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2025年4月20日日曜日

DAY37BC9 至仏山ムジナ沢偵察…ソロ

ホームゲレンデの尾瀬岩鞍がクローズしたので、ゲレンデ用の装備は片付けた。

そして…待ちに待った尾瀬至仏山BCシーズンが始まった。
至仏山は植生保護のため、立ち入りできる期間が制限されている

参考) 尾瀬保護財団のHP

今シーズンは、4月18日〜5月6日までが入山できる期間。
短い期間だし、都合がつく日は全部入るつもりで、複数日の入山予定を立てた。
山は天候不良が付きものだ、雨で何回かはキャンセルになるだろうしね。

今回はソロで入山。翌週友達を連れて入る前に、状況を偵察しておきたかったのだ。

山荘の看板…
鳩待峠に上がると、聞いていた通り雪が多い。
ここ数年は完全に露出していた国立公園看板も雪の中。

く…苦しいぃ
雪の多いシーズンを待ち構えていた人が多いのだろうか。いつもよりも人が多い気がする。

あんたも好きねー
鳩待峠からハイクし始め、樹林から覗く。
ワル沢やオヤマ沢に顕著なクラックはまだ入っていない。

大斜面
ルートを示すピンクテープの位置が、例年と比べて高い。というか、昨年の赤リボンが低い。ということは、やっぱり今シーズンは雪が豊富ってことなんだな。

ツリーホール
ブナの周囲にできるツリーホールも深い。

ワル沢パイプ
ワル沢の源頭にある、ナチュラルパイプもしっかり埋まっている。昨年、一昨年はボトムに穴開いたり、クラック入ったりしてたから、随分と雰囲気が違う。

燧ヶ岳
ソロだと自分の写真がなかなか撮れないのだけれど、ちょうど一息ついているハイカーがいたのでシャッターを押してもらった。

小至仏
毎年見かける、スノースクートとスプリットのカポーにも会えた。

若いって素晴らしい
小至仏トラバースは、開通したての割にはしっかりとトレースがついている。スプリットにはまだちょっと狭いけど、スノーシューやファットスキーにはちょうどイイ感じ。
イイペースで上がっていく
標高を上げすぎないようにしながら、クライマーズライトに巻くと山頂に飛び出す。

尾瀬ヶ原と燧ヶ岳
山頂標識の周囲には、記念写真を撮ろうとする人たちが集まっている。前の人のカメラ預かり、シャッター押す。縦構図、横構図でなん枚か撮る。カメラ返す。後ろの人に自分のカメラ渡す。シャッター切ってもらう。

流れるように列が進んでいく。
そう、ここは古くから山やってる人たちが多い場所。いいよね、この感じ。

4文字露出
ここ数年、開通時にはすでに山頂標識が完全露出、みたいなのが続いていた。
そう考えると、例年よりは1~1.5mくらい積雪量が多いのかな?

ただ、積雪量調査が行われた時の写真では、「至仏」までしか露出していなかった。
そこから1週間んで50cm位雪が減っているということだから…ムジナ沢いくなら早い方がいいね。

北尾根
10年ぶりくらいだろうか、ムジナ沢を滑るのが今日の目的の一つ。
北尾根の右側に下っていくと、ムジナ沢の源頭に出る。

ムジナ沢の源頭は、山頂の東斜面にあたる。日当たりがいいので、雪が薄いのだ。
そんでもって、雪の下はハイマツ帯で、その下は隙間だらけの岩岩斜面。つまり…踏み抜くと…簡単に腰くらいまでズッポリはまり込む。

脱出で消耗するし、そもそも植生保護のためによろしくないので、「雪が足りない」と判断されると進入禁止になる。

狭いけど…
下っていきながら確認すると、期待していたよりは随分と雪が少ない。大斜面への出口は2箇所あるけれど、どちらの幅も狭いし、見るからに雪が薄そう。

知らない人
サイズ感を出すために、他のスキーヤーを入れて写真を撮る。

出口
いやいや、マジで狭くて薄いわ…

続々と人が来る
今日入っている人の多くは、ムジナ沢狙いみたい。
でも、何しろ広い斜面なので、雪面が荒れるようなことはない。ちょっとスキーヤーズレフトに落とせば、面ツル斜面が待っている。

広ーい、たのしーい
ムジナのいいところは、トラバースせずに沢をそのまま落としていけば、尾瀬ヶ原に飛び出せること。ワル沢から山の鼻へ下ると、途中で大トラバースしなければならないのがつまんないんだよね。

尾瀬ヶ原が近い
左手にはまだまだ手付かずの斜面。ただ、そっちは南向きなので、少々妖怪風味かな…

ノートラック
右手の斜面が割と締まっているので、そっち中心に下降する。

ちょっとガリガリ
樹林帯の手前で、沢のボトムをチェック。
デブリ由来のスノーブロック無し、グライドクラック無し、流水による穴無し…

終盤…
そのまま沢床を下降してもよかったのだけれど、単独でどこかにハマると洒落にならないのでツリーの中に。

ワイドツリー
ここのツリーは樹間が広くて滑りやすい。
だが、今期はツリーホールが大きくて深いので、落ち込まないように余裕を取って滑る。

尾瀬ヶ原に飛び出す
楽しかったダウンヒルはここまで。鳩待峠までのハイクバックに備えて、シェルを脱ぎ短パンになる。

振り返ったらちょうど別のBCスキーヤーがいたので、シャッターを押してもらう。

サイコーっした!
そういえば、今日は、ソロのBCスキーヤーを見かけるな…

実際、自分もBCスキーヤーだった時はソロが普通のエリアだった。昔から入っている人たちにとっては、残雪期の至仏は、気軽にソロでも楽しめるエリア、みたいな感覚なんだろうね。

ソロのBCスノーボーダーは、見る限り片手くらいの人数だけど、いることはいた。

お散歩モード
ここからのハイクは、ボードの先端に開けた穴を使った、Towing (トウイング)。別名、犬のお散歩モード。使える場所は限られるけれど、背中が軽くなるのでとても快適。

山の鼻
栄養補給…
Atlasのスノーシュー、なかなかいい感じ。ほんの少し、トラバースの時に踵が横ブレするような気もするけれど…登坂能力も下降も、いいと思います。

Atlas スノーシュー
山の鼻を出て、最初に川上川を渡る橋は雪で覆われていた。
そこで思い出した。この橋が雪で覆われていれば、冬道が使えるし、ムジナ沢も滑れる。
雪が消えて、橋の板が露出したら、冬道は使えない。そんな過去の記憶。

川上川に沿って上流に帰るのだけれど、雪が十分にあれば河原をそのまま歩いていける。右岸から左岸へ、左岸から右岸へ、スノーブリッジを渡って、アップダウン無しに楽に歩けるのが冬道。
スノーブリッジで左岸へ
融雪が進むと、スノーブリッジが消えてどこかで行き詰まる。そうなると、冬道は使えない。だって、行き詰まったら、戻るか、高巻きするか、渡渉するか…めんどくさいことになるからね。

融雪が進んだら、右岸の山腹にあるトレースを辿って歩く。こちらは小尾根を何度も超えていくので、多少のアップダウンがある。

今日は、最初の橋が雪で覆われていたので、冬道が使えると判断して辿った。
お散歩モード最高
Towing が効果あるのは、ここの冬道と、谷川岳芝倉沢の最後、湯檜曽川に沿っての下降路。楽ちん。
オヤマ沢出合い
オヤマ沢出会いまで、冬道はちゃんと繋がっていた。
ここから30分かからないくらいのハイクアップで鳩待峠に戻れる。

もう…終わってしまったのか、という寂しさと、無事に帰って来れたという安堵。
やっぱり、ソロのBCにはソロでしか味わえない楽しさがあるような気がする。