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2025年8月31日日曜日

長瀞のガイド付きMTBツアーが楽しい BLSS(Bike Life Support System)

兄弟舎 舎員のタカやんがMTBにハマっている。息子ちゃんも大きくなって、一緒にMTBに乗って楽しんでいる。普段はローカルのトレイルを、時々は「かたしな高原スキー場」のゲレンデで走っている。

微笑ましく聞いていたら、「MTBの聖地的なところに行ってみたい」という話になった。距離長めで、ゴンドラでガーンって上がって走れるところがいいと。

聖地かぁ…

富士見パノラマ
白馬岩岳
野沢温泉
白馬47

そんな感じで候補を上げて、日程決めて…雨予報…候補エリア全部雨予報w

当日は昼頃まで天気持ちそうではあったのだけれど、前夜に雨予報。そうすると、朝はウェットコンディションでのスタートになる。初めてのコースで、ウェットは厳しい。根っこ、岩、ガレ場、ドロップ…全部難易度が上がっちゃうし、遠征して怪我したら帰りが大変。

撮影サービス付き

そしたらタカやんが、「長瀞…は天気持ちそうですよ?

ということで、blss バイク・ライフ・サポートシステムのMTBツアーの予約状況を確認したら、参加可能!ということで行ってみた話。

集合場所

長瀞駅の南口を、少し西に行ったところにBLSSはある。ボクは何度かここのツアーに参加したことがある(過去の投稿はこちら)。

タカやんと息子ちゃんは、Specialized のMTB持ち込み。ボクは今MTB持ってないので、レンタルした。

レンタルバイク

ずっと気に入って乗っていた GT iDrive 5 が、26インチホイールだったことを覚えてくれていて、Trekの26インチフルサスバイクを用意してくれていた。

ボク・タカやん・ジュニア

BLSSのツアーはトランポ付き。
アシスタントのキョウちゃんがサポートして、車を回してくれる。ヒルクライムが車で済むことで効率よくコースを回ることができる。

扇風機大事

キャラバンの後席にはエアコンが無いけど、乗車時間は短いので苦にはならない。扇風機もあるしw

最初はジープロードから

息子ちゃんは年齢制限的にはギリギリなんだけど、MTB経験者。最初のジープロード・ダブルトラックは無問題。

岩瀬プロガイドは、タカやんと息子ちゃんのライディングを確認し、2本目からはシングルトラックに連れて行ってくれる。

シングルトラック・ヨユーのジュニア

まってー!置いてかないで〜! 笑

タカやんもジュニアも快調に飛ばしていく…速いw

父と子

親子でこーゆー遊びできるのいいよなぁ、ウチもこうなる筈だったんだけど、娘はインドア派になってしまった…w

適時アドバイス

岩瀬ガイドは、元MTBの全日本チャンピオン。それも、一回頭を取ったとかじゃなくて、シリーズチャンピオンだった、勝ち続けた人。

速いってだけじゃなくて、MTBで走るのが大好き。その楽しさを多くの人に伝えたいと考えて、BLSSを立ち上げた人。そんな人だからもう、ツアー参加者への目配りが凄い。

自分で一から作ってきたトレイルだから、全部頭の中に入っている。走りながら振り向いて、後続のコース取りを確認し、コーナーでタイヤのスキッド音を聞き…
疲れてないか、自信持って走れているか、機材に不具合はないか、確認してくれている。

午前中に3本走って、長瀞のお蕎麦屋さんでランチ。

ランチ&散歩で石畳見に行った

BLSSに一度戻って、水分補給して、午後のライディングに備える。

冷たいおしぼり&ドリンク付き

息子ちゃんも、岩瀬ガイドのすぐ後ろを走ることで、そーとー刺激になったみたい。タイヤの空気圧設定の大事さとか、ブレーキの掛け方、斜面の傾きにタイヤをどう合わせるか、目をキラキラさせながら聞いている。

午後、初級のシングルトラックを走った後、根っこルートにいくことになった。
ボクはここでGTバイクを放り投げて崖から落ちたことがあるw

肩の脱臼・靭帯損傷で抑えが効かなかったのだが、地味にトラウマになっていた。その現場を再訪…

この段差でバランス崩した

ここここ。シングルトラックの途中で、岩盤が露出している。トラックを斜めに横切る形で岩が出ていて段になっているのだ。この岩でフロントホイールが右に押し出されて、ボクは肩の怪我のせいで抑えが効かず、崖下にダイブすることになった。

この崖に前転ダイブした

その時は下草が茂っていて、間伐材が散らばっていた崖。今回は綺麗に手が入っていて見通しが良い。改めて見ると…結構な斜度で…よく無事だったなオレ…

そんな感じで、トラウマも解消できて良い1日でした。
おしまい

2025年8月27日水曜日

山屋のブルベ戦略・ペース配分と機材

ボクら「雪男山男兄弟舎」は基本的には山屋の集まりだ。

僕らは山屋としての強さを、「山力」があるとか、ないとかで表している。山力とは、「体力」「技術」「生活技術」の3要素の掛け算。ブルベを始めた時、ボクはこの考えをロングライドに活かせるんじゃないか?そう考えた。

ボクは体力的には凡人だ。というか、周囲の仲間には、ウルトラマラソン(100km)とか、トレラン(100キロとか100マイルとか)…走り回ってる人たちがいるので迂闊なことは言えない。そもそも、体力って人それぞれで、一朝一夕に向上するのは難しい。老境に入ったボクなんかは、この先ずっと下り坂…良くて現状維持…無理はできない、実感こもってるぅぅ

「体力はそこそこ」を現実として受け入れ、まずは「技術」を磨いて総合力を上げようと考えた。「サイクリストとしての技術」とは、走行に関わるものと、機材に関わるものがある。ブルベにおける走行技術とは、簡単に言えばペース配分だ。

ボクは心拍数とケイデンスを、サイコンの上部に表示させている。心拍数は110くらいから、145くらいまでで走る。頑張りすぎて心拍が上がったら、ペースを落としギアを軽くする。

登り坂になると、速度が落ちてケイデンスも下がる。ペダルに込める力を増やすと、心拍数が上がってしまう。これをボクはやらないのだ。心拍数をさほど上げずに、ケイデンスを無理なく維持できるまでギアを軽くしていく。

ケイデンスの維持は80〜95くらいにしている。負荷が上がってケイデンスが落ちて80を切ったら、一枚ギアを軽くする。速度は少し落ちるが、ケイデンスがレンジ内で落ち着くならそのまま。それでもさらにケイデンスが落ちるとか、心拍が上がるならば、もう一枚軽いギアにシフトする。

ここまでの話で気がついたと思う。

筋負荷を下げるためにギアを軽くしていくボクの走り方だと、普通のロードバイクだと軽い(低速より)のギアが足りなくなる。

ギア比変えました

そんなわけで、ボクのロードバイクは、マウンテンバイクのドライブトレインを入れた。なんと、フロント 38-28 リア 11-34t 過去の投稿はこちら。

遅いけど海だって行けちゃうぜ

で、TREK の Emonda を新しく買ったわけだけれど、これはオールラウンドのレーシングモデル。 50-34 に 11-30t なので、ボクの走り方にはギア比が全然合わない。なので、GRXを入れて軽いギア比を実現した。過去の投稿はこちら。

これで、フロント48-31にリア11-34になったわけだけれど、デメリットもあった。まず、フロントのチェーンウォッチャー(チェーンキーパー)が役にたたない。

純正チェーンキーパー

GRX クランクは、チェーンラインが外側に移動する。加えてインナーチェーンリングが小さくなる。この二つが合わさってチェーンラインは外・下方に離れてしまう。チェーンキーパーとの隙間が開くのでチェーン落ちが防げない。

ごめんよTREK

そもそもセッティングがちゃんと出れば、チェーン落ちはほとんど起こらないもの。でも、ボクはセッティング出しの途中で2度ほどチェーン落ちを経験し、うっかりクランクを回してしまった。とりあえず傷は清掃して、UV硬化型レジンで埋めたけれど、チェーンキーパーはなんとかしないとまずい。

そして、やっぱりもっと軽いギアが欲しい。そう思って探したら、GRX互換でこんなのがあった。こーゆーヘンタイというかマニアックな製品を作っているのは案の定のフランス人。メルシーボクー

Specialites TA X110 GRX-2 チェーンリング

評価も割と良いので、試してみることにした。これでフロントアウターは48から44へ、インナーは31から28に下げられる。

*4tとか3tの歯数差は僅かに見えるかもしれないが、4/48  3/31 で計算してみて欲しい。おおむね10%程度は低速寄りになることがわかるはずで、乗った感じは別物になる。

アウター比較

インナー比較

この28tインナーで、MTBのクランクつけていた今までのバイクと、インナーローは同じ軽さになった。

組み替え前

わかっていたことだけれど、Emondaのフロントディレーラー台座はフレーム直付け。ディレーラー位置を一番下に下げても、チェーンリングとの間には大きく隙間ができる。

ディレーラーケージの位置…

シマノのすごいところは、これでも変則性能はそこまで悪化しないこと…ただし、チェーン落ちのリスクは通常よりも高くなる。

見つけたのが、KCNCのこれ。

KCNCチェーンウォッチャー

これは、フロントディレーラーの取り付けボルトを利用して固定する。

純正のチェーンキーパーは外す

位置はこんな感じ。インナーチェーンリングとの距離が遠いように見える。



これよりもチェーンラインに近づけると、インナーローに入れた時にチェーンに擦ってしまう。その辺りのギリギリを狙って固定。

一安心

このセッティングにした後のチェーンドロップ頻度は、おおよそ100~150km走行に1度くらいかと思われる。走行中にチェーンが暴れて、落ちたような音がしたが、実際にはチェーンはインナーリングに乗っていた。とりあえず、これで様子を見ながら使ってみようと思う。

ペース配分についてつらつらと書いてきたが、ケイデンスと心拍数を一定にして走るということは、「走行速度」 は変化し続けるということだ。

斜度、向かい風、高温・低温、キツイ環境だと時速は6キロくらいまで下がることがある。逆にボーナスタイムなら速度は上がるし、借金を返済するチャンスも巡ってくる。

出走を繰り返していくうちに、焦らなくても時間には間に合うことが、だんだんとわかって来た。たとえ「押し歩き」するような坂が出て来ても、それが30分程度ですむのなら大丈夫。ゆっくりでも止まらなければ、時間には間に合うのだ。

こんな遅くて…完走できるのか?そんな不安に負けてペダルを踏み込むよりも、ペースを保ちながら消耗を防ぎ休憩の頻度と時間を減らす。そのほうが結果的には、安定した結果が出る。

ブルベに要求されるグロススピードは15km/h、これは休憩や信号停止など含んでの速度。対して、「走っている時間だけの記録」であるネット走行速度は、ボクの場合はだいたい20~22km/hくらいだ。「えっ?遅くない?」そう思うかも知れないけれど、前方の信号が赤になったら惰性で走るとか、歩行者がいるので減速するとか、そんなこんなで公道の平均時速はそんなレベルに落ち着いている。

その速度域で、消耗せず、動き続けられるように、ボクは心拍数と筋出力を一定にすることを考えて走っている。誰にでも当てはまる走り方ではないかもしれない。でも、これがボクにとって一番合理的な走り方と、機材のセッティング。

2025年8月22日金曜日

学生寮の話: 西寮の無頼漢・タテカンタンカ (2/2)

西寮の先輩らしからぬ、柔和で笑顔が素敵なJun先輩から、ナベちゃんとお酒に誘われた話を続けよう。

「Junさんって欠点って無いの?」そう聞いたら、ナベちゃんは腕組みしてしばらく瞑目し…

酒癖は悪いかも…

ボクはビビってさらに聞く。

酒癖が悪いって…殴るとか?
ん?いや?武道の有段者だから、それは無い。
なんかね、幸せになっちゃうんだよね…ずっとニコニコしながら飲んでる。
それは…別に…酒癖悪く無いと思うが?
んーーーー表現が難しいなぁ…
あの人、いい人じゃん?で、周囲に悪人がいるってこと忘れるくらいにハッピーになっちゃうんだよね。そんで、ニコニコしながら際限なく呑んで、しまいには寝ちゃうんだよ…
で、起こすと殴られるんだ?
いや、だからそれは無いって。

なんか、そんなに心配するほど酒癖悪くなさそうで一安心。ボクは話題を変える。

そもそもだな…なんでJun先輩にお酒誘われたの?
あぁ、今度、彼女とスキーに行くんだって。
どこのスキー場がオススメか教えて欲しいって言われてんの。

なるほど…

当時はスキーブームの真っ只中だった。
ボクはグンマー出身、ナベちゃんは東北出身、スキーの足前には自信があった。オススメのスキー用品や、スキー場や、スキーバスツアーや、色々相談されることもあった。

谷川岳天神平のゲレンデサイド

リフト待ちがとにかく酷かったし、レストハウスも満席があたり前だった。だから、デイパックにランチを入れておいて、ゲレンデサイドで休憩したり。

天神峠のお社

周囲で一番高い場所にある鳥居の下から、なぜか湧き水が溢れ出してるとか、そんなマメ知識が割と役に立つ時代だった。

で、ボクとナベちゃんは、風呂を済ませてから Jun 先輩の部屋を訪問した。

入塾のご挨拶や、自己紹介で散々やらされた作法通りドアノックを3回して、返事を待って入室する。

マメで几帳面で、キチンとしている、そんな性格通りの整った部屋。

シワのないベッドと、4人が座れるラグにクッションがある。ちゃぶ台に、ウィスキーボトルとビールに、ガラス製のコップが並んでいる(洗うのが面倒だし、割れるので、ガラスのビールグラスを使っている人は珍しかった)。

おー入って入って〜良く来たね〜
ヒデオと呑むのは久しぶりだね、今日は色々教えてよ〜
キミと呑むのは初めてだよね?名前は?なんて呼んだらいいの?ヒデオと親しいの?W大?

Jun 先輩は、朗らかに声をかけながらビールを開けて、ツマミを勧めてくれる。なんていい人…  

ふと…なんとなく…違和感を感じて、壁を見るとベニヤ板が立てかけてある。良く見ると、1寸角の杉の角材で畳ぐらいの枠を作り、そこにサブロク(3尺x6尺)のベニヤが向こう側から張られている。和室の襖(ふすま)の、襖紙を貼っていない押入れ側を見ているような感じだ、それが壁に立てかけてある。

それは、演劇部の大道具の一部みたいに見えた。

Jun 先輩… 演劇とかやるんですか?

ボクが聞くと、Jun 先輩は照れくさそうに「裏側を見てごらん」という。ベニヤ板を壁から離して、裏側(本来の表側)を覗き込んで…ボクの呼吸が止まる。

学費値上げ反対!
革◯ル、中◯派、セクト主義粉砕!
大学当局の横暴を許すな!

赤とか黄色とかの原色で書きなぐられた…これは…アカン、アカンやつや…なぜここに?
Jun 先輩は、いつもの温厚な笑顔で続ける。

本当は返しに行かないとなんだけど、ヒデオがやめろって言うから…

そのファーストネームヒデオ、ラストネームナベちゃんが続ける。

Jun 先輩交えて馬場で飲むとさぁ、近いって油断があるのか、いっつも飲みすぎるんだ。早◯田まではなんとか帰って来るんだけどさぁ、◯学部の前あたりでいつも寝ちゃうんだよ。無理やり起こすと、「そこの立て看で運んで」って言うんだぜ。いや、タテ看はやばいっすよって言うんだけど、「ボクはT大だし、普段はここにいないから大丈夫、大丈夫!」って。

ヒデオ〜いっつも飲みすぎるって、それは言い過ぎだろう?
いや…3回ありましたよね?

ん? ボクは壁に立てかけてあるタテ看の裏を見た。そこには…確かに…横倒しで立てかけられたタテカンがあと2枚…あった。

ボクの背中をちょっと嫌な汗が流れる。

バレてないの?

誰かが取ってったことは気づいてる、あたり前だけど。
翌週見に行ったら、「タテカン返せ!」って書いてあるタテカンが立ってたし…

えっ?なにそれ面白い!
タテカン返せってタテカン?面白い!

ちょっと黙っててもらっていいですか?

ナベちゃんと今後どうしたらいいか相談した結論は、とりあえずほとぼりが冷めるまでこのまま。いつかタイミング見計らって、解体して粗大ゴミで捨てるしかないか…

ふと振り向いたら、Jun 先輩は横倒しになって寝ていた。
スヤスヤと寝息を立てて…なんか、寝顔もニコニコしていて…ちょっとだけイラッとした

2025年8月17日日曜日

学生寮の話: 西寮の無頼漢・タテカンタンカ (1/2)

ホントーにくどいですが、このブログの内容はフィクションです

時々ふと記憶をたぐって書く、学生寮の話は結構人気がある。
今回は、Jun さんという先輩の思い出話をしてみよう。

まずは長い前振り

今はすでに遠い昔になりつつある、バブル期の飲み会は「闘い」だった。新宿にあった「居酒屋ビル」でコンパした時の写真がこれ。

居酒屋の垂れ幕がヤバい

ボクが所属していたサークルは、「イッキはあった」が「強制はなかった」。飲めない人、飲みたく無い人は飲まずにすんだ。何を言っているのか分からないとおもうが、当時の雰囲気では、理性的なほうではあったと思う。救急車騒ぎは…あったけれど。

闘いに敗れる10分前

なんというか、会費の分以上は飲まないと負け、みたいな雰囲気で、酔い潰れるまで飲む。で、酔い潰れると、後輩がワラワラと、油性マジック持って集まってくる。

コンパにマジック持ってくるんじゃねぇよ…なんで油性なんだよ…水性でいいじゃねぇかよ…なんで極太マッキーなんだよ…

酔い潰れた男は、おもちゃになる。
酔い潰れた女を、おもちゃにしたことはない。その点だけはしっかりしていた。

可哀想な、た◯ぐち君

顔への落書きはまだいい。
いや…よくは無いが…まだいい…

問題なのは、鼻の穴の中とか、耳の穴の中とか、「物理的に洗えない部分」に着色されると、数日間はそのまま過ごすことになる。夏休み入る前の日のコンパでコレやられて、まぶた、耳穴、鼻の穴…赤やら青やら黒やらで彩色されたまま実家に帰省し…あやうく勘当されそうだった奴もいた…ゴメンよ

何が言いたいかというと、バブル期の学生の飲み会とは…呑むか呑まれるかの戦場であった…ということだ。

前振り終わり

ボクが棲んでいた学生寮、西寮はヤバめの先輩濃度が高かった。

「表札フェチ」事件の後、ボクは西寮を訪問する時は用心にも用心を重ねるようになった。変な人に目をつけられたら、こちらまで塀の向こう側に落ちかねないからだ。

ある日、寮の食堂で西寮のナベちゃん(仮名)と夕食を取っていると、Jun先輩がやってきた。

よう、ヒデオ!(ナベちゃんの下の名前)
後で部屋来てよ、ちょっと聞きたいことがあるんだ!

そして、ボクの顔を見て整った白い歯を見せてニッコリ笑って言った。

君も一緒においでよ、ヒデオの友達なら一緒にお酒飲もうぜ!

Jun先輩は、180cmくらいの長身、色白の艶々肌に切長の涼やかな目、水泳やってそうな広背筋と胸板に引き締まった身体、真ん中でふわっと分けた髪はサラッサラで、うっすらブリーチがかかっている。POPYE や Hot Dog Pressの表紙に出てきそうな、いかにも育ちの良い、サーファーっぽいナイスガイ。

ボクは怪訝に思ってナベちゃんに聞いた。「西寮にあんな先輩いたっけ?」。ナベちゃんは色々と教えてくれた。

Jun先輩はT大の文系看板学部に現役合格。在学中に公務員上級職と弁護士資格を取る見込みだそうだ。勉強してたらどっちも被る分野があるので、どうせなら一緒に取ってしまおうということらしい、なんだそれw

でまぁ、色々がハイスペックなのに加えて、ルックスがあれで人柄も良い。だからもうソートーモテるらしい。先輩の仲間によると、先輩と話した妙齢(17歳〜60歳くらい?)の女性は、先輩と話すと頬を赤らめて、上気した顔で…小走りで走ってきて…「なんかジュンとしちゃった」と言うんだそうだ。そんなバカなと思うだろうが、もう、ほんと全員、モジモジしながら、漏れなくなんか漏れてるのかもしれないがジュンとしちゃった!」っていうんだそうだ。そんで、いろいろあきれた周囲は、なんとなく…先輩を Jun さんと呼ぶようになった。

誰に対しても分け隔てなく接し、フレンドリーで礼儀正しく、モテまくるのに浮いた話はなく彼女一筋。世の中にこんなできた漢がいるのか??

腕っぷしはどうなの?そう聞いたら「拳法の黒帯で合気道は袴持ち…」

歌舞伎町で、酔っ払ったヤーサンたちに絡まれたことがあったそうだ。先輩は、ことを荒立てないように、ひたすら謝っていた。そうしたら、ヤーサンは調子に乗って、一緒にいた女子に集団でちょっかいを出し始めた。先輩は、仕方なしに、謝りながら制圧したらしい。

あっ、ごめんなさい!

そう言いながら外腿への下段蹴りで動きを止める

もうもうやめましょうよ、危ないですよ!

そう言いながら相手のパンチを受けつつ、手首を掴んで放り投げる。新宿駅東口交番からお巡りさんが駆けつけた時は、3人を同時に組み伏せながら…謝っていたらしい。

ヤーサンたちは本署に、先輩は交番に連行された。調書をとっているときに判明したのが、当時の新◯暑の署長さんが Jun さんの同窓の先輩…相手に怪我もさせていないし、事情が事情だし、相手も相手なので無罪放免になった。

欠点って無いの?そう聞いたら、ナベちゃんは腕組みしてしばらく瞑目し…

酒癖は悪いかも…
えっ?ちょちょちょっちょ…さっき俺たち、酒に誘われたよね? 
なになになになに?なにが起こるの?

コワイヨー
ダレカタスケテー

つづく

2025年8月14日木曜日

学生寮の話: 西寮の無頼漢・表札フェチ

 ホントーにくどいですが、このブログの内容はフィクションです

ブログ主として励みになるのは、アクセスログ。
こんな国から見に来てくれてるのか!とか、こんなにたくさんの人が読んでくれたのか!とかね。踏み台使ってとか、ロボットとかそーゆー話はいらんのだよ。

当たり前だけど、マニアックすぎる話はアクセスが少ない。結構時間かけて書いた投稿が、全然読まれてないと結構凹む。それに引き換え、僕が棲んでいた学生寮の話は、結構人気がある。何かが降りてきて、さらっと書き殴った投稿にびっくりするくらいのアクセスがついたりすると、

君らヒマなん?

そんな悪態もつきたくなる。

寮から徒歩3分の教会

僕が棲んでいた学生寮は、お上品で高級な文教地区にあった。


すぐ近くには、有名な教会があり。
すぐ隣には、当時都内でトップ5に入る高級ホテルがあり。

わりと近くには、地方出身の優秀な女子学生が集う女子大があった。 

可愛い娘を手元から離したく無いご両親の目を欺く、じゃない、親の愛というくびきを振り切るために、「良妻賢母になる勉強をするから!卒業したら地元に帰るから!」という言い訳で上京してた、カントリー・ヤング・レイディのための女子大だった。彼女たちが卒業後、本当に地元に帰ったのかはよく分からない。

そして…
お隣と言っていい距離に、元総理大臣のお屋敷があった。

その学生寮は、食堂・講堂・浴室がある本館を囲むように、北・南・西の3つの寮棟が建っていた。各寮独特の文化があって、ボクの居たのは硬派の北寮。そして、軟派の南陵、野人の西寮…という感じだ。

各寮の交流は…「年に1度の体育祭」という名前の、血で血を洗う抗争以外は…あまり無かった。ただ、ボクは、西寮に何人か親しい奴が居たので、オドオドしながら遊びに行ったことがあるw

この投稿はそんな感じで西寮に遊びに行った時の話(前置き長っ!)

友人の部屋でだべっていたら、先輩に呼び出されての部屋に遊びに行くことになった。

ビールをいただいて飲んでいると、隅に表札が2つ転がっている。見るからに高級そうな表札で、表面には「T中」と書いてある。

ん??「T中?」先輩の苗字とは違うやんな?

不思議そうに見ていると、先輩が気がついてこう言った。

おう!お宝に気ぃついたか?
一個目は、去年手ぇ入れたんやで。
機動隊のおっちゃんがしっつこく追っかけてきてなぁ、危うかったんやぁ。

えっ?き、機動隊?それってもしかして???

せやで!!一個めは単独犯やぁ!

そう言って先輩は愉快そうに笑った。

あのぉ、一個めは単独犯?ってことは?

おう、一個目がちょいギリギリやったんや…
そんでな、ほとぼりさまそう思てな、2個めは1年我慢したんや。

たまに近く通ると、機動隊のメンツ変わっとるのが分かるやろ?あぁ、人事異動あったんやな、去年の人はどっか行ったかな?そんなタイミング待っとったんや、さすがに同じ隊員さんやったら警戒しとうやろうからなぁ

ほんで、2個めは頭を使った連携プレイや!山下(仮名)おるやろ、あいつに直前に酒ぇしこたま飲ませてなぁ。機動隊の前まで頑張って行かせて、そこでぶっ倒れさせるんや。

機動隊っちゅうてもなぁ、あそこに回されてくるんはなぁ…心根の優しゅう、人のいいおっちゃんばかりなんや。もうみーんな心配して、駆け寄ってくる。

その隙に後ろからそーっと近づいていって、パッと!

そう言って、先輩は豪快に笑って続けた。

そしたらな、敵もさるもの、裏側が接着されてた!簡単に取られてたまるか!そんな気合い感じたやで。

でもなぁ、そんなこともあるかと思って、マイナスドライバー持ってってたんや。それで、ベリベリってな。

それが2個めの奴や。

そう言って、先輩はビール瓶を手に取ってボクのグラスを満たしてくれた。

他では言わんといてな、これ、このビールが口止め料や!
おまえもこれで共犯やで!

そんな先輩が何人かいらしたのが…野生の西寮…

口止め料ももらったし、墓場まで持っていくつもりではいた。

でもすでに時効だし、年齢的に先輩はもう…役職定年か転籍出向とかのはず。バレても失うものもなさそうなのでまぁいいか…

あっ、違う違う、そもそもこのブログ、ぜーんぶフィクションだからさ。真剣に受け止めないでね?そこんところよろしくね?

続く…かも…

2025年8月12日火曜日

真夏のロングライド・暑さ対策 3/3 氷冷却編

草稿を書いていたらあまりにも長くなりすぎたので、3部作にしました…

サイクリングは、自然とともに過ごす遊びだ。

自然と闘う必要は無い…のだけれど、自然が目の前に置いてくる障害はうまくマネジメントしなければならない。それは、冬の寒さだったり、真夏の暑さだったりする。ちなみに、真冬の寒さをどうやってマネジメントするかこの投稿を参照してほしい。

ボクの考える、自転車乗りの暑さ対策は3つに分けられる。
  1. 遮熱
  2. 気化熱冷却
  3. 氷冷却

今回は3部作最終回、「氷冷却」について書いてみる。

氷冷却とは…コンビニ氷で体を冷やす戦法だ

グビグビっと中から冷やす

そもそも日本はコンビニ王国。街道を走れば、必ずコンビニがあり、氷や冷たい物を補給できる。登山とかではありえない、サイクリングならではのメリットがコンビニ補給。

第一の戦略は、「冷たい飲み物で体の中から冷やす」

熱風の中を走り続けるには、氷入りの冷たい飲み物が欠かせない。

でもねぇ、35度超えるような気温だと、ドリンクがあっという間に温くなっちゃうんだよね。下の写真真ん中が、通常のソフトタイプボトルの保冷強化版。「断熱材」が仕込んであって、保冷効果がある…のだが…あまりにも非力。氷を半分くらい入れておいても、35度前後の外気温で1〜2時間も走れば氷は溶けて無くなってしまう。

保冷ボトルと言えるのは、真空断熱の魔法瓶的な奴だと思えばいい。左側は、ステンレスの真空断熱ボトル。魔法瓶なので、保冷効果は段違い。氷を半分くらい入れておけば、半日程度は冷たい…けどずっしり重い。

右側は、Thermos の保温・保冷ボトルで、こちらはホットドリンクにも対応。さすがは魔法瓶メーカーだけあって、保冷効果はピカイチ。丸一日は冷たさをキープできるし軽い。

保冷ボトル3種

保冷効果はThermos が一番良いし、ボタンでパカンって開くカバーがあるおかげで飲み口が汚れない。カバーは保温・保冷効果を強化している感もある。じゃぁThermosでいいじゃん?となるのがだ…この飲み口は、飲み方にちょっとコツがあるのだ。

キャップを開いて、飲み物を口の中に注ぎ込むのだが、この時おとがいを上に向ける必要がある。前傾姿勢の強いロードバイクだと、一瞬視界が路面から外れて地味に怖い。

Thermosのボトルは、クロスバイクやMTB、ツーリング・キャンピングバイクなど、上体が起きたライディングポジションには一番良いチョイスだと思う。

ロードバイクに向いているのは吸うタイプの飲み口。顔は前を向いたまま、飲み口を咥え、ボトルを顔の横に持ち上げてくる。必要なら、目線を前に向けたまま、顔をちょっと斜めにすれば、飲み物が口の中に入ってくる。

吸うタイプと流し込むタイプ

そんなわけで、夏は吸うタイプのキャメルバッグ・ステンレスボトルがオススメ。冬は、保温でも使える Thermos がいい。

そもそも熱い飲み物は、吸い込むと危ない。それが Thermos タイプの飲み口が保温・保冷対応の理由なのだ。寒い時期、信号待ちでほっと一息、少しずつ啜るみたいな飲み方で Thermos の魅力が生きてくる。

さて…

外気温が35度を超えて体温レベルになると、常識的な対策では間に合わなくなってくる。

第二の戦略は、「氷で直接体温を下げる」

35度超の気温では、少しバランスを崩すだけで熱中症一直線。ボクが頼るのは、コンビニのロックアイス。

真夏の恋人ロックアイス

ボクのブルベベストは、背中にポケットが付いている。ここに、ジプロックに入れた氷を詰め込んで走る。
アイスポケット付きのR250ブルベベスト

ただ、このポケットに入るくらいの量(500mlペットボトル2本が押し込んで入る)、1リットルくらいのロックアイスだと、せいぜい持って2時間程度。なので、38度とかの日は、ロックアイスの袋から空気だけ抜いて、そのまま背中に押し込んで走る。ジャージと背中の間に、プラスチックバッグに入った氷を押し込んで走るのだ。これはかなり効果がある。心肺が一気に楽になるし、手足や頭の熱が取れていく感じがする。

なお、ロックアイスの袋そのまんまだと、肌触りがあんまり良くない。ツルツルするから、ふと気がつくと位置がずれて、変なところに移動してたりする。それが嫌なら、登山用品店で、防水のスタッフバッグか、アイスバッグ(氷嚢)を手に入れるといい。

ハイドレーション機能のあるバックパックを使って、氷を入れたウォーターバッグを密着させるのも良いだろう。いずれにしても、この「氷冷却」を使う必要があるくらいの気温は、事故と紙一重であることを忘れないようにしてほしい。

ちょっと大きめ麦茶ボトル

コンビニで手に入る、凍らせたドリンクボトルも有効だ。

アクエリアスのアイスボトルを背中に入れて走れば、ドリンクボトルがカラになったタイミングぐらいでアイスボトルが溶ける。アイスボトルの中身をドリンクボトルに移せば、補給回数を一回減らすことができる。

凍ったアクエリアス

パウチで凍らせたドリンクを複数持つのもいい。ただし、これくらいの小ささだと、あっという間に溶けることは知っておいたほうがいい。

氷の冷却は、散水と組み合わせるとさらに効果がある(散水冷却は 暑さ対策2/3気化熱冷却を参照)。使える手立ては全部使う、それが、真夏と真冬のロングライド。

それでは、今日も1日ご安全に。

おしまい

2025年8月6日水曜日

BRM802東京 金太郎(夏)200km・ニューバイクで完走

2025年のブルベ、ここまでのレザルトを振り返ってみよう。

パーマネントブルベは SPR (Super Permanent Randonneur) を達成している。
通常のブルベ(BRM)は、最初に頑張る400km と やっぱ海600km を完走している。あと、200km と 300km を完走すれば、今年もSRの認定をいただける。

ブルベシーズンは年末まであるのだが、ボクの住んでいる北関東の冬は寒すぎるし、空っ風が吹くので冬はオフシーズンになる。そんなわけで、9月末くらいまでにBRM・SR認定に必要な、200km と 300km を完走しておきたい。

とりあえず9月開催の地元発着300kmにエントリーした。ただ…これは…ボクの走力では完走できるかどうかギリギリっぽい。なので、9月に行われる東京発着の300kmを追加でエントリーした。

両方完走できればSR認定はいただける。しかし、どちらかをDNSかDNFしたらSRに届かない。だったら、早めに…確実に完走できそうな200kmを走っておきたいな…と考えて出走した記録。

8月出走のブルベは少ない。あまりにも暑い日本国、猛暑と無縁の場所で開催するか…何かしらの工夫が必要になってくる。その工夫の一つが、ナイトブルベ。

ニューマシンでエントリー

日が暮れてからスタートして、夜通し走って、翌朝暑くなる前にゴールすれば、ずっと涼しいからいいんじゃね?そんな主催者の声が聞こえるようなナイトブルベ。

距離は短い200kmだし、コースプロファイルも優しめだし、都会を走るから補給にも困らないし…ニューバイクのチェックに丁度いいくらいの、ヌルさ? ←フラグ

集合場所

都会スタートなんで様子が分からない。コインパーキングが無くてDNSなんて悲しすぎるので、早めに現地に行った。迷惑にならないところで仮眠して、パーキングに入って、夕食済ませて集合場所へ移動する。

想像していたより、はるかに参加人数が多い。

考えてみれば、300kmから上のブルベには夜間走行がある。400と600ならオーバーナイトで夜通し走る必要もある。200kmしか走ったことがない人が、300km以上にチャレンジするには、ナイトブルベは経験を積む良い方法かもしれないね。

とどろきアリーナをスタートして、中原街道を西進する。もんのすごい…信号ストップの嵐我慢しながらジリジリと前進していくと、以前住んでいた、長津田周辺を通過する。

以前、キャンピングトレーラーを買った、Rocky という店の跡地を通りすぎる。老舗だったのに気がついたら閉店していたんだっけな。

長後にあった J-Wallというクライミングジムの跡地の脇を通って、長後街道をさらに西進。J-Wallの跡地はマンションになっていた…オーナーさんは元気なんだろうか…

今回のブルベ、ナイトブルベなので景色とか観光とかは無い。淡々と走り、2つちいさな峠を超えて、足柄峠の途中までヒルクライムがある。

標高は上がっているのだけれど、気温はなかなか下がらないし、蒸し蒸しするし、あんまり快適では無い。

標高上がっても気温下がらず

折り返し地点は、金太郎伝説の里。予定では、ここまでで貯金が1時間程度。それが割と余裕がない…暑さと信号峠と、向かい風が想定よりも厳しい状態を生み出している。

金太郎伝説の里…入口

折り返してダウンヒル…途中から広域農道に入る。
ここから小田原までの25キロくらいのアップダウンが、心を折ってくる核心だと聞いていた。

まぁ…その…南榛名山林道とか、赤城南面の空っ風街道とか、その辺りみたいな感じかな?と思っていたら、まさしくそんな感じでした…タイヘンダッタ

暑くて心拍が上がっちゃうので、夜景を撮るふりをして休んだりしながら小田原に抜ける。

小田原…かなぁ?

小田原に出たところで、貯金は30分ちょっとくらい。

ローリングスタートで、出発時間が一人一人個別に記録されているから、持ち時間管理を失敗するとDNFになりかねない。スマホ・ガーミン(eTrex)・サイコン(Bryton)のログを確認しながら時間配分を考える。

太平洋のすぐ脇を走り、藤沢に向かう。
潮風の匂いと、海の雰囲気は感じるのだが、すぐ右側を西湘バイパスが走っているので視界はまったくない、夜だしネ。

西湘バイパスが終わって、ようやく海のすぐ脇に出る。
江ノ島が見えてきて、通り過ぎて…写真を全然とっていないことに気がついて…振り向いて写真を撮る。

江ノ島〜〜

海沿いにある休憩施設でトイレとポカリの補給をして、山に入る手前の葉山で写真を撮る。
葉山の御用邸前とか、ビーチとか、いろいろ観光したいところはあったけれど…時間が無い…

海入りたい…

またね〜

海から離れて湘南国際村へのヒルクライムが始まる。
他の参加者の人と意見が一致したのは…

150km走ってきて…この…坂…登れってのは…
オニ!
悪魔!

ということでした。

最後のチェックポイントで貯金は45分…
ここから川崎までは、割と強めの向かい風予報、そして信号峠と暑さ…貯金を維持しながら走ることを目標に坂を下る。

予想通り、信号峠でペースが上がらず、横浜港周辺の写真も最低限になった。

赤煉瓦倉庫群

母方の祖父母が暮らしていた思い出の場所、すぐそばも通ったのだけれど立ち寄る余裕もなかった。

想定通り、ゴールまで貯金を作れるような場所は皆無。

日が出て気温も上がり、ストレスが上がる状況で、微妙なアップダウンと信号峠。気持ちよく走れる場所が皆無の30km程度をやり過ごしゴールへ。

後で確認したら、DNF比率が15%を超えていた…200km でこのDNF率は結構高いんじゃないかな、それくらい過酷なブルベでした。(フラグ回収w)

ニューバイクの TREK EMONDA は、いいバイクだった。ただ、乗り手のボクが考えるべきことが結構ある。

レーシングバイクだけあって、速度上げやすい…のだけれど、前半で飛ばしすぎると、後半にツケがくる。ちょっと怖いのは、飛ばしている感覚が無いのに平均ペースが上がっていて、体力が削られていることがあること。

それと、ギア比がやっぱり高い。平地巡行で、フロントアウターだけで停止からのスタートまでカバーできるようであるといいかな。そして、ヒルクライムではローギアがもう2枚くらいあると助かる。GRX純正では、これ以上軽いセッティングは無いのでちょっと考えてみようか。

TREKにして正解だったか?それは、これから400とか600走ってからでないと分からない。
ただ、今回のブルベは完走者中の、真ん中くらいの位置でゴールしている。今までの Ridgeback Ramble の200km 完走データでは、完走者の中で下位25%くらいでゴールしているので、平均速度は上がっているようだ。

平均時速が1km/h上がると、300kmブルベだと、だいたい1時間くらい時間が短縮できる計算だ。そうなるともうちょっとブルベの旅程も楽しめるのでは無いか?そんな気がしている。

天気予報はこんな感じで、実際もそんな感じだった。

風向・風速はほぼ予報通り

朝は晴れてゴール前は30度超えていた

200kmのナイトブルベは、景色も観光も無く、記録のためだけに走るような感じになってしまった。東京発着は信号峠も厳しいので、サイクリストのグンマー國民は恵まれているなぁ、そう実感する。

それにしても、これだけ暑い時期に、こんなに交通量の多いエリアで、ブルベを走りたい!というサイクリストのために頑張るR東京さんはすごいなとつくづく感じた。エントリーから出走、完走申請まで、クラウドを使ってシステマチックなプロセスなのも素晴らしかった。

ありがとうございました。

<おまけ>
朝ゴールなんで、仮眠したら一日有効に過ごせるかな?そんなふうに思っていたら、甘かった。帰りの渋滞がエグすぎる。環八ですでに渋滞していて、練馬入ったら大渋滞。

うんざり

北関東って渋滞もないし、本当に遊ぶ環境に恵まれてるんだな、そんな気持ちを新たにした遠征でした。

おしまい