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2021年4月6日火曜日

BCのことを中心に考えて滑る、僕の場合

テレマークスキーを処分してしまったので、僕の雪山遊びと言えばBCスノーボード(注1)。で、僕の滑りはBCに合わせたもので、それが個性だと思っている。

下の写真は、乗鞍岳の富士見沢を滑る僕。いくつか特徴を上げると「前向き」「脱力」「高い姿勢」「背骨を立てる」。

それと、静止画ではわからないけど、僕は「上半身をブロック」して滑っている(ボードの進行方向に対して、腰と上半身の向きがほとんど変わらないようにしているということ)。

Location: Fujimizawa, Mt. Norikura

なんでそうしているのかを説明してみる。

視界の確保

BCでもっとも重要なのは、視界の確保だと僕は思っている。ゲレンデと違って、斜面にはいろんな障害物がある。そしてパトロールが、注意喚起のネットを張ったり、旗竿を立てたりなんてことはない。スノーボード の場合はコース取りも重要だ。斜面の途中で失速して止まっちゃうって事がないように、それでいながら無理のないラインを引きながらライドしなければいけないしね。

横乗りのスノーボード は、バックサイドターンの視野がどうしても狭くなる。でも、進んでいく方向を「両目で見る」ことはとても重要だ。両目で見ないと距離感が掴めないから、左肩の上に顎が乗っかるくらいに顔を前に向けてやる(注2)。

そして、遠い位置の危険を見つけるために姿勢を高く保つ。深いカービングターンで低い姿勢になっていると、少し先の、ちょっとした斜面の盛り上がりの向こうに、どんなトラップが隠れているか分からないからね(注3)。

楽に滑る

バックパックを背負ってハイクして滑る、それがBCスノーボード。先日行った谷川岳芝倉沢なんかそうだけど、滑る前に脚力使い切ってたら帰って来れないから。だから、ハイクアップも滑走も「疲れない」ことが重要になってくる。

高い姿勢を維持して滑ると、視界も確保できるし疲れにくくなる。腰の位置が高くなる≒腿の角度が立つと、筋力を使わずに滑れる。膝を曲げて沈み込んだり、抱え込んだり、ようするに腿の角度が寝るたびに少しずつ脚力は削られていく。

疲れていても確実に滑れるように練習することも大事かな。整備されていない斜面を滑るのだから、クラストとかストップスノーとか、狭い急斜面とか、そんなところも、確実に減速して滑れなければダメってこと。疲れてくると暴走する、そんな人は山に入ってはいけません。

バックパックの荷重と腰痛対策

上半身をブロックする理由の一つは、バックパックの重さで体が振られないようにすること。振られるとバランスが崩れるために、体幹がよじれて疲れてしまう。

もう一つの理由は、振られなければ視線がブレないから。視線が安定していなければ、白一色の積雪期で、わずかな陰影で危険を見つけることは不可能だしね。

上半身を安定させることで、バックパックを背負ういいポイントもわかってくる。僕は、ゆったりした動きの中で、背骨と骨盤を立てて滑るのが腰と背中に優しいと思うようになった。

実際のフィールドで

写真を見ながらいくつか説明をしてみる。

Fujimizawa, Mt. Norikura

真っ白で広い斜面で、楽しそう?このときはうっすらと雪が積もった後で、新雪はストップスノーに変わりつつあった。そして、沢の中心部は流水の痕がまだらに凍りついていて、数日前の雪崩で出たスノーブロックが隠れている。

雪の色を見て、ここは新雪なのかザラメなのか、それともアイスバーンなのかを判断して滑る。そして、沢の中心部を横切る時には、雪面にわずかに飛び出た突起の下には、アイスブロックが隠れていることを予測して避けて滑るんだ。

Fujimizawa, Mt. Norikura

標高が下がると、雪の中からブッシュが顔を出してきている。地上に現れている樹木は基本避ける。直径3cmくらいの枝でも、まともにヒットするとかなり痛い。ウェアが破けることもあるし、ゴーグルが割れることもある。

植生の状況は結構重要で、森林限界の上なのか、地衣類や灌木だけなのか、ダケカンバなどの落葉樹があるのか、いろいろ観察することで隠れた危険を知ることができる。

カンバ類などの広葉樹がある斜面には、雪の下に、斜面の下に向かって押し倒された幼木が隠れている。そうしたところをトラバースするときは、ノーズを上げておかないといけない。隠れている幼木の、幹の下にノーズが入っちゃったら…ボードか足がぶち折れちゃうかも…幼木をヒットしても、ノーズキックが幹の上に乗り上げるように、なおかつスピードを殺して進むことが必要。

この素晴らしいスノースポーツを、できるだけ長い期間楽しみたい。そのためには、やっぱり安全で確実に滑るってことが大事なんじゃないかな(注4)。

安全がしっかり確保されたゲレンデで(パトロール・降雪・圧雪の皆さんに感謝)、しっかり滑り込むのもとても大事だと思う。疲れが溜まった時でも確実に滑るとか、滑走スピードの限界値を上げておくとか。高い姿勢、低い姿勢をあえて取って滑るとか。腕を前で組んだり後で組んだりしてバランスの対応幅をあえて狭くして滑るとかね。

BCやらない仲間たちと、時々リフトの上とかでBCの滑り方について話すんだ。だけど、ここまで詳細に理由を交えて話すことは無い。ていうか、リフトの上でこれ話されたら、ウザいよねw

でもまぁ、BCスノーボーダーの僕は、こんなことを考えて普段から練習してます。そんなことは、残しておいてもいいのかなって思って書いてみました。

おしまい

*僕がここで書いたことは、BCでテレマークスキーに親しんで得た経験をベースにしています。BCではこんなリスクがある、それに対してスノーボードだとどうすれば安全なのか?そのためにはどうやって滑ればいいのか?そうやって、出来上がった僕の個性。技術論的に正しいとか、正しくないとかを言いたいわけではまったくありません。スキーとスノーボードの両方を経験できたことは、本当にラッキーだったなってしみじみと思います*

注1 積雪期登山とか、単独ではあまりにも困難だし、というかパウダーあるならゲレンデのスノーボードが楽しいしね。アイスクライミングとかも興味あったけど…あれは危険すぎるでしょw

注2 普通の斜面で滑る時、バックサイドターン進行方向は左肩の上を通して見通す。これが左の脇の下を通さないと、先の状況が見えなくなったら、かなりの急斜面ってこと。あ、それと、トランシーバーでイヤホンマイクを使う場合、あなたがレギュラースタンスの場合は右耳に付けてね。バックサイドの耳は開けておいて、聴覚でも情報を掴むべきだと思うから。僕はBCでは耳を塞がないスピーカーマイクを使っています。

注3 何回かギリギリセーフを経験したことがある。間一髪で避けたり、急停止したり、飛び越えたりw。どの場合も、ほんのわずかでも危険に気がつくのが遅れたら、無事では済まなかったかもしれない。

注4 僕はゲレンデでは結構スピードを出して滑る。でも、BCでははっきり言って遅い。というより、BCでは普段の6割くらいの力で滑るようにしている。もっと状況が悪ければ3割とか。で、普段から自分の滑走能力を上げていれば、余裕も増えるし、安全に素早く行動ができると信じている。

2021年4月5日月曜日

DAY37 丸沼でゴンドラ回し

谷川岳芝倉沢から、一日挟んで丸沼高原に出動。

さすが標高高くて降雪機に投資しているだけあって、メインになる斜面はバッチリ。朝イチから…朝ヨンくらいまでは雪もしまっててとても快適でした。

ただまぁ、芝倉沢BCの疲労度が思ったよりも残ってたのと、なんというか、ゲレンデで普通に滑るのは、もう十分かなって気持ちにもなった。そんなこんなで2時間で早上がり。帰宅して、BC用のボード2枚をホットワックスして、ギアの整理をする。


至仏の様子を見たかったんだけど、残念ながらガス

ロープウェイ山頂駅から、スキーヤーズライトに出るとこんな感じ。

黄砂は飛んでるけど、走る雪

日光白根山も残念ながらガスの中。西面の大ガリーはちょっとだけ見えたけど、もう真っ黒で雪はなさそうでした。


シルバーコースのコブは、丸沼の上級者が育ててるだけあって、滑りやすい。


丸沼も岩鞍も、上手い人が育てるコブは粒ぞろい

とりあえず、オープンしているコースは全部回ったので早上がり。


帰宅してから、A-Oneのホットワックスを仕上げ。これは、一昨日、谷川岳芝倉沢BCから帰宅して、ワクシングだけしてあった。それをもういっかい熱入れて、汚れを取り、スクレーピング&ブラッシング。

次は神楽か乗鞍か、至仏かね?

2021BBQシーズン開始

いろんな雑事(庭仕事とか)済ませている間に、強かった北風も収まってきた。そこで、今年初のBBQというか、お庭でちょっとなんか焼くかってレジャーを開始。

今年はお友達をたくさん呼んで、焼いたり蒸したり炙ったりしたいなぁ。

おしまい

2021年4月4日日曜日

Gentemstickが、スーパーモデルのポジションをテイクオーバーしたワケ

Gentemstick(ゲンテン)というスノーボードブランドをご存知だろうか。99-00くらいのシーズンに立ち上がった日本のブランドで、先がとんがっていて、テールが燕の尻尾のように割れていて、単色使いのトップシートと言うと、なんとなくイメージがつくんじゃないかな。

ゲンテンには根強いファンと、アンチと両方が存在する。僕の周囲にはアンチはいない。ファンか、興味はあるけど高くて手が出ない人が多いかな。

そう、このブランドは値段がとても高い。ボトムで10万円は超えてくるし、ミドルレンジで15万円くらいする。先行予約の分+ミニマムしか生産しないから、流通在庫が過剰になることもなく、だからこそクリアランスや値引きも基本的にない。

「アンチ」って人は周囲にはいないけど、ちらほらと聞こえる声を拾うと「高すぎる」「仕上げとカッコ優先の見てくればかり」「特別感漂う信者がキモい」みたいな感じ?なのかな。ひどい言い草だよねw

見てくれだけの床の間ボードだったら、ブランドとして認知され続けるってことありえない。良く言われるのは、国産ボードとしての品質。オガサ○スキー製作所謹製という、技術力と品質管理によって、素晴らしい仕上げと耐久性と乗り味を持っているということ。

で、僕はこの投稿では、そのあたりの一般的に言われている魅力からちょっと離れた話をしたい。それは、ゲンテンが持つユニークなシェイプと、それがパウダーライディングの世界を広げた理由について、みたいな。

デブリと落石だらけの斜面を高価なゲンテンで滑るユーヤ、漢だね

ここ最近はパウダーボードというコンセプトが一般化してきた。ただ、ゲンテンが立ち上がった99-00当時は、パウダーライディングやBCと言うと一部の上級者だけが親しんでいる、そんなイメージが一般的だった。

BC・パウダーライドのレジェンドだったクレイグ・ケリーのシグネチャーボード、スーパーモデルの話を前に紹介した。ただ、このモデルもBC・パウダーライド用として使われていたかというと、ちょっと疑問がある。前に書いたことの繰り返しになるけれど、小足・小柄・体重軽めの日本人にぴったりのディメンションであることが人気のベース。海外ブランドの、所有欲を満たすトップモデルの中で、「たまたま」日本人に使いやすいから人気が出た、そんなところが現実だったのではないだろうか。

当時、パウダーライドを楽しんでいたのは上級者が中心だったと言った。パウダーの敷居を高くしていた理由は大きく分けて2つある。一つは浮力、もう一つはスピードコントロールの問題だ。

ノーマルボードでパウダーを滑る場合は、浮力が不足する。ノーズを雪面から浮かせるためには、ポジションは後ろ足荷重になる。そうすると、後ろ足がパンパンに張ってきて、すぐに疲れてしまう。これを防ぐには、セットバックを最大にするか…加速するくらいしか方法が無い。スピードが上がれば、浮力は増すから。

バランス取れるポイントは狭くて、ターンの切り返しで前足に荷重しすぎればノーズが食われて前転。つまり、パウダーライディングは、狭いバランスを維持しつつ、斜面と雪質の変化に対応しつつ、スピードを殺さずに滑れる、そんな上級者だけの物だったというわけ。

そこまで練習できないよって場合は、道具に頼る方法もある。だが当時だと、パウダーの浮力を重視するなら、長め・太めサイズを選ぶしかない。ボードの底面積が大きければ、浮力も増す。しかし、長くて太いということは、ノーズだけじゃなくて、テールも大きくなる。テールが大きいと、深い雪でも走るようにはなるのだが暴走しやすい。

下の写真の真ん中は Jones Hovercraft というパウダーボード。極太なシェイプはパウダーで無敵の突進力と加速力、安定性を誇る。面ツルで深いパウダーは天国です。しかし、テールがワイドで張りが強いので、テールを沈めて減速しようとした時、沈まずに暴走することがある(僕が下手なだけですがw)。

右側はYES. PYLで、一般的にはパウダーライドが得意なフリーライドモデルとされている。しかし、僕が乗った経験では、どちらかというと氷河みたいな硬くてオープンなバーンをかっ飛ばすのがきもちいい。パウダーも滑れるくらいの浮力はあるし、加速も十分だけど、スピードコントロールはライダー次第という難しさはある。こちらもテールが結構ボリューミーで、減速よりは加速優先って感じ。

パウダーに強いと謳うモデルにも、それぞれ個性がある

ゲンテンのパウダーボードは、細身で長めなのだが、浮力はノーズの長さで稼いでいた。細身なので全体としての浮力は控えめなのだが、絶対にノーズ食われないくらいに長いノーズを持っていた。これならターンの切り替えごとに前足に乗れるので、後ろ足を休ませられる。こうすることで、前後位置のバランス感覚をさほど練習しなくても、パウダーライディングを楽しめるようになった。

それと同時に、ゲンテンはテールをぶった切った。そうすることで、ターン弧で速度の調整ができなくても、テールを沈めれば減速できるので無問題!的なシェイプを作った。そんで、それをスワローテールとかのネーミングを付けて、サーフィン的な味付けで呼ぶことで、差別化をしていった。

気がついただろうか? ゲンテンのこうした特徴は、スーパーモデルの長所をさらに伸ばし、コントロールが難しいところを解消したものだということ。日本人の体格にベストマッチするフレックスとトーション、細くてクイックな動きができて、しかもBC・パウダーという特別感のあるフィールドへの敷居を下げてくれた。

僕は、これこそがゲンテンが地歩を固めていった理由なんじゃないかなって思う。「乗って楽しい」って価値が無ければ、ゲンテン買う人はいなくなったはずだしね。

じゃぁなんで僕はゲンテン履かないのかって?
だって、高くて手が出ないよw

*この投稿もブログ主の妄想に基づく単なるフィクションです*

2021年4月3日土曜日

DAY36BC4 デブリーランドもいとおかし 芝倉沢

谷川岳のBCと言えば、一般的なのは田尻沢〜熊穴沢。

その次あたりに来るのが芝倉沢かな。芝倉は技術的には難しく無い。雪崩と落石、雪の中に隠れているデブリのヒット、シュルンドへの転落とかさえ気をつければ。

そして、トマオキから延々と続く踏み抜き地獄。いいかげん腿の筋肉が終了したところで、一ノ倉岳への登り返しに耐えられる持久力。

そんで、湯檜曽川に降りてからのルートファインディングと、延々と続くスケーティングとストック滑走に耐える体力だけあればいい。簡単だね?

正直、先週の大雨で、芝倉沢のというか、谷川全域のBC賞味期限は終わったろうって感じ。

Rider: Yuya  Location: Debris-paradise Shibakurasawa

で、ユーヤ先生曰く

「デブリが出まくってるってことは、落ちるやつが落ちちゃったから、それ以上雪崩がないってことですよね」

「……お、おう、そう…だよねなんか違う気もするけど

天神尾根を登る

天神平に向かう途中はずっと雨。水上は雨は降ってないけどガスガス。まぁ、天気図上でも、予報でも、天候は回復傾向のはずなので出動。


熊穴沢避難小屋、この1週間でかなり融雪が進んでる気がする

今日の僕は、軽量化のためスノーシューはやめて、6本ヅメのクランポン+アックスのコンビネーション。ユーヤはダブルポールにスノーシュー。

Rider: Yuya  Location: Okimimi, Mt. Tanigawa

肩の広場も、トマ耳もずっとガスガス。奇跡的にオキ耳で晴れ間が出たので記念写真。

奥の院

ハイク中はずっとガスガスで、一ノ倉岳の先のドロップポイントでもガスガス。しばらく天候回復を待ったけど、どうしようもなさそうなので、諦めて滑走開始。

まず一人が滑る。そんで、シュルンドや落石の状況を確認する。で、状況を無線で連絡して、後続はそれに合った滑りで下降するって感じ。このエリアは、道迷いの恐れはない。だけど、スキーヤーズレフトからはデブリが、ライトからは落石のリスクがいつもあるところ。慎重かつ、迅速に通過する。

ガスガスの下に出るとずっと、ひたすら、デブリーランド

右岸がつながっているという情報を得ていた

スノーボードを一回も脱がずに降りられたが、ここにBC初級者連れてきてたら、泣かれちゃうねw


つながっているという右岸をご覧ください

ほんで、なんとか湯檜曽川まで下降して、あとはダルダルで下山する。毎年のように「川坊主」と出会える芝倉沢&旧国道出会も順調に通過。ここは夏は結構大きい滝になっている。

画面中央から右上に斜めに出ているのが旧国道

一ノ倉沢出合のユーヤ
これからずっとハイクね〜ってポイントでエナジードリンク

体を鍛えるには、いいコースだったね。帰宅して体重計乗ったら、体重増えてたけど。朝ごはんも、昼ごはんも、行動食で、夕飯食べる前だったのに体重増えてたけどw



スキートラックスのログ

芝倉沢は3年ぶりくらい?最後にきたのは単独だったので、仲間と一緒の安心感はやっぱりありがたい。今度はもうちょっと早めの、滑りが楽しい時期に来たいと思いました。

おしまい

2021年4月2日金曜日

メンテナンスのコツ クランポン

明日は久しぶりに谷川岳の芝倉沢を滑る。
ひと昔前は、芝倉沢のトップシーズンと言えば3月末ごろ。それくらいになると、下地は落ち着いて、ちょっと重い雪だけど、それなりに柔らかくて、湯檜曽側沿いに滑って下山できた。

今は…3月末といえば残雪期も終わりに近づいて、前向きに考えれば雪崩のリスクは極端に減る。だがしかし、湯檜曽川沿いは雪が切れて、滑ることもできない。さりとて夏道を辿ろうにも、斜面から滑り降りてきた残雪で、灌木やら幼木がなぎ倒されて、登山道の上のちょうど膝上から腿くらいの高さに、密集したハードルみたいな感じでバリケードが築かれる(注1)。4月なんて、まず、苦行w

多分核心は、踏み抜き。天神尾根と一ノ倉岳のハイク、そして湯檜曽川沿いの下山路。雪があれば、湯檜曽川に沿って、ストック滑走で降りられるけど、明日は無理かな。

いろいろ考えて、明日はスノーシューは置いて行く。で、6本爪のクランポン+ポールでハイク。アックスは一応車に積んでおくけど、多分残置する。

そんでもって、持参する機材のチェックとメンテナンス。

正直、クランポンは前爪がないと意味がないと思っている。6本や8本は、アルパインスノーシューとほぼ同じくらいの突破力しか期待していない。

でも、軽量で、足場が狭い岩場の通過や、雪壁に幅15cmくらいのトラバースが続くような場所では有効。つまり、谷川なら、場合によっては使える。踏み抜きには我慢が必要だけどねw

前回は重登山靴と合わせて使ったので、幅を調整

で、爪の側面をファイル(波目やすり)で目立てしていく。ここで注意するのは、尖らせすぎないこと。このレベルのクランポンをギンギンに目立てしないと不安、そんな場所に行くなら、10本を出すべきだよね。

岩場の通過で丸まったポイントを波目ヤスリで研ぐ

研ぎ直したときに、10本はマジで食い込みを追求するので、ポイントには白く光る部分は無い。ここはほとんどナイフみたいな感じ。それに対して、6本は、ピンポイントで白く光る、丸いチップが残るように研ぐ。

左はグリベルの10本、油断するといろんなものが切れたり穴があく

グリベルの10本は絶対の安心感があるんだけど、逆に油断ができない。つま先やかかとにドカーンと伸びた鋭い爪は、頼れるけど、いろんなものを傷つける。そして、斜面に残った幅の狭いトレースを歩くようなとき、鋭すぎる前爪がウェアの裾にささったら、転倒するリスクが増える。残雪期の低山、クランポンの刃は鋭すぎないほうがいい、時もある。

メンテナンスが終わったら、サビの防止と、着雪・着氷を防ぐためにシリコーンスプレーを吹く。

左はスプレー、右はオイルの容器
僕は、スノーシュー(デッキ・ハーネス・ストラップと満遍なく)や、スノーボードやスキーのデッキには、定期的にシリコーンオイルを塗布したり、シリコーンスプレーを吹いている。意味があるのか?と言われれば、もちろん、あると考えているからやるのだが…

メンテナンスのコツというのは、自分の命がかかっているギアは、ちゃんと観察して、手入れして、状況の変化を繰り返し追いかけてみるってこと、なんじゃないかな。



注1 夏は暑すぎて、水場も限られる谷川連峰。ベストシーズンは残雪期だと思う(個人的な感想です)。だが、2つ注意点。まず、トラバースルートは通行不可。本文で書いたけど、豪雪地帯なんで、全ての樹木が斜面の下方向になぎ倒されている。トラバースということは、その樹木の上をまたぎ、下をくぐり、横にずれて、これを永遠に繰り返すことになる。だから、必ず尾根筋か、谷筋(落石とブロック雪崩要注意)をたどる必要がある。もう一つの注意点はコーヒーフィルターを何枚か持参すること。残雪期は、雪を溶かせば水が取れるのだが、黄砂や花粉、黒いタール状のものが浮かんでくる。他の山域でももちろん同じなんだけど、タール状のものは特に谷川で多い気がする。そんな奴らも、フィルターで濾せば、まぁ、気にならなくなるかな。

注2 シリコーン系のメリットは、樹脂、プラスチックやゴムの強度を落とさないこと。そして、水分や酸素を遮断するので、加水分解の進行を遅らせることができる。シリコーンオイルはそのまま塗布する。スプレーの場合は、シリコーンそのものには樹脂やゴムへの攻撃性がなくても、噴霧できるように薄めている溶剤が攻撃性を持つ場合がある。「プラスチックやゴムに使えます」と書いてある製品を選ぶと良いでしょう。

名機スーパーモデルが、ある界隈で支持された理由

まず、これ見てください。
Men:
Height in inches: 69.0 ≒  175cm  (身長)
Weight in pounds: 199.8 ≒  90.3kg  (体重)
Waist circumference in inches: 40.5 ≒ 102cm  (胴囲)
Women:
Height in inches: 63.5 ≒ 161cm (身長)
Weight in pounds: 170.8 ≒   77.5kg (体重)
Waist circumference in inches: 38.7  ≒ 98cm  (胴囲)

アメリカCDCの健康調査による、アメリカ国民の平均的な体格です。

スポーツを全然やらない肥満体の人も含めての数字なので、ウエストサイズが 102cm とかになっている。そこは参考にならないですが、身長と体重、体の大きさが日本人とは全然違うってことは、わかってもらえますよね。

ちなみに、Healthlineというサイトによると、アメリカ人の成人男性、足のサイズは平均 US 10.5 (28.5cm)なんだそうです。全世界に広げると US9-12 が、男性の標準的な足のサイズ(注1)。

そんな体格の人たちが開発したボードを、アジア系の人が乗るとマッチしない。そこんところは、なんとなくわかってもらえると思います。

典型的なのが、北米で開発されて、マービンとかの工場で生産されるボードたち。Lib T●ch, G●U, A●bor, J●nes… もうね、ガッチガチだし、重いし、鉄板か?って。みんなはそう感じないんかね?不思議…

僕なんか足はUS7 (25.0cm) で、それ以外の体格はもうアメリカの女性とおんなじ(注2)。正直、この辺のブランド買うなら、ウイメンズモデルのほうがいいんじゃないか?って思うくらい。

Jones Snowboards の板は重くて硬いと言われる

そんなアメリカ製スノーボードの中で、例外的に日本人にフィットしたモデルがあった。それが、Burtonのスーパーモデル(オリジナルでクラッシックなほうのスーパーモデル)。

手前がスーパーモデル

このモデルはクレイグ・ケリーのシグネチャーボード。彼はコンペでも無敵だったけど、BC・パウダーライドにシフトしていった。そして当時、BCスノーボーダーに向いているとされたセッティングは、スタンスアングルは前振り、スタンス幅は狭めだった。

で、そうしたセッティングに合うボードは、幅が狭くて、ノーズは長めのディレクショナル、トーションとフレックスは柔らかめ(注3)。結果的に小足・小柄・体重軽めの日本人にぴったりのディメンションになったのだ。

ケリーのライディングスタイルは「水が流れるように、スムースで抵抗を受けずに速い」と形容された。そんな、力任せでないところも、日本人の美意識にマッチしていたように思う。


今乗っても感動するくらいクィックでいい板

そんな名機も、ケリーがデカイ雪崩で亡くなってしまい、開発するライダーがいなくなったことで廃盤になった。ケリーがいなくなったことで、Burtonに奇跡的に生まれた日本人にとっての名板の系譜が途絶えてしまった。

CostcoのPBウィスキーボトルはアメリカンサイズの1.75L

で、この、スーパーモデル大好きライダー達は、彷徨える旅に出て、どこに向かったかと言うと…ゲンテ●スティック。なぜか?

つづく

注1 Healthline によると、足のサイズと身長には相関関係があるので、「平均的な身長」の人の「平均的な足のサイズ」がUS8.5だそうです。ちなみに、水泳の金メダリスト、マイケルフェルプスは サイズ14!(32cm) 。この大きな足が、水中での推進力を産んでいるんじゃないか?って言われているとか。

注2 北米でスポーツ用品とか靴とか買いに行くと、もう僕のサイズが無い。一番小さくてUS8.5 とかで、 US7.0 って言うと、もう「あるわけねーだろ」みたいな扱い。それ考えると、それなりに小さいサイズのニーズがあって、スノースポーツの大きい市場がある日本で生まれ育ったことに感謝。

注3 BCスノーボードでなぜこのセットアップになるのかは、また今度書いてみます。


2021年4月1日木曜日

山遊びのグルメ 片品方面

 山で遊ぶとお腹空くよね。写真多め、文章少なめで紹介してみます。まずは片品方面


お洒落系、清潔、上品系の「なないろ食堂」
お値段は観光地価格だけど、観光地だからそんなもんでしょ。
オーガニックでやさしいお味、清潔で感じがよろしい
おすすめのチキン…だったかなw

がっつり系の「満洲飯店」女性にはちょっと抵抗あるかも…
写真撮り忘れたけど、エビチャーハンが特にツボにハマった。大振りのエビがゴロンゴロン入ってて、パラっと美味しいチャーハン。
飾り気のないビジュアル
さすがの餃子、ニンニク注意w
絶品レバニラ炒め、臭み無しでプリプリ
なぜか食後にコーヒーのサービス

芳味亭 ← よしみ亭かと思ってたけど、コーミ亭って言う人も?どっちが正しいのか?
ハゲ盛りで有名なお店。2020年にコロナ対策を兼ねて改装した?みたい。店内がより明るく、きれいになって、スタッフさんも若返り、お料理の盛り付けや味付けも変わりました。これはこれで正常進化でよろしいですが、名物かあさんを見かけなくなったのが寂しい。

唐揚げ定食 おかず大盛り(旧バージョン)

外見は改装後も変わらず
ロースカツ定食(旧バージョン)

焼肉時夢(これで「タイム」と読むそうです)
お肉は基本冷凍みたいだけど、牛ホルモンがあったり、センマイ刺しがあったり、割と本格的な焼肉屋さん。割安だし、助かる。



おしまい