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2021年8月7日土曜日

山に還ろう テント泊のススメ

山で遊ぶ人が増えたらいいなって、僕はこのブログを書いている。

ただ、最初っから興味ないという人を、ムリして引き込もうとは思っていない。日焼けしたくない、虫触れない、和式トイレムリ、汲み取りとか失神。それに近い人と山に行ったことはあるけれど、僕は楽しくなかったし、あの人も楽しめなかっただろうと思う。

そして、すでに山でブイブイ言わしている人は、僕が働きかけるまでもない。

ハイキングだけじゃなくて、MTBとか、ロードバイクとか、残雪期とか、BCとか、違う切り口で山に行きたいとか…

昔は良く山に行っていたけど、なぜか忘れたけど、随分長く離れてしまったとか。家族ができて、オートキャンプしかしていないとか。

家族でのオートキャンプ@スイートグラス(北軽井沢)

そんな人たちが僕のブログを見て、「あ、次の休みにはこれやってみようかな」とか、「涼しくなったらこれもいいね」とか、「20年振りに八ヶ岳行ってみようか」、そんな風に思ってくれたら嬉しいね。

実際のところ、僕も家族ができてからはオートキャンプが中心になっている。でも、奥さんが妊婦さんだった時もキャンプには行った。
榛名山のあづま森林公園

体を冷やさないように、あえて4シーズン対応の REI 山岳テント。これなら冷え込んでもベンチレーションを閉めれば暖かく過ごせるから。タープは一度立ち上げてから、片側をペグから外して畳む。日差しを遮りながら、上方の開放感を得られるのでぼくはこの張り方をよく使っていた。

テントを使うことで、普段なら行けないところまで足を延ばすこともできる。ある時僕は、黒部ダムから入って劔岳を登った。
黒部ダムの湖畔 小川テントフェルカドドーム

この時は六月で、思ったよりも雪が多かった。登頂は果たしたけれど、12本爪のクランポンにアックスで雪壁の登攀があったりとか、けっこうチリチリするような山行だった。水場も雪の下で、飲料水を作るのにホワイトガソリンの消費が激しく、ぐるっと縦走する予定を早めに切り上げることになった。
明日はいよいよ剣岳登攀

日帰りだとちょっと届かないかな?ってコースも、途中まで登ってテントで泊まれば行けることもある。翌朝はテントをデポして、荷物を軽量化してピストンすれば良い。

丹沢山系を登るのに、塔の岳なら日帰りピストンは可能。ただ、せっかく行くのなら、最高峰の蛭ケ岳まで足を延ばしたい。そこで、大倉尾根の途中にあるテントサイトで一泊する。

前日は天城山を登ってから大倉に移動。準備を済ませて大倉尾根を登る。時間には十分余裕があるので、のんびりと体を休めて早めに就寝。
ヨーレイカのドームツェルト@大倉高原山の家 丹沢

甲斐駒ケ岳も同じ方法で登った。荷物を削って行動すれば、日帰りも可能だったのかもしれないけれど、残雪期なので無理をせずにテント泊。テン場到着した時は、残雪が緩んでしまっていた。一泊して朝日の出る前に動き始めれば、良く締まってクランポンがしっかり効く快適な登攀が待っている。
七丈小屋上のテン場

遠方の山を登る時も、テント泊を組み合わせることで行動範囲が広がる。早朝から荒島岳を登って、下山してから白山に移動する。車中泊して翌朝日帰り登山でもいいのだけれど、せっかくなら山中で過ごしたい。

昼少し過ぎに入山し、早めにテン場について泊まる。行程が短いので、豪華なディナーを用意していくのもいいだろう。
明日は白山を登る Big Agnes のソロテント

連休が取れたら、テントを背負ってのんびりと縦走をするのも最高だ。例えば、黒部湖から入って、読売新道から水晶、ぐるっと回って黒部五郎とか薬師とか回って、室堂アウトとかね。

奥黒部馬蹄形最終夜@五色ヶ原、明日は黒部湖?室堂?

テントから外を見れば、すぐそこには山があるってのも最高。
黒部山中で夜を待つ

テントは寒くないのか?
寒くないように万全を期せば荷物が重くなる。寒くならないギリギリの線で装備を削って行くので、外せば寒い。ツェルトドームは雨降れば漏るし、春秋に夏用のスリーピングバッグなら確かに肌寒いかもしれない。

晩秋の山ではかなり無防備なツェルトドーム

まぁ、その辺は経験次第なので、とにかく出かけて見ればいい。
オートキャンプでスクリーンタープを張ったら、その中で蚊帳の代わりにテントインナーを張って寝るのもいいだろう。

MOSS Hooped OutlandのインナーをColeman Screen Tarp内に張る

テントのセットアップを済ませて、一杯やって、温泉入浴時間を待つひとときもたまらない。
黒部阿曽原温泉で男性入浴時間を待つ

荷物を担ぐ力が無い?無理せずに近場に行けばいい。それに、昔の山道具と違って、今のテント泊装備はコンパクトで軽い。僕の場合、昔はテント泊なら65L+のバックパックだった。最近は40L+で行けないかって、いつも考えていて、実際それで行けることも多い。65Lが出動するのは3泊以上とか、残雪期くらいなのが現状。

それか、信頼できる友人と一緒に行く。
合戦尾根の急登を登ってテントで宴会!なら、体力のあるパートナーが心強い。
Sierra Designs@ 燕山荘 ユーちゃんと

山で使えるテントは耐久性に富んでいるので、普通の使い方なら10年は持つはず。
小川テント フェルカドドーム 場所不明

頑張ってテン場に早く着けば、景色のいいところを選べる。明日はここに行くのだ、そんな景色を見ながらビールを飲む喜び。
大天井岳から明日行く槍ヶ岳を見る

中房温泉から合戦尾根を登り、燕岳のピークを踏んで大天井岳でテント泊。明日は東尾根から槍ヶ岳を踏んで、南岳へ。

南岳は雪渓から溢れる豊富で冷たい水場があり、明日の大キレット通過の活力を蓄える。
南岳のテント場

いろいろな季節に、いろいろな場所で、いろいろな人とテントで泊まる。もちろんいろいろな気象環境で、時には最高で、時には最低なw 経験もするでしょう。

でもまぁ、体力があるうちに始める(再開する)のが大事なんじゃ無いかな、そんな風に思います。
ふと気がついたら雪の壁

ま、今のコロナ禍では、複数で密テントは無理かもしれない。でも、コロナがおさまったら、テント担いで出かけて見るのもいいんじゃないかな?

くれぐれも、ご安全に。