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2025年4月5日土曜日

DAY36ゲレンデファイナル…

僕にとって、バックカントリーこそがスノーボードの目的。
ゲレンデはあくまでも練習場なんだ。

ゲレンデでできない滑りは、BCではできない。

ズラす・切る・回す…踏む・抜く…
それらを組み合わせて、いろんな滑り方を試す。

薄くエッジを当てながら流すとか、強く踏んで素早く切り返すとか、そんなことをいろいろな斜度や雪質で試しながら練習している。それが対応力につながるし、安全も左右するって信じている。

岩鞍をホームにしているのも、練習場としてのポテンシャルだ。

緩傾斜から急斜面までバラエティに富んでて、片斜面もある。東向きから西向きまで、日射の影響によって変化する雪質もある。

ゴンドラで長い斜面を滑りながら、いろんな変化に対応しながら自分の滑りをアジャストしていく方法をトレーニングできる。

まぁ…練習自体も…楽しいんだけどねw

NotWaxと滑走イチバン
ゲレンデではギアなどのチェックもをする。今日は、春雪対策ワックスの選択をした。妖怪退治にはやっぱりNotWaxとの結論に至りました…

イージーボード
ボードは、バタレオンの普段使い用、What's Ever
春雪用に、自分で入れたストラクチャーのチェックもかねて。

ストラクチャー
この間購入した、ニューブーツも試し履き。
来シーズンから履こうと思っていたけど、初期不良チェックをやっておかないとと思い直した。何か不具合があるなら、保証期間うんぬんは置いといて対応しないとまずいからね。

Salomon Echo Lace BOA
とある筋から、「フッ素系のワックスが手に入らなくなるかも?」そんな話を聞いた。Not Waxが最近手に入りにくいのも、その理由だとか。あれって、100%フッ素だしね…

んで、もしもNotWaxが手に入らなくなった時のために、次の候補を探し始めた。

Galium Strong Paste HOT
Not Waxは液体で、気がつくと消えてなくなってたりする。ガリウムのこれはペーストなので、その心配はない。これで滑走性と持続性がよければ乗り換えるつもり。

使用するのは来シーズンは、ぶっつけ本番で至仏山BCかなぁ…  (←5月追記 Not Waxよりイイかも)

ニューブーツいい感じ
ミドルフレックスの Echo Laceでも、おろしたては、レスポンス、インナーのクッション性ともにイイ感じ。

シュウちゃんちのお子w
今シーズン何度か滑ったシュウちゃん、聞いたら至仏山BC何度か入ったことがあるとのこと。良かったら、といいつつ圧強めで誘ったら、兄弟舎への入舎希望とのこと。ヨシ

侵入舎員のシュウちゃん
至仏山BC誘っておきました イヒヒ

指抜きグローブ
こないだ、ドリームボックス石井で見つけて即買いした、スマホ対応グローブも使ってみる。

よくあるタイプのスマホ対応グローブは、指の先端に導電性繊維を編み込んである。あれって、何回か洗濯するとすぐダメになりませんか?

これは、「だったら必要な時に指先だせればイイんだろ?」ってスリット入れちゃったやつ。指先切り落としちゃうと、冷えがくる。このタイプなら保温性も確保しながらスマホ操作もスムーズ。

マジマウ
そう、そんなマニアックな製品作るのは、マジックマウンテン。スキです

まだ雪はタップリ
グライドクラック開いちゃったエキスパートコース。結局、今期はずっと閉鎖だったので滑れなかったな。せっかくパウパウDayが何度もあったのに、残念。

全層雪崩

ミルキーウェイ
何度も滑ったミルキーウェイ、向こうに見える日光白根、今シーズンもお世話になりました。

ありがとう、さようなら

滑り納めして、夏タイヤに履き替えて、壊れたアンダーカバーの交換。
インシュロックで仮止めしてたんだけど、これで安心して高速道路乗れますw

ベローン

仮止め

こーかーん

そんな感じで24-25ゲレンデシーズン終了しますた。ありがと

2025年3月22日土曜日

DAY32BC8モロちゃんと上州武尊山西面

ボクは、ピストン山行はできるだけ避けるようにしている。同じルートを往復するよりも周回がいい。なんなら、ずっとあっちまでズンズン進んで、初めてのところに降りる。そんな縦走を好んでいる。

で、そんなふうにルートを組み立てると、入山口と下山口は必然的に離れた場所になる。

入山口まで公共交通機関で行けるなら問題ないけれど、バス便や電車が無いなら車で行くしかない。こうなると…下山口からどうやって入山口に戻り、車を回収するかが問題になる。

そんな時、自転車を移動手段とすることで、公共交通機関の空白地帯を繋げられる。そうやって山行の幅を広げる試みをボクは Bike & Hike と呼んでいる。

この間ユーヤと入った、川場スキー場からドロップする2つのBCルートも、娘のママチャリを使って  Bike & Hike で開拓した。毛呂ちゃんはまだどちらも入ったことないということなので、そのうちの長いやつを案内したという話。

道の駅からシャトルバス
いつも通り、車を一台下山地点にデポして、道の駅に降りる。そこからシャトルバス便で川場スキー場に上がる。

後方は川場剣ヶ峰
このルート、後半は斜度が落ちる。
雪質や積雪深によっては、ボードだと止まってしまう。そうなるとドツボにはまるので、入山前によーく状況を確認しておいた。

行ってきまーす
ただ…こーゆールートはスキーのほうが有利なのは間違いない。そんでもってパートナーが体力お化けのモロちゃん…大丈夫なんかな…オレw

剣ヶ峰
そんなボクの不安を察したのか、モロちゃんは剣ヶ峰ピークに拘らないと言った。

だって、あそこ登ったからって、滑る距離変わらないんでしょう?
じゃぁいいですよ〜、今日は登山じゃなくてBC、滑るために来てるんですから〜

お、おう! ラッキーw
少し滑る距離増えるし、メイン斜面にダイレクトに滑り込めることは黙っておこう…

ゲレンデトップから申し訳程度にハイクアップして、トラバースに入る。

雪、いーじゃ無いすか〜
足元は薄いけれどパフパフが残っている。

笑顔

トレースから外れる
剣ヶ峰に向かう登山者の列から外れて歩く。

獅子ヶ鼻山
夏道がない獅子ヶ鼻山が見えてきた。今度行ってみようかな…


キラキラ樹氷
昨夜は冷え込んだようで、霧氷が木の枝について光っている。

ドロップポイント
クライマーズライトは剣ヶ峰の岩壁が連なっている。その下をトラバースしていくので、落石が怖い。壁に近づきすぎないようにルートを取り、耳を澄ませ、目でチェックしながらさっさと歩く。

滑走モードにスイッチするのは、小岩綾の下。上部からの落石は、ここで左右に分かれて飛び散るだろう。雪壁の下だと、落石の音がしない。岩壁は、見かけは威圧感があるけれども、「パラパラ」「コロン」「サラサラ」といった、危険な前兆が分かるので良い。

こないだドロップした壁
前回エライ目に遭いそうになった壁を見上げつつ、平和な斜面をトラバースしていく。

パフパフじゃないすか!
気持ち北向いてる斜面の雪が良さそうなんで、そこはモロちゃんに譲る。ボクは撮影スポットに大トラバースで移動。

モロちゃんのシュプール
うっすら木陰になっているところに、粉が残っていた。ターンの度に気持ちよさそうな白煙が上がる。

カリンカリン
ボクの滑ったのは気持ち南向き。ガリガリの下地に、3〜5センチの新雪…はすでに生クリームみたいなウェットスノーになっていた。

ボトムが近い
いつもながら、楽しい斜面はあっという間に終わる。
とはいえ、このルート全体の標高差は1,000m程度はある。そこそこ長いゴンドラ一本分くらいは滑れるし、ハイクが少ないのもありがたい。

アルペンターン
テレマークスキーヤーの天敵、妖怪板掴みが出始めた…

ボトム

テレマーーーーク
今日も幸い…それなりに走る雪で、林道もまぁまぁ快適に下れた。

車道に出た

振り返る
デポ車まで15分程度歩いて、下山連絡してランチタイム。
このルートは、昼くらいには降りてこれちゃうし、沼田まで出るのもすぐ。なのでご飯のチョイスは結構多い。

今日はモロちゃんの知っていた、「つながり」さんへ。

初訪問

牛タン丼大盛り…

味変の塩やソース、小鉢もたくさんあって、大変に美味しゅうございました。
おしまい

2025年3月18日火曜日

救急車がお休みです

*文中の名前はすべて「仮名」です。また、この投稿を含むすべての内容はフィクションです*

谷口君が、センター街の雑踏の中を小走りで戻ってきた。
真冬だというのに汗をかいている。

トレードマークの黒縁メガネは汗でずり下がり、今にも鼻梁から落ちそうなところでかろうじて止まっている。

谷口君は、大きな体を縮こませて言った。

救急車…今日はお休みです!

谷口くんは分厚い近視レンズの向こうで途方に暮れていた。
写真はイメージです

僕は、サークルの幹事を務めていた。

同期で会計を担当している飯田の足元に、2年の小田ちんがぶっ倒れている。
いや、放っておくとぶっ倒れてしまうのだけれど、それは誤嚥から窒息につながるおそれがある。飯田くんは小田ちんの両足を広げさせ、上体を起こし、歩道の縁に座らせている。

今日の月例コンパは、スタートからなんとなく嫌な予感がしていたのだ。
写真はイメージです

時間に正確な小田ちんが遅れてきた、なんとなく表情が暗い。そんでもって、乾杯をしてから、酒のペースが早い。んーちょっと心配…

案の定、2次会の終盤で小田ちんが沈没した。
こうした時、ボクらの行動は素早い。

座敷で嘔吐すると、ボクらの次で予約入っているお客が入れなくなる。掃除も大変で迷惑がかかる。迷惑料を払う財力もないから、よき市民たるべき僕らはそんなことはしない。

僕ら3回生・4回生のトラブル対応チームが、小田ちんの周りに集まる。

えっとねー集金と会計は飯田に任せよう。
終電やばい奴いないか、確認して〜
1年生二人くらいに忘れ物チェックやらせて〜
2年は小田ちんの持ち物確認して〜
お店からビニール袋何枚かもらって〜
それと、いらないダスターかペーパータオルもね〜

とりあえず小田ちんをトイレの個室に搬送し、一発目の ゲ◯放出

はいはいはい、そしたら外出るよ〜

ちょっとすっきりしたっぽい小田ちんの両脇を抱えて、表の道路に出る。

帰る人は帰り、残りたい人は残る。
一部のメンバーは、「すぐそこの太平洋から朝日が昇る」みたいなところにある実家から通学している。1次会ですでに終電が無いから、飲み会と言えばオールになる。年頃の娘がそんなことしていいのかとは思う、口には出さないけど。

ん?小田さん…唇が青くないですか?
街灯の色のせいじゃない??ん???

まずい…小田ちん…耳の裏まで血の気が引いて真っ白。
唇も真っ青で、呼吸が浅い。

振り向いた先にいた谷口君に、救急車を呼ぶように頼んだ。

他のトラブル対応チームの奴らが、コーラとポカリを抱えて走り寄ってきた。
炭酸を飲ませて、もう一度吐かせる。胃の中に入っているアルコールを流して、追っかけでポカリを飲むことで糖質と水分を補給させる作戦だ。

そこに谷口くんが小走りで戻ってきて、言ったのだ。

救急車…今日はお休みです!

U飼先輩が半分キレたみたいに言う。

んなわけねーだろーがよぉ?!
何度かかけたんだろうな?電話ぁ!?

んーそーゆー問題じゃ無い気もするがぁ…普通呼び出しすぐでつながるし…
谷口くんが、心外だと言いたそうに反論した。

何度もかけたけど繋がらないんですよ!!911ぃ!!


なんですか?なんなんですか?
救急車、きっと今日はお休みなんです!

…911は、アメリカや。アメリカの消防や。
…日本は119や。

結局、他の2回生が救急車呼んでくれた。
小田ちんがコーラ&ポカリの3回転を終えて、回復しつつあったタイミングで救急隊が到着し…ボクらは小田ちんのせいでお目玉を喰らうことになった。

という夢を見た(言っときますが全部フィクションですからね)。


2025年3月16日日曜日

DAY30BC7カズくんBCデビュー そして買い物…

バックカントリー(BC)という遊びは、敷居が高い。

ギア高いよ…
ウェアも高いよ…
雪崩講習とかめんどくせぇ
ガイド頼まないとダメ?
簡単に死ぬんでしょ?
遭難したら、捜索費用で破産するんじゃない?

一部には、誤解による思い込みってのもある。
人はそんなに簡単に死なないし、救助費用だって公的機関によるものならタダだ。

当たってるのもある。

ギアは高いし、予備も必要だし、講習・訓練・経験も必要だ。

そ し て…  1番のネックになるのは…

大変な思いして始めたのに、楽しくなかったらどうしよう?

ってところだと思う。

そんな状況で「BC始めてみたい」という、前途ある若者は貴重。僕の張った蜘蛛の巣に引っかかってきたカズくんを、初BCに連れ出したという記録。

上州武尊も滑ってみたいっす!

BC未経験者を連れ出すに当たって、もっとも大事なのは…

「ガイド役への絶対的な信頼感」だと思っている。異論は認めよう…

先達の叡智、経験、そこから生まれる技術、体力、洞察力、リーダーシップ。
この人に着いていけば安心だ。そんな圧倒的な信頼感があってこそ…未知の山で心の安寧を得られるのだ。

山でのトラブルは事故につながるからねー
ギアの手入れは十分にするんだよー ←フラグ

そう声をかけながら、記念すべき第一歩を刻もうとした時…

あっ!

カズくんに貸し出したスノーシューのハーネスが破断した…
ウケるカズくん

コンディションはカッチカチのアイスバーン。
まぁ、沈まないからスノーシューなんかいらねーんだけどな…

クランポンは2セットあるのに、自宅に置いてきた…

ま、でも、今日のルートはほぼ平坦なハイクで、トレースにはバケツができている。BC初めての人を連れ出すのにちょうどいいルートだから、ツボ足でも大丈夫っちゃ大丈夫。

ゲレンデに戻るのにハイクがあって、そこが凍ってると苦戦するけど、コース取り考えればほぼハイクなしで戻って来れる。というわけで、様子見て引き返すかも?という前提で入山。

燃える男
カズくんに大丈夫なスノーシューを渡し、ボクはツボ足で後ろにつく。
いいペースで尾根を登り振り向くと、さっきまでいたゴンドラ山頂駅が遠くに見える。
皇海山をバックに
足取りも安定していて、楽しそうに先を歩くカズくん。

やばーい、超ラク〜
なんすかこのチートアイテム!

それか…?それはな、スノーシューって言うんだ、俺のな…
あっ、おい、早いよペースが、おいおい…

置き去りにしてたったか歩く
待ってーーーーー!!  ←先達の誇りが…

今度あっち滑りたいっす
日が出ないので雪面が緩まず、カリンカリンのアイスバーン。
感覚的には、傾いたスケートリンクで、表面が波打ってるみたいな。

雪煙なんて立ちません…
カズくんは、安定した滑りを見せるのだが驚きを隠せない。

ボクが今まで滑っていたゲレンデとは全然違います!
BCヤバイ!難しい!
こんなコンディションでも普通に滑るなんて…すごいです!

黙ってればバレないので言わなかったけれど、普通は入らないコンディションだった。

でも、春の至仏に行きたいって言ってるし、そのためにはBC最低2回くらい行ってないとだし、カズくんは JSBA Tech1まで 一発合格で到達しちゃった奴だし、ゲレンデで普通にバックフリップ・フロントフリップしちゃうし…

一緒に行くのがそんなカズくんでなかったら、入ってませんでした (笑)
手も板も沈み込まない氷盤
タイトなターンを決めて止まって一休みした時、カズくんが言った。

この…サーーーーーッッとか、シャーーーーーーッツとかの音なんすか?

えとねー…カズくんがターンの時に削り取った、氷の表面が、流れ落ちる音〜  


ほら、エッジで削れた粉というか砂つぶみたいな氷が、流れ降ってるでしょ?

あぁそーなんですねー、じゃぁ、転んだらまずい斜面ってことですかぁ?

そーとも言うかも〜 転ばなければ大丈夫ー

そんなホノボノとしたやりとりを交わしながら、下る。

#1の沢を落とす
今日は短いけれど、脱出が容易な1の沢を落とした。

動的バランス
このエリアのツリーはタイトだけど、ここの沢筋は比較的樹間が広いのだ。
裏を返すと、雪崩の走路になってるということなので、トップシーズンは気を遣う。

斜度のあるオープンなツリー
早めに切り上げてゲレンデに戻る。
まったくボードが沈み込まないので、減速要素が無い。ハイク0で戻って来れた。

もう一本行きたいっすね
BC初めてなのに、体力お化けのユーヤパイセンみたいな発言も飛び出した。
ゲレンデもコンディション悪かったので、早めに解散。
布デッキのMSRスノーシュー、ハーネスがもうダメなのでいっそのこと買い換えようと決断したのだ。

製造年月記載
今回改めて思ったけど、MSRのスノーシューはやっぱりプラスチック製のが好きだな。デッキの裏側に、製造年月が刻印されているから、使用期間管理もできるしね。

満洲飯店エビチャーハン
まだ早い時間だったので、エビチャーハン食べて。

肉の赤城屋で唐揚げ買って
モンベル高崎店で、顔見知りの店員さん(BCスキーヤー・割と偉い人みたい)の接客でスノーシュー買った。
Atlas購入!
そんで、やっぱりそろそろアイゼンの準備もしとくか…
というわけで、この間、山とスキーの店、「ドリームボックス石井」で買ったクランポンの調整をする。
G10 Wide 購入!
小足族の僕は、センターバーが余るので、3cm程度切断。
センターバー切断
そんなこんなをやっていたら、デジカメのほどほど望遠レンズが届いていた。

ZEISSレンズ購入!
そんな感じの、バタバタしながら過ぎた、カズくんのBCデビュー記念日。

これで懲りて、遊んでくれなくなったらどうしよう…