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2025年8月6日水曜日

BRM802東京 金太郎(夏)200km・ニューバイクで完走

2025年のブルベ、ここまでのレザルトを振り返ってみよう。

パーマネントブルベは SPR (Super Permanent Randonneur) を達成している。
通常のブルベ(BRM)は、最初に頑張る400km と やっぱ海600km を完走している。あと、200km と 300km を完走すれば、今年もSRの認定をいただける。

ブルベシーズンは年末まであるのだが、ボクの住んでいる北関東の冬は寒すぎるし、空っ風が吹くので冬はオフシーズンになる。そんなわけで、9月末くらいまでにBRM・SR認定に必要な、200km と 300km を完走しておきたい。

とりあえず9月開催の地元発着300kmにエントリーした。ただ…これは…ボクの走力では完走できるかどうかギリギリっぽい。なので、9月に行われる東京発着の300kmを追加でエントリーした。

両方完走できればSR認定はいただける。しかし、どちらかをDNSかDNFしたらSRに届かない。だったら、早めに…確実に完走できそうな200kmを走っておきたいな…と考えて出走した記録。

8月出走のブルベは少ない。あまりにも暑い日本国、猛暑と無縁の場所で開催するか…何かしらの工夫が必要になってくる。その工夫の一つが、ナイトブルベ。

ニューマシンでエントリー

日が暮れてからスタートして、夜通し走って、翌朝暑くなる前にゴールすれば、ずっと涼しいからいいんじゃね?そんな主催者の声が聞こえるようなナイトブルベ。

距離は短い200kmだし、コースプロファイルも優しめだし、都会を走るから補給にも困らないし…ニューバイクのチェックに丁度いいくらいの、ヌルさ? ←フラグ

集合場所

都会スタートなんで様子が分からない。コインパーキングが無くてDNSなんて悲しすぎるので、早めに現地に行った。迷惑にならないところで仮眠して、パーキングに入って、夕食済ませて集合場所へ移動する。

想像していたより、はるかに参加人数が多い。

考えてみれば、300kmから上のブルベには夜間走行がある。400と600ならオーバーナイトで夜通し走る必要もある。200kmしか走ったことがない人が、300km以上にチャレンジするには、ナイトブルベは経験を積む良い方法かもしれないね。

とどろきアリーナをスタートして、中原街道を西進する。もんのすごい…信号ストップの嵐我慢しながらジリジリと前進していくと、以前住んでいた、長津田周辺を通過する。

以前、キャンピングトレーラーを買った、Rocky という店の跡地を通りすぎる。老舗だったのに気がついたら閉店していたんだっけな。

長後にあった J-Wallというクライミングジムの跡地の脇を通って、長後街道をさらに西進。J-Wallの跡地はマンションになっていた…オーナーさんは元気なんだろうか…

今回のブルベ、ナイトブルベなので景色とか観光とかは無い。淡々と走り、2つちいさな峠を超えて、足柄峠の途中までヒルクライムがある。

標高は上がっているのだけれど、気温はなかなか下がらないし、蒸し蒸しするし、あんまり快適では無い。

標高上がっても気温下がらず

折り返し地点は、金太郎伝説の里。予定では、ここまでで貯金が1時間程度。それが割と余裕がない…暑さと信号峠と、向かい風が想定よりも厳しい状態を生み出している。

金太郎伝説の里…入口

折り返してダウンヒル…途中から広域農道に入る。
ここから小田原までの25キロくらいのアップダウンが、心を折ってくる核心だと聞いていた。

まぁ…その…南榛名山林道とか、赤城南面の空っ風街道とか、その辺りみたいな感じかな?と思っていたら、まさしくそんな感じでした…タイヘンダッタ

暑くて心拍が上がっちゃうので、夜景を撮るふりをして休んだりしながら小田原に抜ける。

小田原…かなぁ?

小田原に出たところで、貯金は30分ちょっとくらい。

ローリングスタートで、出発時間が一人一人個別に記録されているから、持ち時間管理を失敗するとDNFになりかねない。スマホ・ガーミン(eTrex)・サイコン(Bryton)のログを確認しながら時間配分を考える。

太平洋のすぐ脇を走り、藤沢に向かう。
潮風の匂いと、海の雰囲気は感じるのだが、すぐ右側を西湘バイパスが走っているので視界はまったくない、夜だしネ。

西湘バイパスが終わって、ようやく海のすぐ脇に出る。
江ノ島が見えてきて、通り過ぎて…写真を全然とっていないことに気がついて…振り向いて写真を撮る。

江ノ島〜〜

海沿いにある休憩施設でトイレとポカリの補給をして、山に入る手前の葉山で写真を撮る。
葉山の御用邸前とか、ビーチとか、いろいろ観光したいところはあったけれど…時間が無い…

海入りたい…

またね〜

海から離れて湘南国際村へのヒルクライムが始まる。
他の参加者の人と意見が一致したのは…

150km走ってきて…この…坂…登れってのは…
オニ!
悪魔!

ということでした。

最後のチェックポイントで貯金は45分…
ここから川崎までは、割と強めの向かい風予報、そして信号峠と暑さ…貯金を維持しながら走ることを目標に坂を下る。

予想通り、信号峠でペースが上がらず、横浜港周辺の写真も最低限になった。

赤煉瓦倉庫群

母方の祖父母が暮らしていた思い出の場所、すぐそばも通ったのだけれど立ち寄る余裕もなかった。

想定通り、ゴールまで貯金を作れるような場所は皆無。

日が出て気温も上がり、ストレスが上がる状況で、微妙なアップダウンと信号峠。気持ちよく走れる場所が皆無の30km程度をやり過ごしゴールへ。

後で確認したら、DNF比率が15%を超えていた…200km でこのDNF率は結構高いんじゃないかな、それくらい過酷なブルベでした。(フラグ回収w)

ニューバイクの TREK EMONDA は、いいバイクだった。ただ、乗り手のボクが考えるべきことが結構ある。

レーシングバイクだけあって、速度上げやすい…のだけれど、前半で飛ばしすぎると、後半にツケがくる。ちょっと怖いのは、飛ばしている感覚が無いのに平均ペースが上がっていて、体力が削られていることがあること。

それと、ギア比がやっぱり高い。平地巡行で、フロントアウターだけで停止からのスタートまでカバーできるようであるといいかな。そして、ヒルクライムではローギアがもう2枚くらいあると助かる。GRX純正では、これ以上軽いセッティングは無いのでちょっと考えてみようか。

TREKにして正解だったか?それは、これから400とか600走ってからでないと分からない。
ただ、今回のブルベは完走者中の、真ん中くらいの位置でゴールしている。今までの Ridgeback Ramble の200km 完走データでは、完走者の中で下位25%くらいでゴールしているので、平均速度は上がっているようだ。

平均時速が1km/h上がると、300kmブルベだと、だいたい1時間くらい時間が短縮できる計算だ。そうなるともうちょっとブルベの旅程も楽しめるのでは無いか?そんな気がしている。

天気予報はこんな感じで、実際もそんな感じだった。

風向・風速はほぼ予報通り

朝は晴れてゴール前は30度超えていた

200kmのナイトブルベは、景色も観光も無く、記録のためだけに走るような感じになってしまった。東京発着は信号峠も厳しいので、サイクリストのグンマー國民は恵まれているなぁ、そう実感する。

それにしても、これだけ暑い時期に、こんなに交通量の多いエリアで、ブルベを走りたい!というサイクリストのために頑張るR東京さんはすごいなとつくづく感じた。エントリーから出走、完走申請まで、クラウドを使ってシステマチックなプロセスなのも素晴らしかった。

ありがとうございました。

<おまけ>
朝ゴールなんで、仮眠したら一日有効に過ごせるかな?そんなふうに思っていたら、甘かった。帰りの渋滞がエグすぎる。環八ですでに渋滞していて、練馬入ったら大渋滞。

うんざり

北関東って渋滞もないし、本当に遊ぶ環境に恵まれてるんだな、そんな気持ちを新たにした遠征でした。

おしまい

2025年7月15日火曜日

山屋のブルベ戦略・装備を練る

もともとは山登りが趣味のボク、ブルベにもその経験を活用している。
ボクの装備品の紹介と、どんな考えでそのようにしているのか、そんな話をしてみよう。

無駄を省く

山登りとサイクリング装備は携行方法が異なる。丸2日間の行動を前提にしてみよう。登山なら、荷物は20〜30Lくらいのバックパックになるだろう。容量には余裕があるので、多少嵩張るものでも収まるし、「ひとまとめに」入れて背負うことができる。

ブルベの場合は、丸2日間なら600kmになる。それなりに荷物は多くなるが、1箇所にまとめるバッグはない。いろいろな場所に「小分けして」携行する。これが割と頭を使うし、個性が出るところだとボクは思う。

まずは自転車の、限られた収納スペースについて。

  1. サドルの後ろが サドルバッグ
  2. フレームの前三角、トップチューブ下がフレームバッグ
  3. ハンドルとステムに付いている、縦に長い筒状のものがステムバッグ
  4. ダウンチューブ下にぶら下がっている、黒い筒がツールケース

順に説明していこう、まずはサドルバッグ

ボクはオルトリーブをサイズ違いで2つ使っている。オルトリーブは、防水力が高く、丈夫で信頼できる。また、サドルのアタッチメントが別売りされてるので、バイクが複数台あっても、アタッチメントさえつけておけばバッグを共用できる。

バッグのサイズが変わっても、アタッチメントは共通だ。出走直前に天気予報が変わって装備(雨具とか防寒着とか)が増えたり減ったりした時、必要に応じてバッグを変更することも簡単にできる。

地味に好きなポイントがもう一つあって、アタッチメントの固定がしっかりしていて荷物が左右に振られないこと。滅多にやらないけど、ダンシングなどで車体を振ってもバッグが振られることが無く、走行性能を悪化させない。

ここに常備しているのは、「輪行袋」「インフレーター(空気入れ)」「雨具」だ。

完全防水・容量大きい

300km以下のブルベは小さいサイズを、400km以上や寒い時期には、カイロを含む防寒着、携行食、モバイルバッテリーなどが必要なので大きいサイズになる。

サドルバッグのデメリットは、荷物の出し入れが面倒なこと。そこをカバーするのが他のバッグになる。

フレームバッグは、容量は小さいけれど、アクセスがいい。

ボクの使っているやつは、左側は奥行きが無いサブポケット、右側がメインポケットになっている。左側は、薄くて小さいものしか入らないが、中のものを簡単に取り出すことができる。必要な時にパッと出したい物、小さい物はここに入れる。

  • 左から、「塩タブ」「梅干し純」は熱中症対策。
  • 次が「使い切りの目薬」と「アレルギー鼻炎薬」ボクは鼻炎持ち…
  • 次が小銭入れ。ボクはドリンク補給でコンビニは使わない。コンビニだと、ヘルメットとアイウェアを脱いで入店してお会計で、10分程度はすぐに経ってしまう。自販機なら、停車・ドリンク買う・ボトルに入れる・空き容器捨てる…5分で十分。新札・新500円に未対応の自販機がまだまだ多いので、旧札・旧硬貨を入れておく。
  • その横は、魚の目パッドと、カフェイン錠剤。

ちなみに、登山の場合はファーストエイドに痛み止めを入れる。痛みを堪えてでも動かなければならない状況があるし、山で痛み止めは手に入らない。ブルベの場合はその逆で、痛みがあるならDNFすればいい。それに…必要ならば、薬局やドラッグストアで買えばいい。

ボクは弱い人間なので、痛み止めや、薬を持つと…それに頼ってムリをしてしまうようで怖いのだ。

アクセス最高の場所

フレームバッグのメインポケットは、ちょっと嵩張るものを入れる。

赤いのは防水バッグ、フレームバッグは雨が降ると浸水する。不運にも雨が降ったら、濡らしたくないものはここに格納する。

他は、汗拭きのパックタオルと、アイウェアを拭うマイクロファイバークロス、そしてショップタオル(作業用の使い捨てペーパータオル)。

ショップタオルは…基本的に…鼻かみ用…

欧米の人は、鼻をかむ時にハンカチを使う。そのハンカチを洗濯機に放り込むのだから、家庭内不和が起こりそうだけれどどうなっているのだろう。

ハンカチを使うのも抵抗があるので、ショップタオルを使っている。丈夫で吸水性の高いショップタオルは、一枚でポケットティッシュ2パックくらいの吸水力がある。以前はここにポケットティッシュを3パック入れてたけど、今はその代わりにショップタオルを2枚。

まだ少し余裕がある

これ以外に、キューシートを丸めたものと、モバイルバッテリーを入れる。フレームバッグにはケーブルアウトレットがあるので、iPhone とか、サイコンの充電はここからできる。ガバガバの穴なので、シリコングリスを塗って防水している。気休めだけどね…

ケーブルアウトレット

ステムバッグは防水性皆無で、容量も少ない。けれどもアクセスしやすい。

ここには、ジプロックで防水したブルベカード、記入用ボールペン、補給食を入れている。オレンジの輪っかはケーブルタイ。鼻をかんだショップタオルを、次のゴミ箱まで一時的にここにはさんだり、濡れたパックタオルやグローブを乾かしたりする。

ケーブルタイは何かと便利

ツールケースの中身はこれ。

左上から、ショップタオルとニトリル手袋にポケットナイフ。
タイヤブートと、パンク修理パッチ、タイヤレバー。
黒い筒のようなものは、チューブレスタイヤのパンク修理プラグ

下段左から右へ、ポケットツール、スペアチューブ、小分けにしたムヒと虫除けだ。オーバーナイトのある400km以上は、ここにガーミン eTrex用の予備電池(単三2本)を追加する。

使用頻度は低いけど必要なものはココ

600kmブルベ中に、チューブレスタイヤのパンクに遭遇した。その時わかったのは、かなり酷いパンクトラブルに複数回見舞われても、これで十分対応できると言うこと。これで足りないようなら、そもそも完走自体が困難だと思う

ムヒと虫除けは、春から秋に入れておく。寒くなったら捨てて、代わりに防寒用品(ホッカイロとかね)を入れる。

ポケットツールは、銘品国産ブランドの TONE 。精度と強度は申し分なく、ボルト穴を舐めるような恐れがまったくない。また、表面のメッキがしっかりしているせいか、汗で濡れた手で触ってもサビ皆無。

チェーン切りは、「チェーンを交換してすぐ出走する場合だけ」携行する。チェーンが切れるのは、交換した直後がほとんどだと思う(個人の感覚です)。程よく馴染みが出て、落ち着いたチェーンが切れるようなことがあったら、それは運がなかったということ。

自宅のブルベ装備品ボックスで出番を待つ

300km以上のブルベは、サイコンなどの電池切れに備えた予備ケーブルを追加する。iPhone の充電ケーブルは、フレームバッグに付いているものとは別に予備を持つ。

長さは最低限

同じく300km以上だが、小分けしたシャモアクリームも携行する。

出走前にクリームは塗るのだが、発汗・降雨などによって流れる。ボクの場合、300km くらいで擦れによる違和感が出て、そこで塗り足しをしないと400km くらいで痛みが出る。

ちゃんと手を洗ったりできない環境で、塗り足しせざるをえない場合もあるから手袋を持つ。手袋をはめて、ささっとチョメチョメゾーンに塗り塗りして、使用済みの手袋は裏返してゴミ袋にする。

チョメチョメガーディアン

雨予報の300kmと、400km以上は小分けしたチェーンルブを持つ。チェーンルブはこの量で3回分くらい。他の参加者にお裾分けだってできちゃうよ?

ルブはAZのロードレースSP

携行品はこんな感じだ。

登山とブルベで共通するのは、「必要なものは必ず持ち、不要なものは絶対に持たない」こと。

必要性の見極めにはちょっと違いがある。

ブルベは行動中の補給ができるので、コンビニで買えるものとかは持たなくてもすむ。ただし、サイクリングは機材スポーツだ。簡単に手に入らないけど、不具合があると走れない物もある。

例えば、自転車の消耗部品、タイヤ、チェーン、ワイヤー、ブレーキパッドとかね。こうした物を全部持っていったら大変なことになる。

ボクの場合は、消耗部品は早め早めに交換するようにしている。今までのバイクは9速コンポを使ってきたけれど、その一つの理由は、惜しみなく交換できる値段であること。各ブランドのトップラインを長く使うよりも、セカンドラインを選び、予防保全の考え方で交換する。そのほうが心穏やかに走ることができる、ボクはそんなふうに考えてブルベを走っている。

2025年5月29日木曜日

バックカントリーへの扉 祈りを込めて強く叩け (2/2)

バックカントリーへの扉 (1/2)では、一般的なBCへの扉を説明した。

…その一般的な扉がボクには開いていなかった。仕方なく他の扉を見つけてこじ開けた、そんな話をしてみたい。

連休が取れず、単発休みですら直前になっての出勤に変わるなんてことが良くある…そんなブラック企業がボクの職場だった。普通の社会人団体に加入することはまず不可能だった。

1990年代の初期、BCツアーを催行しているガイドさんはほとんどいなかった。白馬や北海道にはいたのかもしれないけれど、ボクが日帰りで行けるエリアには見当たらなかった。

んでボクは…単独でバックカントリーを始めることを決めた。

単独のバックカントリーはリスクが高い、それくらいは初心者のボクにもわかっていた。そこで、ボクなりに「これをやる」「これはやらない」という線を最初に引いた。

残雪期の水ノ塔山周辺

「これをやる」ということは、死なないためにどんなことをやるかということ。

具体的には、冬山の基本訓練(耐寒・ビバーク、ラッセル技術)、残雪期登山(アックス・クランポン、滑落停止、グリセード)、生活技術(衣服・糧食・燃料計画)、夏山登山(基礎体力向上と偵察山行)、BCギア理解(貼り付けシール、スキーリーシュ、3ピンバイン、凍結防止、メンテナンスなど)だ。

偵察兼ねて谷川岳

「これはやらない」というのは、ドツボにハマるような山行はしないということ。具体的には、厳冬期、高所、パウダー狙いのBCはやらない。連休取れないボク、山行の翌日は仕事がある。翌日出勤できなければ即誰かに皺寄せがいくから、必ず日帰りで帰ってこれないとまずい。

パウダー時期にBCに入らなというのは、単独で深いラッセルはものすごい時間がかかるから。スキー履いてても膝上まで潜るような深雪だと、500m 前進するのに数時間かかるようなこともある。

それに、当時のテレマークバインディングは、ビス抜けトラブルとかがありえた。ビスが抜けちゃうと、バインはブーツに残ったまま、スキーは流れてどっかに行ってしまう。そんなことになると、スキーが無いのでツボ足ラッセル…場所によっては夜通しラッセルしてもゲレンデまで帰れない。

そんなわけで、雪が落ち着いた残雪期、3月中旬以降を中心にBCに入るようになった。

ビバーク訓練も良くやった。日帰りなのだけれど、とりあえずツェルト張ってみたり、被ってみたり…

高峰山斜面

そうやって、「このくらいまでなら死なない」というのを理解してから、活動範囲を広げていった。ごく短いルートのBCとか、登ったところをそのまま滑る、シンプルなピストンコース。当時は山頂まで入れた浅間山とかね。

浅間山山頂
峰の茶屋から左に巻いて登って、偽ピークに上がり、そこから2段くらい段差を上がると山頂。

浅間山カルデラ

猛烈な北風が吹いていて、それが外輪山で火口への吹き戻しに変わり、吸い込まれそうになった。恐々とカルデラを見下ろしてから下降したが、風で磨かれ氷化したスロープの上に、畑の畔のような風紋が20cm…滑れたもんではなかったが、それも経験と割り切った。

テレマークスキーでの滑りはどうだったのかって?それは大丈夫だった。

ボクはスキーにどハマりしていて、ポールもコブも好きだったし、すべてのゲレンデがクローズしてからは、谷川岳のマチガ沢をハイクアップして7月ごろまで滑ったりもしていた(バカ)。

ポール練習

テレマークスキーは前傾過多だとすっ転ぶ。テレマークターンで転ばないように、前後のポジショニングを見直したら、普通のスキーも上達した。ポールのタイムも速くなったくらいだ。

ブレーカブルクラスト蹴散らす

ただ、あんまりテレマークっぽくない滑りだとは言われていたw

ダブルストック

コンディション悪くなると、ダブルストック(両方のポールを同時に突く)でリカバリーしたり。

サンクラスト 5mm

とりあえず…滑りで困ることはほとんど無かった。

娘背負ってトレーニング

背負子に娘を入れて、「大事な荷物を背負って滑る」練習もした。

至仏山オヤマ沢田代近辺

そんな感じで一つ一つ積み上げて、谷川岳や至仏山にも入れるようになった。

調子に乗ってた頃(日付は間違いです)

そうやって、ボクはバックカントリーへの扉を無理やり押し開けた。

そんなボクに大きな転機が訪れた、会社をクビになったのだw。

ボクは仕事は仕事、遊びは遊びできっちり分けようと考えていた。でも、誠心誠意頑張っていた仕事をクビになって、気持ちを切り替えた。むしろ、思いっきり自分の好きなことをやれる仕事はないか?そんなふうに考えて探したら…そんな会社に入ることができたのだ。その後の数年間は、ボクの人生のハイライトだった。そこの話は本筋から外れるので省略。

長くなったので、話を整理する。

もし、BCスキー・スノーボードに憧れているならば、できる準備をするべきだ。「山力」とボクらは呼ぶけれど、「体力」「生活技術」「滑走技術」を磨くこと。そうすれば、BCやっている奴らの視界に入ってくる。

一緒にBC入ってみる?

そんなふうに誘ってもらうためには、準備をしておくこと。準備していれば、チャンスは来るかもしれないし、準備していなければ、声すらかからない。

繰り返しになるけど、ボクにとってBCはずっと憧れの対象だった。そして、BCへの扉を、同じようにこじ開けようとしている人を、ボクは応援したいと思っている。BCへの扉、開けたいと思うならば、祈りを込めて強く叩き、叩き続けていればいつかは開くとボクは信じている。

忘れるところだった。

BCはそれなりにお金がかかる趣味だし、家族の理解と応援も必要だ。だから、良き家庭人であり、強き職業人(クビになってもなんとかなるような)であることも、ぜひぜひお忘れ無く。

なんか説教くさくなっちゃったな、まぁいいか

おしまい

2025年5月12日月曜日

BRM400最初に頑張る400… 膝痛こらえて完走…

この冬は雪が豊富だったおかげて、BCヒャッホーーーィーーーが続いた。
そーこーしてるうちに、ちょっといろいろなことがあって…
ふと気がついたらブルベシーズンが始まっていた…アヒャヒャヒャヒャヒャヒャ

う け る !

本格的にシーズン始まる前に、AJP走っとくか!  走れてないし…
ブルベにしては短めの、200km とか、300kmとか走っとくか! DNSしてるし…

そんなわけで、今期初ブルベは…人によっては一番過酷な距離である 400km…

大 丈 夫 か オ レ ?

今回のブルベは最初にヒルクライムがある。グンマーから新潟に抜ける三国峠超え。ここは標高1,000mあるので、そこそこの獲得標高になる。それに加えて、三国峠越えるまでずっと雨予報。なんなら警報級の可能性ありとかの雨予報。そんなブルベを走ったという記録。

ラップ防水
雨予報なので前後フェンダー装備。
サドルバッグは防水なのでいいとして、問題はフレームバッグ。こちらは本降りの雨の中を10分も走れば浸水する。ただ、すぐに必要なものを入れておくのにはとっても便利なのでなんとかしたい。

ということで、ラップ巻いて防水にした。
というのは、走り出して最初の5時間くらいが雨予報。その間だけ耐えてくれれば良いのである。雨が止んだらラップを外して普通に使えば良い。

予報はこんな感じ

ステムバッグは上開きっぱなしなので雨には無力。ま、ここに入れるものは防水の袋に入れて格納するので、雨で濡れても無問題。一応上だけポリ袋で申し訳程度にカバーした。

雨が上がった後のポリ袋は、行動食の空きパッケージ(ベトベトするジェルとかね)を入れるゴミ袋にする。そんな感じでスタート。

普通に考えれば、スタート時点で雨降ってたら出走したくないですよね?
何を隠そうボクもです。

DNS(Did Not Start・出走見合わせ)を選ばず、雨の中出走したのは風向き。

ほぼほぼ追い風 yeah!

こんだけ風向きに恵まれるブルベってあんまり無いような気がするよね。
最初の三国峠越えるまで、悪天候に耐えられればそのあとはボーナスステージ。

気温の下がる夜間の雨もなさそうで、服装計画もシンプルにできる。
以前、土樽から小出を走った経験から言うと、三国峠から小千谷まではおだやかな降り基調。ここで追い風受けられるので、結構貯金が作れそうな感じもする。

予報通り三国峠まで雨だったので、写真は無い。
三国峠からの下りは、舗装が荒れまくりで集中してたので写真は無い。
ここの暗くて狭くて穴ボコだらけのトンネルはほんと怖い。から写真は無い。

湯沢を越え、石打を過ぎたあたりでようやく心穏やかに走れるようになる。

米どころ新潟

そしてなんだか暑い、風が無い。
信号で止まると、後ろから結構な勢いで風が吹いていることに気が付く。
予報通り、計画通り、ここは淡々と貯金を増やすことにする。


これは撮るよねw

八海山とかも綺麗に見えて、写真撮りたかったんだけど先を急ぐ。
小千谷で折り返して、自転車で初めて走るルートを辿る。

この十日町、津南から飯山に抜ける国道は馴染みがある。さかえ倶楽部や野沢温泉スキー場に行くのに、なんども車で通っているからだ。記憶では穏やかな登り坂で、負荷は低めなはずだけどどうなることやら。

なんだここまで自転車で来れるんじゃん

途中で国道から外れて飯山線に沿って走る。ここがフラットで、景色良くて最高だった。地形も想定通り穏やかで走りやすい。

しかし…困ったことがある…
さっきから無視していたけれど…膝が痛い

BCスノーボードで脚力は維持していたけれど、長時間の負荷に耐える膝はまだ出来上がっていないのだ。

ここから最後の内山峠まではダラダラ登って、最後の数キロはかなり負荷のかかる急登が続く。

飯山を過ぎたあたりで日が暮れて、そこから先は夜間走行になる。ドラッグストアがしまってしまうと、痛み止めも買えないので念の為に買っておく。

結局、上田で一回、内山峠越えて下った下仁田で一回、痛み止めを服用してなんとか切り抜けた。痛み止めを飲んじゃったので、内臓にかかる負荷を考慮してカフェイン剤は飲まなかった。

下仁田を過ぎたあたりで陽が登り始め、2つの峠を越えて榛名山の麓に出ると…ハルヒル参加のローディーがそこかしこにw

挨拶を交わし、手を振りながらすれ違い、ゴールへと向かう。

朝のゴール

27時間の制限時間に対して、まぁまぁ余裕を持ってゴールできた。
ただ、今回は敗北感がわりとある。

というのは、痛み止め飲んで無かったら完走できなかったと思うから。
自分の持っている力を、薬の力でブーストしてしまったら…ねぇ?

サポート圧迫

帰宅したら膝の痛みにたまらず、圧迫して体を休める。
右膝の痛みは比較的早く引いたけれど、左膝は痛みが続くので固定力の強いサポーターを引っ張り出した。

サイドフレーム付き

そんなこんなで、なんとか完走できた。

小千谷から上田まで、さらに海野宿とか走れて素晴らしいコースだった。そして、来月の600kmブルベ…最後の1/3が今回の小千谷からと同じコース。しかも今回夜間走行だったところを、明るい時間帯に走れる。

これは…走ってみたい…
エントリーはまだできたので…何しろ600kmだし…そんなに簡単には満員にはならないコースプロファイルだし…どしよかなーーー

あっ…申し込んじゃったw

そんな感じで今シーズン初のロングライドは、ハードな400kmブルベ。
次の600kmにむけて、体をしっかり作って楽しんでいこうと思います。

追記: 雨天走行で汚れた機材を清掃して、ドライブトレインの掃除に超音波洗浄機を導入。なかなかいい感じです。じゃまたー!
超音波洗浄機は優れもの

2025年4月29日火曜日

DAY40BC12ムジナ沢でシーズンラスト

一昨日ユーヤとムジナ沢に入ってえらい目にあったw サスガのユーヤも、100kmマラソン走った後でのBC連チャン二日目。それなりに消耗してるだろうと思ったボクがバカでした。むしろ普段よりペース早いw

そして今回も…ムジナ沢。

もともと、タカやんとモロちゃんとスケジュール合う日がこの日だけだった。そして、「せっかくだからムジナ滑りたいよね」って、行き先は決まってた。

前々回、BCの経験が浅い人ウェルカムの会でワル沢を滑った。その時ヨッちゃんに、聞いた。

楽しかったね!これでシーズンアウト? 
……来週のムジナ沢、私も一緒に滑ります!!

えっ?そーゆー形で参加表明?
人見知りキャラ設定はどこいった??
いいけどサ、オモロいしwwwwwww

ヨッちゃんはBC歴はそんなに長く無いし、兄弟舎的には新人さん。だけど、体力十分、某山岳団体所属、確実な滑走技術があるのでムジナ沢も無問題(注: 難易度の説明は末尾に)。

タカやん、トミー、モロちゃん、ヨッちゃん

タカやんからも相談があった。

某山岳団体で一緒だった奴が、BCやりたいらしいんです…
山力は?
冬山含めて登山や生活技術は問題ありません。体力あります。
スキーヤーで、滑りは中級ですが、だいたいどんなところでも滑れます。
タカやんと同じ団体だったんなら、そのあたりは大丈夫か…イイよ!

シールをまだ買ってないので、山靴アイゼンでハイクして、スキーブーツは背負うとのこと。そーゆー体力でなんとかする奴…キライじゃ無いw

準備準備ー

今日は薄曇り。写真的にはパッとしないけど、ハイクアップや滑走には曇りのほうがいい。

あそこまで登るぜ

新入舎員のトミー

今日もワル沢パイプで遊ぶ。
タカやんにリクエストしたら飛んでくれたw

ヒョイっとな

燧ヶ岳をバックにいつもの場所で。
トミー嬉しそう

いいペースで小至仏山トラバースに入る。

黙々と登るタカやん

いつものモロちゃん

足が攣ったトミー

この辺りからトミーの足取りがちょっと遅くなる、足が攣り始めているそうだ。

もしかしてと思ったら、ドリンクは真水だって。ミネラル(ナトリウム・マグネシウム)が不足すると攣りやすくなる。いつも常備している塩ジェルを渡して、ポカリスエットで飲んでもらったら落ち着いた。

傷口や目の異物を洗ったりするのに、真水は持っておいたほうがいい。ただ、飲料用はミネラル入ってるドリンクがいいよね。

山頂台地に到着

北風が吹いている日、至仏山のハイクはずっと風裏になるので割と暖かい。それが山頂台地に上がると吹きっ晒しになるので、一気に冷えてくる。トミーは何も言わなくてもさっとジャケット出して着た。ちゃんとした団体でトレーニングしてきた人は、こーゆーところがちゃんとしているので安心できるね。

山頂!

ムジナ沢へのドロップは雪が切れていた。ちょっと迂回して、大斜面に入る。

タカやん

ヨッちゃん

来る前はちょっとビビってたヨッちゃん、「実際に来てみたら大したことないじゃん」と言っていた ウソ

攻めるトミー

満開の笑顔

笑ってる

ハイパーテレマーカー

ニヤニヤが止まらない


これこれ、これがやりたかった!

いつもながら滑りはあっという間。尾瀬ヶ原に飛び出して、雪原を歩いて帰路へ。

集合〜

あっw

滑った斜面を後ろに歩く

クラック

ボードのお散歩
山の鼻では、小屋の売上に協力。

ボクらの前身は「雪山宴会部」。文字通り、雪山で雪洞掘って飲んで食う団体なんだけど、お酒の無理強いはしない。むしろ下戸とかお酒弱い人も多い。飲みたい人は無理なく楽しめばいいし、飲めない人はそれでいい。

乾杯!
のんびりとハイクバックして鳩待峠へ。

峠〜

途中、木の上に熊がいたりしたけど、大きなトラブルも無く…

もう捨てなさい…

戸倉に戻って、そば陣で遅いランチ。こちらは通し営業なんで助かるよ。

とんかつセット

そんな感じで、今シーズンのスノーボードは無事に終了。
今日は、ムジナ初めての4人が楽しそうでよかった。
そして、ヨッちゃんもトミーも本当に楽しそうで、見ているコッチの方が嬉しくなる。

トミーのSNSを後で覗いたら、「夢にまでみたバックカントリーに行けた」って書いてあるんだぜ。もう可愛いったらありゃしねぇよな。

自分が滑るのはもちろん楽しい。でもね、開拓したルートを案内したり、楽しそうな舎員の写真を撮ったり、そんなことのほうがもっと楽しいような気がしてきている。そんな気持ちにさせてくれる、舎員のみなさんに感謝。ありがとう

注: 至仏山東面の難易度
鳩待峠から至仏山に向かって、一番手前がオヤマ沢。その先順番に、ワル沢、カラ沢(グライドクラック・シュルンドあり)、夏道登山道、最後がムジナ沢。

滑走の難易度的には、カラ沢以外は大した違いは無い。雪が十分にあれば、ムジナ沢が一番シンプルで滑りやすい。トータルの難易度低いのはオヤマ沢かワル沢。鳩待峠までの登り返しが短いので、トラブル、体力不足、軽い怪我(捻挫や打撲、靴擦れなど)でも少し頑張れば帰れるのは大きい。