登山をしていると、「日本三大なんとか」を目にするようになる。
ボクは西黒尾根は何度も何度も、合戦尾根も黒戸尾根も数回登っている。未踏のうち、早月尾根は先日登ったので、ブナ立て尾根が残っている。
今のうちに登ろうか、そう考えてルートを検討したところ、日帰りで同一ルートの往復なら問題なさそう(注)。そんでもって、烏帽子岳の登頂時間によっては、船窪岳縦走して七倉尾根降りるのもできそう。
てな感じでスタートした。
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こんな感じでした |
航空写真で、沢筋が白く写っているけど、これが全部崩壊地。風化花崗岩が崩れ落ちて、堆積した岩屑が白く写っているの。
スタートはいつも通り真っ暗。剛脚の皆さんには分からない悲しみw
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最初のトンネル |
アプローチは車道。いくつもトンネルを通っていく。
トンネルとトンネルの間で、東の空を見る。
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夜明けはまだ遠い |
車道は管理用道路なので狭くて暗い。
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割と怖い |
ダムを超えて車道が終わって吊り橋を渡る。
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崩壊地の河原を貫く橋 |
ここにはキャンプ指定地と水場があるはずなんだけれど、土石流が出たようで閉鎖されている。現地を見て納得。
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埋まっとりますがな |
花崗岩のガラで埋まった川原を詰めると、登山口がある。
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ブナ立て尾根スタート |
ここまでの車道アプローチが結構長い。自転車とか使えば時間短縮ができるんだろうけれど、「自転車を含めて車両侵入禁止」なので歩くしか無い。でもまぁ、自転車デポするとピストンコース確定になっちゃうので、歩く代わりに先が自由なのもまた良い。
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注意書き |
尾根の取り付きは崖になっているので、そこを通過するための階段がある。
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入り口の階段 |
樹林の間から、今日行くはずの尾根がチラチラ見えるが、基本的に…谷川岳周辺みたいな登山道。違いと言えば、管理具合かな。白毛門への急登とか、段差が大きいし、洗い堀があったり、根っこだらけだったりして甚だ歩きにくい。それに比べてこちらは、なんなら走れそうなくらい足元がいい。
走らんけどね
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道標や階段 |
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もしかしたら歩く稜線 |
割とあっけなく稜線に飛び出し、少し降ると烏帽子小屋。
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烏帽子小屋 |
ここは、今から20年以上前に来たことがある。北アルプス全山縦走(上高地→親不知)にチャレンジしたとき、テン場をお借りした。
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懐かしい |
管理が行き届いていた、そんな記憶通りの佇まい。
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野口五郎岳 |
その時は9月で、野口五郎小屋がクローズしていたのに気が付いていなかった。幸い早立ちしていて時間に余裕はあったので、ここまで北上してきて泊まったのだ。
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撮るよね |
北側の視界はこんな感じ。
2度とこねーよこんなルート…死ぬかと思った…
来ちゃったわけだけどね…
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懐かしいキャンプ地 |
このテン場から少し降ると水場があった。当時から「危険、要注意」とされていたが、今はついに使用禁止となっていた。
テン場から急なハシゴと階段を登ると船窪小屋。
コーラが置いていなかったので、C1000と水を買う。冷蔵庫が無いとのことで、常温だったがあるだけありがたい。
ここから七倉尾根を下って、下に見えるダム湖のさらに下まで降る。
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ダム湖が遠い |
ブナ立て尾根とほぼ同じような標高差なので、登りでかかった時間とだいたい同じ時間で降れるはず。そうすれば、ギリギリ日があるうちに車道まで出られるはず。
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天狗の庭 |
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ダムが見えた |
やがて道はハイマツ帯をすぎ、樹林帯に入る。
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胸突八丁 |
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唐沢のぞき |
目論見通り、日暮れ直前に車道に着いた。
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七倉登山口 |
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コースプロファイル |
ここから車を運転して帰るのが、ちょっと信じられない。まぁなんとかなるでしょう。
コースは大変厳しかった。でも、体力を上手にコントロールして、危険を丁寧に避け、計画通りに完遂できたのは嬉しいな。なんとなく、自分が登山者として、自立できていると感じる。そんな充実した1日でした。
注: 経験上、ボクは100mの標高差を登るときは15分、降るときは10分かかる。つまり、1時間あれば400m登れるし、600m下れということ。
面白いことに、荷物が多くても少なくても、傾斜が急でもゆるくてもこのペースはほとんど変わらないのだ。