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2025年10月1日水曜日

自分史上もっとも過酷なブルベに挑戦した話

以前の投稿でボクは、「DNFは勇者の証」と書いた。自分の限界に挑戦した結果のDNFは決して敗北では無く、勲章である、みたいなことを書いた。

でも…そんなこと書いてる自分は…どうか?

加齢と衰えを言い訳に、限界っぽい挑戦をしていないんじゃないか?そんなふうに自問自答をして、エントリーしたのが 300kmで 4,300m+アップのブルベ。

ただ、これが走れないとSRが取れない。それは困るので、保険の意味で1週間前に別の300kmを走っておいた。もうSRは確定したので、途中で嫌になったらやめればいいや、もう歳も歳だしネ…

さて、ブルベのルートの難易度には2つの要素がある。一つは言うまでもなく走行距離。もう一つは獲得標高だ。この組み合わせでそのブルベが、どれぐらい困難であるかが「だいたい」分かる。

ボクは登りが苦手なので、長くてもフラット気味なルートのほうが得意だ。そんなボクがほぼほぼ完走できると判断するのは、距離200kmなら獲得標高2,000mくらいまで。300kmなら 3,000m くらいまでなら、貯金を持ってゴールできる。これが400kmくらいになると疲労が蓄積されるので、獲得標高が3,500mくらいが完走できそうなプロファイルになり、600km になれば4,000mくらいになる。

今回のブルベは、300kmの4,300m アップ…
距離が短いので、貯金を稼げるボーナス区間もほとんどない。小さなタイムロスを丁寧に潰して、トラブルを避けるのが最重要になる。

ただでさえ鈍る思考力、限られた時間…安全に完走するには、「いかに余計なことを考えないで済むように準備するか」が重要になってくる。

ポイントのメモ
最近やっているのがこれ。マスキングテープに、チェックポイント(CP)の距離と名称を書いて見えるところに貼っておく。コンビニがCPになっていれば、レシートをもらい、それをブルベカードにこのマスキングテープで貼っておく。こうすれば、CP不通過も、CP間違えも、レシート紛失も避けることができる。

今回はこれに加えて、顕著なピーク(峠)の標高と、走行距離も貼り付けた。ペース配分を上手にやって、脚を残しておかないと帰って来れなくなるからだ。

前夜に天気予報をチェックしたら、天候も風向きも上々。わずかに残っていた降雨予報も消えたので、前後のドロヨケを外し、レインパンツは置いていく。レインジャケットは、モンベルのゴアテックスで、ウインドブレーカーがわりにも有用なので持っていく。

スタート地点の高崎まで車で移動し、秋晴れの中を走り出す。

安中杉並木

横川を通って坂本宿でダブルボトルを満タンにする。ここまで脚を使わないように気をつけていたのでペースは遅いけれども、20分程度の貯金ができていた。

碓氷峠は斜度はそんなにキツくない、けど、距離が長い。焦らず軽いギアで、クルクル回して登っていく。

メガネ橋

自分史上最もラクに、疲労を溜めずに碓氷峠旧道トップに抜けた。
碓氷峠旧道最高点

ここのカーブは184箇所。
碓氷は184(イヤヨ)

軽井沢を過ぎて中仙道に入り、宿場町を辿っていく。
望月宿入口

次の峠は、笠取峠。ここを走るのは2回目だ。佐久南に車を駐車して自転車で走り出し、ここを通って池の平へ出て、麦草峠を越えて佐久南に戻ったことがある。その時に、短いけれど割と大変な印象があった。

笠取峠峠松並木

その時気になっていたけれど、見ていなかった松並木。
笠取峠最高点

ピューっと降ってから、和田峠に向かって長い登りが始まる。
中仙道(和田宿周辺)

この辺の旧道をのんびり歩いてみるのもなかなか楽しいんじゃないか、そんなふうに感じる。それこそ Bike & Hike がいい。峠のてっぺんに自転車をデポしておいて、麓からハイクアップする。てっぺんで自転車に乗って、シャーーーって車まで戻ればいい。今度やってみよう。

和田峠の茶屋(廃墟)

和田峠の旧道をそのまま越えていくのが今回のオリジナルルート。ところが、峠の諏訪側が豪雨災害のため通行止め。そんなわけで、一度ビーナスラインに上がって霧ヶ峰を通って諏訪湖に降りる。
ビーナスライン(車山のドーム)

このコース変更のおかげで、距離は10km弱、獲得標高も数百メート増え、ボクにとっての難易度はさらに上がっている。薄い空気の中、余力を削らずかつ速度を維持するようにしながら前へ進む。
霧ヶ峰
霧ヶ峰の通過チェックで時間を見たら、次のチェックポイントまで1時間を切っている…

油圧ディスクブレーキさん…ありがとう…そう叫びながらダウンヒルで借金を返すアブナイ
高島城

CP2の足切りタイムは16時だった。

レジに駆け込んだボクの受け取ったレシートは 15:59の印字wwwww

これ実はCP2の直前でいろいろあった。

ファミマがチェックポイントだったのに、その手前のセブンにボクは入ってしまった。ボクに釣られて後続の Bianch 乗りの人も入ってきて、レシートもらって、あー時間に間に合って良かった〜ってところで、そのBianch さんが「ん?CP2ってファミマな気が?」って気がついてくれたの。あっ!!!ってんで、二人とも鬼立ち漕ぎでファミマに移動して、ギリギリ通過ってなったのだ。

この Bianch 乗りの人、見覚えがあったので尋ねてみたら、やっぱり以前一緒に走ったことのある人だった。一昨年(2023)の銚子400で寒さに震えつつ、コンビニの駐車場でホットドリンクを啜っていた時になんどか出会って話した人だった。バイクとホイール、そして、いかにも優しそうな笑顔で楽しそうに話すので覚えていたのだ。

そんなわけでドタバタしたのでw、諏訪湖の写真は残念ながら無し。

富士見峠に向かって走り出し、富士見パノラマのすぐ脇を掠める。

富士見パノラマ入口
なんだ…富士パノって自走で来れるんじゃん…

長坂のセブンがCP3。貯金はかろうじて30分程度になっていた。野辺山へのヒルクライムに向けて軽食を取り、サドルにまたがって走り出す。

清里まで、何度か休みつつ登るが、野辺山への最後の直登で押しが入って借金生活。

小諸のCP4までの降り基調で借金返して、追分宿までの地味でキツイヒルクライムこなして、碓氷峠を体重ターボですっ飛ばして降って、気がついたら4人くらいのパックができあがっていた。

せっかくだから、つかず離れずで付いていって無事にゴール。

今日もありがとうございました…

走り切れたことが我ながらちょっと信じられず、ボーゼンとしつつ、一緒にゴールした人たちと完走を祝いつつ、片付けをして帰宅しました。

このルートを時間内できちんと完走できたことは、多分一生忘れないんだろうなと思う。

今までイッチバンキツかったブルベは、2023年の「雲海を見に行こう」300kmの3,600mアップだった。その時を超えた自分にお疲れ様。

おしまい

2025年9月23日火曜日

SR(イケてる自転車バカ)への道・300kmブルベ完走しました

前回走ったブルベは、R東京(ランドヌ東京)さん主催の東京発着。真夏の暑さを避けるために、夜の初めに走り出して夜通し走る200kmだった。その記録に書いたけど、2025年のSR(シュペール・ランドヌール)の称号をいただける基準まで、残すは300kmブルベ一本。

そんなわけで、300kmブルベにエントリーして完走してきました、という記録です。

通過チェック!

今回の投稿は短い、写真が無い、なぜか?

コースプロファイルは割と優しめなんだけど、今回は天候が読めなかった。

というより…天候は悪いと読めたのだけれど…悪いと認めたくない感じだったのだ…なんだそれ

それはねぇ、ずっと、ずーーーーっつと向かい風予報。
大体さぁ、スタート・ゴールがほぼ一緒のブルベって、往路と復路があるわけじゃん?行きが向かい風なら、帰りは追い風になるじゃん?往路で借金しても、復路で返せるとか、計算できるはずじゃん?

ところが、予報がこれ…

後になるほどエグい風

往路は信号峠と向かい風で貯金ミニマム…
折り返しあたりで風向きが反転して、復路も向かい風…なんじゃそれw

この予報図は、平均時速15kmで進行した場合でシミュレーションした。終盤になるほど風が強くなる。強いサイクリストなら巻き進行で早めにゴールすることで、強い向かい風を受ける時間を短くすることもできそうだ。だが、貧脚のボクは、踏みまくることができない…カナシイ

でもって、ボクが貯金を作るには「休憩減らす」「補給ストップ減らす」「写真撮らない」くらいしかできないのだ。

しかも、雨予報…

だいたい予報通りの降水でした…

出走前1週間くらいは、予報がコロコロと変わった。もしかして雨降らないかも?そんな瞬間もあった。

だが、最終的に確定したのがこの予報。スタート雨、いっかいやむけど、昼前から降り初めて、日が暮れる前にザッと降るかもという予報。

雨で嫌なのが電子機器類の浸水。

ボクのiPhone はバッテリーが弱くなってきている。R東京主催のブルベは、通過チェックもゴール申請もスマホが無いとできないから iPhone は生命線。そんなわけで、「雨が降っていない時間帯に充電」して、雨が強い時間帯は防水パックをフル活用という感じになるのだ。

結局、風も雨も予報通りで、特に雨は「豪雨」っぽく降った時間帯もあり、なかなか過酷なブルベになった。でもまぁ、巻き進行の結果、貯金多めでゴールできたのでその点は良かったかも。

今年の自転車シーズンも、もう少しで終わる。来週も300kmエントリーしてはいるんだけれど、こちらはDNF覚悟の厳しいコース。なんか、出走しないでもいいかなぁ、なんて気持ちになりつつある…オイ

冗談はさておき、もう一本AJP(パーマネントブルベ)でエントリーしているやつがある。これも準山岳コースで、ボクにとってはかなり厳しいルート。期限が10月末までなので、そちらもなんとかチャレンジしてみたいと思っています。

おしまい

2025年9月13日土曜日

山力(ヤマヂカラ) 山の生活技術・番外編

山力(ヤマヂカラ)について、ここでボクは何度も書いてきた。

山力とは、体力・(登山)技術・生活技術の3要素の掛け算で表せる、山屋としての総合力評価のこと。ただ、「山の生活技術」といってもピンとこないかも知れない。

今はどうだか知らないけれど、昭和の時代に「山の生活技術が優れている」人たちは、だいたいが山岳部とかワンゲル上がりだった。

山岳部は口数が少ないが、いざ口を開くと声が太い。悪天候の岩場で視界が無くてもコールが届くようにだろうか、普段から腰が入った話し方をする。装備もなんというか独特で、巨大なバックパックザックは色褪せている。

テン場で彼らは早い時間に寝る。いきなりピタッと静かになって寝る。一般登山者がのんびり酒を飲み、声を落として会話を楽しんでいる中、彼らの大きなエスパーステントだけが静まり返っている。

そして…彼らは深夜2時くらいに起きるのだ。

彼らの実力は、撤収に要する時間と、その間に出す音、先輩が指示する声と内容で推し量ることができる。

夜間のテント撤収は重要な生活技術

ある日ボクがテン場で泊まっていた時、山岳部であろうグループと一緒になったことがある。

それは5人くらいのパーティで、ボクの隣に幕を張った。夕暮れにちょっと挨拶を交わして、彼らは誰よりも早く眠りについた。そしてボクが朝4時くらいに起きたら、キレイさっぱり撤収を済ませて居なくなっていた。

テントは単なる布なので、隣り合ったテント同士はなんとなく気配を感じるものだ。なのに、彼らが動く気配はまったく感じることがなかった。

クックキットをガチャガチャさせず、ビニール袋をガサガサさせず、5人の若者が静かに、横に寝ている僕を起こさずに早立ちしていったのだ。

テント、寝袋、マットをたたんでパッキングする。共同装備のどれを誰が持つ。食事はなにをどうやって済ます、そうしたすり合わせ一切合切を、パーティー内で会話せずにすませて去っていった。多分ヘッドライトの光量も控えめに、こちらのテントを無駄に照らさずにいてくれたのだろう。

彼らならば、吹雪で視界が無くても、風が吹きすさんいても、互いの声が通らなくても、テントの設営と撤収は問題なしにできることだろう。片付ける時に装備を無くしたり、変な場所にしまうこともないであろう。彼らならば、どんな状況であって確実に体を休め翌日に行動することができるのだろう。

その朝、彼らのテントがあった空間を見ながら改めて考えた。「山の生活技術」とは、山中の生活でムダ・ムラ・ムリを取り去る技術なのだろうなと。

テント泊、冬季、BC、数日以上の縦走になると荷物は増える。何も考えず、荷物の量が増えるに任せれば、背負える限界を超えてしまうことになる。生活技術を磨いてムダを取り去り、荷物を小さく軽くすることで、より挑戦的な山行が可能になる。それが彼らのような集団が求めている生活技術なのではないか。

振る舞いが洗練されていてムダが無い、そんな登山者をテン場や避難小屋で見かけると、ボクは思う。この人がこうなるまでには、どのような背景があったのだろうか。そしてボクはこうした存在に近づけているのであろうかと。

そして…年齢を重ねて体力がさらに落ちた時、ボクが登山を続けられるかどうかは、その辺りにヒントがありそうだ。そんなふうに感じている。

2025年9月6日土曜日

AJP南湖公園195km完走…暑かった…

AJ宇都宮主催のAJP(パーマネントブルベ)は、ほぼほぼ全部走っている。走れなさそうなやつにはエントリーしてない…弱いのがバレちゃうから…

ふとWebページを見たら、新しいコースが追加されていた。獲得標高少なめで、難易度が割と低めの195キロ。夏の間に走っておこうかなとエントリーして完走したという話。

義経の矢が、矢が抜けない!!

キューシートをGPSデータに落としながら確認したら、なんかAJP那珂川と結構重なっているようだ。AJP那珂川は白河発で南に向かって走る。今回は南の宇都宮から北に向かって走るので、十分にありえる話。

あんまり詳しく下調べすると、当日の新鮮さが薄れてしまうので程々にした。

今年の夏も猛暑なので、涼しいうちに登りを済ませよう、そう逆算したらスタートが3時になった。仕事を終えて帰宅して仮眠して、車で宇都宮に移動。良く調べずに「宇都宮駅」近くのコインパーキングに駐車。

ん?東武宇都宮駅前??あれっ?もしかして、JR宇都宮駅と違う?

Googleマップで見たら、スタート地点まで割と距離がある…アヒャヒャヒャヒャヒャ
時間ギリギリになってしまった…マニアッタカラヨシ

JRと東武…気をつけましょうね

暗いうちにスタートして東に向かう。LTRの軌道脇を離れて山道に入り、小さなアップダウンを抜けると最初のチェックポイント。

茂木駅

ここからルートは北上していく。那珂川町あたりで、見覚えのある景色に気がついた。AJP那珂川120kmの往路ルートを逆向きに走っている。

途中でAJP那珂川の往路から外れて復路に入り直す。那珂川ルートの復路は新白河に出るまでに2つ峠を越えるのだけれど、今回は1つめの峠はパスして2つめのやつだけ超える。

獲得標高も、傾斜も優しめで走りやすいが、すでに暑くなりつつある。登りに入る前に、アイスボトルを買って背中のポケットに入れた。

義経伝説の岩

峠の手前に、義経伝説スポットがちょいちょいある。

抜こうとしたけどムリでしたヤメロ

小芝居しつつ、写真を撮ることを言い訳に休む。

タテカン

峠の手前で2つ目のチェックポイント。

那須町の石塔

今まで何度も超えた峠を今日も超えていく。

こっから白川の領土やで

石段登ったことない…

いつもこの神社は、道路から見上げつつ柏手を打つ。今日は時間に余裕があるんだから、お参りしても良かったかもね。

峠からシャーって降りると、白河ラーメンの名店。今日は流石に朝早すぎて、やってません。白河の関も今日は素通りして先へ進む。

今日も素通り…

南湖公園も今度はゆっくり訪れてみたいなぁ。

初めて気がついた石碑

南湖公園が今日のメイン、チェックポイント3。ここから那須高原にちょっと登ってから折り返しになる。

松平定信候の像

最後のアップヒル手前のセブンイレブンで氷を買って、背中を冷やしながら登る。かろうじて猛暑が来る前に本日の最高標高地点。

チェックポイント4 巻狩鍋

この鍋に水入れて行水したい…ヤメロ

ここから基本下り坂!というわけにはいかず、小刻みにアップダウンを繰り返しながら、矢板の手前まで進む。

ドーピング…

最後の数時間を凌ぐために、氷買って、コーラのミニボトル。

最終チェックポイント

ニューバイクのおかげか、穏やかなコースプロファイルのおかげか、普段の200kmブルベに比べると速いペースでゴール。TREK Emonda の新しいギア比はやっぱり正解。アップヒルでローギアが足りなくなることも、下り坂でトップギアが吹け上がることもなかった。

夏場のブルベはやっぱり厳しいけど、新機材のテストが完了して、次の準備ができて良かったです。おしまい

2025年8月31日日曜日

長瀞のガイド付きMTBツアーが楽しい BLSS(Bike Life Support System)

兄弟舎 舎員のタカやんがMTBにハマっている。息子ちゃんも大きくなって、一緒にMTBに乗って楽しんでいる。普段はローカルのトレイルを、時々は「かたしな高原スキー場」のゲレンデで走っている。

微笑ましく聞いていたら、「MTBの聖地的なところに行ってみたい」という話になった。距離長めで、ゴンドラでガーンって上がって走れるところがいいと。

聖地かぁ…

富士見パノラマ
白馬岩岳
野沢温泉
白馬47

そんな感じで候補を上げて、日程決めて…雨予報…候補エリア全部雨予報w

当日は昼頃まで天気持ちそうではあったのだけれど、前夜に雨予報。そうすると、朝はウェットコンディションでのスタートになる。初めてのコースで、ウェットは厳しい。根っこ、岩、ガレ場、ドロップ…全部難易度が上がっちゃうし、遠征して怪我したら帰りが大変。

撮影サービス付き

そしたらタカやんが、「長瀞…は天気持ちそうですよ?

ということで、blss バイク・ライフ・サポートシステムのMTBツアーの予約状況を確認したら、参加可能!ということで行ってみた話。

集合場所

長瀞駅の南口を、少し西に行ったところにBLSSはある。ボクは何度かここのツアーに参加したことがある(過去の投稿はこちら)。

タカやんと息子ちゃんは、Specialized のMTB持ち込み。ボクは今MTB持ってないので、レンタルした。

レンタルバイク

ずっと気に入って乗っていた GT iDrive 5 が、26インチホイールだったことを覚えてくれていて、Trekの26インチフルサスバイクを用意してくれていた。

ボク・タカやん・ジュニア

BLSSのツアーはトランポ付き。
アシスタントのキョウちゃんがサポートして、車を回してくれる。ヒルクライムが車で済むことで効率よくコースを回ることができる。

扇風機大事

キャラバンの後席にはエアコンが無いけど、乗車時間は短いので苦にはならない。扇風機もあるしw

最初はジープロードから

息子ちゃんは年齢制限的にはギリギリなんだけど、MTB経験者。最初のジープロード・ダブルトラックは無問題。

岩瀬プロガイドは、タカやんと息子ちゃんのライディングを確認し、2本目からはシングルトラックに連れて行ってくれる。

シングルトラック・ヨユーのジュニア

まってー!置いてかないで〜! 笑

タカやんもジュニアも快調に飛ばしていく…速いw

父と子

親子でこーゆー遊びできるのいいよなぁ、ウチもこうなる筈だったんだけど、娘はインドア派になってしまった…w

適時アドバイス

岩瀬ガイドは、元MTBの全日本チャンピオン。それも、一回頭を取ったとかじゃなくて、シリーズチャンピオンだった、勝ち続けた人。

速いってだけじゃなくて、MTBで走るのが大好き。その楽しさを多くの人に伝えたいと考えて、BLSSを立ち上げた人。そんな人だからもう、ツアー参加者への目配りが凄い。

自分で一から作ってきたトレイルだから、全部頭の中に入っている。走りながら振り向いて、後続のコース取りを確認し、コーナーでタイヤのスキッド音を聞き…
疲れてないか、自信持って走れているか、機材に不具合はないか、確認してくれている。

午前中に3本走って、長瀞のお蕎麦屋さんでランチ。

ランチ&散歩で石畳見に行った

BLSSに一度戻って、水分補給して、午後のライディングに備える。

冷たいおしぼり&ドリンク付き

息子ちゃんも、岩瀬ガイドのすぐ後ろを走ることで、そーとー刺激になったみたい。タイヤの空気圧設定の大事さとか、ブレーキの掛け方、斜面の傾きにタイヤをどう合わせるか、目をキラキラさせながら聞いている。

午後、初級のシングルトラックを走った後、根っこルートにいくことになった。
ボクはここでGTバイクを放り投げて崖から落ちたことがあるw

肩の脱臼・靭帯損傷で抑えが効かなかったのだが、地味にトラウマになっていた。その現場を再訪…

この段差でバランス崩した

ここここ。シングルトラックの途中で、岩盤が露出している。トラックを斜めに横切る形で岩が出ていて段になっているのだ。この岩でフロントホイールが右に押し出されて、ボクは肩の怪我のせいで抑えが効かず、崖下にダイブすることになった。

この崖に前転ダイブした

その時は下草が茂っていて、間伐材が散らばっていた崖。今回は綺麗に手が入っていて見通しが良い。改めて見ると…結構な斜度で…よく無事だったなオレ…

そんな感じで、トラウマも解消できて良い1日でした。
おしまい

2025年8月27日水曜日

山屋のブルベ戦略・ペース配分と機材

ボクら「雪男山男兄弟舎」は基本的には山屋の集まりだ。

僕らは山屋としての強さを、「山力」があるとか、ないとかで表している。山力とは、「体力」「技術」「生活技術」の3要素の掛け算。ブルベを始めた時、ボクはこの考えをロングライドに活かせるんじゃないか?そう考えた。

ボクは体力的には凡人だ。というか、周囲の仲間には、ウルトラマラソン(100km)とか、トレラン(100キロとか100マイルとか)…走り回ってる人たちがいるので迂闊なことは言えない。そもそも、体力って人それぞれで、一朝一夕に向上するのは難しい。老境に入ったボクなんかは、この先ずっと下り坂…良くて現状維持…無理はできない、実感こもってるぅぅ

「体力はそこそこ」を現実として受け入れ、まずは「技術」を磨いて総合力を上げようと考えた。「サイクリストとしての技術」とは、走行に関わるものと、機材に関わるものがある。ブルベにおける走行技術とは、簡単に言えばペース配分だ。

ボクは心拍数とケイデンスを、サイコンの上部に表示させている。心拍数は110くらいから、145くらいまでで走る。頑張りすぎて心拍が上がったら、ペースを落としギアを軽くする。

登り坂になると、速度が落ちてケイデンスも下がる。ペダルに込める力を増やすと、心拍数が上がってしまう。これをボクはやらないのだ。心拍数をさほど上げずに、ケイデンスを無理なく維持できるまでギアを軽くしていく。

ケイデンスの維持は80〜95くらいにしている。負荷が上がってケイデンスが落ちて80を切ったら、一枚ギアを軽くする。速度は少し落ちるが、ケイデンスがレンジ内で落ち着くならそのまま。それでもさらにケイデンスが落ちるとか、心拍が上がるならば、もう一枚軽いギアにシフトする。

ここまでの話で気がついたと思う。

筋負荷を下げるためにギアを軽くしていくボクの走り方だと、普通のロードバイクだと軽い(低速より)のギアが足りなくなる。

ギア比変えました

そんなわけで、ボクのロードバイクは、マウンテンバイクのドライブトレインを入れた。なんと、フロント 38-28 リア 11-34t 過去の投稿はこちら。

遅いけど海だって行けちゃうぜ

で、TREK の Emonda を新しく買ったわけだけれど、これはオールラウンドのレーシングモデル。 50-34 に 11-30t なので、ボクの走り方にはギア比が全然合わない。なので、GRXを入れて軽いギア比を実現した。過去の投稿はこちら。

これで、フロント48-31にリア11-34になったわけだけれど、デメリットもあった。まず、フロントのチェーンウォッチャー(チェーンキーパー)が役にたたない。

純正チェーンキーパー

GRX クランクは、チェーンラインが外側に移動する。加えてインナーチェーンリングが小さくなる。この二つが合わさってチェーンラインは外・下方に離れてしまう。チェーンキーパーとの隙間が開くのでチェーン落ちが防げない。

ごめんよTREK

そもそもセッティングがちゃんと出れば、チェーン落ちはほとんど起こらないもの。でも、ボクはセッティング出しの途中で2度ほどチェーン落ちを経験し、うっかりクランクを回してしまった。とりあえず傷は清掃して、UV硬化型レジンで埋めたけれど、チェーンキーパーはなんとかしないとまずい。

そして、やっぱりもっと軽いギアが欲しい。そう思って探したら、GRX互換でこんなのがあった。こーゆーヘンタイというかマニアックな製品を作っているのは案の定のフランス人。メルシーボクー

Specialites TA X110 GRX-2 チェーンリング

評価も割と良いので、試してみることにした。これでフロントアウターは48から44へ、インナーは31から28に下げられる。

*4tとか3tの歯数差は僅かに見えるかもしれないが、4/48  3/31 で計算してみて欲しい。おおむね10%程度は低速寄りになることがわかるはずで、乗った感じは別物になる。

アウター比較

インナー比較

この28tインナーで、MTBのクランクつけていた今までのバイクと、インナーローは同じ軽さになった。

組み替え前

わかっていたことだけれど、Emondaのフロントディレーラー台座はフレーム直付け。ディレーラー位置を一番下に下げても、チェーンリングとの間には大きく隙間ができる。

ディレーラーケージの位置…

シマノのすごいところは、これでも変則性能はそこまで悪化しないこと…ただし、チェーン落ちのリスクは通常よりも高くなる。

見つけたのが、KCNCのこれ。

KCNCチェーンウォッチャー

これは、フロントディレーラーの取り付けボルトを利用して固定する。

純正のチェーンキーパーは外す

位置はこんな感じ。インナーチェーンリングとの距離が遠いように見える。



これよりもチェーンラインに近づけると、インナーローに入れた時にチェーンに擦ってしまう。その辺りのギリギリを狙って固定。

一安心

このセッティングにした後のチェーンドロップ頻度は、おおよそ100~150km走行に1度くらいかと思われる。走行中にチェーンが暴れて、落ちたような音がしたが、実際にはチェーンはインナーリングに乗っていた。とりあえず、これで様子を見ながら使ってみようと思う。

ペース配分についてつらつらと書いてきたが、ケイデンスと心拍数を一定にして走るということは、「走行速度」 は変化し続けるということだ。

斜度、向かい風、高温・低温、キツイ環境だと時速は6キロくらいまで下がることがある。逆にボーナスタイムなら速度は上がるし、借金を返済するチャンスも巡ってくる。

出走を繰り返していくうちに、焦らなくても時間には間に合うことが、だんだんとわかって来た。たとえ「押し歩き」するような坂が出て来ても、それが30分程度ですむのなら大丈夫。ゆっくりでも止まらなければ、時間には間に合うのだ。

こんな遅くて…完走できるのか?そんな不安に負けてペダルを踏み込むよりも、ペースを保ちながら消耗を防ぎ休憩の頻度と時間を減らす。そのほうが結果的には、安定した結果が出る。

ブルベに要求されるグロススピードは15km/h、これは休憩や信号停止など含んでの速度。対して、「走っている時間だけの記録」であるネット走行速度は、ボクの場合はだいたい20~22km/hくらいだ。「えっ?遅くない?」そう思うかも知れないけれど、前方の信号が赤になったら惰性で走るとか、歩行者がいるので減速するとか、そんなこんなで公道の平均時速はそんなレベルに落ち着いている。

その速度域で、消耗せず、動き続けられるように、ボクは心拍数と筋出力を一定にすることを考えて走っている。誰にでも当てはまる走り方ではないかもしれない。でも、これがボクにとって一番合理的な走り方と、機材のセッティング。