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2025年4月25日金曜日

DAY38 BC10 至仏山ワル沢でほのぼのBC

BC(バックカントリー)という遊びは、自己救済が基本だ。

管理されていないエリアで滑るわけだし、自己責任の遊び。リスクマネジメントそのものすら、この遊びの一部であるとも言える。そんな遊びなので、パーティーメンバーはリスクコントロールできて、自立して行動できないと困る。

ただねぇ、これをあんまり真剣にやると、仲間が増えないんですよねw

そもそも、「バックカントリーやってみたいっ!」て言ってても、「ハイクアップとかイヤっ!」って人がほとんどだしね。

必要なギアの話始めると、雪崩ビーコンが5万円、プローブとスコップで3万円、バックパックが2万円、スノーシューが…そのあたりで話が終わる。「もう…いいです」

なので、BCやるために自分で積極的に動いている人は貴重で、その人たちへの敷居は低くしておきたいと考えている。

以前、「山力(やまぢから)」について書いたことがある。総合的な山力がそこそこあれば…舎員推薦は必須だけど…あたたかく迎え入れたいと思っています、はい、ホントよ?

あいかわらず、前振り長いな…
今日は、そんな新人さん達ウエルカムなほのぼのBCデイ。シンプルに至仏山の山頂行って、最短コースでボトムまで滑って帰ってくる。

新入舎員のシュウちゃん
シュウちゃんは、BC経験あり。体力は普通以上にありそうだし、滑り能力はチョベリグ(古い)。推薦者…オレw

ホントーはカズくんも来るはずだったんだけど、研修とか出張が入って来れなくなった。

時間に余裕を持つために、早めに集合して鳩待峠へ上がる。
乗り物自由

スキー・ボード混成なのはボクらのスタイル。
はしゃぐユーヤ
今日の予報は一日曇り。気温は上がらず、行動しやすいはず。
ワル沢源頭のナチュラルパイプも、雪が締まっていて滑りやすそう…ということで…

山ちゃん
2回目の参加となる山ちゃん。ランナーなので体力は問題なし、というかペース速い。

笑顔担当のモロちゃん
リアル山屋のモロちゃん。

パイプ楽しい!

遊びすぎやw

ハイクを再開して、燧ヶ岳見えるいつもの場所で、シャッターを押す。

あ、ボク写ってないやつだw

シュウちゃんは自分でボードを作っている。スプリットだって作っちゃうんだよ。
燧!

山ちゃんの推薦者はユーヤ。基本的に、推薦者が新人舎員のバディを務める。
ペースいいっすね

笑顔担当のモロちゃんはここでも大活躍
ハイパーテレマーカー

今期出勤率高いのがヨッちゃん。モロちゃんが推薦者。
だんだん馴染んできました〜

ヨッちゃんは人見知り、タカやんもそうだし、ボクもそう(ホントよ?)

BCって遊びは、メンバーの信頼関係が大事。もしもの時はお互い様だし、埋まった時に助けてくれなかったら困る。そんな理由からか、 一回一緒に山入るだけでなんとなく…他ではできない結びつきができるような気がする。

小至仏山トラバース

ふと気がついたら、2時間少しで山頂に到達していた。
新歓のゆるゆるBC…のはずなんだけれど…パイプで遊んでこのペース?
標準コースタイム、確か4時間…のはずなんだけど…まぁいいかw

ウェーイ

シュウちゃんはガジェット好き。フルサイズ一眼を持って上がってきた。
ツヨツヨシュウちゃん

飛んでいきたい!

シュウちゃんのバックパックからはドローンも出てきたw
画角が新鮮!
富士山BCでタクジにドローンで撮ってもらったの思い出した。

基本曇り時々薄陽

飛ぶユーヤ

攻めるヨッちゃん

荷物多いシュウちゃんw

モロちゃん

燧ヶ岳とテレマーカーモロちゃん
僕らのパーティは、全員が無線を携行している。無線って言っても特定小電力なんで、間に尾根が入っちゃったりすると全然通じない。でも、見通しなら数キロ先まで余裕で届く。そして、「全員が持つ」ことで、間に中継する人を挟むことで意志の疎通ができる。

何のために?

先行者は、地形上の罠をチェックするんだ。上から見て落ち込んでる斜面とかにできる、見えにくいクラックとかを確認する。そして、位置とリスク程度を後続に連絡する。

ハーフ・ヒドゥン・クラック

先行偵察でリスク管理するのって、BCでは大事だと思っている。ソロの時はその方法が使えないので、安全のマージンはより大きく取る。簡単に言えば、ゆっくり、確実に滑らなければならない。

ワル沢下部

この1週間の暖気で、沢の水量がずいぶん増えている。一部では流れが露出しはじめた。

帰りまーす

ワル沢出合いから川上川を遡り、オヤマ沢出合いが見えたら対岸から鳩待峠へのハイクバックが始まる。

峠!

ノンアル・ソフトドリンクで乾杯

戸倉駐車場に戻って、みんなでランチ。
フライパンで、わいわいランチ。

海の恋人なんとかスパゲティ…大盛り

今日も1日、大きな声で笑った。みんなありがとう、また行きましょう。


2025年4月20日日曜日

DAY37BC9 至仏山ムジナ沢偵察…ソロ

ホームゲレンデの尾瀬岩鞍がクローズしたので、ゲレンデ用の装備は片付けた。

そして…待ちに待った尾瀬至仏山BCシーズンが始まった。
至仏山は植生保護のため、立ち入りできる期間が制限されている

参考) 尾瀬保護財団のHP

今シーズンは、4月18日〜5月6日までが入山できる期間。
短い期間だし、都合がつく日は全部入るつもりで、複数日の入山予定を立てた。
山は天候不良が付きものだ、雨で何回かはキャンセルになるだろうしね。

今回はソロで入山。翌週友達を連れて入る前に、状況を偵察しておきたかったのだ。

山荘の看板…
鳩待峠に上がると、聞いていた通り雪が多い。
ここ数年は完全に露出していた国立公園看板も雪の中。

く…苦しいぃ
雪の多いシーズンを待ち構えていた人が多いのだろうか。いつもよりも人が多い気がする。

あんたも好きねー
鳩待峠からハイクし始め、樹林から覗く。
ワル沢やオヤマ沢に顕著なクラックはまだ入っていない。

大斜面
ルートを示すピンクテープの位置が、例年と比べて高い。というか、昨年の赤リボンが低い。ということは、やっぱり今シーズンは雪が豊富ってことなんだな。

ツリーホール
ブナの周囲にできるツリーホールも深い。

ワル沢パイプ
ワル沢の源頭にある、ナチュラルパイプもしっかり埋まっている。昨年、一昨年はボトムに穴開いたり、クラック入ったりしてたから、随分と雰囲気が違う。

燧ヶ岳
ソロだと自分の写真がなかなか撮れないのだけれど、ちょうど一息ついているハイカーがいたのでシャッターを押してもらった。

小至仏
毎年見かける、スノースクートとスプリットのカポーにも会えた。

若いって素晴らしい
小至仏トラバースは、開通したての割にはしっかりとトレースがついている。スプリットにはまだちょっと狭いけど、スノーシューやファットスキーにはちょうどイイ感じ。
イイペースで上がっていく
標高を上げすぎないようにしながら、クライマーズライトに巻くと山頂に飛び出す。

尾瀬ヶ原と燧ヶ岳
山頂標識の周囲には、記念写真を撮ろうとする人たちが集まっている。前の人のカメラ預かり、シャッター押す。縦構図、横構図でなん枚か撮る。カメラ返す。後ろの人に自分のカメラ渡す。シャッター切ってもらう。

流れるように列が進んでいく。
そう、ここは古くから山やってる人たちが多い場所。いいよね、この感じ。

4文字露出
ここ数年、開通時にはすでに山頂標識が完全露出、みたいなのが続いていた。
そう考えると、例年よりは1~1.5mくらい積雪量が多いのかな?

ただ、積雪量調査が行われた時の写真では、「至仏」までしか露出していなかった。
そこから1週間んで50cm位雪が減っているということだから…ムジナ沢いくなら早い方がいいね。

北尾根
10年ぶりくらいだろうか、ムジナ沢を滑るのが今日の目的の一つ。
北尾根の右側に下っていくと、ムジナ沢の源頭に出る。

ムジナ沢の源頭は、山頂の東斜面にあたる。日当たりがいいので、雪が薄いのだ。
そんでもって、雪の下はハイマツ帯で、その下は隙間だらけの岩岩斜面。つまり…踏み抜くと…簡単に腰くらいまでズッポリはまり込む。

脱出で消耗するし、そもそも植生保護のためによろしくないので、「雪が足りない」と判断されると進入禁止になる。

狭いけど…
下っていきながら確認すると、期待していたよりは随分と雪が少ない。大斜面への出口は2箇所あるけれど、どちらの幅も狭いし、見るからに雪が薄そう。

知らない人
サイズ感を出すために、他のスキーヤーを入れて写真を撮る。

出口
いやいや、マジで狭くて薄いわ…

続々と人が来る
今日入っている人の多くは、ムジナ沢狙いみたい。
でも、何しろ広い斜面なので、雪面が荒れるようなことはない。ちょっとスキーヤーズレフトに落とせば、面ツル斜面が待っている。

広ーい、たのしーい
ムジナのいいところは、トラバースせずに沢をそのまま落としていけば、尾瀬ヶ原に飛び出せること。ワル沢から山の鼻へ下ると、途中で大トラバースしなければならないのがつまんないんだよね。

尾瀬ヶ原が近い
左手にはまだまだ手付かずの斜面。ただ、そっちは南向きなので、少々妖怪風味かな…

ノートラック
右手の斜面が割と締まっているので、そっち中心に下降する。

ちょっとガリガリ
樹林帯の手前で、沢のボトムをチェック。
デブリ由来のスノーブロック無し、グライドクラック無し、流水による穴無し…

終盤…
そのまま沢床を下降してもよかったのだけれど、単独でどこかにハマると洒落にならないのでツリーの中に。

ワイドツリー
ここのツリーは樹間が広くて滑りやすい。
だが、今期はツリーホールが大きくて深いので、落ち込まないように余裕を取って滑る。

尾瀬ヶ原に飛び出す
楽しかったダウンヒルはここまで。鳩待峠までのハイクバックに備えて、シェルを脱ぎ短パンになる。

振り返ったらちょうど別のBCスキーヤーがいたので、シャッターを押してもらう。

サイコーっした!
そういえば、今日は、ソロのBCスキーヤーを見かけるな…

実際、自分もBCスキーヤーだった時はソロが普通のエリアだった。昔から入っている人たちにとっては、残雪期の至仏は、気軽にソロでも楽しめるエリア、みたいな感覚なんだろうね。

ソロのBCスノーボーダーは、見る限り片手くらいの人数だけど、いることはいた。

お散歩モード
ここからのハイクは、ボードの先端に開けた穴を使った、Towing (トウイング)。別名、犬のお散歩モード。使える場所は限られるけれど、背中が軽くなるのでとても快適。

山の鼻
栄養補給…
Atlasのスノーシュー、なかなかいい感じ。ほんの少し、トラバースの時に踵が横ブレするような気もするけれど…登坂能力も下降も、いいと思います。

Atlas スノーシュー
山の鼻を出て、最初に川上川を渡る橋は雪で覆われていた。
そこで思い出した。この橋が雪で覆われていれば、冬道が使えるし、ムジナ沢も滑れる。
雪が消えて、橋の板が露出したら、冬道は使えない。そんな過去の記憶。

川上川に沿って上流に帰るのだけれど、雪が十分にあれば河原をそのまま歩いていける。右岸から左岸へ、左岸から右岸へ、スノーブリッジを渡って、アップダウン無しに楽に歩けるのが冬道。
スノーブリッジで左岸へ
融雪が進むと、スノーブリッジが消えてどこかで行き詰まる。そうなると、冬道は使えない。だって、行き詰まったら、戻るか、高巻きするか、渡渉するか…めんどくさいことになるからね。

融雪が進んだら、右岸の山腹にあるトレースを辿って歩く。こちらは小尾根を何度も超えていくので、多少のアップダウンがある。

今日は、最初の橋が雪で覆われていたので、冬道が使えると判断して辿った。
お散歩モード最高
Towing が効果あるのは、ここの冬道と、谷川岳芝倉沢の最後、湯檜曽川に沿っての下降路。楽ちん。
オヤマ沢出合い
オヤマ沢出会いまで、冬道はちゃんと繋がっていた。
ここから30分かからないくらいのハイクアップで鳩待峠に戻れる。

もう…終わってしまったのか、という寂しさと、無事に帰って来れたという安堵。
やっぱり、ソロのBCにはソロでしか味わえない楽しさがあるような気がする。

2025年4月5日土曜日

DAY36ゲレンデファイナル…

僕にとって、バックカントリーこそがスノーボードの目的。
ゲレンデはあくまでも練習場なんだ。

ゲレンデでできない滑りは、BCではできない。

ズラす・切る・回す…踏む・抜く…
それらを組み合わせて、いろんな滑り方を試す。

薄くエッジを当てながら流すとか、強く踏んで素早く切り返すとか、そんなことをいろいろな斜度や雪質で試しながら練習している。それが対応力につながるし、安全も左右するって信じている。

岩鞍をホームにしているのも、練習場としてのポテンシャルだ。

緩傾斜から急斜面までバラエティに富んでて、片斜面もある。東向きから西向きまで、日射の影響によって変化する雪質もある。

ゴンドラで長い斜面を滑りながら、いろんな変化に対応しながら自分の滑りをアジャストしていく方法をトレーニングできる。

まぁ…練習自体も…楽しいんだけどねw

NotWaxと滑走イチバン
ゲレンデではギアなどのチェックもをする。今日は、春雪対策ワックスの選択をした。妖怪退治にはやっぱりNotWaxとの結論に至りました…

イージーボード
ボードは、バタレオンの普段使い用、What's Ever
春雪用に、自分で入れたストラクチャーのチェックもかねて。

ストラクチャー
この間購入した、ニューブーツも試し履き。
来シーズンから履こうと思っていたけど、初期不良チェックをやっておかないとと思い直した。何か不具合があるなら、保証期間うんぬんは置いといて対応しないとまずいからね。

Salomon Echo Lace BOA
とある筋から、「フッ素系のワックスが手に入らなくなるかも?」そんな話を聞いた。Not Waxが最近手に入りにくいのも、その理由だとか。あれって、100%フッ素だしね…

んで、もしもNotWaxが手に入らなくなった時のために、次の候補を探し始めた。

Galium Strong Paste HOT
Not Waxは液体で、気がつくと消えてなくなってたりする。ガリウムのこれはペーストなので、その心配はない。これで滑走性と持続性がよければ乗り換えるつもり。

使用するのは来シーズンは、ぶっつけ本番で至仏山BCかなぁ…  (←5月追記 Not Waxよりイイかも)

ニューブーツいい感じ
ミドルフレックスの Echo Laceでも、おろしたては、レスポンス、インナーのクッション性ともにイイ感じ。

シュウちゃんちのお子w
今シーズン何度か滑ったシュウちゃん、聞いたら至仏山BC何度か入ったことがあるとのこと。良かったら、といいつつ圧強めで誘ったら、兄弟舎への入舎希望とのこと。ヨシ

侵入舎員のシュウちゃん
至仏山BC誘っておきました イヒヒ

指抜きグローブ
こないだ、ドリームボックス石井で見つけて即買いした、スマホ対応グローブも使ってみる。

よくあるタイプのスマホ対応グローブは、指の先端に導電性繊維を編み込んである。あれって、何回か洗濯するとすぐダメになりませんか?

これは、「だったら必要な時に指先だせればイイんだろ?」ってスリット入れちゃったやつ。指先切り落としちゃうと、冷えがくる。このタイプなら保温性も確保しながらスマホ操作もスムーズ。

マジマウ
そう、そんなマニアックな製品作るのは、マジックマウンテン。スキです

まだ雪はタップリ
グライドクラック開いちゃったエキスパートコース。結局、今期はずっと閉鎖だったので滑れなかったな。せっかくパウパウDayが何度もあったのに、残念。

全層雪崩

ミルキーウェイ
何度も滑ったミルキーウェイ、向こうに見える日光白根、今シーズンもお世話になりました。

ありがとう、さようなら

滑り納めして、夏タイヤに履き替えて、壊れたアンダーカバーの交換。
インシュロックで仮止めしてたんだけど、これで安心して高速道路乗れますw

ベローン

仮止め

こーかーん

そんな感じで24-25ゲレンデシーズン終了しますた。ありがと