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2021年5月21日金曜日

備えよ常に: ハイキングシューズ

僕は友達に恵まれている。

SNSでつながっている友達の中には、この人とあの人は合わないだろうなって、なんとなく思うような人もいる。直接会ったらダメ、なのに僕とは繋がっていてくれる。

すごく面白いなって思うのは、すぐに親しくなって、良い関係がずっと続く人がいる。同時に、最初はなんとなく距離があって、別に親しい感じでは無いのに、気がつくと強い信頼関係で結ばれている人もいる。中には、最初から最後まで、まったく合わない人もイルケドネw

山の道具にも相性がある。最初からすぐに馴染んで仲良くなれる奴。ライトハイキングシューズみたいな奴らかな。

最初に履いた時から、まったく当たるところもなくて、あくまでもソフトに、かつしっかりと足をホールドしてくれる。まぁ、その、パッキングウェイトが15kgを超えるようになってきたりすると、流石に踏ん張りが効かないケド、もともとそんな用途じゃないしね。


つま先に注目

昔は布製のハイキングシューズって言ったら、帆布製か、良くてナイロン。雨が降ったり草露であっという間にグシュグシュに濡れてしまう。でも、最近のはゴアテックスのブーティがラミネートしてあったりして、長靴クラスの防水性能があったりする。

ただ、ひとつ大きな問題があって、ミッドソールから加水分解でベロリンチョって剥がれることがある。

僕は、これ、一度だけ経験がある。

わかりやすいように、ペグを支えにして広げてみた

某一流メーカーの、ゴアテックスブーティーライナー付きのハイキングシューズ。アッパーは柔らかすぎて、ソールにはシャンクも入っていない、ヤワヤワのシューズ。でもまぁ、見かけはいいし、水は入らないし、軽いし、せっかく買ったので使っていた。

で、春先に赤湯温泉から苗場山日帰りに行った時に剥がれた。山頂湿原に出る直前で剥がれ始めて、木道に上がった時にはもうつま先がカポカポ言い始めてた。

このルート、春先はまだ雪が残っているので、キックステップをしていたのが良くなかったのかもしれない。それか単なる経年変化なのか。ともあれ、とりあえず山頂まで行ってすぐに引き返す。

下りで使うのはかかとで、そっちはまだ加水分解が進んでいなかったのがラッキーだった。その時持っていたダックテープとか、ポリ袋とか、とにかくいろんな物を使って下山できた。

で、つくづく思ったんだけど、

別れたいなら、事前に匂わせてくれよ
 
こころの準備をさせてくれ。

さっきまで、仲睦まじく過ごしていた。何の不満もないと思っていた、お互いに。それがいきなり、腰を決めた平手打ちというか、掌底打ちを決められて、

「これ以上付き合えるかボケ!」
「あとはええようにしとってやー!」

みたいに去って行くのは無しにしてくれ。

で、僕は、欠点はいろいろあるものの、ここぞと言う時に履いて行くのは昔ながらの登山靴だ。ビブラムソールと、頑丈な皮革製アッパーを、昔ながらの製法で接着と糸で繋ぎ止めたヤツ。

こいつらは重い、油断するとカビる、どんなにワックスとかアマニ油とかで防水しても、わりと速やかに浸水する。そんでもって、一度濡れるとなかなか乾かない。そして、含んだ水の分だけさらに重くなる。なによりも、簡単には僕を受け入れてくれない。最初は靴ズレが必ず起きる。

左 先代、右 後継者

メリットは単純で、重いのでキックステップがバチ効き。
そして…イキナリの別れがないと言うこと。

先代は20年くらいの酷使に耐えて引退した。最初はハトメ飛びが2件あって、ソールはすり減って3回張り替えたけど、やばいトラブルは本当に皆無だった。最後は、ソールを貼り付ける革製のミッドソールが薄くなってしまい、それ以外にも小さな穴がいくつか空いたので引退させた。で、後継者たるブーツを徐々に育てている。

残雪の黒戸尾根、テン場でくつろぐ

春から秋はどうなんですかって?そのくらいの季節なら、僕はだいたい運動靴で歩いている。濡れたってすぐに乾くから、ゴアテックスはいらない。加水分解を考えると、毎シーズン買い換えるのがベストだから耐久性はそこまでいらない。その代わり、毎シーズン気軽に買い換えられる値段であって欲しい。

人によって登山に求めることは違う。だから、使う道具は人によって違うのが当たり前。

ま、原点に戻ると、どんな靴を履くかは手段であるはず。目的は、自分が登りたいところに登って、安全に降りてくることのはず。その辺を見失わないようにしつつ、念のために、ブーツのソールを思いっきり剥がそうとしてみてください。

そして、この投稿を読んでチンプンカンプンな人は、ローカルの登山専門店で助言を受けて買うのがいいと思います。