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2021年3月8日月曜日

スキーブーツのカント角・原則

なぜプラブーツではカント角が重要なのか?

プラブーツはカフの高さがあるので、スネを内側に絞り込むことで強いエッジングができます。革のブーツとは比べ物にならないくらいに。

ただし…それは、スネの角度とブーツの角度が適切にマッチングしていれば…の話です。

スキーの板が回転するメカニズムをイメージしてみる。誰も乗っていないスキーの板を、そのまま斜面においたらどうなるでしょうか?(スキーブレーキや流れどめは外していると考える)すると、スキーは最大傾斜線に向かって滑り出し、「まっすぐ滑り降りていく」筈です。

では、本来、最大傾斜線に向かって滑り降るスキーを「ターンさせる」にはどうしたらいいでしょうか?スキーヤーならわかる筈ですが、ターンさせたい方向にスキーを傾けて、荷重させれば良い。スキーを傾けると、そのサイドカーブの働きによって、スキーは傾いた方向にターンを始める。

ということは、両足を並行にして直滑降し、重心をどちらかに移動させ、そちらに膝を曲げてスキーを傾けてやれば、両方のスキーは並行のままターンを始める。これがパラレルターンであり、ごくごくシンプルな技術だ…カント角があっていれば。

そもそもスキーブーツを作るメーカーは、主要顧客であるヨーロッパと北米を見ている。そしてそこで滑る人たちは大多数がコーケイジャンであり、スネは細くまっすぐ。靴のかかとは、真ん中からすり減っていく。ところが、モンゴロイドである私たちのスネは太く(というか脹脛が発達し)、外側に湾曲している。いわゆるO脚で、靴のかかとをみると外側がすり減っていく。

私たちがスキーブーツを履くと、外側に傾いたスネは、スキーを外側に傾ける。スキーは傾いた方向にターンしていくと言った。つまり、外側に傾けられたスキーは、いつ、どんな時でも、隙さえあれば、外に向かって突進しようとしているのだ。

なかなかこれに気がつかないのも不思議だが、インナーを抜いたてブーツに足を入れてみると、いかにスネが変な位置にあるかびっくりすることだろう。

ブーツのインナーを抜いて足を直接入れたところ。
スネの外側はアウターに密着し、内側には隙間ができる。

で、あなたがO脚かどうかはどうやって判断すればいいのだろうか?

下のチェックリストでぜひ、一度考えてみてください。

日常生活でのチェック
  • 靴のかかとが外側から減っていく
  • O脚であることを自覚している
スキー場でのチェック
  • 脱力して直滑降できない、苦手、(油断すると両スキーが外側に暴走)
  • プルークしたとき、内側のエッジが立たずスピードコントロールができない
  • 階段登行をするとき、山側のスキーはエッジが効くのだが、谷側のスキーが流れて登れない
  • スケーティングすると、蹴り足がずれてしまってうまく加速できない
  • リフトに乗って、スキーの前側を交差させると、上のスキーのソールと、下のスキーのトップシートがぴったり密着しない
  • どれだけ練習を続けても、パラレルターンができない
で、それなりに滑れていても、実はカントがあっていないって人はたくさんいます。というか、ほとんど全員と言ってもいいくらいに。

日本人がスキーで冬季オリンピックに出て、メダル取った競技を考えて見てください。クロスカントリー、ジャンプ、複合とか…全部…くるぶしの上までしか高さが無いブーツを履いてやる競技ですよね。なぜなのか?ということです。

どうやって調整すればいいのか?
まずは簡単なやり方を次に紹介します。

つづく

注: ブログ主は、今はスキーを休止しています。そのため、ブログの中ではスノーボード ブーツを見本に使っています。スキーブーツだと思ってみてください。