スノーボードを Towing で引っ張るためには、ボードの先端に穴(Towing Hole)が無ければならない。
しかし、最初からこの穴が開いているボードは、変態的にマニアックな、ガチなモデルしかないはずで、普通の人が普通に使うには、硬すぎたり何かと問題があるはずだ(偏見です)。
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仕上がりイメージ |
で、ここでは「ぼくのかんがえたさいこうのとーいんぐほーるのあけかた」を紹介する。
真似して失敗しても、クレームは一切受け付けないので、その点は4649哀愁…
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マーキングして捨て板を固定 |
最初に、表面を広めに養生する。養生テープでもマスキングテープでもどちらでも良い。
穴を開けてエポキシパテでグロメットを接着するのだけど、はみ出たパテがトップシートにくっつかないようにしておくのだ。そして、テープに穴あけの位置をマーキングする。
どんな場合でもそうだけど、ドリルで貫通穴を開ける時には、裏側に捨て板を固定しておくこと。ドリルの先端が向こう側に抜け出していく時、そこが何もない空間だと、穴の周囲にメクレやササクレができてしまう。それを防ぐために、穴が開いてもいい、不要な角材を取っておいて使うのだ。
最初はパイロットホール(誘導用の穴)を開ける、ボクは3mmを使う。この目的は二つあって、次の2つを確認している。
位置がずれていないか
コア材は何か?空洞ではないか?
人間の目はすごく繊細なので、センターを外して穴を開けてしまうと、ものすごく違和感が出る。最初から本ちゃんの穴を開けずに、小さく開けて、離れてみると良い。
ドリルが入っていくと、削りカスが出てくるはずだ。それをよく見ること。普通は、トップシートの薄いプラスチックの後、ウッドコアのカス(木の破片ね)が出てくる筈。稀に、アルミのインサートとか、エポキシとかが出てくるかもしれない。要するに、内側がどうなっているかを念のために確認する。
場合によっては、トップシートを抜けたドリルがスカッて空洞を抜けて、ソールに当たるかもしれない。この場合、内側がハニカムとか、特殊な空洞のコアである可能性が高い。
まぁ、カーボンハニカムコアみたいな、値が張るボードに自分で穴を開けるようなおバカな人はいないだろうから、いいけどね。
ほぼ間違いなく木屑が出てきたと思うので、話を進める。次に、「木工用のドリルビット」で、「留め穴」を開ける。
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ソールは残す |
留め穴ってのは、「貫通させない」穴のこと。木工用のドリルはこれができる。トップシートが削れて、コアの木が削れる。こまめにクズを掃除しながら少しずつ削っていって、ソール材が現れたところで留める。なぜソール材を残すかは、後で説明する。
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パテ抜き穴5mm |
次に、余分なパテを抜くために、5mm前後のドリルでパイロットホールを広げる。
これで、表から見ると 12mm くらいの留め穴、その底にソール材が残っていて、真ん中に5mmの穴が開いている状態になった。
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裏からみたところ |
次のステップは、パテでグロメット(アルミのハトメ)を埋め込んで接着固定する。で、このパテの量が少なすぎると、固定が甘くなるし、ひび割れて水が入りやすくなってしまう。表側の穴を広げた理由は、そのためなんです。
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粘土タイプのエポキシパテ |
本来、ハトメは表と裏のパーツをカシメて結合させる。しかし、ほとんどのハトメは、皮革や布の穴を保護するために作られているので、カシメ高さはせいぜい3~4mmしかない。だからボクは割り切って、ハトメのパーツの表面だけを使う。
エポキシパテを良く練って、穴に押し付けるようにして延ばし入れる。そこにハトメの表側パーツをムギューって押し込んで、浮き上がらないように押さえる。
余分なパテは裏側の穴から押し出されてくるので、固まる前に取り去る。
そもそも、このエポキシパテはソール材にくっ付かないから、翌日固まってから取っても大丈夫。
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三本のボードに穴をあけました |
ハトメの内側にのこったパテは、翌日にドリルで削り出すから気にしないで大丈夫。
ある程度パテか固まってきたら、養生テープとかマスキングテープをそっと外して、はみ出たパテと一緒に取り去る。
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とりあえず完成 |
ハトメで表面(トップシートとコア材)は保護されるわけだけど、裏側はどうするのって?
そのために、ソール材を残して留め穴にしたのです。ソール材は、柔軟性・耐衝撃性・耐水性に優れた、ポリエチレン。へたなハトメより、よっぽど耐久性があるから、開口部を最小限にしておけばそれで十分なんです。
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回転ヤスリで穴を少しずつひろげていく |
1日おいて、パテがすっかり硬化したら、表から金属用ドリルで穴を開けながら綺麗にしていく。そして、表と裏、両方から、回転ヤスリで少しずつ穴を広げつつ、パテを除去しつつ、綺麗にして完成。
こうやって書いていくと大変そうだけど、慣れたら、穴一つの加工はせいぜい20分くらいでできる筈。そして、翌日の清掃と修正で15分くらい。やってみると意外と簡単な作業です。
まずは捨ててもいい板で、練習してみると良いと思います。
ボクはいきなり買ったばかりのSUSHIでやったけどね www