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2022年3月22日火曜日

備えよ常に…BCギアのメンテナンス

バックカントリースキー・スノーボードでは、ちょっとした道具の不具合が大きなトラブルの元になる。だからこそ、事前のメンテナンスが重要になるのだ。

BCスノーボードの情報と言えば、パウダーヒャッホーイとか、ノートラックとか、そんな楽しいことばかり。ちょっと無責任かも(あ、僕もそうだw)。

BCは楽しいだけじゃなくて、いろいろちゃんとしないと危ないよ。そんなことも書かないと行けないんじゃないかな。

そして、僕はこのブログを、「情報を集めるきっかけ」にするために書いている。

webで「タダで手に入る」情報をそのまま全部信じないほうがいい。

岳人とか山渓とか、先人が書いた専門書籍とかを買って読む、これが大事なんじゃないかな…余計なお世話か…

まずは、凍結の防止、要するに、凍りついて、動かなくなるとかを防ぐ。
湿り雪は妖怪の巣
厳冬期は意外と凍結のトラブルって無い。
凍結のトラブルって、隙間に入った「水」が凍りついて起こる。

厳冬期は寒すぎて、「最初から凍ってる」のだ。雪と氷だけで、「水」が存在しないから、凍結のトラブルが無い(注1)

湿り雪は、「妖怪板掴み」の巣、滑りが不快なのはもちろんなんだけど、「湿り雪」ということはそこに水分が存在するということ。日向の湿り雪ですっ転んで、日陰に入ってしばらくしたら、いろんなところが凍っていたみたいなトラブルはよく目にする。

最初に、ポールの凍結防止について。下の写真のように、テントフレームみたいな構造の奴が要注意。この差し込むジョイントのところが凍結すると、短く収納できないので困る。
伸縮式ポールのジョイント部に凍結防止剤
シリコーンスプレーとか、凍結防止の専用スプレーを吹いておく(注2)。
ちなみに、ハイクアップして滑走準備する時に、ポールが凍結していると焦る。そんな時は、凍結した部分を、ウエアの裾から突っ込んで、お腹か背中で温めれば抜ける(こともある)。

スノーシューにもシリコーンスプレーは有効だ。デッキの裏表、ハーネスにも吹き付けておくこと。
スノーシューには全面にシリコーンスプレー
メンテナンスとはちょっと違うけど、色々な物を無くさないように、流れどめとかリーシュとか言われるものもチェックすること。厳冬期にグローブを無くすと、致命的なトラブルになりかねない。だから、BC用のグローブには、グローブリーシュが付いている。もしくは、リーシュをタイイン(結ぶ)するためにループが付いている。

これも定期的にチェックして、タイインループが毛羽立っていないか、リーシュは傷ついていないか、緩み留めはちゃんと機能するかを確認する。

ちなみに、グローブリーシュを自作するなら、僕のおすすめは「パラコード」。これはパラシュートに使われるヒモで、細いけどムチャクチャ強度がある。そして、水を弾いてくれるので、凍結しないという、リーシュには最高の素材。
グローブリーシュのおすすめはパラコード
欠点もあって、表面がツルツルなので、結び目をちゃんと作らないと緩んでしまうことがある。ボクはフィギュア8で結んで、強く荷重をかけて、解けないようにしている。

パラコードは伸縮性が無いのと、強度がある意味強すぎるので、なかなか切れない。したがって、首周りに何かをぶら下げるためには使ってはいけない。

緊急時のホイッスルとか、小さなナイフを首にぶら下げたりするには、絶対にパラコードを使わないこと。うっかり首を吊ってしまったりしたら、死にます。

最後に、MSRのEVOを使っているなら、ヒールエレベーター(クライミングサポート)の動きが悪くてイライラしませんか?
ヒールエレベーターの動き改善
溝の形をよく見て、少しずつ削って広げてあげてスムーズに上下するようにしてあげるといいと思います(削りすぎ注意ネ)。


注1 厳冬期に注意するのは、暖かい室内とか、シェルターやテント、雪洞から外に出るとき。雪とか氷が溶けて水になっていたら、よく拭き取らなければ凍る。ゴーグルに露や曇りが出ていたら、それも乾かさないと凍りついてしまう。
 

注2 ポールのそれぞれの段を、ねじ込んでいくと中でロックされるタイプの奴は、シリコーンスプレーしてはダメな奴もある。それぞれのポールの説明書をよく読んでください。