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2021年5月20日木曜日

お山のグルメ 芳ヶ平ヒュッテ

僕が芳ヶ平ヒュッテに通うようになってから、かれこれ20年くらいは経つ。ヒュッテはS堀夫妻によって清潔で居心地の良い雰囲気が保たれている。そんな空間に魅かれて、冬も夏も訪れている。

薪ストーブが待っている

ヒュッテは、草津から登ったところ、志賀高原渋峠からは降ったところにある。芳ヶ平は、ラムサール条約にも登録された、世界的にも珍しい高原湿地帯。そこの片隅に、ポツンと立っている。

ヒュッテの横を通るとこんな感じ

ヒュッテは登山道の途中にあって、湿原は木道を歩いて散策ができる。

木道を散策すると見える池塘群

この辺りは標高も高く、湿原から見える稜線を横切る国道には、「日本国道最高所の碑」がある。標高が高いので、気温も低く、夏は涼しく冬はいい雪が積もる。S堀さん夫妻はテレマークスキーヤーで、荷物の運搬や買い出しなどにもスキーで出かけていた(注1)。

雪に閉ざされた湿原に見える赤い屋根

昔はGPS機器もなく、スマホの地図アプリなんてものもなかったので、ガスや風雪で視界がないと、ヒュッテを見つけるのにはちょっとしたコツが必要だったりした(注2)。

BCスキーヤーの聖地

このヒュッテを紹介するのに、僕が適役だとは思わない。だって、ここに泊まったことが無いのだから。噂では、快適なシャワーがあって、チリ一つ落ちていない客室に、サラサラの肌触りがいい寝具があり、周囲に何も無い山小屋だとは思えない夕食と朝食が出るらしい…食べたことないけどw

で、そんな僕が、なぜグルメ投稿で芳ヶ平のことを書くのか?それは、パスタランチがあるから。

ある日のパスタ大盛り

場所柄、具材とか味付けはお任せになる。そのときにある食材で一番いい組み合わせを、お母さんが選んで作ってくれる。苦手なものとかアレルギーがある場合には、相談するか、事前に予約をしておいたほうがいいかもね。

ある日のパスタ大盛り

僕は日帰りでヒュッテを訪れ、ビールを飲んでパスタを食べて、お父さんのコーヒーを飲んで帰る。そこは地形的にBCスノーボーダーには辛いところで、S堀さんたちがスキーヤーなので、スキーのお客さんが多いかな。いろいろな面でゆとりのある、大人の、感じのいい人たちが多く、そこを去るのが名残惜しくなるときも多々ある。

ラウンジでの語らい

芳ヶ平で泊まらないのかって? 泊まるよ…雪洞とかテントとかでねw
ヒュッテの脇はテント指定地になっている。そして、ヒュッテの清潔なトイレを借りられる。僕たちは、テント受付だけ済ませておいて、ランチタイムを楽しむ。そしてお父さんお母さんが、泊まりのお客さんのための準備を始める時。または、泊りのお客さんがヒュッテに到着し始めると、頃合いを見てお会計を済ませて外に出る。そして、僕らのねぐらに戻って、宴会を始めるのだ。

インテリア諸々、ついつい写真を撮りたくなる

グルメって言う時、食べ物の味ももちろんなんだけど、環境とか、接客とか、諸々を含めての「味わい」が重要なんだって言うよね。

集う人が自然に笑顔になる場所

僕は思うんだけど、芳ヶ平ヒュッテは、笑顔も味のウチに含まれている。S堀夫妻と、そこに集う人と、僕自身の笑顔。そこにいることで自然と微笑んでしまうような。

パスタは作る人に似るって言われるけど、確かにここのパスタは、まったく戦わない。やさしくて、すっと消えて行く優しい味がします。

で、僕らBCスノーボーダーとかスキーヤーって、冬場に好き勝手遊んでる人達じゃないですか。で、僕らはスキー背負ったり、ボード背負ったり、荷物背負って山を登るの得意じゃないですか?

だから、梅雨明けくらいに、家族を連れて、草津あたりからハイクアップしてヒュッテに行くのって良いんじゃ無いかな。冬の間、寂しい思いをしていたかもしれない家族は手ぶらで、荷物は僕らが背負うの。そして、ヒュッテに泊まって、木道を歩くの。

草津からロープウェイを使って入山できなくなったから、No密で穏やかなハイキングができると思います。

おしまい

ーーーーー

注1 以前は、草津国際スキー場のゲレンデトップから少しハイクすると、そこから芳ヶ平に滑り込めた。だからヒュッテから滑って下山して、買い出しして、ゲレンデトップまで上がって滑ってヒュッテに行くなんてこともできた。ところが、草津白根山がいきなり噴火し、噴石で死傷者が出る事故が起きた。その影響と老朽化で、ロープウェイが廃止されることになり、スキー場の上部エリアは閉鎖になってしまった。その結果、芳ヶ平に行くには、草津からハイクアップするか、志賀高原渋峠か万座から滑って行くことになる。滑って行くということは、当然、帰りはハイクアップしないと帰れない。

注2 具体的には特徴的な地形を覚えることにある。沢筋がどんなふうに通っているか、丘や窪地がどの辺りにあるか。

2021年5月18日火曜日

お山のグルメ 位ヶ原山荘

山で食べると、なんでも美味しい。

特に冬山。熱い汁物をフーフーしながらススル。
汁が冷え切った体の芯に染み渡る。その汁に麺が入っているなら、言うことないね。

あれは乗鞍岳のBCに初めて行った時、位ヶ原山荘でうどんを頼んだ。それが気に入って、BCでタイミングが合えば頼むことにしている。晩秋に一人自転車でヒルクライムに行った時も頼んで、かじかんだ手を丼で温めながら、うどんをすすった。

位ヶ原山荘のうどん 一個の梅干がアクセント

ここのうどんは乾麺で、稲庭うどんのような姿と喉越しだ。上品に細くて、ちょうど良いコシがある。かけ汁は関西の影響があるのだろうか、関東にくらべると色が薄めで出汁感が強くて美味しい(注1)。

僕は新卒で就職活動をしていた時、ある関西の会社に内定をいただいた。で、内定者の顔合わせがあるので、来てくださいといわれて赴いた(注2)。

時間が中途半端だったので、街の蕎麦屋でうどんを注文した。着丼して汁の透明感にびっくりし、食べてさらにびっくりした。こんなお出汁がしっかり味わえるうどん、初めてだ。これは関西人が北関東のうどんをバカにするのも無理ないなって。(ざるうどん、汁にちょっと浸けて啜るうどんは、関東のも負けてないとは思うけどね)。

一番手前左がテラちゃん

このときは雪山宴会部の Re-Union だったな。ゲストスキーヤーのテラちゃんも一緒で、富士見沢を滑って山荘へ。

湯気も味のうち

テラちゃんが興奮する

部長、湯気でメガネが曇って味が見えません
なんだそれ、味が見えないってw  メガネ外せよ
メガネ外すと、近眼なので味が見えません 
部長は大丈夫なんですか?コンタクト?
いや、俺は前コンタクトだったけどレーシック
レーシックですか…お金持ちだったんですね (ほっとけ) 


彼はメガネを外して、丁寧に湯気を拭う

部長、メガネを拭いている間に麺が伸びてしまいそうで不安です
そーゆー時は、素早く拭くんだ、素早く。

いいことを教えてやろう。
丼に向かう前に、息を思い切り吸っておくんだ。

??

で、息をふーーーって吹いて、湯気を吹き飛ばしながら丼に近づく
そして目的のものを箸で掴んで、速やかに口にいれる
そして、メガネが曇らないように素早く遠ざかりつつ啜り込む

オォーーーなるほど
つまらない知識は豊富なんですね!(ほっとけ)

部長!! 息を吹きながら近づいたら、箸で梅干を突き落としてしまいました!!


僕、意外と梅干好きなんですよ〜困ったなーどうしようかな〜 

ビールを飲んで心を落ち着ける

どこで何を食べた時に、誰々があんなバカなことを言っていたな。そんなふうに、振り返る思い出がある。そんなあれやこれやが、僕の人生を豊にしてくれている。(あ、ちなみに上のテラちゃん発言はフィクションです)。

富士見沢を振り返るタッちゃん

今シーズンもタッちゃんとBCに行けなかった。
位ヶ原山荘、この冬は行けなかった。

早く雪が降らないかなぁ

おしまい

注1 僕が生まれ育った北関東は、食べ物の味が濃い。僕の奥さんは東北出身で、あちらも味は濃いはずなんだけど、彼女に言わせても北関東の味は濃いという。だから、関西の人とかに言わせたら、「あんさんたちが食うてはりますのんは、二本足の生きモンにあげるもんとちゃいまっせ」みたいな感じなんかね、知らんけど。

注2 この内定がなぜどうやって無くなって、別の会社に入社することになったのか。これにはすごく面白い話があるんだけど…とても書けないので省略。

2021年5月17日月曜日

Ride5 赤城山周回反時計回り

天気予報がなかなか確定しないけど、明日からしばらくは雨予報が続く。なので走れるうちに走っておこう。今日もとりあえず桐生方面に走り出す。

一昨日、素通りしたお店の前に出たので、ちょっとじっくり看板を読んで見る。今度寄ってみようかな。

モツ煮といえば、魚喜、永井食堂なんだけどね…
多分オーナーはオートバイ好き?

そして渡良瀬川の左岸道を上流に向かいながら、さてどこに行こう。佐野に抜けてラーメン?いや、帰りが大変になりそうかな。足尾銅山?去年も行ったしな。

で、コロナ騒動もあるので、とりあえず県またぎはやめて赤城山周回へと進む。水沼駅の近くで右岸に渡り、少し下流に下がったところからヒルクライム開始。最初はかなり傾斜が急で、途中、短いけど 10% 〜 9%の急坂も待ち構える。でも、なんだか、今シーズンは調子がいいので、淡々と登る。

途中で赤城神社と、そのすぐ脇にある道祖神にお参りする。

赤城神社の脇の手繋ぎ双体道祖神

ラブリー
いくつもある赤城神社でどちらかと言えばマイナーな…

この辺りは、ポイントポイントで気になるお店がある。こんな豆腐屋さんとか。さらに先に進むと ろぐてい (ログハウスのレストハウス)さんとかね。立ち寄ったことはないんだけれど…

自転車で豆腐持ち帰りは難易度高め…

今日も天気がどうなるか読みきれないのと、まだ朝なのでとりあえず先に進む。

で、沼田に出て久しぶりに金重さんでドリームポーク(熟成肉)のロースカツ定食。


肉厚、低温2度揚げ、ジューシー

トンカツは、最初の一切れを塩で食べるようにしている。ただ、本当にそれが美味しいかって言うと、わりと微妙なお店も多い。金重さんのトンカツは、うまく表現できないけど、塩で食べるのがおいしいヤツ。

週末は大混雑だけど平日の昼過ぎは待ちなし

お腹膨れたので、いつもの裏道を使って渋川までのんびりと帰る。渡良瀬川の左岸道と同じような、幅員が狭いせいで極端に交通量が少ない道。こーゆー道大好き。

歴史のありそうなトンネルを抜けていく

この道だいすき

今日のログはこんな感じで、最高標高地点は1,000mあるので、かなりいい運動になりました。 

消費カロリーは 2,450kcal だそうです


大ショックなのは、帰宅して洗車してたらホイールから異音がする…
スポークが一本飛んで、ニップルがリムの中でカランカラン言っている。

いつ飛んだのだろう??
ディスクブレーキなので、リムがフレても走れちゃうせいか気がつかなかった…

リム穴と、折れたスポーク

またお金がかかるなぁ & 持ち込み修理をやってくれるところを探さなければならないのか…

メンテナンスでホイールだけは経験がないんだよね…

2021年5月16日日曜日

HAPPINESS AOKI

人生は不思議だ

今から20年ちょっと前、ある理由で僕は仕事を失い、「ある意味安定した生活」を失った。

僕は、好きな事と仕事を、あえて分けようと考えていた。好きだからこそ頑張れるってのはあるだろう。だが、好きは盲目って言葉もある。なにより、僕が好きな事、スポーツとかね、その業界で僕がやっていけるイメージは全くなかった。だからこそ、自分の好きなところとは全然関係のないところで仕事をしていた。

ところが、仕事を失い、次の仕事のアテも無く、さてどうしようかと思いながら就職活動を始めた。そして、僕は、それまであえて見ないようにしていた、僕のスキルと趣味にピッタリの仕事を見つけた。

人生は不思議だ

で、僕は、自分が好きな世界と、一体化していたその会社に潜り込み、同じような仲間と出会った。そして、僕は雪山宴会部というゆるい集いを立ち上げた。

創設メンバーの一人、アオッキーについて書いてみよう。怪我の王様という投稿でちょっと書いたのだけれど、彼が衝撃的なデビューを飾った合宿がある。その打ち合わせで僕は彼にこう尋ねた。

アオッキーってさ、バックカントリースキーはどれくらいやったことあるの?
山スキーを三回です(注1)

そうだ、その時は部の道具を借りたのです。自分は山スキーの道具がありません。
じゃぁ、俺の使ってないテレマークスキーの一式があるから使ってみる?
助かります (注2)

その時は雪洞か避難小屋で泊まって、周辺を滑ろうという計画だった。当然だけれど荷物はでかくて重い。そんな合宿に平然とした顔で、「参加させてください」って言うんだから、相当イケてるスキーヤーなんだろうなって僕らは思っていた。

ゲレンデトップに行くまで、リフトの乗り継ぎで彼は何度か転んだ。ん?とは思ったけど、イケてるスキーヤーであっても、20kgオーバーの荷物を背負って、初めてのテレマークだし、人から借りた道具だし、それほど不思議ではないとは思っていた。

ずっとひたすらボーゲンしかしないのは、ちょっと妙な感じもしたけれど。

で、山に入ってラッセルして、最高のドロップポイントについて、僕らはシールを外すと一人ずつパウダーに飛び込んで行った。

アオッキーは開けた場所に直滑降で加速していくと、もんどり打って転倒した。

荷物がでか過ぎて、立ち上がれず、彼は雪の中でもがくとバックパックを外した。そしてあらためて立ち上がって、バックパックを背負い直すと…
次の開けた場所に向かって加速して、またもんどり打って転倒した

僕らは彼のところに集まって、声をかけた。

大丈夫か?どうした?
いやー、スキーって楽しいっすね。
スキーって、歩いたり登ったりするだけのものって思ってましたから!

アオッキーは、スキーの経験自体が、山スキーの3回だけだった…
彼のスキー経験は、単にスキーでラッセルして入山して、泊まって、ラッセルして帰ってくる。それを3回やっただけで、ゲレンデでみっちり練習したことすらない。

で、彼は、ターンができないので、ひたすら直滑降か斜滑降をして転び、もがきながら立ち上がり、方向を変えてまた滑って転ぶ。下から見ると、彼の滑ったあとは綺麗な稲妻型になっていた。

ターン弧 皆無

普通の感覚ならば、辛くてたまらないはずなのに、彼はニコニコ笑いながら立ち上がってくる。何度も何度も、顔中雪まみれで立ち上がってくる。耳の穴から鼻の穴まで雪が入り込み、ゴーグルなんか役に立たず、ウェアの首筋まで雪でみっちり埋まっている。で、彼はニコニコ笑いながら言うのだ。

バックカントリーテレマーク…最高っす

ある場所にある冬季だけ入れる避難小屋

僕らは避難小屋で泊まることにした。緊急用に薪ストーブはあるのだけれど、氷雪で煙突が埋まっているので火が着けられない。そこは標高も高いので、夜はマイナス15〜20度くらいの寒さになる。

で、僕と石デーラさんは転職組で、それなりの収入もあったので、厳冬期用の寝袋を持って行った。この間まで学生だったアオッキーは、予算に乏しく、ペラペラのスリーピングバッグを持ち込んでいた(注3)。

日が出て、生きてることを実感する

で、寝袋の下に敷くマットも、僕たちはサーマレストとかの分厚くて保温力があるやつだった。予算に乏しいアオッキーは、お風呂マットを切って持ち込んでいた(注4)。

こーゆーのがお風呂マット

で、しかも、そのままだとバックパックに収まらないので、背中がギリギリ乗るくらいの面積に切り詰めてある。寝る時は背中と尻だけこのマットの上に乗る。脚は中身を出したバックパックの中に突っ込み、頭は何か適当な物の上に乗せて、冷たい地べたや雪から離して寝る。

おい、その寝袋…大丈夫なのか?冷えるぞ?
あー、まぁ、部の合宿は一年中これなんで大丈夫っす。シュラフカバーもありますし。
風呂マットも随分横幅を切り詰めたな、それじゃぁ腕を置く場所が無いだろう?

その言葉を聞いて、僕も風呂マットを使っていたことがあるということに気がついたみたいで、彼は笑って言った。

大丈夫っす、腕を組んで寝ますからw
そうそう、腕をサイドに下ろすと、肘とかが地べたについて寒いんだよな!

そんな話をしながら、彼のお風呂マットを見ると、表面に細かい模様がある。顔を近づけて見ると、アルファベットで何か書いてある。

HAPPINESS HAPPINESS HAPPINESS HAPPINESS HAPPINESS ……

これから迎える夜、激しく寒い避難小屋で、ぺらぺらの寝袋で寝る彼。
そしてこのハピネスという言葉のギャップ萌えが、新たな伝説を生み、その時から彼は「ハピネスアオッキー」と一部では呼ばれるようになった。

おしまい


注1 普通はゲレンデスキーが中上級くらいになるくらいまで練習して、それから山スキーを始める。だから、山スキーに3回出かけているということは、当然それなりのスキーヤーであることになる。

注2 彼は某名門私立大学のWV部の部長をやっていた。あまりにもそれにハマってしまって、留年した。看板学部卒なのに、留年している間に日本はすっかりバブル後の不況に突入し内定を取れず、ダメ元で応募したその会社に潜り込んでいた、新卒でw。

注3 ダウンでモコモコの厳冬期用寝袋は、マイナス15度くらいなら、半袖短パンでも十分に暖かい。アオッキーのは、春〜夏〜秋のスリーシーズン用で、使い込み過ぎてロフトを失っていた。普通なら0度前後が耐寒下限みたいなやつ。

注4 お風呂マットは保温力が高いのと、水を吸わないので、山屋にとってはわりと一般的なalternative choice ではあった。









2021年5月15日土曜日

Ride4 桐生のダム湖二つを巡る

前回平地中心でのんびり走って、それはそれで楽しかった。だけど、やっぱり僕は山を走るのが好きだってことを再確認した。 

で、今日も桐生方面に進んでヒルクライム。今日はいくつか新しい試みをしてみた。

今日イチ写真 双体道祖神が亀ちゃんに乗っている

新しい試みとは、サイクルトレインの活用。上毛電鉄線というローカル路線がある。2両編成の路線で、後部車両には自転車を「そのまま」持ち込める。

基本単線の上毛電鉄、1時間に2本走る

僕は8時ちょい過ぎに乗ったのだけど、混雑具合はこんな感じ。ちなみに、乗車したのは無人駅で、客車入り口で整理券を取る。で、無人駅で降車する時は乗務員さん(ワンマン)に料金を渡す。有人駅の場合は、改札口で精算。まぁ、その、電車なんだけどワンマンバス。

ノー密空間

話は変わるけど、昔、日本の住宅事情があまりにも貧しくて、Rabbit Hutch と呼ばれていた。日本がバブルで、Japan As Number One みたいな本がベストセラーになってた頃。

エコノミックアニマルの日本人は、稼ぐだけ稼いでるくせして、ウサギ小屋みたいな家に住んでる、みたいな感じで揶揄されていた。そんなことを、ふと、走りながら思い出した。
 
空室あるそうです

終点の西桐生までサイクルトレインで移動して、桐生川を遡る。ダム湖の梅田湖を通り過ぎてそのまま奥へ奥へと上流に進む。

夫婦の双体道祖神て、全国的には珍しいらしいね

この辺りも歴史がある道で、祠とか、石像とか、道祖神とかに見守られながらヒルクライム。

綺麗な流れを左右に見ながら走る

前回来た時は、豪雨被害の後で、道路には落石とか倒木とかモリモリ。そのせいか結構大変だった印象があるんだけど、今日はふと気がついたら峠についていた。三境林道の峠は標高800m ちょい。この間小平鍾乳洞から草木ダムに抜けた峠よりも、こっちのほうが標高300m くらい低いし、激坂も無いし、走りやすいな。オススメです。

三境峠のトンネル

この辺りは熊が多いらしい。前回来た時は峠の手前で子熊を見て、慌てて逃げた。ニホンジカもいて、コーナー回ったところでばったり鉢合わせした。で、今日はモバイルスピーカーで音楽大きめに流しながら走る。

草木ダム

峠を越えて、前回はサンレイク草木に降りたので、今回は神戸駅方面に下る。ダム下左岸道の途中に飛び出たので、ダムまで登り返す。


満水

今年の自転車シーズンは立ち上がりが順調で、脚が良く回る。2時くらいに帰宅しちゃったので、家犬のM君と庭で遊んだり…

取って来い好きな老犬12歳

これからシーズンを迎えるエアコンのお掃除をしたり。
高いところなので、安全確保はきちんと

ほんでもって、今日も奥様と楽しくBBQ
サーモンハラス

来週から天気が優れない予報のせいか、ダム湖周辺ではサイクリストをたくさん見かけた。

二つのダム湖の間の林道とか、山の奥は全然人がいない。路面は荒れてたりするけど、僕は山奥でのんびりペダルを回しながら坂を登っていくのが好きだな。

やっぱり、自転車って楽しいね。

2021年5月13日木曜日

怪我の王様

まだまだ書き足りないスノー系の投稿だけど、流石に旬を過ぎつつある。下書き投稿が残ってるのだけど、どうしてもアップしておきたいことを一つ。

僕はスキーとスノーボード、両方で怪我を経験した。で、それぞれの典型的な怪我ってずいぶん違うよねって感じている。スキーの怪我は、下半身が中心。スキーの場合は、転ぶ時はお尻からスライドするようにダイブする。そして、スキーが斜面とか雪に食い込んで、足をひねる。

Skier: Aochan

写真はかっこいいけど、アオちゃん、さりげなく転んでる。

この時、彼はスキー4回目くらいで、バックパックは70Lパンパン。そして、僕のテレマーク板を履いて(注1)急斜面のパウダーに突っ込んで行ったんだから、そりゃ…転ぶよね。

ゲレンデスキーのバインディングは、セーフティリリースが進化している。きちんとセッティングされていれば、やばい時は外れてくれるから意外と怪我はしない(注2)。

Skier:  Koji

テレマークも、革靴にスリーピンバインディングの時は、目立った怪我はなかったように思う。やばい転倒の時には、勝手に外れてくれていたし、ブーツがしなって衝撃とかねじれを吸収してくれるから。ただし、革靴は靴擦れに泣かされた。林道歩きとか、キックステップが長いとか、まだブーツが馴染んでいない時とかね。特に、かかとのマメはやっかいだった。

これを繰り返すと、かかとの耐久性がアップする

テレマークバインディングで、ワイヤー式のやつ(G3とか)も、強い負荷がかかると外れてくれるので安全だった。最悪なのが、Black Diamond とかのハードワイヤー。あれは剛性が高いのが売りだったんだけど、転倒すると衝撃が全部膝に来て、なんども痛い目にあった。そして、怪我する前に捨てた。

Skier: Hataccky

最近のMTN?NTN?とかは良くわからない。流れどめはパウダーだけになり、ゲレンデではストッパー(スキーブレーキ)を使うようになっているみたいだし…セーフティリリースも付いているって聞いたことがある(注3)。

適当だなって?だってさ、今、僕の周りにいるテレマークスキーヤーって、めったに転ばない熟達者ばっかりなんだもんね。スキーが外れるような転倒ってしないのだ。だから、セーフティがどうなってるかなんて、わからない(注4)。

まぁ、その、まとめると、スキーの怪我は下半身がほとんど。なぜなら、だいたいにおいて、お尻から転ぶからってこと。

よっぽど攻めてないと、バックフリップとか、フロントフリップのできそこないみたいな転倒はしない。まぁ、その、コージは攻めるスキーヤーだったから例外だけどね。

Skier: Koji

それに対してスノーボードの怪我は上半身が多い。とにかく逆エッジ、一人バックドロップ、セルフパイルドライバー的な。

頭から、背中から、胸から、尻から斜面にダイブするようなクラッシュがありえる。だから、多いのは、脳震盪、頭部裂傷、鼻骨骨折、尾てい骨骨折、手首・肘・肩の捻挫や打撲や脱臼とかね。

意外と多いのが、ポケットの中の小物が肋骨に刺さる。これは肋骨のヒビとか、肋軟骨骨折とか、地味に痛い怪我に繋がる。携帯電話やモバイルバッテリーをどのポケットに入れるかって結構重要。

意外かもしれないけど、スノーボードで脚部の怪我はあんまりない。両足首は固定され、股関節は構造的に強い三角形につながっている。だから、よじれや衝撃に強いのだ。

スノーボードで脚の怪我といえば、リフトの乗り降りやワンフットですっころんで、前足の膝を捻るってやつかな。これは重篤な怪我になりやすいので、要注意。

冷やす・固定する・圧迫する

膝や足首の靭帯を怪我した時は、とにかく冷やす、固定する、圧迫するの3つを速やかに行うこと。そして、腫れが引いたら今度は保温しながら、固定と圧迫を続けること。で、最低でも2週間は運動禁止。丈夫な靭帯は治るのにも時間がかかるから、焦りは禁物。

可動範囲を制限できるサポーター

運動を再開するときも、両サイドにフレームがしっかり入っているタイプのサポーターを付けるとか、無理をしないほうがいいね。かならず整形外科医(できればスポーツ障害専門医)の診断を受けましょうね。

おどかすみたいな投稿になっちゃったけど、スノーボードは危険って話じゃないです。スノーボードも上達すれば、めったに転ばなくなるし、致命的な怪我をするような転倒も避けられるようになっていきます。

ただ…
関節や骨が固まる前の子供(概ね小学校の間)は、スキーのほうがいいかなって思う(個人の感想です)。

そして、スノーボードをするなら、させるなら、やっぱりヘルメット。そして、ワンフットで確実に滑れるようになるまでは、デッキパッドをきちんと貼りましょう。デッキパッド、カッコ悪いって言う人もいるみたい?だけど、カッコつけてすっ転んで怪我するより、デッキパッド貼って、怪我しないほうがいいよね?

おしまい



注1 この時アオちゃんは確か自分のスキーの道具を持っていなかった。で、僕の使っていないテレマークブーツ(革)と、テレマーク板を借りたいというので貸したの。やったことある人はわかるけど、普通のスキーで滑れても、テレマークで滑れるようになるにはかなり練習が必要。それを、初めて使う道具で、初めてのテレマークで、スキー4回目?www 挑戦者www

注2 ゲレンデ用バインディングの調整とは、開放値設定。かならずプロショップに助言をもらうこと。そして、説明書をきちんと読み込むこと。

注3 バインディングは「しきい値を超えた」「衝撃荷重」を受けた時に開放するように設計されている。「しきい値」とは開放値で、これはよく知られている。盲点になってるのが後者で、スキーの操作に伴う連続的な荷重には、バインディングは開放せずに耐えるようにできている。つまり、ジワーって長い時間加えられる負荷には、バインディングは開放せずに耐えるようになっているのだ。で、ブーツが緩かったり、柔らか過ぎたといった理由で、転倒の衝撃が途中で吸収されてしまった場合、バインディングが「これって衝撃荷重じゃないよね?」と判断して開放しない場合がありえる。レンタルスキーとか、履いた時にブーツがフィットしないで、グラグラするようだと危険。滑りにくいのはもちろんだけど、いざという時にちゃんと開放しないリスクもあるってことを知っておいてください。

注4 山スキーで問題なのは、開放された後の板が行方不明になる事案。深雪ですっ転んだ場合、外れた板は雪の中を突進してどこかに消えてしまう。やっかいなのは、スキーの先(Tip)の向き次第で、右にも左にも下にも方向を変えて走って行ってしまうということ。深雪では、ストッパー(スキーブレーキ)は無力ですから、かならず流れどめ(ワイヤーとか紐のやつ)をつけましょうね。