いつものことながらですが、このブログの内容は すべて フィクションです。
ソールは、ぶっちゃけ「良い素材」を「手間かけて」、「ハイスペックなファクトリーで製造」すれば良くなります。でもですね、割高になっちゃうんで、どこかで妥協や工夫をしなければならなくなります。
ソールの素材は、ほとんどP-TEXとか、化学製品。で、化学合成プロセスで製造する物って、「大量に仕入れるのが原則です」というか、ちょっとだったら売ってくれません。そりゃそうですよね、P-TEXって、原料の粒々を、添加剤を混ぜて、熱と圧力かけて整形して、それをカットして作るんです。で、成分を変えるごとに、製造設備をバラして、清掃して、メンテナンスしてって作業が入ります。ですから、一度に、大量に作る必要があります。で、できた製品は巨大なロールだったりします。
すみません、そこから、ちょっと切り売りしてくれませんか?
これは通らないっての、わかりますよね?バートンみたいに、トップシェアを誇るブランドならば、大量にボードを製造して売り切れれば、多少特殊な物も発注できます。しかし、ごく生産量がわずかな場合は、仕入れが難しくなるので、工夫をしなければなりません。例えば、
1 スキー部門と共同で調達する
この点でスキーメーカーは有利です
2 グループ内の他のブランドと共同で調達する
あそことここが、親会社でつながってるってこと、結構あります
3工場に調達と製造を任せちゃう(自社ではデザインとかだけ)
アメリカだと、マー●ンが受託大手、そこにゼーンブ任せちゃう。
日本だと、ほら、あそこですよ、あれ、オガ●カ。
カザマとかYAMAHAとか西澤とか、いろいろな背景があって(略)
ヨーロッパだと、もともとエ●ンが大規模にやってたファクトリーが、今は、
キャ●タとか、バタ●オンとか、あそことか、これとか(略)
4 仕入れるソールの種類を絞る
種類を絞って、一種類ごとの仕入れ量を増やす。
ここまでが調達の話です。で、4のソールの種類を絞るってことですが、一番簡単なのは色の種類を絞るってことです。ただ、ソールグラフィックスとの兼ね合いが…単色だと、つまんないですからね。で、どんな方法で色を絞るかですが、
もうね、ウチのソールは黒だけにするから!
これ、一番シンプルです。ただ、ちょっと寂しいので、先っぽに小さく赤いポッチを埋め込むとかね。小さいポッチなんで、滑走性に影響でませんから、一番安いやつで無問題。ずーっとそのやり方で行くって決めちゃえば、「赤いP-TEX」最初に仕入れたロールが10年分在庫w でも、まぁ、OK。だって、普段は仕入れるの黒いソールだけなんですから。んで、せっかくだから、もうさ、高いシンタードソールだけに絞る!えっ?そしたら、MSRP最低でも6マン超えるけど?いいの?
いいの!安いのはもう、作らないから!
くどいですけど、「フィクション」ですからね。
もうね、ウチのソールは透明なやつだけにしたから!
グラフィックスは、地肌に塗装かラミネートしておいて、その上から透明ソール貼れば、透けて見えるから無問題っしょ!まぁ、そうなんですけどね。でもね、発色が良くて、退色しなくて…P-TEXと接着できる素材ってあるの???
あるんでしょうね。やってるところありますから…
もうね、ウチのソールは色違いで2種類作るけど、基本アソートだから選べないからね!
YES. の PYL ピック・ユア・ラインというモデルのソールです。
黒い地肌の一部を切り取って、白を嵌め込んでます。こんなふうに、カットしてはめ込むのを「ダイカット・ソール」って言うんですが…生産量の半分が黒字に白丸。残りが、白地に黒丸です。理由はわかりますね?半分半分にすることで、黒いソールと、白いソールの仕入れ量が同じになるからです。
これも、白と黒の色違いパターンが半分半分に分かれます。理由は?上で書いたよね?
ま、そんな感じで、仕入れるソールの色を絞って調達コストを抑えるってわけですね。
個人的に好感が持てるのは、グラフィックスとかデザインとかはとりあえずちょっと我慢して、その代わり高品質なソールを使ってるブランドです。結構MSRP高いモデルなのに、ソールがエクストリューデッドとかのブランドもありますけど、これは売れないよねってモデルをうじゃうじゃ持ってたりして、、、もうちょっとモデル数絞って、コスト抑えてやればいいのになーって…(以下自粛)
ま、いいソールはですね、ファイル当てればわかります。硬くて粘りがあって、ファイルでカットした時にささくれない。そのあとホットワックスかければ、じわーーって染み込んでいく。滑った後に着いた汚れも、ワックスかけると奥から浮き出てくる(ワックスがストラクチャーの奥まで綺麗に循環してるってこと。
これはスゴイ!と思うくらい良いソール
「良い」ソールの定義 2/2 (加工技術)に つづく