少し前の投稿で、センタリングについて書いた。というか、僕のブログで「センタリング」って見ると、「またか…」って人もいるだろう、ごめんね。
センタリングの 2.5~3mm が滑りに与える影響は大きいと言っても、ピンとくる人と、そうでもない人に分かれるんだろうなとも思う。ピンとこない人は、ここで終了が吉です。
で、スタンスアングルとセンタリングは、相互に連携している。だけれども、それを考えてセットアップしている人って割と少ない…と思うから書いてみる。
僕は先シーズンの途中から、フロントのアングルを変更した。
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養生シートにバインのアウトラインを写し取る |
今までのセッティングはF30 R0 という、左足前振りで右足は真横。左足が前振りなことで、「上半身を前方に向けやすく、斜面変化を両目で、高い位置から見られる」 = 「遠近感がはっきりして安全」 これがBCでの安全確保に有利だからこうしていた。
ただ、左足が前振りだと、どうしてもターン前半でエッジの捉えが甘くて反応が遅くなる。ターン中もフロントのエッジングパワーが足りないので、ノーズがフラフラと動いていく。それはあきらめて、ターンの途中から後半にかけて後ろ足を強く締めてターンを仕上げる。そんなイメージだった。
で、だんだんと…ターン前半の、フラフラキョロキョロ安定しない感覚が嫌になってきた。そこでフロントを21度に引いて、横向きのセッティングにした。
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母指球の延長線上に線を引いておく |
これが大正解で、ハードバーンでもノーズの捉えが確実に素早くなり、結果として安定した滑りにつながった。で、なぜ横ノリだとエッジが良く効くのか、理由をビジュアル化してみよう。
バインのアウトラインと、母指球の延長線がどこに向くかを、養生シートに書き写したのがこれ。
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横方向で3mm程度の変化 |
21度にすると、エッジへの距離が3mm 近くなる。エッジへの距離3mm というのは、センタリングで言えば、センターディスクで1ノッチの距離と同じ。それだけエッジへ近く乗れれば、エッジングパワーが大きく増えるのも当然だ。
前後方向の荷重ポイントが移動するのも見逃せない。
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2cm くらい踏むポイントが後ろになる |
前振りにすると、つま先の位置が前に出るので、フロントサイドターンの時の荷重ポイントは前に移動する。逆にかかとの位置は後ろに下がるから、バックサイドターンの荷重ポイントは後ろになる。ということは、毎回毎回ターンの時に、積極的に前後に体を移動させる必要がある、というのが前振り。
で、僕みたいに、フロントだけ前振りにしていて、ターンの仕上げはド横乗りの後ろ足で仕上げる、みたいな人は、前後の荷重ポイント移動はさほど起こらない。ただ、前足が前振りで後ろ足が 0度の横向きだと、トウ側はワイドスタンスになり、ヒール側はナロウスタンスになるということ。
で、スタンス幅を広くするとボードがしなりにくくなるかわりに、安定する。スタンス幅を狭くするとその逆ということは聞いたことがあると思う。僕の今までのセッティングは、フロントは安定する代わりに反応が鈍く、ヒール側は動きがクィックになるということ。
で、僕は、フロント前振りを長く推奨してきたわけだけれど…アングル変更によって、エッジングパワーとスタンス幅がどのように変化するかを考えると…極端な前振りはしないほうが、ボードの性能を活かしやすいだろうなと思うようになった。で、今の僕のベストは F21 R0 というわけ。
いや、でも、カーバー(カービングをする人)は前振りですよね?だって?
アルペンボーダーもカーバーも前振りだけど、彼らが生息するのは、ハードパックバーン。固いバーンには細いボードが必然だし、細いボードでドラグしないギリギリの前振りスタンスで…カント角を入れられるバインやプレート入れたりする。
で、アルペンボードとかカービング専用ボードを履いていないならば、ドラグするからという理由で前振りするのはお勧めしない。
初心者、初級者の時は、「どうやってエッジを深く立てるか」が課題になる。しかし、中級レベルになってくると、「エッジは立てられて当たり前」になる。そんでもって、ターンのキレとか、後半の加速とか、次のターンへの連続性を考えると、エッジを立てすぎても意味がないことに気がつくようになる。
ボードの太さに合わせたスタンスアングルを取ると、それに合わせた上体の向きができる。できるだけエッジに近い位置で踏めるようになっている状態、それが、ボードを設計した人の意図しているポイントなわけ。で、乗る時には、「ドラグしないようにコントロールしながらエッジにプレッシャーを入れる」のが大事だ、そう僕は思う。
ただまぁ、ターンに何を求めるかも人それぞれ。僕はターンの加速、キレ、スピードのコントロールを大事にしたい。そして、ターンにスタイルを求めるとかも全然ありだとは思う。
どんなスタンスアングルでも、乗ってれば慣れる。実際、「えっ?そんなんで良く乗れるよね?」って上手い人もいる。ド前乗りなのにスイッチが超上手い人とかね。
僕は凡人なので、できるだけラクで確実に乗れる方法を考えて生きていこう、そんな風に思っています。