新田次郎さんの山岳小説が、ずっと好きだった。
ボクにとって、仕事とかいろいろの事情で北アルプスは遠い存在だった。その中でも剣岳はちょっと別格で、アクセスの悪さもあって、1度しか山頂を踏んでいない。
そんなボクは、新田次郎さんの小説に出てくる山の描写に触れては、山に登った気になっていた。
で、よく考えたら、あと数年でボクは還暦なわけだ。
身体はだんだんと動かなくなってきてるし、疲労は抜けにくくなっているし、目は霞むし、耳は遠くなるし…マズイ、登りたいところで難易度高そうなヤツを片付けておかないと…
そんなわけで、チャレンジしてコンプリートしました、早月尾根日帰り。
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行ってきます! |
貧脚のボクは相変わらず、早立ちをする。登山口は真っ暗で、ヘッドライトの光を頼りに一歩一歩。
森林限界を越えると、岩の殿堂らしくなってくる。
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山頂 |
クライマーズレフトを見ると、バリエーションルートの尾根が伸びている。
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小窓尾根だったっけ? |
あっち方面も登ってみたかったけど、今生では機会を逃したかな…
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本峰岩塊が見えてきた |
小さなピークを巻いたり、乗り越えたりしながら進む。ペースは順調。
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ここは巻きです |
ここまで難易度の高いところはない。標高と景色による圧は感じるけど…
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室堂方面を見る |
山頂の肩に飛び出すと、剣沢と立山方面が視界に入る。
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剣沢方面 |
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山頂直下の分岐 |
カニの横ばい・縦ばい方面への分岐をすぎると、いよいよ山頂。予定していた計画時間より少し巻きで到着できそうだ。
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登頂! |
周囲は雲が多いけれど視界は良好。槍・穂高も見えた。
名残惜しいけれど、そろそろ降りようか。暗くなる前に下山したい。
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剣沢方面の先に雄山 |
山頂よさらば。
山頂直下の鎖場、写真撮ってないことに気がついた。記録のために、お助けボルトの写真を撮る。
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割と有名なお助けボルト |
なんだろう、割と危険なところはきっちり鎖が整備されているので、難易度はそこまで高く無いように感じた。
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足元にお助けボルト |
岩もしっかり安定していて、妙義山のような…儚げな岩とは違うw
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トリカブト |
標高を下げると、高山植物が増えてくる。
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稚児車(チングルマ) |
早月小屋まで降りてきた。ここで水とコーラを購入して一息。
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早月小屋 |
ビール飲みたいけど、まだまだ先が長いので我慢。
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帰ってきた! |
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やったぜコノヤロー |
てな感じで、なんとか明るいうちに下山できました。日帰りチャレンジは、これでいいかな。次回やるとしたら、早月小屋でテント泊するなりもう少し時間を使って登りたい。
日帰り最難関の一つである早月尾根を、無事にやり切ったことは自信になった。
これで、北アルプス3大急登で唯一未踏の…あそこにチャレンジする気持ちが湧いてきた。