このブログを検索

2021年9月5日日曜日

バイクメンテナンスのヒント ディレーラーハンガー(2/2)

 前回の続きです

    3.プーリーケージが微妙にスポークに当たっている

**3の症状は深刻な問題に直結するので、今すぐ乗るのをやめましょう**

と書いたわけだけれど…なぜ…「3. プーリーケージが微妙にスポークに当たっているの状態で乗り続けてはいけないのだろうか?

答えは…ディレーラーがホイールに巻き込まれてドツボにハマる直前だから。

ディレーラーハンガーはあえて柔らかいアルミで作られている。だから、ディレーラーをヒットしたり、チェーンに木の枝などを巻き込んだりすると、簡単にゆがんでしまう。そして、ハンガーがゆがむことでフレームが守られるわけだ。

問題は、ハンガーが内側にゆがんだ場合、ディレーラーとホイールのクリアランスが少なくなる。そんな状況で、リアをロー側にシフトしたら…回転するスポークがディレーラーを巻き込んでしまう。

新車の時、ディレーラーのプーリーケージとリアホイールのスポークには、十分な隙間がある。その隙間が少なくなっているということは、ハンガーが内側にゆがんでいるということ。そして、ディレーラーがホイールにいつ巻き込まれるかわからないということなのだ。

これがフィールドで起こると、わりと大変なことになる。

かれこれ15年くらい前に、MTBでよく行っていた古い峠道がある。そこで、いきなりヨーイチが叫び声をあげて停止した。面倒くさいから置いて行こうかと思ったのだけれど、心優しい誰かが止まってあげてたので、仕方なしにみんなで集まった。

どしたの?
いや、チェーンに枝を巻き込みまして…
…?
ペダルを逆回転させまして…
ほうほう…
枝が外れたと思ってペダル漕いだんです。
……
そしたら、なんか引っかかってまして
www
で、ま、大丈夫かってペダル踏んだらガツーンて来ました!! 
wwwwwwwwww
wwwwwwwwww 
 
あのな…
はい?
そんな時は踏み込むな!
押忍!

見て見たら、ディレーラーがリアホイールに巻き込まれて、テンションケージが変形して、ディレーラーハンガーはあさっての方向を向いている。

正座して反省するヨーイチ

ディレーラーが無事ならば、ハンガーを力技でひん曲げて修正する。ロー側でディレーラーが巻き込まれる可能性があるようならば、L側のアジャストボルトを締め込んで、ディレーラーが巻き込まれる位置まで動かないように規制してやる。そうすれば…とりあえずは走れる。

この時はディレーラーは変形してオシャカ。ハンガーは変形して、シワが寄っている。こうなってしまうと、内側にクラックが入っている可能性が高く、曲げ直した瞬間にハンガーが根元からモゲル。

チェーン切りで長さを詰める

しかたがないので、まずはチェーンを切る。チェーンをケージから抜いて、リアのディレーラーのボルトを緩めてハンガーから外す。シフトワイヤーも外して、ディレーラーは片付けて、ワイヤーは邪魔にならないようにまとめてフレームに固定する。

そして、スプロケットの真ん中あたりのギアにチェーンをかけて、できるだけピッタリの長さになるようにチェーンの長さを詰める。
切ったチェーンと外したディレーラー

シングルスピードバイクになるわけだけど、下り坂なら問題ないし、急な登りなら押して上がれば良い。とりあえず、下界に降りるためだけの応急処置というわけだ。
シングルスピード化

ヨーイチのバイクはTREKの上級モデルだったはず。しかし、その後、MTBで遊んでいるという話は聞かない…

ハンガーとディレーラーを取り寄せるのが面倒くさくて、放置しているのではないだろうか…
あれは、TREKが米国生産を続けていた時代の、希少なアルミフレームのMTBだったはず…
あーもったいないw

駆動系の最終チェックをするヨーイチ
山の中でライドするならば、最低限のツール類は携行しましょう。そして、トラブル対応の経験は積んどいた方がいいよ。ロード・MTB関わらず、スポーツバイクは壊れるものだから、ネ。

皆さんが次回も楽しくライディングできますように!

おしまい