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2025年7月21日月曜日

山屋のブルベ戦略・食事と補給

今回説明する戦略は、ボクが思う「ブルベの本道」からは少し外れることを最初に断っておきたい。

ボクが思うブルベの本道とは、自転車での小旅行。旅先での経験…観光だったり食事だったり、人との触れ合いがあってこそのブルベという遊びだと思う。

しかし、ボクにとって現実は大きく異なり、旅の余白を楽しむ時間的な余裕は無い。

強いサイクリストが、グルメを楽しみ、名所旧跡を訪れ、仮眠を取っている時、貧脚のボクはペダルを回し続ける。そうやって分単位で時間を稼ぎ、ブルベを完走しているのだ。だから、ボクのやり方は邪道かもしれない。

ただ…そんな走り方ではあるものの、ボクのやり方が、高い完走率に繋がっていることは間違いない。頑張っているのだけれど、なかなか完走に繋がらない、そんな誰かの参考になれば嬉しい。

もしも用のフード

走行中アクセスしやすいパッキング場所に、ボクは補給食を仕込んでおく。

補給が切れると身体はエネルギー不足になり、パフォーマンスが落ちる。本当は、そうなるまえに補給すべきなんだけれど、そうなってしまった時には、即効性のあるパワージェルなどが有効だ。

ジェル状フード

ジェル状のパウチフードは、水分を含んでいるので飲み込みやすい。吸収も早くて即効性がある。ただし、持続性の面ではちょっと落ちる気がする。さらに、こうした高機能型ジェルは結構お高いのであくまでも非常用。

吸収性・即効性良好

非常用として考えた場合、カフェインが含まれている物を選ぶのもありだと思う。オーバーナイトブルベは、明け方に睡魔と戦う時間帯がある。そうした時に、エネルギーとカフェインを同時に摂れるのは合理的だ。

もう少し、コスパが良くて気軽に使えるというと、羊羹が良い。コンビニで一口羊羹を買うのも良いし、事前に準備しておくなら「スポーツ用」なんてのもある。

スポーツ羊羹

メインは炭水化物

ジェルや羊羹は、食べて空になったパッケージがベトベトする。ポリ袋などをゴミ入れとして持っておくと良い。

エネ餅もなかなか良い。

薄く延ばした歯応えのある餅で、表面にはオブラート様のシートが貼ってあるからベタベタしない。パッケージを少し開けて、歯先で餅を引き出して半分くらい食べて、残りをそのままパッケージに戻して少し後で食べる、なんてこともできる。
 
エネ餅シリーズ

エネ餅は割と効果が長く続く気がする。長いヒルクライムが始まる前に半分食べて、途中で残り半分を食べる、そんな使い方が向いている。

塩餅の塩分量はそこそこ

羊羹や餅系の欠点は、寒さで凍ったり、固くなってしまうこと。冬期には、ジャケットの内側で携行したりする必要がある。

脱線するが、温度管理が難しいフードといえば、チョコレート系もそうだ。冬はまだいいが、暑さ対策が難しいのでボクはあまり使わない。

スニッカーズなどは、即効性・持続性に優れて総カロリーも大きいので、携行食としては非常に優秀なのだが… 夏はドロドロに溶け、冬はヌガー(キャラメル?)部分がカッチカッチに固まって、前歯が折れそうな思いをするのでキライw

ここまで紹介してきたのは、炭水化物・糖質を中心にした物だ。他には、アミノ酸系のものもある。そのものが燃焼するのではなくて、身体に蓄えられたエネルギーを効率よく使うのを助ける役割がある。

アミノバイタル

アミノバイタルやVAAM (ヴァーム) などが代表的。ボクはラーメンデブなので、ダイエット目的のために、こうした燃焼系を摂ることもある…のだけれど…摂取後にメチャクチャ腹減って…大盛りとか炭水化物ダブル(ラーメン・チャーハン)とか食べちゃって効果台無しになること多し。

さて…

そんな感じで、エネルギー補給系の行動食をメインでブルベを走って気がついた。それは、こうした行動食をメインにすると、ミネラル(塩分)が不足するということ。

パワーは出ているのにだるいとか、ボーッとするとか、足が攣るとかが起こるのだ。そうした時に、塩分を補給するとてきめんに効果がある。←のリンクは、ミネラル補給について書いた投稿なので参考にして欲しい。

マグネシウム補給

夏も冬も、脚攣り対策で常備しているのが「塩GEL」。

総塩分量はさほど無い

ポイントは、塩GELの成分は、マグネシウムが中心であること。ナトリウム補給は、スポドリ+塩タブでカバーできる。そこでカバーできない、マグネシウムだけを補給することで、ピンポイントで脚攣りに効く。

でねぇ、ボクは不思議に思ったのよ、「なんで行動食メインで動いていると、ミネラルが不足して脚が攣るのか?」

もし、手元に行動食があれば、成分表を見て欲しい。多分、塩分ほとんど入ってないから。

それはある意味当然で、行動食は「エネルギーだけを狙って補給する」ためのものだから。行動食は、行動中に継続して摂取するもので、その塩分含有量が多すぎると問題になる。発汗の少ない時期には、塩分過多になってしまうだろう。

気温の高い環境下で行動食メインで過ごしていると、「口の中が甘くなって食欲が無くなる」ことはないだろうか?もう羊羹はいらない、とか、クッキーとか見たくもないとかね。

そんな時に試してみて欲しいのは、ジャンクなスナック類。

スナック菓子

裏の成分表を見て、塩分が多めのやつを選ぶ。柿の種とかせんべいは王道。短時間でパワーも一緒に出したければ、ポテトチップがいい。炭水化物が多くてしょっぱいやつね。

そんなこと気にしたことないヨ?
塩分補給?エネルギー補給?
いらないヨそんなの!考えすぎ!

そんなことを言うサイクリストもいるでしょうね。そんな人たちが何を食べているか、各地のグルメの普通食を食べてるのよ。

高崎パスタ・シャンゴ風スパゲティ

パスタは、塩分も炭水化物も過剰なぐらいに取れる。

高崎海鮮・魚喜のウニいくら丼

和食のご飯は炭水化物。味噌汁や漬物で塩分補給。発汗多い時期は醤油多めで調整。

沼田・馬鹿旨のトマト麺と餃子

肉体派労働者諸兄の味方、街中華は炭水化物・塩分の桃源郷。しかも、油分たっぷりなので、吸収が穏やかで、長い時間パフォーマンスを維持できる。

結論を言うと、さんざん行動食を紹介しておきながら申し訳ないが、バランス良い補給にはコンビニご飯が一番良い。

どっちにしろチェックポイントでコンビニによるのだから、ブルベではそこをフルに活用すれば良い。汁がある麺類(ぶっかけうどん・蕎麦・ラーメン)とか、パスタとか、消化に問題なければチャーハンとか、丼ものとかを定期的に補給する。

で、峠や海沿いとかで、チェックポイントの間が開いているような場所では行動食を使う。行動食が連続するとミネラルが補給するので、塩タブや塩GELを活用する。

そんな感じで走ることで、300kmを超えるライドでも時間的な余裕を維持しつつ走り続けることができるのだ。

ボクもそうだけれど、制限時間ギリギリ隊は時間を稼ぐ工夫が必要だ。

ただ…稀にだけれど、ちょっとそれはどうかな?というやり方をとる人も稀に見る。

言いにくいけど、一時停止をしない、2段階右折をしない、歩行者変身して歩道をショートカットする…とか…数分ずつ時間を稼いでいく。

でもねぇ、ボクの見ている限りなんだけど…そうした人たちが完走できているかっていうと、そうでも無いような気がするのだ。

ボクは、後味が悪いやり方で完走することに興味は無い。

ボクにとってブルベとは、後で振り返って笑顔になれる、そんな思い出を積み重ねる行為なのだ。もし、制限時間ギリギリで完走したとして…その完走の背景に、自分に恥じることが無いのかどうか?そんなことを思って、ボクはジタバタとブルベを走っている。