そして…待ちに待った尾瀬至仏山BCシーズンが始まった。
至仏山は植生保護のため、立ち入りできる期間が制限されている
至仏山は植生保護のため、立ち入りできる期間が制限されている
短い期間だし、都合がつく日は全部入るつもりで、複数日の入山予定を立てた。
山は天候不良が付きものだ、雨で何回かはキャンセルになるだろうしね。
今回はソロで入山。翌週友達を連れて入る前に、状況を偵察しておきたかったのだ。
ここ数年は完全に露出していた国立公園看板も雪の中。
ワル沢やオヤマ沢に顕著なクラックはまだ入っていない。
若いって素晴らしい |
イイペースで上がっていく |
尾瀬ヶ原と燧ヶ岳 |
そう、ここは古くから山やってる人たちが多い場所。いいよね、この感じ。
10年ぶりくらいだろうか、ムジナ沢を滑るのが今日の目的の一つ。
4文字露出 |
ここ数年、開通時にはすでに山頂標識が完全露出、みたいなのが続いていた。
そう考えると、例年よりは1~1.5mくらい積雪量が多いのかな?
ただ、積雪量調査が行われた時の写真では、「至仏」までしか露出していなかった。
そこから1週間んで50cm位雪が減っているということだから…ムジナ沢いくなら早い方がいいね。
北尾根 |
北尾根の右側に下っていくと、ムジナ沢の源頭に出る。
ムジナ沢の源頭は、山頂の東斜面にあたる。日当たりがいいので、雪が薄いのだ。
そんでもって、雪の下はハイマツ帯で、その下は隙間だらけの岩岩斜面。つまり…踏み抜くと…簡単に腰くらいまでズッポリはまり込む。
脱出で消耗するし、そもそも植生保護のためによろしくないので、「雪が足りない」と判断されると進入禁止になる。
でも、何しろ広い斜面なので、雪面が荒れるようなことはない。ちょっとスキーヤーズレフトに落とせば、面ツル斜面が待っている。
デブリ由来のスノーブロック無し、グライドクラック無し、流水による穴無し…
だが、今期はツリーホールが大きくて深いので、落ち込まないように余裕を取って滑る。
振り返ったらちょうど別のBCスキーヤーがいたので、シャッターを押してもらう。
実際、自分もBCスキーヤーだった時はソロが普通のエリアだった。昔から入っている人たちにとっては、残雪期の至仏は、気軽にソロでも楽しめるエリア、みたいな感覚なんだろうね。
ソロのBCスノーボーダーは、見る限り片手くらいの人数だけど、いることはいた。
そこで思い出した。この橋が雪で覆われていれば、冬道が使えるし、ムジナ沢も滑れる。
雪が消えて、橋の板が露出したら、冬道は使えない。そんな過去の記憶。
川上川に沿って上流に帰るのだけれど、雪が十分にあれば河原をそのまま歩いていける。右岸から左岸へ、左岸から右岸へ、スノーブリッジを渡って、アップダウン無しに楽に歩けるのが冬道。
融雪が進むと、スノーブリッジが消えてどこかで行き詰まる。そうなると、冬道は使えない。だって、行き詰まったら、戻るか、高巻きするか、渡渉するか…めんどくさいことになるからね。
スノーブリッジで左岸へ |
融雪が進んだら、右岸の山腹にあるトレースを辿って歩く。こちらは小尾根を何度も超えていくので、多少のアップダウンがある。
今日は、最初の橋が雪で覆われていたので、冬道が使えると判断して辿った。
ここから30分かからないくらいのハイクアップで鳩待峠に戻れる。
もう…終わってしまったのか、という寂しさと、無事に帰って来れたという安堵。
やっぱり、ソロのBCにはソロでしか味わえない楽しさがあるような気がする。