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2021年5月13日木曜日

怪我の王様

まだまだ書き足りないスノー系の投稿だけど、流石に旬を過ぎつつある。下書き投稿が残ってるのだけど、どうしてもアップしておきたいことを一つ。

僕はスキーとスノーボード、両方で怪我を経験した。で、それぞれの典型的な怪我ってずいぶん違うよねって感じている。スキーの怪我は、下半身が中心。スキーの場合は、転ぶ時はお尻からスライドするようにダイブする。そして、スキーが斜面とか雪に食い込んで、足をひねる。

Skier: Aochan

写真はかっこいいけど、アオちゃん、さりげなく転んでる。

この時、彼はスキー4回目くらいで、バックパックは70Lパンパン。そして、僕のテレマーク板を履いて(注1)急斜面のパウダーに突っ込んで行ったんだから、そりゃ…転ぶよね。

ゲレンデスキーのバインディングは、セーフティリリースが進化している。きちんとセッティングされていれば、やばい時は外れてくれるから意外と怪我はしない(注2)。

Skier:  Koji

テレマークも、革靴にスリーピンバインディングの時は、目立った怪我はなかったように思う。やばい転倒の時には、勝手に外れてくれていたし、ブーツがしなって衝撃とかねじれを吸収してくれるから。ただし、革靴は靴擦れに泣かされた。林道歩きとか、キックステップが長いとか、まだブーツが馴染んでいない時とかね。特に、かかとのマメはやっかいだった。

これを繰り返すと、かかとの耐久性がアップする

テレマークバインディングで、ワイヤー式のやつ(G3とか)も、強い負荷がかかると外れてくれるので安全だった。最悪なのが、Black Diamond とかのハードワイヤー。あれは剛性が高いのが売りだったんだけど、転倒すると衝撃が全部膝に来て、なんども痛い目にあった。そして、怪我する前に捨てた。

Skier: Hataccky

最近のMTN?NTN?とかは良くわからない。流れどめはパウダーだけになり、ゲレンデではストッパー(スキーブレーキ)を使うようになっているみたいだし…セーフティリリースも付いているって聞いたことがある(注3)。

適当だなって?だってさ、今、僕の周りにいるテレマークスキーヤーって、めったに転ばない熟達者ばっかりなんだもんね。スキーが外れるような転倒ってしないのだ。だから、セーフティがどうなってるかなんて、わからない(注4)。

まぁ、その、まとめると、スキーの怪我は下半身がほとんど。なぜなら、だいたいにおいて、お尻から転ぶからってこと。

よっぽど攻めてないと、バックフリップとか、フロントフリップのできそこないみたいな転倒はしない。まぁ、その、コージは攻めるスキーヤーだったから例外だけどね。

Skier: Koji

それに対してスノーボードの怪我は上半身が多い。とにかく逆エッジ、一人バックドロップ、セルフパイルドライバー的な。

頭から、背中から、胸から、尻から斜面にダイブするようなクラッシュがありえる。だから、多いのは、脳震盪、頭部裂傷、鼻骨骨折、尾てい骨骨折、手首・肘・肩の捻挫や打撲や脱臼とかね。

意外と多いのが、ポケットの中の小物が肋骨に刺さる。これは肋骨のヒビとか、肋軟骨骨折とか、地味に痛い怪我に繋がる。携帯電話やモバイルバッテリーをどのポケットに入れるかって結構重要。

意外かもしれないけど、スノーボードで脚部の怪我はあんまりない。両足首は固定され、股関節は構造的に強い三角形につながっている。だから、よじれや衝撃に強いのだ。

スノーボードで脚の怪我といえば、リフトの乗り降りやワンフットですっころんで、前足の膝を捻るってやつかな。これは重篤な怪我になりやすいので、要注意。

冷やす・固定する・圧迫する

膝や足首の靭帯を怪我した時は、とにかく冷やす、固定する、圧迫するの3つを速やかに行うこと。そして、腫れが引いたら今度は保温しながら、固定と圧迫を続けること。で、最低でも2週間は運動禁止。丈夫な靭帯は治るのにも時間がかかるから、焦りは禁物。

可動範囲を制限できるサポーター

運動を再開するときも、両サイドにフレームがしっかり入っているタイプのサポーターを付けるとか、無理をしないほうがいいね。かならず整形外科医(できればスポーツ障害専門医)の診断を受けましょうね。

おどかすみたいな投稿になっちゃったけど、スノーボードは危険って話じゃないです。スノーボードも上達すれば、めったに転ばなくなるし、致命的な怪我をするような転倒も避けられるようになっていきます。

ただ…
関節や骨が固まる前の子供(概ね小学校の間)は、スキーのほうがいいかなって思う(個人の感想です)。

そして、スノーボードをするなら、させるなら、やっぱりヘルメット。そして、ワンフットで確実に滑れるようになるまでは、デッキパッドをきちんと貼りましょう。デッキパッド、カッコ悪いって言う人もいるみたい?だけど、カッコつけてすっ転んで怪我するより、デッキパッド貼って、怪我しないほうがいいよね?

おしまい



注1 この時アオちゃんは確か自分のスキーの道具を持っていなかった。で、僕の使っていないテレマークブーツ(革)と、テレマーク板を借りたいというので貸したの。やったことある人はわかるけど、普通のスキーで滑れても、テレマークで滑れるようになるにはかなり練習が必要。それを、初めて使う道具で、初めてのテレマークで、スキー4回目?www 挑戦者www

注2 ゲレンデ用バインディングの調整とは、開放値設定。かならずプロショップに助言をもらうこと。そして、説明書をきちんと読み込むこと。

注3 バインディングは「しきい値を超えた」「衝撃荷重」を受けた時に開放するように設計されている。「しきい値」とは開放値で、これはよく知られている。盲点になってるのが後者で、スキーの操作に伴う連続的な荷重には、バインディングは開放せずに耐えるようにできている。つまり、ジワーって長い時間加えられる負荷には、バインディングは開放せずに耐えるようになっているのだ。で、ブーツが緩かったり、柔らか過ぎたといった理由で、転倒の衝撃が途中で吸収されてしまった場合、バインディングが「これって衝撃荷重じゃないよね?」と判断して開放しない場合がありえる。レンタルスキーとか、履いた時にブーツがフィットしないで、グラグラするようだと危険。滑りにくいのはもちろんだけど、いざという時にちゃんと開放しないリスクもあるってことを知っておいてください。

注4 山スキーで問題なのは、開放された後の板が行方不明になる事案。深雪ですっ転んだ場合、外れた板は雪の中を突進してどこかに消えてしまう。やっかいなのは、スキーの先(Tip)の向き次第で、右にも左にも下にも方向を変えて走って行ってしまうということ。深雪では、ストッパー(スキーブレーキ)は無力ですから、かならず流れどめ(ワイヤーとか紐のやつ)をつけましょうね。