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2021年3月27日土曜日

DAY34 BC3乗鞍岳本峰より南東斜面

 タクジ、Shinya、KASSEに声かけてもらって乗鞍岳BC

山頂の祠の前で Top of Mt. Norikura

現地集合なのだけど、朝出発では寝坊する自信ありありなので、前夜入りして2階で就寝。ワクワクしすぎて1時間くらい晩酌しながらウダウダ(子供かw)

今シーズン初かも?

しっかり冷え込んで、良く晴れた朝。みんな8時くらい到着の予定なのに、6時に起きちゃった。

朝ごはん

とりあえずリフト3本乗ってゲレンデトップに向かう。
後方がこれからハイクする乗鞍岳

ところが、ハイク開始しようとしたところで、Shinyaのスノーシューが崩壊。
ええっ?っと声がしたので見てみると…

ハーネス部分が加水分解でこなごなに砕けてしまった。使用頻度は低いけど、購入後結構年数たつとダメみたい。
これではどうしようもない。

でも、まぁ、入山するまえで良かったね。
んで、Shinyaだけ車に戻って丁度積んであったクランポンを持ってきて再スタート。

例の場所

位ヶ原下部の斜面を観察しながら進む。
良く晴れて暑いくらい

今日は気温が上がって雪面もゆるんできているので、本峰に登頂してからカール状を落とすことに決定。残雪期登山で本峰には登頂したことあるけど、BCは初めてだな。だって、いつもガリンガリンのアイスバーンなんだもんね。

肩の小屋に向かう

肩から本峰までは、アックス+クランポンならトラバースが早い。でも、僕はスノーボードブーツ+スノーシュー。もし、スノーシューにトラブルが起きたら、雪と氷の斜面ではどうすることもできない。キックステップもできないからね。なので、岩交じりの斜面を選んで登る。ここなら、万一の場合でも、岩と雪のくぼみの平らなところに荷物をおろせる。それに岩の上ならスノーボードブーツのラバーソールもグリップするので、ある程度安全なところまで移動できるしね。



山頂の祠が見えてきた。今シーズンはやけに雪が少ない気がする。


御嶽山が綺麗に見えた。これ以外にも、槍穂焼岳、常念蝶、黒部五郎や水晶、甲斐駒千丈など、素晴らしいパノラマだった。


滑走距離とかは大したことないけど、今年初めての3,000m超えが地味に嬉しい。標高2,800mを超えてからの200m は、それまでとはちょっと違う気がする。


無事に下山して思うけど、やっぱりBCは楽しい。仲間と馬鹿な話しながら、笑いながら、息を切らしながらハイクアップして…ガリガリの洗濯板みたいな斜面を滑るのでも、やっぱりBCは楽しい。

2021年3月26日金曜日

怪我をした時のビールは危険

お前は何を言っているんだ???そんな声が聞こえました。

標高が高いところでは酸素が薄いです。少ない酸素を体の隅々まで届けようと、心臓君はがんばります。なので、標高が高いところでは血の巡りが良くなります。

お酒を飲むと、血のめぐりがよくなります。つまり、標高の高いところで、お酒を飲むと、血のめぐりが加速するってことですね。これ、よく覚えておいてください、テストに出ます。

こちらの写真をご覧ください。僕のおでこにガーゼがついています。これはですねー、おでこ怪我したんです、外傷。

芳ヶ平ヒュッテのパスタランチは控えめに言って最高、なぜかすごい笑顔なShinya

テレマーカーならわかるはず、スキーのティップ(先っぽね)に、顔から突っ込んでいくように転ぶことって…ありますよね?それで、ティップでおでこを切っちゃったんです。ゴーグルしてて良かったです、壊れましたけど、ゴーグルw

雪山宴会部の合宿ではとりあえず食って飲みます。2泊くらいで、鶏肉だけでこんな感じ。

周囲はすべて冷蔵庫

たくさん食べて、たくさん飲む。この時、僕は…500mlの缶ビールを6本くらい持ち込みました、それだけで3kgね。70Lバックパックの重さ、多分20kgくらいはあったんじゃないかなー

で、ビールだけだとあっという間に飲み終わっちゃうので、それ以外にウイスキーとか、焼酎とか、度数の高いのを背負います。そうやって持ち込んだお酒を飲む前に…怪我したわけです。

怪我、特に外傷の場合の飲酒は厳禁です、流血するからね。そして、外傷なくても内出血(捻挫とか打撲)がある時も飲酒は厳禁です。

ふてくされる僕

で、仲間たちが入れ替わり立ち代わり来て、心配してくれるんです、「僕の酒」のことを。

ブチョ、お酒飲まない方がいいですよ。てか、飲んじゃだめですよ。 
部長、お酒余るんじゃないですか?
背負って下ろすの大変ですよね?
捨てるわけにいかないですよね、環境破壊だし。 

ブチョ、僕が飲んであげますよ、もったいないし

あのさ、お前らさ…

俺のことを心配しろや!酒のことじゃ無く!!

で、かさぶたになって、出血も止まったので、ビール飲んだら思いっきり流血しましたwww

流血2秒前

この2泊3日の間、「止血・かさぶたできる・ビール飲む・流血」のサイクルをたしか4回転くらいご披露させていただいたはず。

皆様、本日もどうぞご安全に。そして、怪我した時のお酒はくれぐれも…控えめに。

おしまい

2021年3月25日木曜日

おっさんがスノーボード を始める…いいじゃんね?

僕はハッピーなスキーヤーだった。どれくらいハッピーかというとこんな感じ。

ヨーイチと僕 Yamanohana, Ozegahara

雪山ナメんな!って声が聞こえました…
BC界隈にはおなじみのところですが、2本滑って山小屋行くと生ビールが待っているw
で、ほろ酔いになってから雪道をハイクアップ1.5h…

あーもう、ここで寝たいw

冬の間に不足した日光を求めてるんですよ、体が… Yohichi

スノーボードもいいなとは思っていたけど、道具買って始めるか?って言われると…まぁ、スキーでいいかな?って感じ。

ところが、ある事情で僕はスノーボード業界に転職した(注1)。そこは結構な大手で、スノーボードのギアもウェアも、アクセサリー(ヘルメットとか、プロテクターとか)や、スケートシューズなんかも従業員割引の対象。

従業員割引は…最新モデルはなんとXY%割引、サンプルとか、型落ちとか、B級品とかは…な、な、なんと!ZY%引きで買える!

そりゃ始めますわね…

で、まぁ、僕は35歳でスノーボードを始めたので、おっさん初心者がどうやったら幸せになれるか?を書いてみる(前置き長いな)。

まず、おっさんであるからには、お金でなんとかなることはなんとかしよう。ウェアはレンタルとか、友達に借りるのでもいい。でも、品質の良いゴーグルとグローブは用意しておいてください(注2)。

そして、おっさんには怪我が大敵。ヘルメットとケツパッド、ニーパッドは必ず準備してください。スノーボード始めて、続くかどうかってのは最初の30分で決まる。ここで痛い、辛い、怖いって思うと、まずヤメる。続けるかどうかわからないから、ヘルメットとかケツパッドはいらないよ…そう言っている人は続きません。

で、潔く初日はスクールに入ろう。「Burton LTR スクール」でググってみてください。僕はこのレッスンプログラムで、半日でターンができるようになり、午後は一人で初級者〜中級者コースを下りてこられるようになりました。

初心者が痛い目にあう原因は逆エッジ。LTRプログラムは、逆エッジがほぼ起こらないくらいに、極端なチューニングをされたボードを使ってレッスンしてくれるんだ。

さぁ、あなたはLTRのおかげで、転びながらでも下りてこられるようになりました。次に考えるべきは、自分にとって目標となる滑りはどんなものをハッキリさせること。そして、そこに導いてくれる人を探すこと。

僕のスノーボードの師匠、ヨーイチ

おっさんで始めるってことは、時間が無いということ。目標を決めて、そこへ最短で到達するべきなんじゃないかな。僕の場合は、「バックカントリー で確実に滑る」ことと、「パウダーを楽しむ」この二つを目標にしました。で、フリースタイル(注3)的な滑りは全部捨てました。スイッチスタンスもやらない(注4)。

季節外れのパウダーを独り占め Minakami Hohdaigi

で、僕の場合、ラッキーにも、身近にそうした人がいた。スノーボードをやり続けているとわかってくるのが、セッティングがとても重要だってこと。センタリング、ハイバックリーン、スタンス幅、スタンスアングル、なんのことだかわからないでしょ?スノーボードは、セッティングの調整幅が広く、自由だ。しかし、その代わりに何が正解なんだかわからなくなりがち。

なんでうまく滑れないんだろう、そんな時に、ささっとやってきて、ここがこうなってるから、こんな問題が起こるんですよって、調整してくれる仲間が居て本当にラッキーだった。


Mt. Fuji & 仲間たち

おっさんでスノーボードを始めると、心強い仲間はだいたい年下。年齢とか性別関係なく、互いにレスペクトしつつ、愛されるキャラ作りも重要なんじゃないかな(僕がそうできているとは言っていない)。

僕は、スノーボードの入り口はLTR、そのあとは全部自己流だ。ただ、ポイントポイントで、仲間からアドバイスをもらった。あとになってみると、すごいことだったなって振り返るイベントもある。

例えば、僕のスノーボード生涯4日目は、ヨーイチ先生が誘ってくれたBCだった。スキーバブルが終わって、あっという間に倒産?して閉鎖されていた草津シズカ山スキー場で、登って滑るよ!ってこと。

僕はまだスノーシューを持っていなかったんだけど、バートンCustom 166 という長くて太くて重い…スプリットボードは買ってあった。

あ、じゃあ、それで行けますよ。行きましょう。
えっ?まだ、あれで滑ったこともないんだけど?
大丈夫っすよ。癖がない板ですから…知らんけど

当日はものすごい暴風雪になったのだが、決行した。スノーシューで歩くヨーイチ先生が、背中に背負ったボードを風に煽られてコロンとすっ転がるくらいに、激しい風が吹いていた。で、僕はスプリットボードにシールだったので、背中にはボードがない。だから風に煽られても、なんとか耐えてハイクアップしていった。で、ゲレンデトップまで上がったところで、さすがにこれはやばいだろうということになり、そこから下ることになった。

スノーボード初めて4日目で、しかもものすごい暴風雪、足元は30cmくらいのパウダー。で、僕は立ち上がって2m滑ってはすっ転び、立ち上がれず、バインから片足を外し、バインをセットして2m滑ってすっ転びを繰り返しながら下った。

極寒のはずなのにうっすら汗ばんでいた。

ゲレンデの最後の1/3くらいで、やっと僕は一回で20〜50mくらい滑れるようになった。ゲレンデボトムで待っていたヨーイチ先生の唇は、死体のように真っ青で、体は小刻みに震えて、心なしかゴーグルの中は涙ぐんでいるように見えた。そんなに僕の成長を喜んでくれているなんて…僕も感動した。

BCデビューを無事に飾った僕を見て、先生は感極まったのか、絞り出すように言った。

イェーイィィィイ、さぁ、帰りましょうかぁぁ〜〜〜 サムッ

あとで聞いたのだが、ヨーイチ先生はひどい風邪をひいて、次の日仕事を休んだらしい。

初心者の僕に、BCの厳しさ、ゲレンデとは違う技術の大切さを気づかせてくれた、ヨーイチ先生には今でも心から感謝している。


注1 転職決まってから、伊豆城山にマルチピッチクライミングに行って…ショボいスラブでフォールして、左足首の靭帯を損傷。初出勤は松葉杖という…それは本題とは関係ないので省略しますが、この辺りもとっても面白い修羅場ストーリーがw

注2 いいゴーグルと手袋が欲しいってプロショップで言うと、どちらも2万円くらいするのが出てきます。ゴーグルと手袋で4万円。そんな買い物してたら破産するので、どちらも5千円〜1万円くらいで探しましょう。狙い目は、ヒマラヤとかのチェーン展開してる大型店。もしくは、モンベル。どちらも、リーズナブルでありながら、品質的に間違いのない商品が手に入ります。特に最近出てきたモンベルのゴーグルは良さそう。

注3 フリースタイルってのは、パーク(ジブやジャンプとか)で遊ぶやつ。アイテムで結構怪我するんで、おっさんは厳しい、怪我の治りが遅いからw

注4 レギュラーとスイッチの両方のスタンスで滑れると、滑りの幅は広がるし、楽しめることも増えると思う。でも、ハッキリ言って練習時間も倍になるし、セッティングもより複雑になる。で、僕の場合は、ダックスタンスにすると膝が痛くなるし、故障も心配なのですっぱりあきらめた。


2021年3月23日火曜日

雪山宴会部という奇跡

僕がスノーボード を始めたのは、確か35歳の時。それまではスキーにハマっていた。始めたきっかけは、スノーボード 業界の会社に転職をしたから(注1)。スノーボード を始めてからも、どちらかというとスキーを履く日の方が多かった。スノーボード 一本に絞ったきっかけなどについては、いつか機会があれば書いてみます。

それは今の2020-21シーズンから振り返ると、ほぼ20年くらい前のこと。当時、スキーヤーとスノーボーダーには、今よりももっと高い壁があって、分断されていたように思う。だが、僕がラッキーだったのは、転職のタイミングより前に、雪山宴会部という集いのメンバーだったこと。そこでは乗り物に関係なくライディングを楽しむカルチャーがあった(注2)。

雪山宴会部は、なんというか名前の通りの会。雪山で宴会をして(雪洞とか、雪洞が掘れない場合はテントとかでネ)、食って呑んで泊まって、周りの山を登って滑る会。で、当時はまだBCが今ほど一般的でなかったので、自立してBC行動ができれば、乗り物はなんでもいいんじゃね?というくらいのサークル(笑)だった。

これはある日の朝食風景だけれど、タカと青ちゃんはテレマーカー、Shinyaはスノーボーダーだ。
タカ、青ちゃん、Shinya

入山する時は、こんな感じの荷物感になる。後ろ向きなのが僕で、スキーは荷物を背負っての行動が有利なので、こんな時には積極的にいいカッコを演じてみる(注3)。

Ainomine, Kusatsu

で、雪洞とかテントから出ると、こんな斜面が目の前にある。ここには写っていないけど、左に伸びる尾根筋からハイクして、正面に見えるカール状を滑ったりするのだ。
Ikenotohyama

みんないい冬用の寝袋を持ち込んでいるので、基本的にはどこでも寝られる。宴会場で直接寝たり、自分用のテントで寝たりと自由に過ごす。

candle

納得の行くまで飲み続けたり、食べ続けたりも、もちろんできる。その分、入山するときの荷物が増えるワケだが… 雪山で良いことは、燃料さえあれば水に困らないこと。外は吹雪が吹き荒れていても、鍋を囲んでいれば天国。

鳥の水炊き野菜シャブシャブ

食材が余ったら(大体においてあまりそうになるのだが)、スパイスを組み合わせておつまみを作ったりして。
Pan grilled peppered chicken with sage and rosemary

散々食べて早い時間に寝落ちして、おしっ●が我慢できなくなって起き、外に出ると夜明けだったり。

Dawn time, Yoshigataira

最終日に一本滑ってサイトに戻り、残っていた牛肉を焼いて食べたり。
Beef Steak, Sirloin, prime grading

で、ある時、タカさんと話をした。

世間一般では、スノーボーダーと、スキーヤーって仲よく無いって言うね。なんで俺らはそんなことないんだろうね?

彼はちょっと考えてこう言った。

乗り物でどうこう言うのって変じゃないですかね。それぞれの得手不得手をよく理解して、お互いに楽しく過ごせばいいと思うんですけど。僕はこの部活が好きなのは、乗り物によっての分け隔てなく、一緒に楽しめるのがすごくいいと思うんです。 

レスペクトってことかね。 

なんでそこ英語なんすか。ま、そうですよね。 

パウダーヒャッホーイって、ボード楽しそうだなって思うしね(注4)。 

ですね…

基本でかい荷物背負えないしな、Shinya以外 。

ですね … 

斜度が変化してるところで止まっちゃうと、「スキーは動けるんだから前に回って雪を踏んでくれ」とか、「ストックで引っ張れ」とか言うしね。 

それはwww…いや、そんなこと言わないでしょwww 

言うよ〜!約1名!www

俺らの活動的には、スキーのほうが有利だよなって思いますね。でも、有利不利に関係なく、楽しんでる姿っていいですよね。こっちまで幸せになりますよね。

 結局のところ、メンバーに恵まれたってことがすごく大きかったのかなと、今改めて思う。当時BCで出会った他のグループ、x-Tele(テレマーク) や 山ボ研(スノーボード )の皆さんとも、「埋まった時はお互い様」のいい関係性を持たせていただいた。そうした皆さんからも、暖かい声援をいただくことも結構多かったしね。

「君たち変態❤️」って

Rider ユーヤ Ikenotohyama, Kusatsu

周囲はすべて冷蔵庫

(注1)スノーボード 未経験なのにスノーボード業界に転職ってのもスゴイ話だ…

(注2)乗り物には拘らないけど、一緒に雪山に入るにあたってはいくつか条件があった。まず、複数のメンバーが推薦すること。日帰りの場合は、コースの難易度にあった滑走技術があること。で、荷物が多い泊まりの場合は、冬山での生活技術があるか、圧倒的な体力があるかのどちらかとしていた。

(注3)基本的に、荷物は大きければ大きいほど、重ければ重いほど偉かった。だからビールと言えば、350ml ではなくて500ml が基本。

(注4)当時、パウダー用のスキーって言っても、センター幅が100mm超えるかどうかくらい。今普通に見かけるスーパファットなんて影も形も無かった。浮力に乏しいので、俺たちスキーがひたすら直滑降で耐えてる横を、スノーボード はバキューンって追い抜いてスプレー上げまくってた。「いいよなー」と、うらやましく思っていたところに到達できて幸せです。

2021年3月22日月曜日

DAY33 BC断念して岩鞍で滑る

一昨日尾瀬岩鞍のBCを偵察した。下から丸々ハイクアップして、地形や雪の状況はチェックができたので、今日は上から…前回とは違うルーティングで滑ろうと出撃。

昨日は全国的に大荒れ&大雨で、今朝も関東平野は暴風が吹き荒れている。でも、ピンポイント天気予報で見ると、丸沼も岩鞍も、標高2,000mくらいまでならさほど悪くない。

しかし、岩鞍への道中、何か嫌な予感というか…で、ふと気がついて片品川を見ると増水してますがな…普段は川幅の1/3~1/2くらいの水量が、今日は川いっぱいに広がってすっかり雪解け風味w

鎌田のところに貯水池があるのだけれど、そこも満水。で、そこから上流も同じように増水しているので、ダムの放水とかではなく、全面的に増水しているみたい。スキー場について、駐車場のスタッフさんにきいたところ、

「昨日の昼から夜までかなりの勢いで雨が降った」

「昨夜、圧雪車は入ったので、雪面は綺麗なはず」

「上部では明け方になって、ほんの少し雪にかわった」

で、10分ほど、これからの気温予想とか地形図とかを検討してBCは断念。計画していたエリアは、沢の水量も少なく、渡渉や転落のリスクはさほどない。しかし、上部に湿原状の地形と、そこから流れ出す急傾斜の沢がある。で、考えていたのは、その沢の横をおりてくるルート。

湿原で雪解け水が溜まっていたら?それが一気に流れたら?ゲレンデへの復帰点直前で3箇所から沢が合流するが、そこのスノーブリッジが消えていたら?

今シーズンの岩鞍BCは、終了として、ゲレンデ装備で出動を決定しました。

ゲレンデに向かうと、駐車場に流れ出した水がそのまま凍っていて、危ない。ゲレンデも昨日ズブズブに水分を含んだ雪が凍って…アヒャヒャヒャ

リフト券売り場前はガリガリのコチコチ

月曜日なのもあるけど、やけに人が少ない。8時15分からゴンドラが運行開始なのだけど、8時10分で待ちゼロなのは今シーズン初かも?

お客さん皆無www

というより、お客さんは来るのだが、駐車場からゲレンデに上がるところの氷にビビる。ほんで、リフト券売場前の容赦ない氷っぷりにビビる。そして、こそこそと、

「ちょっとあったかくなって、雪が緩んでっからでいいんじゃね?滑るの。」

とか、相談しつつ駐車場に戻って行くのだ。軟弱ヤローどもめ! まぁ、安全は大事ですね。

ファーストチェア、じゃないや、ファーストゴンドラゲット

んで、営業開始と同時にゲートを入り、ちょうど来たラッキーゴンドラ?色違いのやつ、に乗車。


今シーズンみたいに、最初に一気に積雪量が増えた時は春先の全層雪崩が増える(注)。ここでもそんな傾向が見られた。



ゴンドラ線下も終了風味。ま、先シーズンよりははるかにいいけどね。


ゲレンデサイドを流れる沢も増水している。


上州武尊山も上部は荒れているようだ。ここも風花が舞ったりしている。


明け方から今まで、サラッと、わずかに降雪があった。それが微妙にストップ雪になっている。でもまぁ、凍ってるところで加速して、新雪のところはボードを前に送り出すようにすれば無問題。


今日、一番楽しかったのは男子国体コースかな。
圧雪されたあと、わずかにコブができている。しまったザラメで、表面の2cmくらいが緩んでいて、板の振りと荷重でスピードコントロールが簡単。上達したみたいな気持ちにさせてくれる。



途中で1本GPSロストっぽい記録漏れがある。ログでは滑走距離33キロだけど、実際は40キロ弱くらいまで頑張れたのだろうか。楽しかった。


帰りは初訪問のお蕎麦やさん。
ここは坂道を下って来て、スピードが上がっている場所。入ろうと思ってもなかなか入れない。


天ざるそばを美味しくいただきました。ふきのとうを食べると、春を感じます。



 (注)一般的な表層雪崩は、新しく降った雪と、それまでに積もっていた雪との接合が緩い場合にそこから切れて雪崩れる。全層雪崩は別名「底雪崩」と呼ばれて、雪と下地である地面との接合が緩く、雪の層全部が底から雪崩れる。
普通は、雪が降って幼木や笹とかを押し倒す。そして雪が止むと、幼木や笹は雪を振り払って立ち上がる。で、また降って、止んで、これを繰り返す。すると、雪が層になって積もり、「その中」に、幼木や笹とかが、埋め込まれるようになる。これは、鉄筋コンクリートが、コンクリートの中に鉄筋を仕込んで強度を上げるようなもの。地面との接合力も、こうした植生を通じて強化される。ところが、最初に一気に積もってしまうと、植生が立ち上がる時間的な余裕が無い。笹薮は斜面の下に向いてすべて押し倒されてしまい、まるで滑り台みたいな状態で新たな雪が積もって行く。春先の雪崩リスクを検討するためには、シーズンの最初にどのように雪が積もって行ったのか、簡単でいいので、記録を取っておくことをお勧めしたい。

2021年3月21日日曜日

スノーボードにライセンスが必要だった時のこと

*いただいた情報を追記しました* 

邪悪で異端で除け者だったスノーボードが、一般化するまでの間にはいろんなことがあった。そう、今から振り返ると、めまいがするくらいに、マサカねって言うようなこともあった。

僕がイントラをやっていたスキー場は、スノーボードを積極的に受け入れた。でも、それはどちらかというと例外で、普通にお客様が来るスキー場は受け入れず排除するところがほとんどだった。そんな中で、独特の取り組みをしていたのが丸沼高原スキー場だった。

ゲレンデトップからの日光白根山 @Marunuma-kogen

スノーボードの受け入れを始めた丸沼では、スノーボーダーは最初に講習を受けなければならなかった。確か30分とか45分で、最初は有料だったのだが、途中から無料になったと記憶している(注1)。内容は、スノーボードの危険性と、リーシュ(流れどめ)の使い方。基本技術、装着して、スケーティングするまで。そして、リフトにどうやって乗降するか。で、これが済むと証明書が発行されて、リフト券を購入することができる。

ロープウェイの山頂駅 Marunuma kogen

で…その、受講証明書はリフト券ホルダーに入れて腕に付ける。つまり、リフト券ホルダーを2つ付けて、一つは証明書、もう一つがリフト券という使い方をした。そして受講証明書だけで乗れるのは下部のリフトだけで、広いが斜度の無いエリアだけを滑ることができた。

シーズンスタートは混雑する Marunumakogen

それもやむを得ないところがあって、丸沼の上部は勢いをつけないと止まってしまうところが1箇所(初心者スノーボーダートラップ)。そして、下降路には幅が狭いわりにスピードが出やすいところが数カ所ある。そこに一気に初心者スノーボーダーを大量投入しれたら、それはまずいよねという判断だったのだと思う。

で、スノーボーダー人口が広がるにつれて、中上級者も増えてくる。あなたが上級者であると認定されたら、特別な認定証(確か顔写真付き)が発行され、それがあれば全てのリフトに乗ることができた。どうやって認定されていたのかは、ちょっとわからない。その時僕はまだスノーボードをやったことがなくて、スキーに狂っていたから。

ほかのスキー場には雪がまだ無いので行列 Marunuma kogen

顔写真付きの上級スノーボーダー証をつけた人とは、なんどかリフトで一緒になった。みんな控えめでありながら、「プライドを持って、このスノーボードという遊びを広げて行くんだ」そんなオーラをまとっていたように思う。

丸沼高原や尾瀬岩鞍と言えば、ガチなスキーヤーの溜まり場。丸沼はライセンス制の元で、スノーボードを受け入れる方向に進み、岩鞍は逆に長い間スキーオンリーにこだわった。どちらがいいかというわけではない。ただ、それくらい、スノーボードに対する視線はいろいろだったということなのだ。

ところで、僕は、今考えると夢か幻だったのでは無いか?という記憶がある。

丸沼高原のスノーボードスクールのレッスンはかなり独特だった。で、初期のころ、ダブルポール(両手にストック)を持たせて、スノーボードのレッスンをしていたように思う。そのほうがスケーティングや、リフトの乗り降りもしやすいし、懐を広く取ることもできるから、みたいな。で、やがてポールを持たせることはやめて、それがフラフープになっていた。その理由はよくわからない。

一番驚いたのは、一本のボードに生徒さんとイントラが一緒に乗って滑っていたこと。アルペンボードだったように思うが、定かではない。ボードの先端から、生徒の左足、イントラの左足、生徒の右足、イントラの右足と、バインディングが4個、2セットついている。で、滑りながらイントラが生徒さんの耳元でアドバイスをするのだ(なにしろ、イントラと生徒は一心同体的に密着してすべることになる)。

あまりにもびっくりしたので、今でも覚えているのだが…この方式はあっといまに消えてしまったのではないか。誰が考えて、いつ始まって、いつ消えたのかよくわからない。そもそも、本当にそんなことが起こったのか、イマイチ自信がないくらいのことではある。

Location: Madarao

スキーバブルが弾けて、スキーヤーの平均年齢が上がり続け、若者はスノーボードにシフトしていった。そして、スノーボードの受け入れに踏み切るスキーリゾートがどんどん増えて行った。

Location: Madarao

尾瀬岩鞍も、長い間スキーヤーオンリーの「スキー場」で、隣接するかたしな高原スキー場とは共通リフト券を発行し、相互に行き来ができるようになっていた。で、岩鞍はスノーボードの受け入れを始め、かたしなはスキーオンリーを個性・売り物にする決断をし、連絡コースは閉ざされることになった。

過渡期において、積極的に変化を受け入れた丸沼高原スキー場、僕はすごいなと尊敬しています。

追記1 グンマー國のスキーと山岳の生き字引よりコメントいただきました
「ライセンスは制度終了の最後、お食事券に変換したとか…だったような」

追記2 当時はスノーボードをやっていて、今はサーファーの僕の元上司より
「丸沼高原スキー場はライセンス制度で、ビギナー、ミドル、エキスパートと3段階のライセンスで、滑れるゲレンデもライセンスに合わせて決まってましたよ。」

(注1)この投稿は(他のもそうですがw)あやふやになりつつある記憶を元に書いていますので、事実と異なる可能性があります。