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2024年7月26日金曜日

冬の下見で日光白根山 湯本ルート

20代のころから(30年近く!)、ボクは日光白根山に登っている。

丸沼高原にまだロープウェイが無かったころ。メインルートは菅沼からの「瞑想の森」。今よりもずっと静かで、人も少ない山だった。

平日なんか人と出会うこともそんなになかった。だから五色沼のほとりで、ほぼ全裸で日光浴しても大丈夫だった。凍らせて持ち込んだ缶ビールを飲んで昼寝して、日焼けで痛い目にあったりとか…

そんな日光白根で数年前から気になっているのが、東面ルンゼ。

傾斜はさほどでもないし、距離も短い。狭いルンゼ上なので、落石にも注意が必要だろうし、アクセス(山頂からのドロップ)も悪い。けれど、挑戦欲が掻き立てられるし、見栄えがいいのでいつか滑ってみたいと思っている。

そんなルートを偵察しに、長めの湯本ルートから登った記録。
湯本キャンプ場から入山
湯本からのルートは、樹林帯の中の急傾斜。段差も大きくて歩きにくいので人気が無い。その代わり落ち着いた雰囲気でボクは好き。
外輪山に出る
外輪山に出ると見晴らしが開ける。ここから縦走が始まる。
日光白根ドーン
狙い通り、東面ルンゼを正面から見ることができた。
視界良好

駒草の写真を撮っている人を数人見かけた。
駒草がまだ咲いていた
登山者が少なく、砂礫状の登山道の踏み荒らしも少ないから、高山植物にはやさしい。
東面ルンゼと五色沼
歩くにつれて日光白根が近づいてくる
山頂直下から斜めに走るルンゼ

崩壊地
スキーヤーズライトは山頂稜線の東面にあたる。朝早い段階から日射を受けるので、側面からの雪崩や落石、デブリに要注意って感じ。

シュルンドに注意しながら、日陰になるスキーヤーズレフトを滑走することになるだろう。

男体山女峰山
外輪山を反時計回りに縦走していく。
東面ダイレクト
勝手に東面ダイレクトと名付けた斜面を見上げる。山頂から東面ルンゼにドロップし、200mくらい先をスキーヤーズレフトに乗り上げて尾根を超える。そこから樹林の無い溝状を滑ると五色沼に出る。

無木立なので…雪崩の走路ですね…ここは
夏の装いで弥陀が池
久しぶりの登山靴なので、パシャパシャしてみる。
防水チェック
日光白根本峰への登りに入る。
木立の向こうに弥陀が池が見える。

見下ろす弥陀が池
やがて五色沼も見えてきた。
五色沼
視界よく絶好の登山日和
尾瀬方面と燧ヶ岳
男体山と中禅寺湖
本峰山頂への枝尾根からルンゼを見下ろす。崩壊した岩クズの先、傾斜が落ちて左の尾根に切れ目ができている。ここを左に入れば東面ダイレクトへ、直進すれば東面ルンゼ。
東面ルンゼ
ルンゼへの降り口
ドロップポイントは、短い(5mくらい?)けれど、40度を超える急斜面。ここがうまく雪で埋まってくれているといいのだけれど…

山頂は丸沼高原ロープウェイからの登山者で大賑わい。
混雑
山頂に近づくにつれ、殺伐とした雰囲気。ちょっとした岩の片斜面で軽い言い争いが聞こえる。

どちらが先か、譲る譲らない、寄れ、寄ると危ない…

こんなところでそんなに困るのに…登っちゃうの?

山頂はパス!

ボクはもう何十回ときてるから、山頂は巻いて通過した。
人が途切れない
祠にお参り
UFO基地
UFO基地からちょっと寄り道すると、五色沼が綺麗に見えるポイントがある
目の前の尾根の手前が東面ルンゼ
傾斜が急すぎて、ルンゼのボトムは見えなかった。

南面登山道、スイッチバックを繰り返して樹林帯に入るとまもなく避難小屋。
思い出の避難小屋
ここでは何度か泊まらせてもらった。
内部は2階建て
トイレと水場が無いので、いろいろと工夫は必要だけれど快適な小屋。
5S
地域の大学がいろいろ調査で使用していることもあり、手入れが行き届いている。

小屋の裏から再び外輪に登り上げる。
外輪山アゲイン

駒草アゲイン
ここにも駒草が風に震えていた
さらば日光白根山
名残を惜しみつつ、湯本への下降を始める。
慰霊碑
この白根沢登山道は、雪崩の走路になっている。過去の遭難慰霊碑を兼ねた道標があった。
玉川大学のW.V.部は歴史のある名門だったはず。確かこの事故で活動が止まったんじゃなかったかな?
道標

そして近年、ここの上部から出た雪崩が、よりによって高校山岳部の冬山講習会を襲たと記憶している。講習会なのに犠牲者が出て、問題になったような…?
かかと…
シーズン最初に登山靴を履く日は、だいたいこんな感じになる。マメが治ると、皮膚が分厚くなって登山シーズンがスタートできる。
ログはこんな感じ
下山したら、当然タンパク質の補給
サービスステーキ

山菜ピラフ
通し営業に感謝
今シーズンもよろしく
マメが治ったら、今シーズンはちょっと長めのルートを歩いてみたいな。できればテント泊の縦走とかしたいな。

2024年7月23日火曜日

BRM200km 完走 SR認定クリア

今年のSR(イケてる自転車バカ)認定条件まで、残すのはBRM200kmの完走だけ。

早めにこれを完走して、パーマネント・ブルベと登山にシフトしたい。そんなことを考えて、遠征して200km ブルベの完走を果たしました。

都内スタートして、関東平野をぐるっとまわるというこのブルベ。夏に…猛暑の…関東平野を…朝スタート???死ぬよね?

という配慮があるのかどうか、コースプロファイルは「ど平坦」。貧脚なんだけど我慢強く、悪条件を小狡いテクニックでクリアするのが得意、そんな僕にはぴったりのコースプロファイル。

なんとかなるでしょう…
スタート地点
今回から、ダブルボトルの一つを真空断熱の保温保冷ボトルにした。信頼のThermos、これが非常に優れものでした。無かったらやばかった…
 
朝は小雨
ちょっと雨がぱらつくけど、すぐに天気が回復する予報なので泥除けは無し。

スタートして都心を抜けるまでは、いわゆる信号峠。我慢の走りを強いられる。多分、車の制限速度で走っていけば、信号のタイミングがピッタリ合うんだろうけど…40km巡航なんてできるかぼけ!

田んぼアートを見て回ろう、そんなテーマなので田園地帯を回る。
観覧台が設けてあるところも…
田んぼアート
正面奥が観覧台
確かに…地面から見たら何がなにやらわからんもんね…

それにしても暑い日で、DNFの方々も結構多かった。
僕は頭から冷水をぶっ被り、背中にはロックアイスのジプロックを忍ばせ、保冷ボトルからじゃかすか氷入りポカリスェットを飲み…無事完走しました。

ということで、無事SRの申請基準を満たすことができました。やれやれ

2024年6月11日火曜日

エッジングパワーの6要素 グラトリ・初心者のセッティング

エッジングパワーを決定づける、6つの要素について前回説明をした。

6要素をどのように組み合わせて活用したらいいのか?そんな話をしてみよう。

僕はグラトリはしないというかできない、ジブもしない。

そんな僕がジブ・グラトリについて語るのはおこがましいのだけれど、「エッジが不意にひっかからないようなセッティング」だと理解してください。

エッジがひっかかると困るのは、初心者スノーボーダーも同様。友達に、「スノーボードを始めたい!」と相談されたら、このセットアップの話を思い出して欲しい。

レーダーチャートの上から、時計回りに説明してみよう。

ボードは標準よりちょっと太めが良いよね。。エッジの効き方がマイルドになるし、トリックの時に安定感が出るはず。

フレックス柔らかめのボードを選ぶことで、細かい操作がしやすくなる。カッチカチのボードはやめようね。

センタリングは標準でいい。「標準」とは、ワンフットで安定して真っ直ぐ滑れる位置。バインがトウ側かヒール側にずれていると、真っ直ぐ滑れない。ここで注意しなければいけないのは「見た目のセンター」ではないということ。それぞれの骨格とか、筋肉のつき方で重心位置は変わってくる。だから、見た目が踵よりとか、つま先よりに「見える」位置であったとしても、あなたがワンフットで真っ直ぐ滑れるのならそれが正解。


ハイバックは立たせ気味でいい。「立たせ気味」というのは、ブーツの前傾角度とほとんど同じくらいの角度ということ。ブーツを履かないで、そのままバインに嵌めてみよう。この時に、ブーツのふくらはぎ部分とハイバックが、上から下まで密着している状態。

実際にブーツを履いて、バインをセットしてみよう。リラックスしてちょっと膝を曲げた状態が、あなたにとって「自然な体勢」で、長時間滑っても疲れにくい姿勢。この時、ブーツの後ろは、ハイバックから微かに離れるはず。この隙間が、車のハンドルでいう「あそび」(不感ゾーン)にあたる。立ち気味にセットしたハイバックは、バックサイドターンのエッジングをマイルドにしてくれる。

ハンドルがクィックすぎる車は疲れる。逆にあそびが大きぎると、キビキビした感覚に欠ける。滑ってみて、ちょっとあそびが大きすぎるかな?そう思ったらハイバックを1ノッチずつ前傾させていくのだ。

ブーツの硬さはもちろん柔らかめがイイ。フロントサイド、バックサイド、両方のターンでエッジの効き具合が異なるとリズムが取りにくい。ハイバックのところで説明したように、バックサイドターンのエッジングがマイルドなセッティングになっているので、フロントサイドのエッジングもマイルドにしたい。そのバランスを取るために、柔らかめのブーツを選ぶのだ。そう、硬いブーツは、トウエッジの踏み込みがパワフルになる。

で、レーダーチャートを見てみよう。赤いノーマルセッティングに比較して、緑線で囲まれている面積がずいぶん小さいのが分かるよね?

このセッティングだと、エッジングパワーが小さい。ずらしやすいし、逆エッジのリスクが減るということ。

…でも…このセッティングだと…必要な時にエッジを効かせることすらできないということ?

そう、そのデメリットの一部を相殺するために、横向きのスタンスアングルを取るのだ。

前6度、後ろ-6度位のアングルを試してみてほしい。スイッチで滑りやすいのは、スピンなどのトリックを練習するのにいいだろう。初心者・初級者が、自分のやりたい滑りを探すのにもいい。

そんでもって、隠れたメリットは、「立たせたい時にはエッジがしっかり立つ」のが横向きセッティング。なんとなくしっくりこないようなら、前足を9度か12度にしてみるのもいいと思う。

特にちょい太めのボード(ノーズが太いパウボードも同様)で、前足のアングルが21度を超えてくると、エッジの踏み込みが効きにくくなる。

まぁその、全体的にルーズなのだけれど、スタンスが横向きなことでバランスが取れているのがこのセッティングということでした。

2024年6月10日月曜日

BRM600km完走 イケてる自転車バカに一歩近づいた

以前も書いたんだけど、昨年の11月と12月に、200km、600km400kmのブルベを完走した。それがゼーンブ…ノーカンになった。

現在、カウントされる持ち札は、300km400km、残すのは 200km と 600km

まその200km は、開催件数も多いし、初心者向けのやつとかも遠征すればあるので大丈夫。ということで、最大の課題は600km…それを走りました。
ドロヨケ装備
300km 以上走ると、ほとんどの場合は県を跨ぐことになる。んでもって、県境って峠になってることが多い。峠を跨ぐってことは、分水嶺を跨ぐってことで気候がガラッと変わる。

太平洋側から日本海側へ峠を越えると、晴れてたのが雨とか、その逆とか普通にある。そこまで極端ではないにしても、ロングライドになると走行時間も長くなるので、どこかのタイミングで雨ということは普通にある。

そんなわけで、今回は前後のフェンダー(泥除けね)を装備して出走。
心のふるさと よしおか温泉

リアフェンダー

サドルバッグ装備

まず目指すのは太平洋。グンマーから太平洋はだいたい200kmちょいで行ける。銚子までは230km、那珂湊は200kmくらい。

一番近い海は東京ディズニーランドで130km。でも、あそこら辺は、あんまり海に行ったって感じがしない。やっぱり太平洋でしょう、海行くなら!  自転車だけどな…

(ちなみに日本海なら寺泊まで230km)
関東平野のどこか
海に行くには関東平野を延々と走らなければならない。
ど平坦の視界の中、膨らみが見えてくるとそこは茨城県。
筑波山
茨城県…自転車で行けるので、グンマーの隣町です…
わーい海!
唐突に海が見えた
那珂湊
やっぱり…海っていい
昼間の海っていい…
浮かれポンチ
写真スポットは誰でも一緒。他の参加者が、愛車の写真を撮る…のを撮る。
写真撮るよね
潮風が吹き付け、なんとなく錆が気になる。
太平洋
でまぁ、銚子方面かすめて目指すのは上総一ノ宮。
利根川なのか太平洋なのか
銚子手前で日が沈む。そっから先は、暗闇の中なので写真なし。

走力のあるサイクリストは、上総一ノ宮周辺で宿を取って仮眠する。そのあたりで走行距離は380~400kmくらいなのだ。一区切りつけて、リフレッシュして、残り200kmなら…楽勝みたいな計算。しかし、そのためには、400km時点で、貯金を十分に作っておかないとならない。宿にチェックインしたり、シャワー浴びたり、食事して仮眠をとる。そんな時間を確保するために。

ボクは貧脚なんで、いつも通り、その辺でぶっ倒れて寝る。防寒着を足して、スリーピングバッグカバーに潜り込んで寝る。1時間寝られればだいぶスッキリするので、そこでまた走り出す。もうすぐ還暦がやる遊びじゃないよね
牛久大仏
上総一ノ宮から成田の脇を通り、霞ヶ浦や牛久大仏やらをかすめて北上する。廃線後を利用した、霞ヶ浦リンリンロードが快適だ。
筑波山アゲイン
強烈な眠気が襲ってきた。ちょうど日が出て、ポカポカあったかだったので、リンリンロードの休憩所でぶっ倒れて寝た。多分…いびきかいてたと思う。周囲のみなさん、その節は申し訳ありませんでした。

筑波山で折り返して、グンマーへの帰路を辿る。途中から、天気予報どおり猛烈な雨になった。雷もそこらじゅうにドカドカ落ち、流石に危ないので酒屋の軒下に避難。

そんな感じなので写真はない。最後の70kmくらいは、バケツをひっくり返したような豪雨の中、サイクリングロードを辿って帰る。
ログはこんな感じ

完走
ヒルクライムが苦手なボク、デブだからコースプロファイル検討して、狙って完走できた600km
少し余裕をもってゴールできて良かったな。

今回は走行抵抗を下げるために、タイヤの空気圧を上げたかった。タイヤの空気圧を上げると、ケツがやられるので、カーボンシートポストを投入してみた。
スワンネック
シートポストとサドルを繋ぐ部分が、”?”みたいに深く曲げられている。素材はカーボン、軽量でしなってくれるので、細かい振動を上手にいなしてくれる。
Veno カーボンステム
これがかなりの優れもので、600km、39時間、しかも雨天走行という環境でもケツの痛みはでなかった。
600キロの完走メダルが2つになりました
この600kmブルベのゴールは、別開催の200kmブルベと共通。そう、ボクが去年、生涯初挑戦した200kmブルベと共通のゴール。1年前は、400kmとか600kmブルベとか、自分に走れるなんて想像すらしていなかった。

人間って変われるんだね。

2024年6月1日土曜日

エッジングパワーの6要素

スノーボードの面白いところは、ボードとバインディングのセッティングを変えられるところ。

セッティングの自由度が高いのは、スノーボーディングの楽しみでもある。だけれど、自由な反面…セッティングの何が正しいのか訳がわからなくなって、迷路にハマることも出てくる。

そんな人のために、セッティングで重要な要素を整理してみよう、そんなシリーズを始めます。

楽に「カービング・ターン」をしたい人、「圧雪でパウダーボードに乗れない」人、そして「ワンフットが苦手」な人たちです。全てに共通するのは、エッジをうまく使えない人たちです。

エッジングパワーを左右するのは6つの要素があります(下図参照)。


レーダーチャートの上から時計回りに、

  1. ボードが細い方が
  2. ボードが硬い(フレックスとトーション)ほうが
  3. バインディングが踵寄りセットのほうが
  4. ハイバックが前傾しているほうが
  5. ブーツが硬いほうが
  6. フロントのアングルが横向きのほうが

エッジングパワーが強くなります。(3と5については、いずれ詳しく説明します)

サンプルとして、ノーマルボード、パウボード、カービング(アルペン)ボードのレーダーチャートを入れてあります。6角形の面積が大きいほうが、エッジングパワーが大きくなります。

ほとんどのパウボード、ノーズがノーマルボードよりも太い。だから、特に前足のエッジが効きにくくなります。パウダーだと面で滑るので気が付きにくいけれど、圧雪バーンだと上手く滑れなかったり、疲れやすかったりするのはこのせいです。ノーマルボードと同じバインとブーツで、パウボードに乗るとエッジがうまく効かないのはこのチャートで見ればわかります。

カービングボードは、締まったバーンで強いエッジングを可能にするために、細く、硬く(というより張りが強い)セットアップになります。細いボードはドラグしやすくなるので、アングルは前振り、センタリングも踵に寄せられません。硬くて反応の早いバインを使い、ハイバックの前傾は強く、それとバランスを取るためにブーツも硬くなります。

現在の滑りで何が不満で、どう改善したいのか考えて、この6要素をどう変化させるかが上達の早道だと、ボクは思います。

え?そんなボクはさぞかし早く上達したんでしょうね?ですって?

嫌だなぁ…さんざ迷って遠回りして、もっと早く知っていれば良かったなぁ、そんな話をしようということですよwww

まぁ…こーゆーシリーズってトラフィック全然上がらないのですが、一人でも参考になる人がいればいいなぁ、ということで… つづく