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2022年3月5日土曜日

DAY27/BC7新ルート開拓

DAY27はスキー場で1時間だけアップ。
そして、新しいルートを開拓しに車で移動。

ここは初見なので、事前に地形図とグーグルアースで念入りに検討した(注1)。
2箇所、ちょっといやらしい場所がある(注2)。

1箇所は、砂防堰堤の上にあるような地形。砂防堰堤で堰き止められて、土砂が溜まった広場みたいな場所。こういった場所は大体そこに、砂防ダムのような滝がある。行って見たらビンゴ。

その滝の下流300m くらいは、ゴルジュになっていそうなタイトな沢。

そこを初見で突っ込んで、脱出できなくなると詰んじゃうので、ボトムからハイクアップして確認することにした。(注3)
ストリートビューで確認しておいた
車を邪魔にならないところに駐車する。この周辺は道路が狭く、積雪期は往来が大変なところも多い。地元の皆さんに迷惑をかけないように、場所選びは慎重にした。
入山前に道路からお参り
駐車した場所から入山地点までは、坂道を歩いて30分くらい。
ハイクアップも好き
締まって潜らない雪の上を、スノーシューでハイクアップするのは楽しい。
林道を登っていく
斜度のない林道をハイクアップしていく。ここの下りはストック滑走になるだろう。横の沢筋は雪で埋まっているけれど、斜度がないので滑れない(スキーなら可能)。
トラップ
倒木が3箇所。どちらを通れば良いか観察しながら進む。
沢筋が狭くなっていく
いくつもの枝沢が左右から流れ落ちている。上流に向かうにつれて、本流の川幅は狭くなり、両脇の崖はキツくなる。
トラップ
今年は雪が多いので埋まっているが、普段の年はどうだろうか…
耳を澄ますと流水の流れる音がする。
伏流水の上にできた溝
大きめの枝沢からの流れ込みには深い溝ができている。落ち込んだら嫌なので、スノーブリッジを探して回り込む。
この辺から降ってくるのも楽しいかも
少しヤブはうるさいけれど、いくつか下降したら楽しそうな枝沢もある。
ゴルジュ帯を抜ける
雪が薄そうな場所を歩く時、そこに動物の足跡があれば、そこをたどるとだいたい間違いはない。ウサギ、カモシカ、狐、いろいろな動物の通り道は、自然の落とし穴を上手に避けてたどられている。
滝を見上げる
地形図で想定していた場所、ドンピシャの位置にやはり滝があった。沢が大きく屈曲していて、すぐ下に来るまで全貌は見えない。

周囲を見渡すと、右岸に横滑りで降りた跡がある。
皆さんが横滑りで下降した跡
タイトでスティープで、腐れ雪で、ツリーホールだらけのところを埋まりながら登る。
見下ろしたところ
滝の落ち口は見えない
滝の上に出ると、傾斜の落ちた広場になっている。
北斜面は乾いた雪が残っている
トラバース気味に沢床におりた。北斜面の新雪を滑るために、左岸に渡ってさらに登る。だいぶ気温が上がってきて、日の当たる左岸は粘りつくような雪に変わっている。
雪が良ければ楽しそう
メローな沢状というか、緩やかにうねる広い河原を登って本日の最終到達点へ。
ここのドン詰まりの斜面からドロップ予定
計画しているドロップポイントが見えた。あそこからここの尾根状までが一番美味しいところだろうね。
見下ろすとこんな感じ
見上げるとこんな感じ
尾根をハイクアップして、スティープでオープンな斜面にドロップ。斜度は徐々に落ちて、沢はうねりながら続いていく。そして、パッと開けた場所に出る。

その先はメローな沢地形が500m くらい穏やかにウネっている。

本番で来る時は、そんなふうなイメージなのだろう。
馬の背で休憩
本日の最高到達点は2つの沢が合流するところの、尾根状。ここならどちらかの沢から雪崩てもまず大丈夫。
こっちの沢からドロップするのも良さそう
一休みして、行動食をとったら下降を始める。ハイクアップには時間がかかったけど、滑り降りるのはあっという間だった。

滝の落ち口直前まで滑って、そこからの右岸高巻きは標高差5〜6mなので、つぼ足のまま乗り越える。木の葉で下降するポイントは雪が本格的に腐って、ボードごとツリーホールを踏み抜いて結構苦労した。
滑れるのはゴルジュ帯の下まで
斜度が落ちたところで、ポールを出してストック滑走に入る。
妖怪発生中
木陰はまだいいけれど、日の当たる場所は妖怪板掴みのせいでスピードが出ない。春雪用のストラクチャー入れた A-One で来たからまだいいけど、普通のボードで来ちゃうと結構大変かもね。

地図読みで想定していた地形がそのまま現れると、山屋の端くれとしては嬉しい。そんなBC7でした。次回は上から下れるな、誰か一緒に行こうよ。

おしまい


注1 ひと昔前は、地形図って国土地理院の 2.5万分の1地図がデフォルトだった。で、これが大きい書店とか、規模の大きい山道具屋に行かないと手に入らない。しかも確か1枚250円くらいするんだけれど、広い山域だと4枚くらい買って、付き合わせないと必要なエリアをカバーできなかった。そんな苦労を思うと、今のネット環境で地形図見放題、印刷簡単というのは夢のようです。

注2 地形図2.5万は高いし、手に入りにくい。しかし、ハイキングガイドブックとか、山渓の山域ガイドマップみたいな5万分の1だと、大雑把すぎてBCには向いていない。細かい地形変化が読めないし、行って見たら滝だったりとかで、怖い思いをする。現代の、ネットで参照できる地形図だと、Strava、コンパス、山渓オンライン、YAMAPなどを使っている。どれも昔に比べると格段の変化です。

注3 今回のルートはガイドさん付けて降ったほうがいいと思います。だから、具体的な場所とかは書きません。