前回の続きです
3.プーリーケージが微妙にスポークに当たっている
**3の症状は深刻な問題に直結するので、今すぐ乗るのをやめましょう**
と書いたわけだけれど…なぜ…「3. プーリーケージが微妙にスポークに当たっているの状態で乗り続けてはいけないのだろうか?
答えは…ディレーラーがホイールに巻き込まれてドツボにハマる直前だから。
ディレーラーハンガーはあえて柔らかいアルミで作られている。だから、ディレーラーをヒットしたり、チェーンに木の枝などを巻き込んだりすると、簡単にゆがんでしまう。そして、ハンガーがゆがむことでフレームが守られるわけだ。
問題は、ハンガーが内側にゆがんだ場合、ディレーラーとホイールのクリアランスが少なくなる。そんな状況で、リアをロー側にシフトしたら…回転するスポークがディレーラーを巻き込んでしまう。
新車の時、ディレーラーのプーリーケージとリアホイールのスポークには、十分な隙間がある。その隙間が少なくなっているということは、ハンガーが内側にゆがんでいるということ。そして、ディレーラーがホイールにいつ巻き込まれるかわからないということなのだ。
これがフィールドで起こると、わりと大変なことになる。
かれこれ15年くらい前に、MTBでよく行っていた古い峠道がある。そこで、いきなりヨーイチが叫び声をあげて停止した。面倒くさいから置いて行こうかと思ったのだけれど、心優しい誰かが止まってあげてたので、仕方なしにみんなで集まった。
どしたの?いや、チェーンに枝を巻き込みまして……?ペダルを逆回転させまして…ほうほう…枝が外れたと思ってペダル漕いだんです。……そしたら、なんか引っかかってましてwwwで、ま、大丈夫かってペダル踏んだらガツーンて来ました!!
wwwwwwwwwwwwwwwwwwww
あのな…
はい?そんな時は踏み込むな!押忍!
見て見たら、ディレーラーがリアホイールに巻き込まれて、テンションケージが変形して、ディレーラーハンガーはあさっての方向を向いている。
正座して反省するヨーイチ |
ディレーラーが無事ならば、ハンガーを力技でひん曲げて修正する。ロー側でディレーラーが巻き込まれる可能性があるようならば、L側のアジャストボルトを締め込んで、ディレーラーが巻き込まれる位置まで動かないように規制してやる。そうすれば…とりあえずは走れる。
この時はディレーラーは変形してオシャカ。ハンガーは変形して、シワが寄っている。こうなってしまうと、内側にクラックが入っている可能性が高く、曲げ直した瞬間にハンガーが根元からモゲル。
チェーン切りで長さを詰める |
しかたがないので、まずはチェーンを切る。チェーンをケージから抜いて、リアのディレーラーのボルトを緩めてハンガーから外す。シフトワイヤーも外して、ディレーラーは片付けて、ワイヤーは邪魔にならないようにまとめてフレームに固定する。
そして、スプロケットの真ん中あたりのギアにチェーンをかけて、できるだけピッタリの長さになるようにチェーンの長さを詰める。
切ったチェーンと外したディレーラー |
シングルスピード化 |
ヨーイチのバイクはTREKの上級モデルだったはず。しかし、その後、MTBで遊んでいるという話は聞かない…
ハンガーとディレーラーを取り寄せるのが面倒くさくて、放置しているのではないだろうか…
あれは、TREKが米国生産を続けていた時代の、希少なアルミフレームのMTBだったはず…
あーもったいないw山の中でライドするならば、最低限のツール類は携行しましょう。そして、トラブル対応の経験は積んどいた方がいいよ。ロード・MTB関わらず、スポーツバイクは壊れるものだから、ネ。
皆さんが次回も楽しくライディングできますように!
おしまい