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2021年4月11日日曜日

MSRスノーシューのトラブル事例と対策

 MSRのスノーシューを使っているBCスノーボーダーは多い。特に今から15年くらい前に発売された、ライトニングだっけ?アルミの枠に、布張りのデッキで軽量化されたモデル。

これが爆発的に売れた。

そして、MSRスノーシューのハーネスは、寿命が10年と言われている。だから、爆発的に売れたこのライトニングが、今どんどんトラブルメーカーと化している(個人の感想です)。

ハーネスの崩壊(加水分解)

シンヤーが、スノーシューをセットしようとストラップを引っ張ったらハーネスが粉々に崩壊。わずかな変色と硬化はあったけど、自宅でチェックした時は全然問題あるようには見えなかったらしい。

ガバガバというか、もうどうしようもない

このタイプのウレタン?ハーネスの加水分解は突然来る

シンヤの話によると、メーカーと輸入代理店の見解では、「ストラップの寿命がきたら、スノーシューそのものの寿命が来たと考えて、買い換えてください」だそうです。で、シンヤ、実は、この時のBC直前に、ストラップが切れて交換したんだそうです。使用年数はちょうど10年…


ストラップ固定金具の脱落&紛失

ユーヤのスノーシュー。足の甲を留めるストラップは、2つのアルミ金具でハーネスとつながっている。この金具には、抜けないように返しがついているのだが、ハーネスの穴に先を差し込むだけでつながっている。

写真右のストラップが紛失、予備のストラップがあってもどうしようもない。

この差し込むだけって構造は危ない気がする

新しいハーネスは柔軟で、金具を差し込む穴もピッタリと隙間が無いので、返しが引っかかるので抜けにくい(でも状況によっては抜けるヨ)。ストラップを引いて締め付けると、この金具がハーネスを引っ張ることになる。ってことは、このはめ込んでいる穴を引っ張って広げる動きがずっと続く。で、経年変化でハーネスが硬化していくと、どんどん抜けやすくなるのではないかと思うよ(個人の感想です)。ちなみに、この時点で使用年数は8〜9年くらい。


ヒールストラップのテンション不足でいきなり外れる

MSR(だけでなく多くのブランドも含めて)スノーシューは、つま先と甲のストラップで土踏まずから前を固定する。そして、ヒールストラップでかかとを斜め上から押さえつけて、しっかりと固定する。

ヒールストラップは結構しっかり締め付ける。テンションがかかると、ブーツのかかとは丸みがあるので、ストラップの位置が上にズレて、斜め上からかかとを押さえつけてくれるのだ。歩行を続けているに従い、つま先と甲のストラップがブーツと馴染んで、足全体がほんの少し(5mmくらいかな?)前に押し出される。そうすると、ヒールストラップのテンションが緩んで、位置が下がり、気がつくと外れるってことがある。

これが深雪とか、固くしまった斜面で起こると結構たいへんな騒ぎになる。

テンションかけて、いい位置にかかったヒールストラップ

旧来型は写真左のしゅっと尖った形、右が現行型

で、力を入れてギュって締めなければいけないので、現行型は握りやすいような形状の末端になっている。でも、一部のモデルでは、理由はわからないが、旧来型のままで販売されている。雪が付いた手袋でこれを締めるのは結構大変。

細引きを通して固定する

指のかかりが良くなってテンションを上げやすい

旧来型のストラップは、折り返しを作ってやると、指がかけやすくなるので試してみてください。


ストラップの紛失

僕が好んで使っているスノーシューのハーネスは、金具がリベットでガッチリ固定してある。リベットのカシメは、金具を「差し込むだけ」よりも信頼性が高い。これで金具紛失のリスクは減るけど、ストラップは単に金具に差し込んであるだけなのだ。で、ゴムと金属って濡れると滑りが良くなるので、フィールドでのストラップ紛失の恐れは解消されない。

それと…僕は加水分解の進行を遅らせるためと、凍結防止のためにシリコーンスプレーを吹いている。ツルツルですw

滑走中は、スノーシューはバックパックに固定しいている。スノーシューのストラップがどうなってるかなんて、自分では見えない。で、気がついたら無くなってたって時のために、いつでも必ず数本の予備は持つ。そして、僕は念のために抜け留めの固定もしている。

インシュロックで留めて、余りはキレイに切る


クレビスピンの紛失

MSRのスノーシューは、デッキとハーネスを二本のクレビスピンで固定している。スプリングリングが、ピンの先端にある穴を通っていて、抜け留めの役割を果たしている。このリングが何かの弾みで抜けてしまうと、クレビスピンを紛失してしまう。これは僕も実際に経験があるのだが、積雪量の多い時期だったり、ツアーの最後に長いハイクがあるような場合には本当に困る。

なので、僕はそんな時のために、ステンレスの先割れピンをレスキューセットに数本入れてある。それに加えて、ストラップの穴に予備のクレビスピンをセットしてある。

余っている穴にクレビスピンをセット

随分とトラブルが多いみたいだけど、だったら他のメーカーのスノーシューにすればいいんじゃない?だって?

僕はMSRのスノーシューを20年以上前から使っている。最初のはデナリアセントというモデルで、デッキは一体整形のエンジニアリングプラスチック製。で、そのモデルのハーネスを入れ替えたりしながら15年以上使って、割れのリスクを考えて最近買い換えた。買い換えたモデルもプラスチックデッキ。プラデッキは古臭いって言われることもあるけれど、僕はこれに絶対の信頼を置いている。

ハーネスの金具はリベットのカシメ
デッキはエンジニアリングプラスチック
裏面には、横滑り防止のレール状スパイク

この3つを満たすモデルがあるかぎり、僕はMSRのスノーシューを使い続けるだろう。

みつまたロープウェイ1便を待つ、タカヤンの前が僕のギア

なぜ、そんなにプラデッキのMSRスノーシューが良いのかって?
それを話し始めたら、収集がつかなくなるから、今日はこの辺で。

では皆様、どうぞご安全に。