすまん、赤いジャケットのボーダーだから間違えたかぁ〜

だってさ。

西山のペアリフトで上がっていくと、リフト下を滑走した跡が2本。

あぁ、これか…ここを滑れば、そりゃぁ怒られるよね。

コース外滑走は止めましょう!
滑走ログ
見てわかる通り、ちゃんとコースの中に止まって滑っております。

西山トップに上がって、ちょうど時間券の終わりが近かったので、ゴンドラボトムまで滑って終了。

ゴンドラ9本+西山
終わってみれば、「疲れないように滑る」練習ができたし、土曜日なのにゴンドラ待ち時間ゼロだし、コースにも人が全然居ないし、ということで割と楽しんでいる自分がいた。

今シーズン、岩鞍に来るのはこれが最後でいいかな。

2023年3月12日日曜日

Union Bindings Flight PRO 2022-23 Blk. M

最初に買ったUNIONのバインディングはAtlas
UNIONにしたのは、ヒールカップがスライドすることによる、調整幅の広さが魅力だったから。

Aslas はカントが入っていて膝にやさしいのと、ストラップ&バックルのガッチリ感と、ハイバックのレスポンスの速さと…いろいろバランスの良いところが気に入った。

ほんで、もう一生UNIONがあれば良いという、UNION教に入信したボクは、定番のForceを買い足してた。これも…売れているバインには理由があるのだよね…という感じ。

で、ボクは奥様からBurton の Custom Re-Flex バインをもらって、たまに使っている。バインのCustomって昔はバートンの準トップモデルだった気がするけど、今や裾物扱い。でも、これが思いの外良いのだ。軽いし、柔軟で溜めがある。春のBCでONEの軽いボードに合わせるのにはピッタリ。

で、Custom と似たようなキャラ、軽くて安くてしなやかな奴をUNIONで買い足そうと考えた。

UNIONのラインナップからフライトプロを選択
想像通りのバインでした
UNIONのアンクルストラップは、ハイバックと共締めになっているせいで、緩んでくることがある。それはいやなので、緩み防止剤を追加しておく。
これ入れておけば、大丈夫
定番のリーシュコード(スキー用の流れどめワイヤー)も設置する。
ボクの周囲で流行らせようとしているコレ
UNION眺めながらお酒が飲める。
カルトかよ
バインの取り付けは5Nm目安で
トルク管理は意外と大事
特にONEスノーボードみたいに、コアがカーボンハニカムとかの軽量ボードは、バインの取り付けにはトルク管理をしたほうがいいと思っている。
簡素だけれど十分なストラップ
フライトプロのストラップ使って気が付いたんだけれど、パディングが控えめなおかげで締め付け具合がわかりやすい。必要以上に締め付けることがなくなるので、ボードのコントロールにも良い影響が出ているような気がする。
ハイバックも同様にパッドレス
ハイバックも、他のモデルは上部にパッドが着いていたりするけれど、フライトプロは何にもなし。でも、これでなんの不満もない。雪が氷化して着くこともないし、そもそもブーツの中にパッドは入っているから、これでいいんだよね。

2023年3月6日月曜日

Season Started!!! スノーボード復活祭 DAY1-3

遅ればせながら報告です。
2月下旬に受けました、6ヶ月診断(右肩の手術から半年経過後にMRIやるかんね)の結果、最低負荷の筋力トレーニング・自転車・スノーボードの許可が出ました!

長かった…

診断の最後に先生が、僕の目をまっすぐ見ながらこうおっしゃいました。

転ぶの禁止ね
後ろ手着くのやばいからね
再断裂したらもう治せないからね

「ボクはスノーボード上手なんで転ばないですよ」「歳も歳なんでパークとかやりませんよ」「ストリート?とんでもないですよ!」そう言っていたボクですから…

はいっ!

良いお返事で済ませてシーズンスタート。

2月27日(月)Day1 尾瀬岩鞍

前夜にWebで10時間券を購入。Webで買うと2時間分がサービスで追加されて、12時間券になる。
えっ?まだ2月だよね????
雪…少なっ!
なんかもう4月
今シーズンは寒い冬になるはずだったのに、結局もう終了が近そう。
谷川岳にも黒い部分が
上州武尊山のBCも厳しそうです
記録はこんな感じでした。

3月4日(土)Day2 尾瀬岩鞍

兄弟舎のY溝さんと、楽しい仲間たちが集合するということ。何本か一緒に滑りましょうということで出動。

第2Pに入ったら、隣の車から満面の笑みでカズくんが登場、ストーカーかよ。

いやーしばらく前から後ろに着いてて、もしかしたらって思ったらやっぱり!

こーゆーところが愛されキャラの理由なんだよね、カズくん。
Y溝さんたちと合流する前に、とりあえずカズくんとゴンドラを回す。今日、カズくんはJSBAのバッジテストを受けるんだそうです。

子供にボードを教えるのに、イントラ資格を取りたいんですよね。

今日の午前中に2級取って、午後か明日1級取って、来週あたりにテックテスト受けるという…やるんね
検定バーンを下見にリフトへ
今日のコンディションは…ボコボコに荒れたバーンに大粒のジャガイモが散乱。これはかなり苦戦するんじゃ無いかなぁ。
晴れたり曇ったり
その後Y溝さんたちと合流し、コブ斜面以外を一緒に流して終了。
記録
ログはこんな感じ
滑走記録はアプリで管理しているんだけれど、昨シーズンから続いているログはこんな感じ。

昨シーズンのラストは38日目で、これはBC12日目…おかしい人でしたね。

シーズン2日目にしては厳しいコンディションだったけれど、前夜にエッジ研いでおいたおかげでなんとか乗り切れた。
サイドエッジを研ぎ直し

3月6日(月)Day3 尾瀬岩鞍

尾瀬岩鞍の主(ヌシ)A宮さんが、臨時で休みが取れたということで出動。とはいえ、20歳も年齢が違うので、同じペースで1日滑るのはムリ。そもそも、ボクちんはリハビリ&足慣らしだしね。

そんなわけで、2時間だけ滑るってことで稽古つけてもらいました。
今日もガリガリくん
もうコンディションどーのこーのより練習と割り切る。

湿雪がさらりと積もった日、朝はまぁ良かったけれど、すぐに妖怪板掴みが現れ始める。怪我したくないので、2時間消費したところで早上がり。
初訪問
坂を下ったところにあるお店に入ってみる。ここってスピード出た状態で前を通るので、いつも通り過ぎちゃうんだよね。
天ぷらそば
そばも普通に美味いし、天ぷらが期待以上に美味しかった。
ログはこんな感じ
時間券2時間でも、うまく回すとゴンドラ6回乗れる。滑走距離も20km、足慣らしのトレーニングにはちょうど良い感じです。

2023年1月16日月曜日

スタンスアングルとエッジングパワー

少し前の投稿で、センタリングについて書いた。というか、僕のブログで「センタリング」って見ると、「またか…」って人もいるだろう、ごめんね。

センタリングの 2.5~3mm が滑りに与える影響は大きいと言っても、ピンとくる人と、そうでもない人に分かれるんだろうなとも思う。ピンとこない人は、ここで終了が吉です。

で、スタンスアングルとセンタリングは、相互に連携している。だけれども、それを考えてセットアップしている人って割と少ない…と思うから書いてみる。

僕は先シーズンの途中から、フロントのアングルを変更した。
養生シートにバインのアウトラインを写し取る
今までのセッティングはF30 R0 という、左足前振りで右足は真横。左足が前振りなことで、「上半身を前方に向けやすく、斜面変化を両目で、高い位置から見られる」 = 「遠近感がはっきりして安全」 これがBCでの安全確保に有利だからこうしていた。

ただ、左足が前振りだと、どうしてもターン前半でエッジの捉えが甘くて反応が遅くなる。ターン中もフロントのエッジングパワーが足りないので、ノーズがフラフラと動いていく。それはあきらめて、ターンの途中から後半にかけて後ろ足を強く締めてターンを仕上げる。そんなイメージだった。

で、だんだんと…ターン前半の、フラフラキョロキョロ安定しない感覚が嫌になってきた。そこでフロントを21度に引いて、横向きのセッティングにした。
母指球の延長線上に線を引いておく
これが大正解で、ハードバーンでもノーズの捉えが確実に素早くなり、結果として安定した滑りにつながった。で、なぜ横ノリだとエッジが良く効くのか、理由をビジュアル化してみよう。

バインのアウトラインと、母指球の延長線がどこに向くかを、養生シートに書き写したのがこれ。
横方向で3mm程度の変化
21度にすると、エッジへの距離が3mm 近くなる。エッジへの距離3mm というのは、センタリングで言えば、センターディスクで1ノッチの距離と同じ。それだけエッジへ近く乗れれば、エッジングパワーが大きく増えるのも当然だ。

前後方向の荷重ポイントが移動するのも見逃せない。
2cm くらい踏むポイントが後ろになる

前振りにすると、つま先の位置が前に出るので、フロントサイドターンの時の荷重ポイントは前に移動する。逆にかかとの位置は後ろに下がるから、バックサイドターンの荷重ポイントは後ろになる。ということは、毎回毎回ターンの時に、積極的に前後に体を移動させる必要がある、というのが前振り。

で、僕みたいに、フロントだけ前振りにしていて、ターンの仕上げはド横乗りの後ろ足で仕上げる、みたいな人は、前後の荷重ポイント移動はさほど起こらない。ただ、前足が前振りで後ろ足が 0度の横向きだと、トウ側はワイドスタンスになり、ヒール側はナロウスタンスになるということ。

で、スタンス幅を広くするとボードがしなりにくくなるかわりに、安定する。スタンス幅を狭くするとその逆ということは聞いたことがあると思う。僕の今までのセッティングは、フロントは安定する代わりに反応が鈍く、ヒール側は動きがクィックになるということ。

で、僕は、フロント前振りを長く推奨してきたわけだけれど…アングル変更によって、エッジングパワーとスタンス幅がどのように変化するかを考えると…極端な前振りはしないほうが、ボードの性能を活かしやすいだろうなと思うようになった。で、今の僕のベストは F21 R0 というわけ。

いや、でも、カーバー(カービングをする人)は前振りですよね?だって?

アルペンボーダーもカーバーも前振りだけど、彼らが生息するのは、ハードパックバーン。固いバーンには細いボードが必然だし、細いボードでドラグしないギリギリの前振りスタンスで…カント角を入れられるバインやプレート入れたりする。

で、アルペンボードとかカービング専用ボードを履いていないならば、ドラグするからという理由で前振りするのはお勧めしない。

初心者、初級者の時は、「どうやってエッジを深く立てるか」が課題になる。しかし、中級レベルになってくると、「エッジは立てられて当たり前」になる。そんでもって、ターンのキレとか、後半の加速とか、次のターンへの連続性を考えると、エッジを立てすぎても意味がないことに気がつくようになる。

ボードの太さに合わせたスタンスアングルを取ると、それに合わせた上体の向きができる。できるだけエッジに近い位置で踏めるようになっている状態、それが、ボードを設計した人の意図しているポイントなわけ。で、乗る時には、「ドラグしないようにコントロールしながらエッジにプレッシャーを入れる」のが大事だ、そう僕は思う。

ただまぁ、ターンに何を求めるかも人それぞれ。僕はターンの加速、キレ、スピードのコントロールを大事にしたい。そして、ターンにスタイルを求めるとかも全然ありだとは思う。

どんなスタンスアングルでも、乗ってれば慣れる。実際、「えっ?そんなんで良く乗れるよね?」って上手い人もいる。ド前乗りなのにスイッチが超上手い人とかね。

僕は凡人なので、できるだけラクで確実に乗れる方法を考えて生きていこう、そんな風に思っています。

2022年12月19日月曜日

ニコイチ補修 MSRスノーシュー

怪我をして遊びに行けないので、壊れているモノをぼちぼち直すかシリーズ…
20-21シーズンの終盤に、ユーヤのMSRスノーシューがぶっ壊れた。

その時の記録はこちら

で、ユーヤがAtlasの新型スノーシューに買い替えた時に、壊れたスノーシューを引き取っておいたのだ。
ハーネス(バインディング崩壊)
MSRの布デッキ(ハイパロン?とリップストップの高強度メッシュのラミネート)の、このタイプが登場した時は、随分と話題になった。

**注: 以下で行っている作業は、MSRならびに輸入代理店が認めているものではありません。修理やメンテナンスは、正式に修理作業を行うことを認められた専門家に依頼して行いましょう。**

MSRのスノーシューは、布デッキもプラデッキも、ハーネスの接続部分の幅が一緒。モデルや年式によって、デッキが回転しすぎないように止める爪の形とかは微妙に違うけれども、流用は可能。
ハーネスだけを交換
クレビスピン(取り付けピン)などのパーツも、基本的に同じもの。メーカーに尋ねたわけではないけれども、フィールドで万が一破損した場合のことを考えての配慮だと思う。パーティで予備パーツを持っておけば、流用できるわけだからね。



すっぽんピンセット
こうした細かい作業で役に立つのは、すっぽんピンセット。逆作動ピンセットとも呼ばれる。ピンセットから手を離すと、普通のやつだと持ってる物が離れちゃう。こいつは逆に、ピンセットを握って対象物を挟んだところで手を離すと固定される。

上の写真にある、リングが抜け止めになるわけだけれど、一度つけ外しするとリングが微妙に変形する。そうなると、ふとした拍子に脱落することも、「稀」ではあるものの起こりうる。

実際、自分もそれを経験しています。BCに入る時は、必ず予備のクレビスピンと、割ピンを持参すること(重要)。
ドナーとなったEVOスノーシュー
EVOスノーシューからハーネスを外してドナーとする。このEVOはヒールエレベーターがついていないので、その分「ちょっとだけ軽い」そして、使い方がシンプル。その代わり登坂がちょっと苦手。

BC初級者が同行する時とか、万が一のバックアップ用にと思って買ったやつなのだ。
ハーネスの分解
加水分解が進んだハーネスは、もうどうしようもない。リベットの頭をドリルで飛ばして外す。メタル部分だけは、何かで流用できるかもしれないので、ジャンクボックスに保管。
ブラインドリベットでなんかやってみようかなぁ
多分だけど、スノーボードバインディングつけてあげたら、ラチェットで締められるし便利なんじゃないかなぁ、重くなるけどネ

2022年12月14日水曜日

初老のスノーボーダーと、Unionバインディング

僕は「初老」と言われる年代に入っている。
孫がいる同級生も…何人もいる。

そんな僕がふと、スノーボードをやっていると言うと…若者の反応が面白い。

 へー (ほぼ息を吐いてるだけ)
 スノボやるんすねー (興味ナッシング)
 どれくらいやってんすかー  (年に1〜2回っしょ?)  的な…

まぁ、そーゆー反応は理解できる。

僕が20代から、30代の半ばくらいまでは…おっさんスキーヤーを冷めた目で見ていたから。

腹が出てレーシングスーツを着るのに苦労するんだ、とか
今、履いてるこの限定モデルがどれだけ特別なのか、とか

なんでこの人は…リフトで一緒になっただけの僕に…しょーもないことを、延々と喋ってるんだろう?とか思っていた。

で、僕は、できれば格好良く歳を取りたいな、そう思っていた。そうは言っても、腹は出たし、歳をとったし、目は霞むし、最大筋力も持久力も、柔軟性も心肺機能も落ちている。

そんな僕が、いかに楽にカッコいいおっさんに近づくかを考えて、たどり着いたのは UNIONのバインディング。今後もUNIONしか履かないと思う…その理由はこちら

そう、UNIONのバインディングは可動式ヒールカップが最大の魅力。
(Drake とか RIDE とか ROMEとか にもあるよね?とか言っちゃダメ)
三段スライドのヒールカップ
一般的にはブーツサイズに合わせてスライドさせ、フィットさせるって言われてるけど嘘です(断言)。

僕のブーツサイズはUS7 (25cm)。ヒールカップがサイズ合わせのためなら、当然一番前のはずです。

僕の好むのは一番後ろで、サイズ合わせのためならこの位置はL〜XLサイズ用になるわけ。アメリカサイズのXLってことはUS13 (32cm) とか?そこに僕の25cm ブーツを入れたらガバガバになるはず…だが、そうはならない。ブーツとのフィッティングは、ヒールカップの位置にかかわらず、ストラップの長さと取り付け位置の調整でできるのだ。

ということは、この可動式ヒールカップは、サイズフィッティングのためではない。スライドする方向を考えると、これはセンタリング調整のためについている、そう考えるのが合理的だよね。
微調整はディスクでやる
Union のバインは、ヒールカップで大きくセンタリング調整ができる。そして、微調整をディスクでやるという、2段構え。それがUnionのメリットだと、僕は思う。

なんでそこまでセンタリングにこだわるのか?

だって楽なんだもん。

センタリングがバッチリ出せているスノーボードは、本当に楽。

スキーに比べて、太くて重くて安定感のあるスノーボード。滑るボードに乗っているだけでいい。センタリングが出ていれば、両方の足裏を、軽くひねるだけでターンができる。

そう、僕が Union のバインを愛するのは、衰える肉体をカバーするため。

小狡いノウハウを手に入れて、小生意気な若造を手玉に取るため
そうやって、元気な若者になんとか着いていくため。

よく考えてみると、僕がスキーヤーだった時にも、そんなおっさんはいた。

どう見ても蒼氷だよねって急斜面を、スパーって滑り降りていく人がいた。

ん? 見かけほど凍ってないのか?

そう思って、追っかけてドロップインしたら、エッジが引っかかりすらしないアイスバーン。

ドロップ3mで転倒して、なすすべもなく背中とお尻で滑落してボトムに着いたら、貧相スリムで、代謝エコっぽい爺さんが…ニコニコ笑顔で立っていたとか。

リフトを同時に降りた小太りのおっさんが先に行った中里の表の壁。ボコボコのコブ斜面を息絶え絶えに降りた僕を、そのおっさんがはち切れそうなウェアと、あふれそうな笑顔で迎えていたとか。

そう、僕はそんな老人になりたいのです。

ま、腹が出ているのは嫌だけどな…
今シーズンはダメだけどな…

2022年5月2日月曜日

「抜けがイイ」スノーボードのテールとは?という話

ハイシーズンのパウダースノーを滑るのは楽しい。ただ、雪が深いと結構大変な時もある。密なツリーとか、タイトターンを確実に作らないと、木に激突!みたいなのは嫌だ。

パウダーライディングで、重要なのはノーズの浮力。これが十分でないと、バックサイドターンでノーズ食われて前転して雪まみれ。はたまた緩斜面で失速して、ズブズブと沈んで途方にくれたりする。

ノーズの浮力を増やすには、面積を増やせば良い。面積を増やすには、ノーズを長く伸ばすか、横に広げて太くするか。

春の湿雪やザラメの雪が重い時期も、浮力のあるノーズはよく働いてくれる。ただ、この時期がハイシーズンとちょっと違うのは、テールの抜けがイイかどうかが結構重要だということ。
Bataleon の比較: 上 Thunder 下CT
バタレオンの Thunder と CT は、どちらもカービングがちゃんとできるパウダーボード。Thunderのほうがちょっとだけ張りが強くて、反発が早いけれど、ノーズ部分はほとんど一緒。違いはテール部分にある。

Thunder のテールは、3BTのスプーン形状で、ノーズと同じような形をしている。これは、スイッチスタンスで滑る人にとってはありがたいことだろう。テールはノーズに比べるとボリュームが小さいので、スイッチで滑ると浮力が足りない。それを補うために、キックを大きく、3BTの3D形状も浮力を稼ぐようになっている。
上がThunder 、下がCT
CTはスイッチはほとんど考慮していない。ターン後半でも粘りながら雪面を捉えていくような形をしている。

ここでちょっと考えなければいけないのは、Thunderの形状だと、上に溜まった雪が落ちにくい。CTの場合は、キックが小さくて、しかもテールが2つに分かれていて、真ん中は低く、そこからスラッシュが抜けていくようになっている。

YES. 420 PH のアプローチはまたちょっと変わっていて、 Powder Hull という3D 形状の凹みをノーズとテールに作っている。

真ん中が窪んでいたら、板を横に振りにくくなるんじゃないかなと思うだろう。でも、このノーズでパウダーに入ると、くぼみに雪が集まって圧縮される。で、ノーズが押し上げられるのと、ノーズに溜まった雪がソールと一体化して、「仮想コンベックスソール」みたいな乗り味になるのだ。

これが結構独特で、パウダーをまっすぐ落としている時、ノーズはぐぐっと浮いて来て、エッジが存在しないかのようにスルスルと左右に向きを変える。でも、ターンをはじめると、スッと(過剰な)浮力がおさまり、ずれのないカーブを雪面に残していく。
YES. 420PH の Powder Hull(ノーズ側)
で、今のはノーズ側の話で、テール側のPHは逆に働く。つまり、圧縮された雪をここで解放する。その結果、テールの浮力が減って沈みやすくなるということ。

スイッチで滑る時には、テール側のPHは雪を集めるように働くので、それで浮力が稼げる。ということは、キックで浮力を稼ぐ必要が薄いので、小さくて、抵抗が少ないテールでも構わないということになる。この結果、420PHはパウダーでアホみたいに浮いて、テール抜けがいいというキャラクターを手に入れた。

そもそもスイッチしないよ…だって?
だったらテールそのものを切っちゃえばいい。
Rossignol SUSHI
それがこれ。
テールが引っかかる?切っちゃえそんなん!
ただ、もちろんそれは簡単なことではなくて、短くて不安定になるボードを、どうやってちゃんと乗れる製品に仕上げるかというのは、メーカーの腕の見せ所ということでしょうか。

スティープな斜面でタイトツリー、だったら僕のチョイスは、間違いなく SUSHI
悪いコンディションで、できるだけ減速させたくない緩斜面がある、だったら Thunder かな

そうやって、コンディションを予想しながら、どのボードで出動するかを悩んで準備する。それもスノーボーディングの楽しみの一つ。