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2022年3月12日土曜日

Day29/BC8は 川場からのHike, Ride & Bike でトライアスロン

バックカントリースノーボードの本質って…というか、登山の本質ってなんだろうね。
それは人それぞれで良いのだと思うのだ。

僕は、自分の持っている力で何ができるかってことを考える。
そして、それを使った楽しい計画を立てて、その通りにやり遂げることが…本質に近いんじゃないかなと思う。

スキーと自転車は10代で、登山は20代で始めた。
クライミングとスノーボードは30代の半ばで始めた。

どのスポーツでも自力で無事に帰ってくる、そこは大事にしてきた(注)
そーとー変な人
で、当然、ちゃんと無事に帰ってくるイメージができないと入山しない。
そんな、温めているプランの中にはいろんなものがある。

今日はそのうちの一つ。入山口と下山口が離れている。車が2台あって、一台をデポできれば繋がる。車が2台あるいう条件が足かせになっていた。

しかしよくよく地形図を見て考えて気がついた。

下山口からは「坂道を下るだけ」なのだ。じゃぁ、スケートボードで チャリでいいよね?
ハイクアップして、滑って、チャリで帰る、三種目を1日で楽しめる。

ほんで、僕はデポするチャリは、娘のお古のママチャリにした。
下山口にママチャリをデポ
チャリなら…グラベルロードとフルサスMTBのどちらにしようか迷う。
しかし、どちらも盗難とか、イタズラとかが心配だ。ホムセンママチャリには、盗難の恐れは皆無。鍵も付いてるしね。

ドロヨケがあるので、融雪剤(ようするに塩)が撒かれた路面を走って水しぶきを浴びてもサビの心配が少ない。帰ってから水で洗えばいいし。

そして、バックパックにスノーボードを装着し、それに加えてスノーシューとポールも付けると重量感がすごいのだが、スノーシューとポールとヘルメットを入れられる前かごがあるw
ボードをつけて、ハイバックでポールを固定しつつスノーシューを挟む
これに気がついた時、僕はママチャリで行こうと決めた。

さて、残るは入山ポイントをどこにするかだけれど、道の駅から入山口のスキー場まで「無料のシャトルバス」が走っている。ということは…

ママチャリを下山地点にデポして、道の駅へ。そこで車を駐めて、シャトルバスでスキー場へ。そこから入山してBCダウンヒル。下山地点からママチャリで道の駅へ。

つながるじゃん
道の駅へ駐車
スキー場からリフトで標高を稼ぐ
快晴だが北風が強く、気温は思ったよりも上がらない。
リフト最高地点から入山
入山地点から先に見える岩壁の先は剣ヶ峰。今日はここにはいかないで、手前からドロップする。
次回はあっちから降りようかな
斜面をトラバースして、S俣沢の源頭近くまで移動する。向かいに見えるのは、積雪期しか入れない、地域の名山。
あっちからこっちまでどこでも滑れそう
ゆるやかな馬の背状に隔てられた、ナチュラルパイプが何本も降っている。ツリーはオープンで、ちょっと尾瀬の至仏山的な雰囲気もある。
今日はちょっと固かったw
剣ヶ峰を超えるとここに出る
右手岩壁が剣ヶ峰
ザラメになったら相当気持ち良さそう
ボトムに降りると穏やかな渓相
T原の尾根からドロップできないかと思ったけど、崖でした
一部タイトな沢も今日は埋まっている
沢筋は傾斜が落ちるので、深雪の時にはボードは辛いだろう。好適期はザラメの残雪期でしょうね。
所々の落とし穴
行程の半分くらいでいよいよ斜度が無くなり、妖怪板掴みが出て来たのでストックを出す。ストックで加速しつつ、日の当たる右岸は妖怪の棲家になっているので、極力左岸を選んで下る。
林道に飛び出した
ザラメの林道は板が進む
林道は斜度が少ないのだけれど、標高が下がったせいもあり、妖怪が消えてザラメになる。
今年は冬らしい冬
道路に飛び出す
振り向いてみるとかっこいい岩
やったぜ
内装3段変速のママチャリで、スノーボード背負って坂道を下るオッサンという…
こんな感じです…
ほとんどが下り坂なんで、ペダル漕ぐこともない。ブレーキの加熱だけに気をつけてのんびりと進む。
気持ちいい下り坂を振り返る
そして、1箇所、峠越えがある。これは、K場スキー場に登る水系の道の駅に車を駐めて入山。そして、T原スキー場から下る水系の道から下山しているから、間に尾根があるのは当たり前。
押せばいいんだよ
じつはここのパートをどうやってクリアするか、結構考えていた。標高差100mくらいで、2〜3キロの登りがある峠。普通に考えたら、軽いギアで登れるMTB。しかし…それくらいの標高差と距離なら、普通にハイキングで登るじゃん?

てな感じで無事に、すべて計画していた通りにつながった最高の1日になりました。
おしまい

注 正確に言うと、無事に帰って来たのだけれど、仲間に相当心配かけていて…こっぴどく怒られたことは1回ある。そして、無事に帰って来たのだけれど、連れて行くべきでない人を連れて行ってしまった(その人は最後は泣いていた)こともあり、他のメンバーを危険に晒してしまったことはある。

2022年3月10日木曜日

ゴーグルのメンテナンスというか修理

冬山で使うゴーグルは、曇らないように通気口が設けてある。そこが素通しだと、雪がどんどん入ってきて凍りついてしまうので、空気だけ通って雪は通さないように、スポンジが貼ってある。そのスポンジの修理について。

そもそもゴーグルの寿命をどう考えるかだけれども、僕はダブルレンズの「間」に湿気が入って曇るようになったら問答無用で捨てる。このトラブルは山で起きたら対処しようがないからね。(注1)

レンズが無事な場合は、ストラップがヘロヘロになって固定が甘くなったら捨てる。そのタイミングで、大体顔へのフィット感も低下してくるし、ダブルレンズの防水も甘くなって、レンズの間が曇るようなことも起こるからだ。
スポンジに氷が付着してそれを取ったらスポンジに穴があいた

そもそも僕は、スペアレンズ付きで1万円以内縛りでゴーグルを買っている。で、BCで使うメインのゴーグルとバックアップ用を2つ持っておいて、一つは曇天用、もう一つは晴天用のレンズを付けておく。

多分わかると思うけど、BC用が少し古くなってきたら、それをバックアップ用としてゲレンデで使う。ゲレンデ用が寿命を迎えたら、BC用をゲレンデ用にして、新品を買って、それをBC用に温存する。そのサイクルがだいたい3年くらい。
ホムセンのゴムとかのコーナーで売ってるスポンジ
スポンジの一部に穴が開いた!だけなら、自分で直すこともある。
道具もろもろ

まず、接着剤が付かないようにレンズを外す。この時、ダブルレンズの、内側のレンズを押さないこと。2枚のレンズは、薄いスポンジを介して隙間を作って接着してある。ここがものすごい弱い。レンズの間を圧縮してしまうと、中の空気が抜け、圧縮が解けた時に周囲の空気を吸い込んでしまう。これがレンズの間の曇りにつながる。レンズの内側が濡れたり、汚れたりした場合も、クリーニングクロスで「拭く」というより「軽く押さえる」ようにすることが大事。
ダブルレンズを持つ時はフチをこうやって
手指の皮脂がつくとレンズが曇るから、手袋をする。ニトリル系の手袋の場合は、「粉なし」を選ぶこと。そして、手袋をしてから、アルコールを吹いてクリーニングしてやれば完璧。
スポンジとグルー(接着剤)を剥がす
穴があいたスポンジを取り去る。カスがついていたらそれは綺麗に取る。スッポン・ピンセットという、リバースアクションピンセット(手を離すとクリップし、握ると外れる)があると、何かと便利。
ブレちゃったw
空気孔にマスキングテープを貼って、マジックでグリグリってやって形を転写する。ほんで、それを使って交換するスポンジを作る
スポンジにペタン
マスキングテープごとスポンジを切るのだけれど、気持ち大きめにするほうがいい。
型取り完了
接着がうまくいくかは、「接着面の清掃」と「動かないように圧力をかけて押さえる」にかかっている。満遍なく、圧力がかかるように、「押さえ子」を作る。というかなんでもいいので、スポンジの周囲がゴーグルに密着するような形の物を身の回りから探すだけ。
オーブンペーパーでクルリンちょと巻く
押さえると、接着剤がはみ出してくるわけなので、それを取り去りやすくする&押さえ子が汚れないように養生をする。ここではオーブンペーパー(クッキングシート)を使っているけれど、マスキングテープとか、養生テープでもOK。
マスキングテープをペタンとな
もちろんゴーグル本体にも養生を施す。
ヘラにもペタンとな
接着剤を延ばすヘラにもマスキング。こうすると後のお掃除が簡単です。
ほんで、接着剤を塗る前に、ゴーグルのフレーム接着面をアルコールなどで拭いて「脱脂」清掃しましょうね。
接着剤はムラなく多めにね
スポンジ(フィルター)のアミアミの中に入り込んで固定させなければいけないので、接着剤はすこし盛り上がるように塗る(注2)。
インシュロックでムギュッと固定
注2で書いた条件で接着剤を選ぶと、多分、「瞬間接着剤」は候補にならないと思う。大体硬化に3時間以上はかかるはずなので、一晩放置。
固定解除
ちゃんと着いているか確認しながら、押さえ子を外し、マスキングテープを剥がす。
カスやテープの端切れを除去
ちゃんと接着されていれば、ゴーグルのフレームを捩ったり、スポンジをつまんでも剥がれてこないはず。
治りました
右側、マスキングテープの細ーいカスを残してあるほうが補修後。純正よりもちょっとだけ目が荒いスポンジで補修したら、空気の通りがよくなって曇りにくくなりました。ラッキー


注1 ゴーグルブランドは数多あるけれど、実際に作っているメーカーは割と限られている。いわゆるOEMってやつで、製造受託元は、山◯光学、S◯ith が多い。他は…ここ数年買収とか工場統合があったらしく、知らんw  ちなみに、この、レンズの間に湿気が入って曇るトラブルはSの工場で作っている奴に多い気がする。Sとか、ブランドで言うとB社のAとかね。山なんとかのOEMは、その辺りのトラブルはほとんど皆無、やるな白鳥。(すべて私見と偏見です)

注2 接着剤をホムセンとかで選ぶときには、次の条件をチェックしてください。(用途)軟質プラスチック、ゴム用。PUとか、ウレタンとかを接着できること(軟質)硬化した後も柔軟性を保てること、そうでないとパリパリって剥がれちゃうからね(耐候性)熱・水・紫外線耐性があること、低温でも硬化しないこと。

2022年3月7日月曜日

DAY28タカヤンと神楽……暴風で三俣w

この間、神楽で大当たりしたので、今日もいそいそと神楽へ。
週末が嵐で、5ロマどころか一高も動かなかった、これはヤバいいいかも!

風と積雪多すぎで、5ロマどころか一高も動かず…1ロマすら動かない…

ショックすぎて写真すら撮らず、三俣を回して(それはそれで結構楽しかったのですが)、早めの解散。

タカヤンはショップに行くということで、別行動。

ボクは下道で帰宅途中にふと思いついて、沼田のエルベに立ち寄った。何度も何度も前を通りかかっている、そのうちの何度かは自転車だったのだけれど、実は初訪問。
スープ納豆うどんパスタが名物
ずっと来たかっただけれど、準備中、定休日、行列…そして、自転車の時は汗で濡れたウェアで入るのが憚られ、未訪問だったのだ。
他のメニューも美味しそうだなぁ
とりあえず、一押しの納豆スープパスタ。美味しゅうございました。
レギュラーサイズが乾麺で、茹でる前で、300gあるというボリューム満点。
チーズ、大根おろし、梅肉、あげたま、海苔、レモン…
岩鞍の主 A宮さんは、レギュラーを2つ食べたりするそうです。変態。

2022年3月5日土曜日

DAY27/BC7新ルート開拓

DAY27はスキー場で1時間だけアップ。
そして、新しいルートを開拓しに車で移動。

ここは初見なので、事前に地形図とグーグルアースで念入りに検討した(注1)。
2箇所、ちょっといやらしい場所がある(注2)。

1箇所は、砂防堰堤の上にあるような地形。砂防堰堤で堰き止められて、土砂が溜まった広場みたいな場所。こういった場所は大体そこに、砂防ダムのような滝がある。行って見たらビンゴ。

その滝の下流300m くらいは、ゴルジュになっていそうなタイトな沢。

そこを初見で突っ込んで、脱出できなくなると詰んじゃうので、ボトムからハイクアップして確認することにした。(注3)
ストリートビューで確認しておいた
車を邪魔にならないところに駐車する。この周辺は道路が狭く、積雪期は往来が大変なところも多い。地元の皆さんに迷惑をかけないように、場所選びは慎重にした。
入山前に道路からお参り
駐車した場所から入山地点までは、坂道を歩いて30分くらい。
ハイクアップも好き
締まって潜らない雪の上を、スノーシューでハイクアップするのは楽しい。
林道を登っていく
斜度のない林道をハイクアップしていく。ここの下りはストック滑走になるだろう。横の沢筋は雪で埋まっているけれど、斜度がないので滑れない(スキーなら可能)。
トラップ
倒木が3箇所。どちらを通れば良いか観察しながら進む。
沢筋が狭くなっていく
いくつもの枝沢が左右から流れ落ちている。上流に向かうにつれて、本流の川幅は狭くなり、両脇の崖はキツくなる。
トラップ
今年は雪が多いので埋まっているが、普段の年はどうだろうか…
耳を澄ますと流水の流れる音がする。
伏流水の上にできた溝
大きめの枝沢からの流れ込みには深い溝ができている。落ち込んだら嫌なので、スノーブリッジを探して回り込む。
この辺から降ってくるのも楽しいかも
少しヤブはうるさいけれど、いくつか下降したら楽しそうな枝沢もある。
ゴルジュ帯を抜ける
雪が薄そうな場所を歩く時、そこに動物の足跡があれば、そこをたどるとだいたい間違いはない。ウサギ、カモシカ、狐、いろいろな動物の通り道は、自然の落とし穴を上手に避けてたどられている。
滝を見上げる
地形図で想定していた場所、ドンピシャの位置にやはり滝があった。沢が大きく屈曲していて、すぐ下に来るまで全貌は見えない。

周囲を見渡すと、右岸に横滑りで降りた跡がある。
皆さんが横滑りで下降した跡
タイトでスティープで、腐れ雪で、ツリーホールだらけのところを埋まりながら登る。
見下ろしたところ
滝の落ち口は見えない
滝の上に出ると、傾斜の落ちた広場になっている。
北斜面は乾いた雪が残っている
トラバース気味に沢床におりた。北斜面の新雪を滑るために、左岸に渡ってさらに登る。だいぶ気温が上がってきて、日の当たる左岸は粘りつくような雪に変わっている。
雪が良ければ楽しそう
メローな沢状というか、緩やかにうねる広い河原を登って本日の最終到達点へ。
ここのドン詰まりの斜面からドロップ予定
計画しているドロップポイントが見えた。あそこからここの尾根状までが一番美味しいところだろうね。
見下ろすとこんな感じ
見上げるとこんな感じ
尾根をハイクアップして、スティープでオープンな斜面にドロップ。斜度は徐々に落ちて、沢はうねりながら続いていく。そして、パッと開けた場所に出る。

その先はメローな沢地形が500m くらい穏やかにウネっている。

本番で来る時は、そんなふうなイメージなのだろう。
馬の背で休憩
本日の最高到達点は2つの沢が合流するところの、尾根状。ここならどちらかの沢から雪崩てもまず大丈夫。
こっちの沢からドロップするのも良さそう
一休みして、行動食をとったら下降を始める。ハイクアップには時間がかかったけど、滑り降りるのはあっという間だった。

滝の落ち口直前まで滑って、そこからの右岸高巻きは標高差5〜6mなので、つぼ足のまま乗り越える。木の葉で下降するポイントは雪が本格的に腐って、ボードごとツリーホールを踏み抜いて結構苦労した。
滑れるのはゴルジュ帯の下まで
斜度が落ちたところで、ポールを出してストック滑走に入る。
妖怪発生中
木陰はまだいいけれど、日の当たる場所は妖怪板掴みのせいでスピードが出ない。春雪用のストラクチャー入れた A-One で来たからまだいいけど、普通のボードで来ちゃうと結構大変かもね。

地図読みで想定していた地形がそのまま現れると、山屋の端くれとしては嬉しい。そんなBC7でした。次回は上から下れるな、誰か一緒に行こうよ。

おしまい


注1 ひと昔前は、地形図って国土地理院の 2.5万分の1地図がデフォルトだった。で、これが大きい書店とか、規模の大きい山道具屋に行かないと手に入らない。しかも確か1枚250円くらいするんだけれど、広い山域だと4枚くらい買って、付き合わせないと必要なエリアをカバーできなかった。そんな苦労を思うと、今のネット環境で地形図見放題、印刷簡単というのは夢のようです。

注2 地形図2.5万は高いし、手に入りにくい。しかし、ハイキングガイドブックとか、山渓の山域ガイドマップみたいな5万分の1だと、大雑把すぎてBCには向いていない。細かい地形変化が読めないし、行って見たら滝だったりとかで、怖い思いをする。現代の、ネットで参照できる地形図だと、Strava、コンパス、山渓オンライン、YAMAPなどを使っている。どれも昔に比べると格段の変化です。

注3 今回のルートはガイドさん付けて降ったほうがいいと思います。だから、具体的な場所とかは書きません。