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2025年10月1日水曜日

自分史上もっとも過酷なブルベに挑戦した話

以前の投稿でボクは、「DNFは勇者の証」と書いた。自分の限界に挑戦した結果のDNFは決して敗北では無く、勲章である、みたいなことを書いた。

でも…そんなこと書いてる自分は…どうか?

加齢と衰えを言い訳に、限界っぽい挑戦をしていないんじゃないか?そんなふうに自問自答をして、エントリーしたのが 300kmで 4,300m+アップのブルベ。

ただ、これが走れないとSRが取れない。それは困るので、保険の意味で1週間前に別の300kmを走っておいた。もうSRは確定したので、途中で嫌になったらやめればいいや、もう歳も歳だしネ…

さて、ブルベのルートの難易度には2つの要素がある。一つは言うまでもなく走行距離。もう一つは獲得標高だ。この組み合わせでそのブルベが、どれぐらい困難であるかが「だいたい」分かる。

ボクは登りが苦手なので、長くてもフラット気味なルートのほうが得意だ。そんなボクがほぼほぼ完走できると判断するのは、距離200kmなら獲得標高2,000mくらいまで。300kmなら 3,000m くらいまでなら、貯金を持ってゴールできる。これが400kmくらいになると疲労が蓄積されるので、獲得標高が3,500mくらいが完走できそうなプロファイルになり、600km になれば4,000mくらいになる。

今回のブルベは、300kmの4,300m アップ…
距離が短いので、貯金を稼げるボーナス区間もほとんどない。小さなタイムロスを丁寧に潰して、トラブルを避けるのが最重要になる。

ただでさえ鈍る思考力、限られた時間…安全に完走するには、「いかに余計なことを考えないで済むように準備するか」が重要になってくる。

ポイントのメモ
最近やっているのがこれ。マスキングテープに、チェックポイント(CP)の距離と名称を書いて見えるところに貼っておく。コンビニがCPになっていれば、レシートをもらい、それをブルベカードにこのマスキングテープで貼っておく。こうすれば、CP不通過も、CP間違えも、レシート紛失も避けることができる。

今回はこれに加えて、顕著なピーク(峠)の標高と、走行距離も貼り付けた。ペース配分を上手にやって、脚を残しておかないと帰って来れなくなるからだ。

前夜に天気予報をチェックしたら、天候も風向きも上々。わずかに残っていた降雨予報も消えたので、前後のドロヨケを外し、レインパンツは置いていく。レインジャケットは、モンベルのゴアテックスで、ウインドブレーカーがわりにも有用なので持っていく。

スタート地点の高崎まで車で移動し、秋晴れの中を走り出す。

安中杉並木

横川を通って坂本宿でダブルボトルを満タンにする。ここまで脚を使わないように気をつけていたのでペースは遅いけれども、20分程度の貯金ができていた。

碓氷峠は斜度はそんなにキツくない、けど、距離が長い。焦らず軽いギアで、クルクル回して登っていく。

メガネ橋

自分史上最もラクに、疲労を溜めずに碓氷峠旧道トップに抜けた。
碓氷峠旧道最高点

ここのカーブは184箇所。
碓氷は184(イヤヨ)

軽井沢を過ぎて中仙道に入り、宿場町を辿っていく。
望月宿入口

次の峠は、笠取峠。ここを走るのは2回目だ。佐久南に車を駐車して自転車で走り出し、ここを通って池の平へ出て、麦草峠を越えて佐久南に戻ったことがある。その時に、短いけれど割と大変な印象があった。

笠取峠峠松並木

その時気になっていたけれど、見ていなかった松並木。
笠取峠最高点

ピューっと降ってから、和田峠に向かって長い登りが始まる。
中仙道(和田宿周辺)

この辺の旧道をのんびり歩いてみるのもなかなか楽しいんじゃないか、そんなふうに感じる。それこそ Bike & Hike がいい。峠のてっぺんに自転車をデポしておいて、麓からハイクアップする。てっぺんで自転車に乗って、シャーーーって車まで戻ればいい。今度やってみよう。

和田峠の茶屋(廃墟)

和田峠の旧道をそのまま越えていくのが今回のオリジナルルート。ところが、峠の諏訪側が豪雨災害のため通行止め。そんなわけで、一度ビーナスラインに上がって霧ヶ峰を通って諏訪湖に降りる。
ビーナスライン(車山のドーム)

このコース変更のおかげで、距離は10km弱、獲得標高も数百メート増え、ボクにとっての難易度はさらに上がっている。薄い空気の中、余力を削らずかつ速度を維持するようにしながら前へ進む。
霧ヶ峰
霧ヶ峰の通過チェックで時間を見たら、次のチェックポイントまで1時間を切っている…

油圧ディスクブレーキさん…ありがとう…そう叫びながらダウンヒルで借金を返すアブナイ
高島城

CP2の足切りタイムは16時だった。

レジに駆け込んだボクの受け取ったレシートは 15:59の印字wwwww

これ実はCP2の直前でいろいろあった。

ファミマがチェックポイントだったのに、その手前のセブンにボクは入ってしまった。ボクに釣られて後続の Bianch 乗りの人も入ってきて、レシートもらって、あー時間に間に合って良かった〜ってところで、そのBianch さんが「ん?CP2ってファミマな気が?」って気がついてくれたの。あっ!!!ってんで、二人とも鬼立ち漕ぎでファミマに移動して、ギリギリ通過ってなったのだ。

この Bianch 乗りの人、見覚えがあったので尋ねてみたら、やっぱり以前一緒に走ったことのある人だった。一昨年(2023)の銚子400で寒さに震えつつ、コンビニの駐車場でホットドリンクを啜っていた時になんどか出会って話した人だった。バイクとホイール、そして、いかにも優しそうな笑顔で楽しそうに話すので覚えていたのだ。

そんなわけでドタバタしたのでw、諏訪湖の写真は残念ながら無し。

富士見峠に向かって走り出し、富士見パノラマのすぐ脇を掠める。

富士見パノラマ入口
なんだ…富士パノって自走で来れるんじゃん…

長坂のセブンがCP3。貯金はかろうじて30分程度になっていた。野辺山へのヒルクライムに向けて軽食を取り、サドルにまたがって走り出す。

清里まで、何度か休みつつ登るが、野辺山への最後の直登で押しが入って借金生活。

小諸のCP4までの降り基調で借金返して、追分宿までの地味でキツイヒルクライムこなして、碓氷峠を体重ターボですっ飛ばして降って、気がついたら4人くらいのパックができあがっていた。

せっかくだから、つかず離れずで付いていって無事にゴール。

今日もありがとうございました…

走り切れたことが我ながらちょっと信じられず、ボーゼンとしつつ、一緒にゴールした人たちと完走を祝いつつ、片付けをして帰宅しました。

このルートを時間内できちんと完走できたことは、多分一生忘れないんだろうなと思う。

今までイッチバンキツかったブルベは、2023年の「雲海を見に行こう」300kmの3,600mアップだった。その時を超えた自分にお疲れ様。

おしまい