僕がスノーボード を始めたのは、確か35歳の時。それまではスキーにハマっていた。始めたきっかけは、スノーボード 業界の会社に転職をしたから(注1)。スノーボード を始めてからも、どちらかというとスキーを履く日の方が多かった。スノーボード 一本に絞ったきっかけなどについては、いつか機会があれば書いてみます。
それは今の2020-21シーズンから振り返ると、ほぼ20年くらい前のこと。当時、スキーヤーとスノーボーダーには、今よりももっと高い壁があって、分断されていたように思う。だが、僕がラッキーだったのは、転職のタイミングより前に、雪山宴会部という集いのメンバーだったこと。そこでは乗り物に関係なくライディングを楽しむカルチャーがあった(注2)。
雪山宴会部は、なんというか名前の通りの会。雪山で宴会をして(雪洞とか、雪洞が掘れない場合はテントとかでネ)、食って呑んで泊まって、周りの山を登って滑る会。で、当時はまだBCが今ほど一般的でなかったので、自立してBC行動ができれば、乗り物はなんでもいいんじゃね?というくらいのサークル(笑)だった。入山する時は、こんな感じの荷物感になる。後ろ向きなのが僕で、スキーは荷物を背負っての行動が有利なので、こんな時には積極的にいいカッコを演じてみる(注3)。
で、ある時、タカさんと話をした。
世間一般では、スノーボーダーと、スキーヤーって仲よく無いって言うね。なんで俺らはそんなことないんだろうね?
彼はちょっと考えてこう言った。
乗り物でどうこう言うのって変じゃないですかね。それぞれの得手不得手をよく理解して、お互いに楽しく過ごせばいいと思うんですけど。僕はこの部活が好きなのは、乗り物によっての分け隔てなく、一緒に楽しめるのがすごくいいと思うんです。
レスペクトってことかね。
なんでそこ英語なんすか。ま、そうですよね。
パウダーヒャッホーイって、ボード楽しそうだなって思うしね(注4)。
ですね…
基本でかい荷物背負えないしな、Shinya以外 。
ですね …
斜度が変化してるところで止まっちゃうと、「スキーは動けるんだから前に回って雪を踏んでくれ」とか、「ストックで引っ張れ」とか言うしね。
それはwww…いや、そんなこと言わないでしょwww
言うよ〜!約1名!www
俺らの活動的には、スキーのほうが有利だよなって思いますね。でも、有利不利に関係なく、楽しんでる姿っていいですよね。こっちまで幸せになりますよね。
結局のところ、メンバーに恵まれたってことがすごく大きかったのかなと、今改めて思う。当時BCで出会った他のグループ、x-Tele(テレマーク) や 山ボ研(スノーボード )の皆さんとも、「埋まった時はお互い様」のいい関係性を持たせていただいた。そうした皆さんからも、暖かい声援をいただくことも結構多かったしね。
「君たち変態❤️」って
(注1)スノーボード 未経験なのにスノーボード業界に転職ってのもスゴイ話だ…
(注2)乗り物には拘らないけど、一緒に雪山に入るにあたってはいくつか条件があった。まず、複数のメンバーが推薦すること。日帰りの場合は、コースの難易度にあった滑走技術があること。で、荷物が多い泊まりの場合は、冬山での生活技術があるか、圧倒的な体力があるかのどちらかとしていた。
(注3)基本的に、荷物は大きければ大きいほど、重ければ重いほど偉かった。だからビールと言えば、350ml ではなくて500ml が基本。
(注4)当時、パウダー用のスキーって言っても、センター幅が100mm超えるかどうかくらい。今普通に見かけるスーパファットなんて影も形も無かった。浮力に乏しいので、俺たちスキーがひたすら直滑降で耐えてる横を、スノーボード はバキューンって追い抜いてスプレー上げまくってた。「いいよなー」と、うらやましく思っていたところに到達できて幸せです。