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2021年5月28日金曜日

「廃人」は、梅雨の季語

あるハードコアBCスキーヤーがポツリと言った

スキーシーズンが終わると…
普通の人には春が来ますよね。
僕の場合は廃人期が来るんです。

一瞬「ハイジンキ」の漢字が思い浮かんでこなくて、黙っていると、彼は続けた。

時々、あ、これが春なのか?って年もありますけどネ
スキーを、片付けなくちゃって、ふと外を見るとすでに夏なんですよね。
シャ◯中の人が正気に戻るってこーゆー感じなのかな?って思いませんか?

いろいろと大丈夫か?という言葉を飲み込みながら、僕は尋ねた。

「廃棄物」の「廃」に「人」の「廃人」になる季節ってこと?

そーです そーです。
で、少しでも正気でいようって、いろいろ手を出すんですよね、自転車とかクライミングとか。でもですね、廃人期ってちょうど梅雨時と重なって、外遊びが難しいじゃないですか。だから、最近はカヤックとか、沢登とかに逃げてますね。濡れてもできる遊び。

梅雨時になると、あーそろそろ、彼の廃人期が始まる頃だなぁと思う。

僕は彼とは違って、段階的に、シ◯ブを抜き白い粉の魔力から離れて行きつつ、夏を迎える。シーパスとか、リフト券ホルダーとか、無料の駐車許可証とかを車から降ろす。

パウダー4のシーズン券特典の駐車許可証

ボードをワクシングし、ウェアを洗って良く乾燥させ、傷んだ小物は補修するか断捨離し、来シーズンに備えて保管する。

ポイントは、心のどこかで自分に言い聞かせながら、片付けをすること。

俺のシーズンはまだ終わってない
締めは富士山だ
なんならマチガ沢をハイクすれば、近場でも6月末ごろまでは滑れる

そう、あくまでも、まだスノーシーズンは続いているのだと、自分に言い聞かせながら片付けをする。ブーツとボードのワンセット、そしてBCの春用ウェア一式は最後の最後まで片付けない。そうやって、まだ冬は終わってないのだと、気を緩めないようにしながら、自転車の準備を並行で進める。

冬の間は、ローラー台でエアロバイクとして使っているグラベルロードバイクをメンテナンスするのだ。ローラー台用のホイールは普通のクリンチャータイヤなのだが、メインの軽量ホイールはチューブレス。シーラントを補充し、エア漏れをチェクする。

交換するものと関連するケミカルなどは出しておく

ディレーラーのプーリーがすり減って入れば交換する。今回はブッシングプーリーから、純正外のローラーベアリングプーリーを試してみる。

上が純正のブッシングタイプ、下が社外品

チェーンも伸びてきているので、チェーンチェッカーで確認して早めに交換する。新品は余裕を持った長さになっているので、適正な長さに合わせてリンクをカットする。

新旧のチェーンを並べて固定する

手前側の旧チェーンに合わせて新品チェーンの長さを揃える

スプロケットを外し、ついでにフリーボディを外す。ラチェットの当たり面を確認し、清掃し、専用の柔らかいグリスを付け、ベアリングにはオイルを補給して組み直す。 

金属同士が擦れる部分特有の汚れ

昔の機材に比べると、清掃や調整は格段にやりやすくなっている。オイルやグリス、ディグリーザーや洗剤、ウェスやペーパータオル、ニトリル手袋など、メンテナンス用品も進歩を感じる。

消耗品を十分に用意しておくことで、作業が快適になる

というか、僕にとって、バイクメンテナンスって…廃人予防キャンペーン活動…だよね。

晴れてれば、サイクリングか登山に出かける。

整備が済んで、手入れが行き届いた自転車はに乗るのは楽しい。ちょっとした下り坂で、チーーーーーーーっと、小気味良いラチェット音だけを残して、バイクは速度を増し、思う通りにコーナーをクリアして行く。

そして、明らかに冬とは違う日差しを感じ、体全体で空気を押し分けて進んで行くと、「この季節も…これはこれでいいよね」みたいな気持ちがやってくる。

そうやってBCスキー&スノーボーダーは、震える手と、虚ろな目と、力が抜けた膝を、整えながら次の季節へと歩いていく。

面倒臭いな、俺たちってw

2021年5月26日水曜日

名は体を表す

MSRというブランドを知っていますか?

Mountain Safety Research という会社の略称がそのまま商品のブランドになっているのです。山岳安全研究所…すごいな…でもまぁ、自負心に満ちた名前だし、耐久性とか信頼性とかでは、やっぱり他のブランドとは、一線を画している気がする。

僕の歴代スノーシュー・MSR

ただし、米国ブランドにありがちな、うっかりさんとか、詰めが甘い部分もある。特に新製品は油断ならない。僕が買った Dragonfly(マルチフューエルストーブ)の初期モデルも、フューエルポンプのバルブが設計ミスでリコールになった。

リコール内容: 「使っているうちに、バルブシールが緩んで、ガソリンが漏れて発火します」… 怖過ぎるだろ!!!

鍋の左横にある赤と青のがフューエルポンプ

詰めが甘い部分に関しては、なんというか確信犯的な?
彼らが本質とは関係ない考えるところのクォリティは…適当。

このドラゴンフライストーブなんて、燃焼音がものすごい煩いのだ。

シュゴォォォォオオオオオオオオォオォォォォーーーー!!!!

とてもじゃないけど、夜とか早朝の、他の人が休んでいるところでは使えないくらい煩い。MSRの中の人に言わせると、「いや、俺らのストーブ、基本人がいないようなところで使うもんだから…(鼻ホジ)」くらい言いそう(想像です)。

使い込んだブラックライトクックセット

上の写真で写っている鍋はBlacklite という製品。名前の由来は、この黒い表面加工なんだけど、これが剥がれてくる。洗ったり、擦ったり、ぶつけて傷がついてとかではなく、剥がれてくるんだ。ほんでもって、「こびりつかない」という売りの割には、こびり付く。で、MSRのカスタマーサービスの見解は、「山で使うもんだから、そんなモンだろ?健康に害があるわけじゃないから、心配すんな(意訳)」だそうだ。

登山関係では、Mountain Hardwear というブランドもある。 
(注1)MHWの中の人から、人伝に指摘いただきました

抹茶カラーのMHWジャケット

名前の通り、ハードウェアに強くて、バックパックとかテントとか、マニアックで高機能な製品が多い。ソフトグッズにも色々とユニークな製品を出していて、不思議と性能の割には値段もお安めで、僕のBC用、積雪期&マジな時用のハードシェルジャケットもこれ。

ハードシェルジャケットにはピットジップという機能が、脇の下についている。行動中暑い時には開け、冷えたら閉めるみたいに使う。ほとんどのブランドのピットジップは、左右一本ずつ、でかいのがついている。

このMHWジャケットは、ピットジップが上下2箇所に分かれていて個別に開け閉めができるのだ。ちょい暑い時は腕のほうだけ、うんと暑い時はボディの方も開けるみたいに、微調整ができる。そして、上下2箇所で分かれていることで、風が強い時に開けても、ワサワサしない。そんな、こだわりを感じさせるブランドがMHW。

自転車のブランドにも面白いのがある。

FSA という、自転車のコンポーネントブランド(パーツメーカーですね)。

なんの略か? それは!  Full Speed Ahead ……
「全速力で前に!!!」 いや…マジで? それ? www

ちゃんと前を見て走ろうね…

自転車のホイールメーカーでは、Lightweight というのもあるな。
「俺ら、チョッ軽よ?!」そのまんまやんけ!
ライトウェイトはマジ軽量らしくて、ホイールが前後で100万円くらいするらしい…

おまえら…ネーミングセンス…中学生か!www

まぁ、その、業界関係なしで考えて、名前と実態がシンクロしてて、一番好きなのは…
車メーカーのダイハツかなぁ。

「大阪発動機」が由来なんだってね。

浪花でエンジンつくってまっせ!
わてら浪花のエンジン屋ですねん、勉強しまっせ!

なんとなく、商売のやり方も、地に足がついてるような気がしませんか?

おしまい

注1 MHWの中の人から、人伝に指摘いただきました
「hardwareは正しい英語なんですが、ブランド名は造語でhardwearにしてます。
創業当時、American Hardwearというアウトドアとは関係ないアパレルブランドがあり、商標を買い取ったと聞いています。」 意外と関係する人に見られてるんね。すんませんでした、本文も修正済みです。Quiksilver も考えてみたら造語だよね。Quicksilver だとありきたりだから "c" を抜いてみました、とかね。

改めて宣言しよう、このブログの内容はすべてフィクションです。実在のブランド等とは関係ありません!w

2021年5月25日火曜日

お山のグルメ: もぐもぐタイム

山を登るとお腹が空く。

お山のもぐもぐタイムは、二つの方向性に進んでいるように感じる。一方では、ライト&ファスト的に、パワージェルとかでエネルギー補給を済ませて、基本的には休憩をほとんど取らずに進む。

もう一方では、中高齢ハイカーのグループなどだが、山頂のランチタイムを楽しみにしている人たちがいる。コロナの影響を考えて、もう1年くらい僕は山らしい山をやっていない。だから、今も「山頂ランチおばさんやおじさん」がいるのかは良くわからない、ケド。

みんなで楽しそうにお喋りしながら、おにぎりとか、卵焼きとか、タッパーに入れた果物とかを、回してシェアして食べたり。見ていてとても微笑ましいので、あの文化は廃れることが無いといいな。そんなふうに僕は思う。

僕自身は、BC以外では一人で登山することがほとんどなので、どちらかと言えば前者に近い。ダイエット目的もあるのだけれど、最低限の行動食を口にしながら、エネルギー切れちょい前を維持して登る(注1)。

ただ、たま〜に、ランチ優先の山行もしないわけではない。
あーなんだか、お米の弁当食べたいなーとか思った時とか。

普段は糖質控えてるんだ…ラーメンはたまに食べるけど www

鳥めし弁当@谷川岳

ちょっと大きめの鉄道駅に行って、駅弁を買って持っていく。グンマーエリアで僕のオススメは、高崎駅の鳥めし弁当。形が方形でパッキングしやすいし、味が濃いめで運動中の塩分補給にぴったり。

中身はこんな感じ

お肉や、鶏肉のハンバーグをつまみに、ノンアルコールビールで乾杯とかもいい(注2)。まぁ、他の駅弁でもいいのだけれど、だるま弁当とかだと丸まっちいので、パッキングがちょっとあれ。そして、釜飯弁当とかもいいんだけど、あれは容器が重い。トレーニング目的なら…ありかもネ。

最近は、お一人さまキャンプとかの流れで、カップラーメン派の人も多いみたいだ。僕はカップラーメンを食べるときは、山岳用の保温能力の高いテルモス(魔法瓶)に熱湯を入れていく。

山ラー@吾妻山

バーナーとガスボンベ、それにコッヘルももちろん持参しているのだけれど、それらは万が一のバックアップ用なので、基本的には手を付けないことにしている。

会津磐梯山を吾妻山から見る

そして、ルートとか、行程によっては、缶ビールで乾杯することもある。

山のご飯は美味しい。そして、山の一杯もまた、美味しい。

久しぶりに、山に登ってみようかな。

おしまい


注1 行動食でお気に入りなのは甘納豆。ミックス味みたいなのを選ぶと、大きいのや小さいのがいろいろ入っていて、見た目で楽しい。日持ちもするし、真冬でも凍らないし、お湯で戻すとちょっとお汁粉みたいになって、そこにお餅入れたりするとご馳走になる。

注2 駅弁は、ある程度保存が効くようにはできているはず。だけど、油断は禁物。僕は駅弁はザックの一番上に、中身が偏らないように水平にパッキングする。そして、その上に、凍らせたノンアルビールとかを置いて登る。

2021年5月24日月曜日

Ride7 桐生を走って、気がついたら佐野でラーメン食べてた

今日もどこに行こうかと迷いながら出発。一瞬だけ、榛名山か赤城山にヒルクライム?と思ったけど…結局また桐生方面に向かって走る。

今まで、桐生を走ったと言っても、実際はほぼ大間々。今日はマジ桐生の、古い街並みが残ってるところを選んで走る。

お酒屋さん


趣のある建物とか、写真を撮っていると前に進めなくなりそうw

桐生八幡宮

で、桐生川を遡って梅田湖まで上がる。この間はこのまま桐生川を遡って、三境峠を超えて草木ダムに下りた。で、その時に、サイクリストを結構見たのだけれど、ダムより上流では自転車乗りはほぼ皆無だった。で、自宅に帰ってマップを見たら、湖を横断して峠を越えると栃木県に出られる。

みんなそっちから来たり、そっち行ったりしてたのか〜

ヨシ!


今日も満水

てなわけで今日は梅田湖を渡って峠に向かって登る。斜度はわりと控えめで、のんびりと高度を稼いで行ける。

この街道にも庚申塔がそこかしこに

仏像は不動明王様が多いような気が…

ちょっと横道に入ったところにある

で、標高400mくらいで、ふと前を見たら峠に着いていた…低っ!w

なんか物足りないと思って、横を見たら林道があるので走ってみる。

これくらいなら乗車して登れるようになった

日光や桐生、尾瀬周辺は鹿の食害が酷いみたいで、植林地帯はこんな感じ。

林道はすぐに行き止まりになったので、峠まで戻って坂を下る。

お地蔵さん

本日のびっくり風景

建物の風情にくらべて看板が傷んでないのが不思議

田園風景をのんびりと下る…はずが、結構向かい風が強い。

足利に向かおうか、渡良瀬川サイクリングロードで桐生まで戻ろうか、迷ったのだけど、せっかく栃木県の佐野に来たのだから…佐野ラーメンを探して Rambling する。なんかやけに横に広い駐車場に車がミッチリ停まっていて、「中古車販売店」みたいな雰囲気の店があって、看板を見たら佐野ラーメンのお店だった! すかさずイン

やまや分店 さん

手作り餃子、食べるよね

チャーシューメン食べるよね

普段スープは健康のために残すのだけれど、なんか…このスープはすいすい入ってくるね。

今日は汗もかいたので、ついついスープ飲み干してしまいましたw

麺は柔らかめで、薄くて幅があって、ヒラヒラって口の中に飛び込んでくる、佐野ラーメン的なヤツ…佐野ラーメンだからね…

ラーメンの麺は、腰が全てだ! そんな風に、思っていた時もありました。が、こんな優しいフワツル麺もしみじみ美味しいと思うようになったのは、多様性を受け入れるようになったということかも。小麦の味も豊かに感じて、繁盛店なのがよくわかります。ごちそうさまでした。

さすがにお腹いっぱいになったので、グンマー國の中南米?タウンがあるあたりをかすめながら利根川に出る。道中は、面白い店、レストランがあって、看板には英語ではない言葉でいろいろ書いてある。

平日の利根川サイクリングロードは貸切状態なので、心拍数140+αを保って巡航トレーニング…
スピードはさほどでないのは、僕が弱いせいではなく、グラベルロードの太いタイヤと重い車体のせいに違いない。

竜宮城の言い伝えがある小さな神社

ちょっと寄り道をして、こんな感じで終了しました。



 そういえば、今シーズン、平均時速20キロ超えた日ってまだ無いかもwww

遅っ! まぁ、自転車散歩だからいいかw

おしまい

2021年5月23日日曜日

備えよ常に: ツェルトとかシェルターとか

それなりに登山に親しむ人なら、ツェルト(ザック)を知っているだろう。簡単に言えば、簡易的なテントだ。

フォーカスト・ビバーク

普通のテントと違うことはいろいろあるけれど、いちばん大きな違いは、底布が割れていること。底が長辺方向に割れているので、そこから中に潜り込んで、シェルターとして使うことができる、こんな感じで。

外は暴風雪だけど中はポカポカ

低温下でも、行動中は暑くなる。汗をかくくらい暑くなるようだと、汗冷えから低体温症になる危険がある。だから、ラッセルとか強度の高い運動をする時には、肌寒いくらいの薄着が基本。

しかし、休憩とか、停滞する時に薄着のままでは、あっというまに冷えてしまう。そこで、フリースとかダウンジャケットとかを着ようと思うのだが、雪とか雨が降ってたりすると、「濡らしてしまったら命に関わる保温着」を出すのは躊躇する。それに、ジャケットを羽織るには、手袋を脱いだりとか、いろいろやることがあるし、下半身の保温はできない。

そんな時に、ツェルトをさっと出して被れば快適に過ごすことができる。メンバー全員が出す必要も無い。3人パーティなら、一人が出せばいいし、4人なら2張り出せば快適に過ごせる。

メーカーとモデルによって違うけど、一人が泊まれて、2〜3人が並んで座って休憩できるやつなら重さはこんな感じ。

500ml ペットボトルくらいの重さ

で、僕はツェルトを数年前にシェルターに切り替えた。だって…ツェルトをテントがわりにして泊まるってこと、随分してないし。シェルターとしてしか使わないなら、それ専用のヤツが良いんじゃ無いかって考えたんだ。

透明窓があって、外の様子が確認できる

エマージェンシーオレンジのシェルと透明窓のおかげで、中はとても明るい。二人が向かい合わせに座って荷物は外に置けば、中でお湯くらいは沸かせる。単に暖を取るだけなら、横並びで3人入れる。

二人並んで快適に過ごせる

テッペンにチョコンと筒状の出っ張りがある。ここにスキーポールのグリップを入れると、内部のスペースを広く確保できる。

これは Rab というブランドの一人用で、重さはこれくらい。ツェルトとは違って、そもそも床面の布地が省略されているので、ツェルトよりもさらに軽い。

カバーは一体化されている

ただ、嵩はツェルトよりも2回りくらい大きい。
透明窓とかのギミックでかさばる

太さも2回りくらい大きい。これは生地の厚みのせいもあって、ツェルトは超薄手、シェルターはやや厚みを感じる。

収納カバーのこちら側がメッシュなのは、ベンチレーションになるから

ちょっとしか重さが変わらないのに、こんなにパッキングサイズが違うならツェルトのほうがいいよね?って?それはそうかもしれない。

でも、実は盲点があって、ツェルトをこのサイズにパッキングするには、熟練の技が必要になるんだ。どこからどんな手順で丸めていくと、うまく空気が抜けるか考えながら、緩まないように小さく丸めていく。そしてスタッフバックに収めて、体重を乗せてギューーーって締め付けてこのサイズ。

で、そうやってパックすると、スタッフバックから出すのも大変。冬用のグローブしてたら、イライラするくらい大変w

そして、しまうのが面倒だから、「できるだけ使わない」ようにしてしまう。

で、僕は、発想を転換した。きちんと丸めてバッグに入れるってことをやめた。

冬用装備って、スノースコップとか、アバランチプローブとか、形が決まっているものが多い。バックパックにそれらを詰めていくと、隙間ができてしまってパッキングの形が決まらない。そこで、それらの隙間、スコップのブレードと、ハンドルの間とか、プローブの横とかに押し込んできれいな形を作ってあげる。

バックパック全体を、スタッフバッグとみなしてしまう

こうやっておけば、スタッフバッグにきちんと収める必要もないし、片付けが苦にならないから、ちょっと寒い時にサッと出して使うことができる。

過去の遭難事例とか見ていると、こうしたシェルターをうまく使いこなせていればってケースも結構ある。ツェルト持ってるのに使わないで、低体温症で亡くなってたりもある。夏山でも、高山帯とか、北海道・東北とかではいつでも低体温症のリスクがあると考えて、やばくなる前にサッと出して使えるように備えることをお勧めします。

ツェルトとシェルターのどちらを選ぶかだけど、簡易的なテントとして泊まることがありえるならツェルトがいいと思う。そして、シェルターとしてしか使わないなら、それ用のやつ。Rab には、これ以外にも4〜6人用というサイズのもあるし、他のメーカーからも、いろいろ出ている。

で、買ったらコンディションが悪い時に試してみようね。スキー場とか、安全が確保された状態で、風雪が厳しい時とかに被ってみる。風で持ってかれないように、バックパックから出して潜り込む手順とか、実際のところ何人まで快適なのかとかね。

皆さんもどうかご安全に。

おしまい

2021年5月22日土曜日

Ride6 犬と熊に会ってきた

僕のグラベルロードバイクは、Ridgeback というイギリスのブランドだ。モデル名は Ramble  、「(あてもなく)ブラブラ歩く」という意味が、僕がやりたいバイクライフにぴったりだと思って買うことにした。

で、今日もブラブラと走り出して、草木ダムまでヒルクライムして、ダム湖を反時計回りで周回してきた。

草木ダムの左岸には、こんな奴らがいる。

君ら、くつろぎ過ぎ…

今日はなんだか変な日だった。ダムまで上がる道の途中で、「典型的なオタクファッション」の方が、左手でぬいぐるみを持ち、右手のスマホでぬいぐるみのいる風景を撮っていらした。一瞬振り向いて、坂を登る僕と目があったのだけれど、そのまま撮影に戻られた。

で、この犬と熊のいるところの駐車スペースには、ホンダの赤バッジが停まっていた。ふと見ると、白黒の犬の、顎の下に顔を埋めながら抱きついている、「典型的なオタクファッション」の方がいらっした。

僕は大人なので、それ以上そちらに目線をやらず、バイクを柵に寄せ掛けて写真だけ撮っていた。そのオタクさん#2は、そっとホンダの赤バッジに乗り込んで去って行った(注1)。

左岸展望台から望む満水の草木湖

草木ダムの左岸は地形が複雑で、地味にアップダウンが激しい。右岸に渡る橋が何本かあるので、そちらに逃げたくなる。でも、まぁ、今日は周回して帰るだけだし、と自分に言い聞かせてペダルを踏む。

橋のたもとには、「早まるな」的な看板…

そのまま左岸道通しに進んで、わたらせ渓谷鐵道の沢入駅(そうりえき)に着く。

沢入駅の駅前商店街をご覧ください

わたらせ渓谷鐵道の沿線は、過疎化を感じるし、地味で、パッと見は活気の無い山村風景が続く。でも、道路や公共施設(駅、公衆トイレ、道路)の清掃状況がすごく行き届いている。地域の皆さんが、自分たちの住まう場所を愛していることが伺えて、僕は好き。

沢入駅と駅前ロータリー

今は端境期なのだけれど、花の季節になると、駅前は色とりどりの花を植えたプランターが並ぶ。わたらせ渓谷鐵道は、。歴史のある桐生と、足尾を結ぶ単線鉄道で、「わ鉄」と略される。わ鉄の沿線、Ramble したことなければ、ぜひ行ってみてください。

単線の 「わ鉄」沢入駅のホーム待合室

足尾まで行こうかと思っていたんだけど、変な雲が湧いてきていて、嫌な風が吹き始めたので帰る。今にも雨になりそうだったけど、なんとか無事に大間々まで降りてきて、ずっと気になっていたここにチェックイン(注2)。

双葉食堂の貫禄

あービール飲みたい!ノンアル飲みながら鉄板が温まるのを待つ。

年季の入った厚手の鉄板

カシラと、ロースと、ハツをそれぞれ1人前。ピカピカ光ったイキのいいお肉が到着。

鮮度いいよね

んで、鉄板でジューって

煙も味のうち

初めて立ち寄ったけど、お気に入りになりました。別席の若者はソースカツ丼を頼んでいたし、ソースカツ丼の持ち帰りのお客が結構な人数来店していた。次はそれかなw

ちょうど100km&1,000m

僕のバイクを買った時についてきたホイールは、ヤバイくらいに重かった。Ramble はグラベル走れるツーリングバイクというコンセプト。ガタイのでかい欧米系の人が、荷物積んでグラベル走っても壊れないように組んだホイールなんで、重くて当たり前。

で、最初はヒルクライムが辛すぎて、カーボンリムの軽量ホイール&チューブレスタイヤを買って、その快適さに溺れていた。その軽量ホイールのスポークが前回、一本飛んじゃって乗れなくなった。で、今日はもともとの鉄下駄ホイールで出動。死ぬかと思ったら…なんか普通に走れちゃって…強くなってるってことかな??あ、体型が欧米化してるだけか??wwwwww

注1 ちょっと古いスバル(5ナンバーサイズのレガシーや、羽のついてるインプレッサ?)と、ホンダの赤バッジシリーズのドライバーには、変人、オタク率が高いと、偏見を個人的に思っています。害は無いので、個人の自由なんですけどね。

注2 榛名地域の山木屋 さんと同じ匂いがする、地元に愛されるパワー系。あちらは炭火で網焼き。こちらは厚手鉄板でプロパンガスコンロ。いちばんの違いは、こっちには丼物や麺類メニューがあることかな。

2021年5月21日金曜日

備えよ常に: ハイキングシューズ

僕は友達に恵まれている。

SNSでつながっている友達の中には、この人とあの人は合わないだろうなって、なんとなく思うような人もいる。直接会ったらダメ、なのに僕とは繋がっていてくれる。

すごく面白いなって思うのは、すぐに親しくなって、良い関係がずっと続く人がいる。同時に、最初はなんとなく距離があって、別に親しい感じでは無いのに、気がつくと強い信頼関係で結ばれている人もいる。中には、最初から最後まで、まったく合わない人もイルケドネw

山の道具にも相性がある。最初からすぐに馴染んで仲良くなれる奴。ライトハイキングシューズみたいな奴らかな。

最初に履いた時から、まったく当たるところもなくて、あくまでもソフトに、かつしっかりと足をホールドしてくれる。まぁ、その、パッキングウェイトが15kgを超えるようになってきたりすると、流石に踏ん張りが効かないケド、もともとそんな用途じゃないしね。


つま先に注目

昔は布製のハイキングシューズって言ったら、帆布製か、良くてナイロン。雨が降ったり草露であっという間にグシュグシュに濡れてしまう。でも、最近のはゴアテックスのブーティがラミネートしてあったりして、長靴クラスの防水性能があったりする。

ただ、ひとつ大きな問題があって、ミッドソールから加水分解でベロリンチョって剥がれることがある。

僕は、これ、一度だけ経験がある。

わかりやすいように、ペグを支えにして広げてみた

某一流メーカーの、ゴアテックスブーティーライナー付きのハイキングシューズ。アッパーは柔らかすぎて、ソールにはシャンクも入っていない、ヤワヤワのシューズ。でもまぁ、見かけはいいし、水は入らないし、軽いし、せっかく買ったので使っていた。

で、春先に赤湯温泉から苗場山日帰りに行った時に剥がれた。山頂湿原に出る直前で剥がれ始めて、木道に上がった時にはもうつま先がカポカポ言い始めてた。

このルート、春先はまだ雪が残っているので、キックステップをしていたのが良くなかったのかもしれない。それか単なる経年変化なのか。ともあれ、とりあえず山頂まで行ってすぐに引き返す。

下りで使うのはかかとで、そっちはまだ加水分解が進んでいなかったのがラッキーだった。その時持っていたダックテープとか、ポリ袋とか、とにかくいろんな物を使って下山できた。

で、つくづく思ったんだけど、

別れたいなら、事前に匂わせてくれよ
 
こころの準備をさせてくれ。

さっきまで、仲睦まじく過ごしていた。何の不満もないと思っていた、お互いに。それがいきなり、腰を決めた平手打ちというか、掌底打ちを決められて、

「これ以上付き合えるかボケ!」
「あとはええようにしとってやー!」

みたいに去って行くのは無しにしてくれ。

で、僕は、欠点はいろいろあるものの、ここぞと言う時に履いて行くのは昔ながらの登山靴だ。ビブラムソールと、頑丈な皮革製アッパーを、昔ながらの製法で接着と糸で繋ぎ止めたヤツ。

こいつらは重い、油断するとカビる、どんなにワックスとかアマニ油とかで防水しても、わりと速やかに浸水する。そんでもって、一度濡れるとなかなか乾かない。そして、含んだ水の分だけさらに重くなる。なによりも、簡単には僕を受け入れてくれない。最初は靴ズレが必ず起きる。

左 先代、右 後継者

メリットは単純で、重いのでキックステップがバチ効き。
そして…イキナリの別れがないと言うこと。

先代は20年くらいの酷使に耐えて引退した。最初はハトメ飛びが2件あって、ソールはすり減って3回張り替えたけど、やばいトラブルは本当に皆無だった。最後は、ソールを貼り付ける革製のミッドソールが薄くなってしまい、それ以外にも小さな穴がいくつか空いたので引退させた。で、後継者たるブーツを徐々に育てている。

残雪の黒戸尾根、テン場でくつろぐ

春から秋はどうなんですかって?そのくらいの季節なら、僕はだいたい運動靴で歩いている。濡れたってすぐに乾くから、ゴアテックスはいらない。加水分解を考えると、毎シーズン買い換えるのがベストだから耐久性はそこまでいらない。その代わり、毎シーズン気軽に買い換えられる値段であって欲しい。

人によって登山に求めることは違う。だから、使う道具は人によって違うのが当たり前。

ま、原点に戻ると、どんな靴を履くかは手段であるはず。目的は、自分が登りたいところに登って、安全に降りてくることのはず。その辺を見失わないようにしつつ、念のために、ブーツのソールを思いっきり剥がそうとしてみてください。

そして、この投稿を読んでチンプンカンプンな人は、ローカルの登山専門店で助言を受けて買うのがいいと思います。