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2022年3月10日木曜日

ゴーグルのメンテナンスというか修理

冬山で使うゴーグルは、曇らないように通気口が設けてある。そこが素通しだと、雪がどんどん入ってきて凍りついてしまうので、空気だけ通って雪は通さないように、スポンジが貼ってある。そのスポンジの修理について。

そもそもゴーグルの寿命をどう考えるかだけれども、僕はダブルレンズの「間」に湿気が入って曇るようになったら問答無用で捨てる。このトラブルは山で起きたら対処しようがないからね。(注1)

レンズが無事な場合は、ストラップがヘロヘロになって固定が甘くなったら捨てる。そのタイミングで、大体顔へのフィット感も低下してくるし、ダブルレンズの防水も甘くなって、レンズの間が曇るようなことも起こるからだ。
スポンジに氷が付着してそれを取ったらスポンジに穴があいた

そもそも僕は、スペアレンズ付きで1万円以内縛りでゴーグルを買っている。で、BCで使うメインのゴーグルとバックアップ用を2つ持っておいて、一つは曇天用、もう一つは晴天用のレンズを付けておく。

多分わかると思うけど、BC用が少し古くなってきたら、それをバックアップ用としてゲレンデで使う。ゲレンデ用が寿命を迎えたら、BC用をゲレンデ用にして、新品を買って、それをBC用に温存する。そのサイクルがだいたい3年くらい。
ホムセンのゴムとかのコーナーで売ってるスポンジ
スポンジの一部に穴が開いた!だけなら、自分で直すこともある。
道具もろもろ

まず、接着剤が付かないようにレンズを外す。この時、ダブルレンズの、内側のレンズを押さないこと。2枚のレンズは、薄いスポンジを介して隙間を作って接着してある。ここがものすごい弱い。レンズの間を圧縮してしまうと、中の空気が抜け、圧縮が解けた時に周囲の空気を吸い込んでしまう。これがレンズの間の曇りにつながる。レンズの内側が濡れたり、汚れたりした場合も、クリーニングクロスで「拭く」というより「軽く押さえる」ようにすることが大事。
ダブルレンズを持つ時はフチをこうやって
手指の皮脂がつくとレンズが曇るから、手袋をする。ニトリル系の手袋の場合は、「粉なし」を選ぶこと。そして、手袋をしてから、アルコールを吹いてクリーニングしてやれば完璧。
スポンジとグルー(接着剤)を剥がす
穴があいたスポンジを取り去る。カスがついていたらそれは綺麗に取る。スッポン・ピンセットという、リバースアクションピンセット(手を離すとクリップし、握ると外れる)があると、何かと便利。
ブレちゃったw
空気孔にマスキングテープを貼って、マジックでグリグリってやって形を転写する。ほんで、それを使って交換するスポンジを作る
スポンジにペタン
マスキングテープごとスポンジを切るのだけれど、気持ち大きめにするほうがいい。
型取り完了
接着がうまくいくかは、「接着面の清掃」と「動かないように圧力をかけて押さえる」にかかっている。満遍なく、圧力がかかるように、「押さえ子」を作る。というかなんでもいいので、スポンジの周囲がゴーグルに密着するような形の物を身の回りから探すだけ。
オーブンペーパーでクルリンちょと巻く
押さえると、接着剤がはみ出してくるわけなので、それを取り去りやすくする&押さえ子が汚れないように養生をする。ここではオーブンペーパー(クッキングシート)を使っているけれど、マスキングテープとか、養生テープでもOK。
マスキングテープをペタンとな
もちろんゴーグル本体にも養生を施す。
ヘラにもペタンとな
接着剤を延ばすヘラにもマスキング。こうすると後のお掃除が簡単です。
ほんで、接着剤を塗る前に、ゴーグルのフレーム接着面をアルコールなどで拭いて「脱脂」清掃しましょうね。
接着剤はムラなく多めにね
スポンジ(フィルター)のアミアミの中に入り込んで固定させなければいけないので、接着剤はすこし盛り上がるように塗る(注2)。
インシュロックでムギュッと固定
注2で書いた条件で接着剤を選ぶと、多分、「瞬間接着剤」は候補にならないと思う。大体硬化に3時間以上はかかるはずなので、一晩放置。
固定解除
ちゃんと着いているか確認しながら、押さえ子を外し、マスキングテープを剥がす。
カスやテープの端切れを除去
ちゃんと接着されていれば、ゴーグルのフレームを捩ったり、スポンジをつまんでも剥がれてこないはず。
治りました
右側、マスキングテープの細ーいカスを残してあるほうが補修後。純正よりもちょっとだけ目が荒いスポンジで補修したら、空気の通りがよくなって曇りにくくなりました。ラッキー


注1 ゴーグルブランドは数多あるけれど、実際に作っているメーカーは割と限られている。いわゆるOEMってやつで、製造受託元は、山◯光学、S◯ith が多い。他は…ここ数年買収とか工場統合があったらしく、知らんw  ちなみに、この、レンズの間に湿気が入って曇るトラブルはSの工場で作っている奴に多い気がする。Sとか、ブランドで言うとB社のAとかね。山なんとかのOEMは、その辺りのトラブルはほとんど皆無、やるな白鳥。(すべて私見と偏見です)

注2 接着剤をホムセンとかで選ぶときには、次の条件をチェックしてください。(用途)軟質プラスチック、ゴム用。PUとか、ウレタンとかを接着できること(軟質)硬化した後も柔軟性を保てること、そうでないとパリパリって剥がれちゃうからね(耐候性)熱・水・紫外線耐性があること、低温でも硬化しないこと。