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2021年3月19日金曜日

上を向いて休もう

 突然ですが、バックカントリー (BC)スノーボーダーと、ゲレンデだけを滑るスノーボーダーとでは何が違うのでしょうか?

僕はどちらかと言えば前者で、ゲレンデにいる時もBCをイメージしています。というより、正確に言えば、ゲレンデは練習、BCが本番と捉えています。(注1)

僕がBCスノーボーダーとして自覚している個性のなかで、滑りの面で言うと「スタンス角度」「腰の高さ(腿の角度)」「背骨を立てる」「上半身はブロック」こんなところかな。なんでかってことについては、僕なりに理由があるので、機会があれば書いてみます。

滑り以外の面でも実はいろいろと違いがあります。例えば、ゲレンデの途中で止まる時。僕らBCスノーボーダーは上を向いて、膝をついて止まります、こんな感じ。

Location: Shibakurasawa, Mt. Tanigawa

細かい理由を言えば、僕らはケツパッドはまず使いません、バルキーだし、持っていける・身に着けていける物が限られるBCでは、ケツパッドやボディアーマーはまず使いません。で、停止する時にお尻が着くと冷たいのです。それに、斜面の下を向いたままゆっくりそーっとお尻をつけるのって大変。特にバックパック背負ってると、どうしても、ドンってお尻を着いてしまいがち。それに対して、斜面の上を向いて、しゃがんで小さくなって、片方の膝からそっと斜面に着いて安定させる、これなら簡単にできます。立ち上がる時も同様、この体制からのほうが、楽に立てます。

一番の理由は「危険は上からやってくる」からです。ゲレンデなら他のスノーボーダーやスキーヤーが突っ込んでくる、とかね。(注2)

下の写真は谷川岳芝倉沢、最上部の広い斜面を降りきったところです。これから先は狭くなって傾斜が増し、雪崩や落石の多いエリアです。で、まずはここで集合して、先に進むと言うところ。

Shibakurasawa

この時、二人のライダーが一時停止先に選んだのは、雪が薄いところ。ブッシュが出ているのがわかると思います。ここは雪が薄くて安定しているのと、斜度が落ちているので雪崩の流路から外れています。停止していても安全な場所を選んでいるのです。そして上部斜面を見ながらリスクを観察しています。

上から僕たちがこれから滑るわけですが、滑走中に自分の後ろを見ることは難しい。で、僕の後ろから何か(雪崩とかね)が迫って来たら、先に降りている彼らが両手を大きく振るなどして注意喚起をしてくれます。停止しているメンバーは、自分たちの安全を考えつつ、後続のメンバーに危険が迫っていないか気を配っているのです。

Shibakurasawa

あと、そう、後から滑る仲間たちの、かっこいいライディングを見ようとしたら、どうしたって上向いて止まるってのが基本だよね。滑る方だって、見られていると気分もアガルしね、そんなことない?


(注1)別にBCがすごいとか偉いとか、そういう話じゃないです。たまにですけど、自分がやっているスタイルが一番カッコ良くて、それ以外は否定したいって人もいますよね。乗り物の違い(スキー vs. ボードとかも)で否定するとかもね。でも、僕はゲレンデもBCも両方楽しい。もっと若いときに始めてたら、ジブもやってたかも。自由なのがスノーボードだし、僕はそんなふうに思います。

(注2)止まってて突っ込まれたら、突っ込んだほうが「基本的には」悪いことになります。ただ、良いとか悪いとかの前に、怪我したら馬鹿らしいよね。だから、突っ込まれないようなところを選んで停まる。上を向いて止まれば、他の人たちの動きがわかる。そうすると、自分がここにいるせいで、周囲の動きが妨げられているかも?ってこともわかるようになってくるから、初級者の人ほど上を向いて止まるべきではって思う。