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2023年1月16日月曜日

スタンスアングルとエッジングパワー

少し前の投稿で、センタリングについて書いた。というか、僕のブログで「センタリング」って見ると、「またか…」って人もいるだろう、ごめんね。

センタリングの 2.5~3mm が滑りに与える影響は大きいと言っても、ピンとくる人と、そうでもない人に分かれるんだろうなとも思う。ピンとこない人は、ここで終了が吉です。

で、スタンスアングルとセンタリングは、相互に連携している。だけれども、それを考えてセットアップしている人って割と少ない…と思うから書いてみる。

僕は先シーズンの途中から、フロントのアングルを変更した。
養生シートにバインのアウトラインを写し取る
今までのセッティングはF30 R0 という、左足前振りで右足は真横。左足が前振りなことで、「上半身を前方に向けやすく、斜面変化を両目で、高い位置から見られる」 = 「遠近感がはっきりして安全」 これがBCでの安全確保に有利だからこうしていた。

ただ、左足が前振りだと、どうしてもターン前半でエッジの捉えが甘くて反応が遅くなる。ターン中もフロントのエッジングパワーが足りないので、ノーズがフラフラと動いていく。それはあきらめて、ターンの途中から後半にかけて後ろ足を強く締めてターンを仕上げる。そんなイメージだった。

で、だんだんと…ターン前半の、フラフラキョロキョロ安定しない感覚が嫌になってきた。そこでフロントを21度に引いて、横向きのセッティングにした。
母指球の延長線上に線を引いておく
これが大正解で、ハードバーンでもノーズの捉えが確実に素早くなり、結果として安定した滑りにつながった。で、なぜ横ノリだとエッジが良く効くのか、理由をビジュアル化してみよう。

バインのアウトラインと、母指球の延長線がどこに向くかを、養生シートに書き写したのがこれ。
横方向で3mm程度の変化
21度にすると、エッジへの距離が3mm 近くなる。エッジへの距離3mm というのは、センタリングで言えば、センターディスクで1ノッチの距離と同じ。それだけエッジへ近く乗れれば、エッジングパワーが大きく増えるのも当然だ。

前後方向の荷重ポイントが移動するのも見逃せない。
2cm くらい踏むポイントが後ろになる

前振りにすると、つま先の位置が前に出るので、フロントサイドターンの時の荷重ポイントは前に移動する。逆にかかとの位置は後ろに下がるから、バックサイドターンの荷重ポイントは後ろになる。ということは、毎回毎回ターンの時に、積極的に前後に体を移動させる必要がある、というのが前振り。

で、僕みたいに、フロントだけ前振りにしていて、ターンの仕上げはド横乗りの後ろ足で仕上げる、みたいな人は、前後の荷重ポイント移動はさほど起こらない。ただ、前足が前振りで後ろ足が 0度の横向きだと、トウ側はワイドスタンスになり、ヒール側はナロウスタンスになるということ。

で、スタンス幅を広くするとボードがしなりにくくなるかわりに、安定する。スタンス幅を狭くするとその逆ということは聞いたことがあると思う。僕の今までのセッティングは、フロントは安定する代わりに反応が鈍く、ヒール側は動きがクィックになるということ。

で、僕は、フロント前振りを長く推奨してきたわけだけれど…アングル変更によって、エッジングパワーとスタンス幅がどのように変化するかを考えると…極端な前振りはしないほうが、ボードの性能を活かしやすいだろうなと思うようになった。で、今の僕のベストは F21 R0 というわけ。

いや、でも、カーバー(カービングをする人)は前振りですよね?だって?

アルペンボーダーもカーバーも前振りだけど、彼らが生息するのは、ハードパックバーン。固いバーンには細いボードが必然だし、細いボードでドラグしないギリギリの前振りスタンスで…カント角を入れられるバインやプレート入れたりする。

で、アルペンボードとかカービング専用ボードを履いていないならば、ドラグするからという理由で前振りするのはお勧めしない。

初心者、初級者の時は、「どうやってエッジを深く立てるか」が課題になる。しかし、中級レベルになってくると、「エッジは立てられて当たり前」になる。そんでもって、ターンのキレとか、後半の加速とか、次のターンへの連続性を考えると、エッジを立てすぎても意味がないことに気がつくようになる。

ボードの太さに合わせたスタンスアングルを取ると、それに合わせた上体の向きができる。できるだけエッジに近い位置で踏めるようになっている状態、それが、ボードを設計した人の意図しているポイントなわけ。で、乗る時には、「ドラグしないようにコントロールしながらエッジにプレッシャーを入れる」のが大事だ、そう僕は思う。

ただまぁ、ターンに何を求めるかも人それぞれ。僕はターンの加速、キレ、スピードのコントロールを大事にしたい。そして、ターンにスタイルを求めるとかも全然ありだとは思う。

どんなスタンスアングルでも、乗ってれば慣れる。実際、「えっ?そんなんで良く乗れるよね?」って上手い人もいる。ド前乗りなのにスイッチが超上手い人とかね。

僕は凡人なので、できるだけラクで確実に乗れる方法を考えて生きていこう、そんな風に思っています。

2022年12月14日水曜日

初老のスノーボーダーと、Unionバインディング

僕は「初老」と言われる年代に入っている。
孫がいる同級生も…何人もいる。

そんな僕がふと、スノーボードをやっていると言うと…若者の反応が面白い。

 へー (ほぼ息を吐いてるだけ)
 スノボやるんすねー (興味ナッシング)
 どれくらいやってんすかー  (年に1〜2回っしょ?)  的な…

まぁ、そーゆー反応は理解できる。

僕が20代から、30代の半ばくらいまでは…おっさんスキーヤーを冷めた目で見ていたから。

腹が出てレーシングスーツを着るのに苦労するんだ、とか
今、履いてるこの限定モデルがどれだけ特別なのか、とか

なんでこの人は…リフトで一緒になっただけの僕に…しょーもないことを、延々と喋ってるんだろう?とか思っていた。

で、僕は、できれば格好良く歳を取りたいな、そう思っていた。そうは言っても、腹は出たし、歳をとったし、目は霞むし、最大筋力も持久力も、柔軟性も心肺機能も落ちている。

そんな僕が、いかに楽にカッコいいおっさんに近づくかを考えて、たどり着いたのは UNIONのバインディング。今後もUNIONしか履かないと思う…その理由はこちら

そう、UNIONのバインディングは可動式ヒールカップが最大の魅力。
(Drake とか RIDE とか ROMEとか にもあるよね?とか言っちゃダメ)
三段スライドのヒールカップ
一般的にはブーツサイズに合わせてスライドさせ、フィットさせるって言われてるけど嘘です(断言)。

僕のブーツサイズはUS7 (25cm)。ヒールカップがサイズ合わせのためなら、当然一番前のはずです。

僕の好むのは一番後ろで、サイズ合わせのためならこの位置はL〜XLサイズ用になるわけ。アメリカサイズのXLってことはUS13 (32cm) とか?そこに僕の25cm ブーツを入れたらガバガバになるはず…だが、そうはならない。ブーツとのフィッティングは、ヒールカップの位置にかかわらず、ストラップの長さと取り付け位置の調整でできるのだ。

ということは、この可動式ヒールカップは、サイズフィッティングのためではない。スライドする方向を考えると、これはセンタリング調整のためについている、そう考えるのが合理的だよね。
微調整はディスクでやる
Union のバインは、ヒールカップで大きくセンタリング調整ができる。そして、微調整をディスクでやるという、2段構え。それがUnionのメリットだと、僕は思う。

なんでそこまでセンタリングにこだわるのか?

だって楽なんだもん。

センタリングがバッチリ出せているスノーボードは、本当に楽。

スキーに比べて、太くて重くて安定感のあるスノーボード。滑るボードに乗っているだけでいい。センタリングが出ていれば、両方の足裏を、軽くひねるだけでターンができる。

そう、僕が Union のバインを愛するのは、衰える肉体をカバーするため。

小狡いノウハウを手に入れて、小生意気な若造を手玉に取るため
そうやって、元気な若者になんとか着いていくため。

よく考えてみると、僕がスキーヤーだった時にも、そんなおっさんはいた。

どう見ても蒼氷だよねって急斜面を、スパーって滑り降りていく人がいた。

ん? 見かけほど凍ってないのか?

そう思って、追っかけてドロップインしたら、エッジが引っかかりすらしないアイスバーン。

ドロップ3mで転倒して、なすすべもなく背中とお尻で滑落してボトムに着いたら、貧相スリムで、代謝エコっぽい爺さんが…ニコニコ笑顔で立っていたとか。

リフトを同時に降りた小太りのおっさんが先に行った中里の表の壁。ボコボコのコブ斜面を息絶え絶えに降りた僕を、そのおっさんがはち切れそうなウェアと、あふれそうな笑顔で迎えていたとか。

そう、僕はそんな老人になりたいのです。

ま、腹が出ているのは嫌だけどな…
今シーズンはダメだけどな…

2021年3月25日木曜日

おっさんがスノーボード を始める…いいじゃんね?

僕はハッピーなスキーヤーだった。どれくらいハッピーかというとこんな感じ。

ヨーイチと僕 Yamanohana, Ozegahara

雪山ナメんな!って声が聞こえました…
BC界隈にはおなじみのところですが、2本滑って山小屋行くと生ビールが待っているw
で、ほろ酔いになってから雪道をハイクアップ1.5h…

あーもう、ここで寝たいw

冬の間に不足した日光を求めてるんですよ、体が… Yohichi

スノーボードもいいなとは思っていたけど、道具買って始めるか?って言われると…まぁ、スキーでいいかな?って感じ。

ところが、ある事情で僕はスノーボード業界に転職した(注1)。そこは結構な大手で、スノーボードのギアもウェアも、アクセサリー(ヘルメットとか、プロテクターとか)や、スケートシューズなんかも従業員割引の対象。

従業員割引は…最新モデルはなんとXY%割引、サンプルとか、型落ちとか、B級品とかは…な、な、なんと!ZY%引きで買える!

そりゃ始めますわね…

で、まぁ、僕は35歳でスノーボードを始めたので、おっさん初心者がどうやったら幸せになれるか?を書いてみる(前置き長いな)。

まず、おっさんであるからには、お金でなんとかなることはなんとかしよう。ウェアはレンタルとか、友達に借りるのでもいい。でも、品質の良いゴーグルとグローブは用意しておいてください(注2)。

そして、おっさんには怪我が大敵。ヘルメットとケツパッド、ニーパッドは必ず準備してください。スノーボード始めて、続くかどうかってのは最初の30分で決まる。ここで痛い、辛い、怖いって思うと、まずヤメる。続けるかどうかわからないから、ヘルメットとかケツパッドはいらないよ…そう言っている人は続きません。

で、潔く初日はスクールに入ろう。「Burton LTR スクール」でググってみてください。僕はこのレッスンプログラムで、半日でターンができるようになり、午後は一人で初級者〜中級者コースを下りてこられるようになりました。

初心者が痛い目にあう原因は逆エッジ。LTRプログラムは、逆エッジがほぼ起こらないくらいに、極端なチューニングをされたボードを使ってレッスンしてくれるんだ。

さぁ、あなたはLTRのおかげで、転びながらでも下りてこられるようになりました。次に考えるべきは、自分にとって目標となる滑りはどんなものをハッキリさせること。そして、そこに導いてくれる人を探すこと。

僕のスノーボードの師匠、ヨーイチ

おっさんで始めるってことは、時間が無いということ。目標を決めて、そこへ最短で到達するべきなんじゃないかな。僕の場合は、「バックカントリー で確実に滑る」ことと、「パウダーを楽しむ」この二つを目標にしました。で、フリースタイル(注3)的な滑りは全部捨てました。スイッチスタンスもやらない(注4)。

季節外れのパウダーを独り占め Minakami Hohdaigi

で、僕の場合、ラッキーにも、身近にそうした人がいた。スノーボードをやり続けているとわかってくるのが、セッティングがとても重要だってこと。センタリング、ハイバックリーン、スタンス幅、スタンスアングル、なんのことだかわからないでしょ?スノーボードは、セッティングの調整幅が広く、自由だ。しかし、その代わりに何が正解なんだかわからなくなりがち。

なんでうまく滑れないんだろう、そんな時に、ささっとやってきて、ここがこうなってるから、こんな問題が起こるんですよって、調整してくれる仲間が居て本当にラッキーだった。


Mt. Fuji & 仲間たち

おっさんでスノーボードを始めると、心強い仲間はだいたい年下。年齢とか性別関係なく、互いにレスペクトしつつ、愛されるキャラ作りも重要なんじゃないかな(僕がそうできているとは言っていない)。

僕は、スノーボードの入り口はLTR、そのあとは全部自己流だ。ただ、ポイントポイントで、仲間からアドバイスをもらった。あとになってみると、すごいことだったなって振り返るイベントもある。

例えば、僕のスノーボード生涯4日目は、ヨーイチ先生が誘ってくれたBCだった。スキーバブルが終わって、あっという間に倒産?して閉鎖されていた草津シズカ山スキー場で、登って滑るよ!ってこと。

僕はまだスノーシューを持っていなかったんだけど、バートンCustom 166 という長くて太くて重い…スプリットボードは買ってあった。

あ、じゃあ、それで行けますよ。行きましょう。
えっ?まだ、あれで滑ったこともないんだけど?
大丈夫っすよ。癖がない板ですから…知らんけど

当日はものすごい暴風雪になったのだが、決行した。スノーシューで歩くヨーイチ先生が、背中に背負ったボードを風に煽られてコロンとすっ転がるくらいに、激しい風が吹いていた。で、僕はスプリットボードにシールだったので、背中にはボードがない。だから風に煽られても、なんとか耐えてハイクアップしていった。で、ゲレンデトップまで上がったところで、さすがにこれはやばいだろうということになり、そこから下ることになった。

スノーボード初めて4日目で、しかもものすごい暴風雪、足元は30cmくらいのパウダー。で、僕は立ち上がって2m滑ってはすっ転び、立ち上がれず、バインから片足を外し、バインをセットして2m滑ってすっ転びを繰り返しながら下った。

極寒のはずなのにうっすら汗ばんでいた。

ゲレンデの最後の1/3くらいで、やっと僕は一回で20〜50mくらい滑れるようになった。ゲレンデボトムで待っていたヨーイチ先生の唇は、死体のように真っ青で、体は小刻みに震えて、心なしかゴーグルの中は涙ぐんでいるように見えた。そんなに僕の成長を喜んでくれているなんて…僕も感動した。

BCデビューを無事に飾った僕を見て、先生は感極まったのか、絞り出すように言った。

イェーイィィィイ、さぁ、帰りましょうかぁぁ〜〜〜 サムッ

あとで聞いたのだが、ヨーイチ先生はひどい風邪をひいて、次の日仕事を休んだらしい。

初心者の僕に、BCの厳しさ、ゲレンデとは違う技術の大切さを気づかせてくれた、ヨーイチ先生には今でも心から感謝している。


注1 転職決まってから、伊豆城山にマルチピッチクライミングに行って…ショボいスラブでフォールして、左足首の靭帯を損傷。初出勤は松葉杖という…それは本題とは関係ないので省略しますが、この辺りもとっても面白い修羅場ストーリーがw

注2 いいゴーグルと手袋が欲しいってプロショップで言うと、どちらも2万円くらいするのが出てきます。ゴーグルと手袋で4万円。そんな買い物してたら破産するので、どちらも5千円〜1万円くらいで探しましょう。狙い目は、ヒマラヤとかのチェーン展開してる大型店。もしくは、モンベル。どちらも、リーズナブルでありながら、品質的に間違いのない商品が手に入ります。特に最近出てきたモンベルのゴーグルは良さそう。

注3 フリースタイルってのは、パーク(ジブやジャンプとか)で遊ぶやつ。アイテムで結構怪我するんで、おっさんは厳しい、怪我の治りが遅いからw

注4 レギュラーとスイッチの両方のスタンスで滑れると、滑りの幅は広がるし、楽しめることも増えると思う。でも、ハッキリ言って練習時間も倍になるし、セッティングもより複雑になる。で、僕の場合は、ダックスタンスにすると膝が痛くなるし、故障も心配なのですっぱりあきらめた。


2021年3月13日土曜日

チャネルとESTでBRTNは何を失ったか

バートンのチャネルボードに、他社製のバインディングを付けることはできます。ほとんどのブランドのセンターディスクには、チャネル用のビス穴があるか、専用のセンターディスクが付属しています。

ですから、BRTNのチャネルボード+FLUXとか、Union とかの組み合わせもできます(快適に滑れるとは言っていない)。

Unionのバイン、青い手袋の指先がチャネル用ビス穴
チャネルは2本留めなので穴が2つ、4x4に比べると太い

BRTNのESTバインディングは、チャネル専用で4x4ボードには付けられない。他のブランドの板と、時々は付け替えて乗りたいって人はESTバインは使えないことになる。こうした人たちを、むざむざ他のバインディングに取られることは避けたかったらしく、BRTNはバインディングをESTと、Re-Flexの2つのシリーズに分割した。そして、Re-Frexは、他社のバインディングと同じ様に、センターディスクを変えれば、チャネルにも、4x4にもつけることができる。

BRTN Re-Flexバインのセンターディスク 上が4x4、下がチャネル

これで、全部うまくいく!わけではなかったのだ。

まず、チャネルボード+ESTバインは天国だ。多分、間違いない。使ったことないけど。

では、チャネルボードに、他社製バインまたはRe-Flexを付けてみよう。
対応センターディスクをセットしてと…チャネルでスライドするから、セットバックもスタンスアングルも、スタンス幅も自由に決められるね!あれ???センタリングの微調整ができないじゃん?
Re-Flexの場合は…ディスクに3つの選択穴が開いていてそこでやる。上中下、松竹梅、的な。フロントフットのセンタリングは、すごく微妙で、3mm 動かすだけでフィーリングが大きく変化する。なのに3段階、6mmくらいの幅で大雑把にしか調整できないって、3Dより退化してるじゃん。

出典: amazon.co.jp

この写真は3D用のセンターディスクだが、5段階に調整穴が空いている。センターからトウもヒールも、2段階、微妙にずらせるのがわかるだろう。

じゃぁ、UNIONはどうかというと、上の写真で見るとわかる通り、チャネル対応ディスクの穴は2個しか無い。で、センタリング 不可!かというとそうではなく、ヒールカップの位置を前中後の3段階にずらしてセンタリング をすることになる。(注1)

ヒールカップをスライドさせて、3ノッチの調整ができるUnion

さぁ、では、他社製ボードの4x4に、Re-Flexバインディングを付けてみようか。この場合も、センタリング の幅は3段階…怒

で、ですね、僕の場合はもともとは、BRTNの3Dシステムボードと、他社製4x4ボード(ROME)を履いてました。だから、BRTNがチャネル&ESTに完全シフトして、3D用バインディングをやめたとき、Re-Flexを買いました。BRTN好きだったしね。でもですね、3段階センタリング で一番かかとよりにしても、もう3mmか6mm、ヒールに寄せたかったんです。多分練習すれば、この違和感は消えるんだろうなって努力したんですが、どうしてもダメで、Unionに乗り換えたら一発でセンター出て、笑いました。数シーズンをRe-Flexに付き合ったせいで、無駄にしたなと。

もともとBRTNは他社の4x4を尻目に、互換性のない3Dをずっと使ってきて、そして今はチャンネル+EST…なんというか、うちの組み合わせが最高なんだから、それ選べ。それ以外選ぶのは勝手だけど、まぁ、好きにしろ。くらいの天上天下唯我独尊。

中の人にしてみれば、チャネル+ESTという、スノーボード 史上最高のシステムができたんだぜ!これさえあれば、他のものなんていらないんだよ!なんで別の選ぶんだよ!って感じなのかも。

でもね、チャネル+ESTにBRTNが完全移行して、そっちに行かない人たちには、Re-Flexを置いてった。で、Re-Flexはセンタリングが大雑把に3段階に劣化した。まぁ、それはいいだろう。しかし、なんで他のブランドも、3段階劣化版に合わせにいくかな?

国内設計で、日本人ライダーの体格とか体力にあったバインディングを作ることにこだわります!って言ってた FL◯X …  確か…以前は…前2、後ろ2の5段階調節できるビス穴があるセンターディスクだった。この間見たら、3つ穴で、前・中・後の3段階に劣化してる。なんで?BRTNが3段階だから、それでいいやって思ったの???

センタリングが大雑把にしかできなくなったことで、最高のライドフィールを失ったライダーは僕を含めて沢山いるはず。そして、なんで今、うまく滑れないんだろう?って思っている人も結構いるんじゃないかな?だから、あえて言おう。

Union最高! (注2)

(注1)Unionの可動式ヒールカップを、「ブーツサイズに合わせて調整するためのもの」って説明しているショップあるみたいですが、嘘ですから。それがホントなら、サイズMのバインに、サイズ下限のUS7ブーツセットしたら、ヒールカップ一番前にださないとガバガバになるよね。そんな風にぜったにならないから!トウストラップが前後で位置調整できるのも、ヒールカップでのセンタリングに合わせて、前後移動させるためのものだから!

(注2)可動ヒールカップで6mm単位で大きくセンタリング して、ディスクのノッチ3mmで微調整できるのがいいよね。そして、ヒールカップで3段階のセンタリングできれば大丈夫!ってラッキーな人は、ディスクを横向きに使ってスタンス幅を調整できる。そんな自由度が高いのが、Unionのいいところ。さすがバインディング専門のメーカーって感じ。
機会があれば書くけど、日本人(アジア系)の足の小さいライダーが、欧米メーカーのボードを乗りこなすには、センタリング が鍵になる気がする。BRTNのライダーがどんどんUnionに移っているように見えるのは、このあたりが原因なような気がするなぁ。国●君とかね。

2021年3月12日金曜日

チャネルとESTがBRTNに何をもたらしたか

このブログの内容はすべて創作です

確か2003年ごろ、Forum Snowboards の経営がヤバいという話が流れた。どうなるんだろうと思っていたら、社内メールでジェイクからのメッセージが流された。要約すると、

ForumがBRTNにジョインするぜ!めっちゃ興奮してるぜ。
コアなスノーボード ブランドを、スキーメーカーが吸収する流れはもうウンザリだ。
だから、一緒にやることにした!みんなも興奮してくれ。 
きっといい科学反応が起こるはずだぜ Yeah!

…ジェイク…興奮しすぎだ…

で、Forumはスライダーシステムを持っていて、それがバートンにチャネルをもたらした。

スノーボード のバインは、センターディスクでセンタリング 「か」スタンス幅を微調整できる。「か」がポイントで、センタリング をすると、スタンス幅は調整できないし、スタンス幅を調整すると、センタリング は調整できない。これは、センターディスクを0度か90度のどちらかの向きで使って調整をするからだ。

Union のベースプレートとセンターディスク

上の写真はUnion だが、縦に細長く2列に溝がある。この溝のどの位置でバインをボードに固定するかによって、写真でいうと上下方向に微調整ができる。この場合、ボードに対してつま先よりにするか、かかとよりにするかの位置調整ができ、この調整方法をセンタリングという。

で、中心にある円形のセンターディスクを、90度回転させると、溝が前後方向になる。で、この場合は固定位置を前後方向に微調整できて、バインディング間の幅(スタンス幅)を調整することができる。

で、Forum は、ボードの取り付け穴を前後自由にずらせれば、スタンス幅が自由になるよね。じゃぁ、レール2本埋め込んで、スライダー入れて、4x4のバインなら自由に前後動かせるようにしようぜ。んで、センターディスクはセンタリング 方向の調整に専念な。てことを始めた。

Forum Snowboards でググって、画像見てもらえれば大体のことはわかると思う。

生産はかなり大変だったようだ。

だってさ、バインがすっぽ抜けないような強度のある、金属製のレールを2本、ボードのセンターに入れるんだよ。フレックス、カッチカチやで。

剛性が上がりすぎない様にレールを細くすれば、曲がるし壊れる。それと、ボードの中の構造で非連続面があると、そこのつなぎ目で折れやすくなる。レールをボードの中のどこからどこまで入れて、どんな風に終わらせるか…

で、BRTNにForumが合流してから、4x4スライダー(名前忘れたw)は、チャネルシステムになった。違いは、レール一本、以上。

Forum は、一般的な4x4バインディングで使える様に、片方のバインを4本のビスで固定していた。だから、レールが2本必要だった。

BRTNはこう考えた。うち、バインもトップブランドだから、専用のシステム作っちゃえば無問題!こうして生まれたのが EST!BRTN の黒歴史Aura以来の2本締めシステム!

ESTリリース直後はM5ビスで、固定が緩むって問題もあったみたいだけど、M6にアップデートされて、締結トルクあげられるようになってから問題はなさそうだ。

Forum のスライダーがそうだったように、EST&チャネルのシステムで、スタンス幅もアングルも、セットバックも、シームレスに変更できるようになった。しかも、センタリング も細かく調整ができる。これはほぼ無敵のセットアップと言っていい。BRTNボードとBRTNバインのセットアップがサイコーで問題ない!というかそれ以外ない!というライダーにとっては、最高の自由がもたらされた。

ボードかバインのどちらかを、他社ブランドにするとクソになる可能性がある、そんな不自由さと引き換えに。

つづく

センタリング?ヨユーっしょ By: takuji