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2025年11月2日日曜日

ちょっと近場をポタリング・棚下不動の滝

午後から弱い雨予報の休日、一応雨対策だけして北に向かって走り出した。

行き先は特に決めずに、雨がポツリポツリ降ってきたら帰るつもり。考えてみれば最近はブルベばかりで、こうした自由気ままなサイクリング(ポタリング)をしていなかったな。

とりあえず利根川サイクリングロードに出て、北に向かって渋川まで。サイクリングロードのはここまで利根川の右岸を通して続いている。

右岸をそのまま遡ると国道17号に入る。R17は大型車が多く、路肩が狭く、路面が荒れていて面白くない。そこで橋を渡って左岸を遡る。

利根川左岸道・お気に入りスポット

道幅が狭く、大型車通行禁止のせいもあって、のんびり走るのにちょうどイイ道が続く。穏やかなアップダウンもあって、少しずつ高度を上げていく。

コーナーの向こうに、水線が見えない滝が現れた。

水流が見えないのは雌滝?

そう言えば、この道沿いに、日本の滝100選にも選出された滝があったな…
いつか行こうと思っていながら、未訪だった…今日がそのいつか行く日だな…きっと

遠景

やがて、不動明王像が道路脇の駐車場に見えてきた。

大岩に穿たれた不動明王像

この大岩と不動明王像の由来は、横に説明がある。東日本大震災の地震でこの大岩が崖の上から落ちてきたんだそうだ。幸い被害はなく、震災の犠牲者を悼み、今後の安寧を祈念するために彫られたというようなことが書いてある。

脇の急峻な遊歩道を歩いて登る。
ここから見える滝のようなものは、どうやら雌滝らしい。本体の雄滝への道は、尾根を回り込んでいくので下からは見えない。

雌滝?

眼下には利根川が曲がりくねって降る。対岸はひするまキャンプ場。ここは以前1泊したことがあって、なかなか良いところだったことを懐かしく思い出した。

利根川…高いところ苦手なボク

尾根を回り込んだら、意外なくらいに立派な公衆トイレと、鳥居が見えてくる。

鳥居

お社

ここまで登ってくるだけで、何人もの参拝者とすれ違う。後ろを振り向くと、下からも数人が登ってくる。結構人気のあるスポットなんだね。

道は自然歩道のようになり、一と登りすると滝が見えてきた。

水流!

ハング下にもお社

遊歩道は滝の下に伸びていて、滝裏からの景色も楽しめる。



ひするまキャンプ場

想像していたよりも数段立派な滝だった。今度奥さんも連れてこよう、そう思いながら駐車場に戻る。

左岸道を再び遡って沼田方面へ。
上越線の線路鉄橋のトンネルが見えてきた。


この辺りはずっと落石注意の看板が出ている。
路上に岩屑が出ていることがあるので、注意して走行する。



もう少しで沼田、というところでポツリポツリと雨が落ちてきた。
気温も下がり、風邪をひきたくないので引き返すことにする。

下り坂基調の帰り道はあっという間。
北橘の、かのうやさんを通りかかったら入店待ちがなかったのでin

かのうやさんの昭和ラーメン・メンマ増し

少し冷えた体をホッとするラーメンであたためて…外に出たら…

雨が本降りになっていた…

2025年11月1日土曜日

ロングライド向きのロードバイクとは?

そもそもサイクリングの「ロングライド」とは、どれくらいの距離を言うのだろうか。普通の人にとって、丸一日10時間走れば相当頑張ったと言えるだろう。ブルベペースの時速15kmで10時間走れば、走行距離は150kmになる。そう考えると、150kmを超えるくらいの距離になれば「ロングライド」と言って良いのではないだろうか。

まぁ、強い人ならその距離は半日で走ってしまうのだが…そーゆー人はこんなヘボサイクリストのブログなんか来ないからいいのだ。

さて、ボクはブルベを初めて2シーズンをRidgeback Ramble (ツーリングバイク)で走ってきた。このバイクで600kmとか400kmのブルベを3本ずつ完走できたので、ロングライド向きのバイクではある。

そしてこの夏に、Trek Emonda SL(オールラウンドタイプのレーシングバイク)を増車した。増車した背景についてはココを参照。Trekで数本の短めブルベ(200と300ね)を走って、Ridgebackと比較することで見えてきたことがある。

簡単に言えば、ツーリングバイクは姿勢が立っていて、風の抵抗が大きくスピードが出ない代わりに身体がラク。レーシングバイクはその逆であるという…当たり前の結果だった。

もう少し具体的な話をすると、ツーリングバイクとレーシングバイクの速度差は、「グロス時速で1km程度」だった。

それしか変わらないの??って思うかも知れないが…ロングライドとかブルベだとこの違いは地味に大きい。グロス15時間走行すると、走行距離が15km違ってくる。距離15kmは、ブルベペースの時速15kmだと1時間。感覚的には、丸一日ちょい走ると、1時間の短縮になる計算で、300km20時間のブルベなら、1時間半程度の短縮になる。

それでは、身体への負荷はどんな違いがあるのだろうか?

レーシングバイクとツーリングバイクの一番の違いは、「速さ」へのこだわりだ。(ブルベに比べると)短時間・高強度のペダリングを強いられ、想定する速度域が速いレーシングバイクは、空気抵抗を下げる工夫がいろいろ施されている。

そして、走行時の空気抵抗を左右する要素として、車体そのものよりもサイクリストの体によるもののほうが大きくなる。速く走るために前傾を強いることで、前面投影面積を減らして「空力」を改善する。この体勢はどうしても負荷が高くなり、快適性は犠牲になる。

ポジションの違いは、ハンドルバー(ブラケット)とサドル、そしてペダルの位置によって生み出される。具体的にどうなのかを見てみよう。

左右2cmくらい狭くなる

ツーリングバイクのハンドルは幅が広い。

グラベル、落ち葉や枯れ木などの障害物や、深い轍の外乱もある。荷物が多いので、フレームジオメトリは安定優先。なのに低速でタイトターンを切ることもある。そんなわけで、しっかり車体を抑えられるように、幅の広いハンドルバーが付いている。

レーシングバイクは、空気抵抗を減らすために両腕を絞った体勢を作れる狭いハンドルバーが使われる。ブラケットの位置も絞りぎみになる。ステムもハンドルも、サイクリストの強い入力に耐えられる剛性が高いものだし…振動やショックを和らげるなんらかの工夫がないと、上半身の疲労は早めにやってくる。

BB下りはほとんど一緒


Ridgeback とTrekのBB下りはほとんど一緒だった。ヒラヒラ感や、反応性に影響するここが同じなのはちょっと意外だった。

フレームの中心であるBBが同じなので、リーチの違いがそのままフロント三角の大きさの違いになる。

ツーリングバイクのリッジバックはリーチが長く、フロントタイヤとシューズのつま先には十分なクリアランスがある。ただし、32c対応のフルマッドガードを付けると、切り返しの時につま先が当たる。

泥除けにつま先が当たる

レーシングバイクのTrekは、リーチが短いので、泥除けがなくてもつま先があたる。

泥除け無くても当たる

タイトターンでシューズのつま先が当たるのは怖い、確かにそうなのだが、実際に乗ってみると問題にはならない。一つの理由は、ターンの作り方がハンドルなのか、車体の傾きなのかの違いだ。

Ridgebackは「真っ直ぐ行こうとする車体をハンドルで曲げる」。対してTrekは「視線を向けて体を傾けるだけで曲がる」。Trekは、停止寸前の速度を除いて、ハンドルを大きく切る必要が無いのだ。

ちなみに、どちらのバイクもペダルとサドルは同じモデルを付けてある。

信頼のXTR・ショートスピンドル

信頼のFabric Scoop Radius

ここを共通化することで、バイクを乗り換えた時に調整が不要で、単に乗り味の違いだけを楽しむことができる。

ただし、サドルの角度だけは微調整が必要で、Trekのほうが前下がりになっている。
理由は、ハンドルバーとブラケットの位置が違うから。

ブラケットの高さ・遠さ

ブラケット位置を上から見る

前傾が深いTrekの場合、尿道の下がサドルの先端で圧迫されて、痛みが出やすい。そこの圧迫を逃すために、ほんの少しサドルのノーズを下げてある。

ツラツラと書いてきたが、300kmまでのブルベならばツーリングバイクでもレーシングバイクでもどちらでも完走はできるだろう。そして…そこまでの距離ならば、レーシングバイクの方が速く走れると思う。

時速1kmの速度差は、ブルベ走行中はどんな感じになるかイメージできるだろうか。

信号ストップがない、平坦な河川敷のサイクリングロードなどがわかりやすい。Ridgebackで走っていると、後方から他の参加者がジリジリと迫ってくる。そしてパスされて、ジリジリと離されていく。この、「ほとんど同じ速度なんだけれど、ジリジリと差が開いてく」のが1kmの速度差と考えて良い。

今までのボクの走り方は、他の参加者よりもペースが遅い。ジリジリと離されて遅れるのだけれど、補給や休憩の取り方を工夫して挽回する感じだ。で、完走者の中では下位10%くらいだが、Trekで走ると中位ちょい下あたりでゴールできる感じになる。

300km超え、400kmや600kmのブルベはどうだろうか。正直ボクはTrekで400km は走れると思うが…600kmはまだ確信がない。

300kmを走り終えた後の消耗は、Trekのほうが大きいのだ。サドルとペダルの位置関係は両方とも揃えているので、下半身の消耗度合いは同じようなものなのだが、上半身に違いが出る。

特に肩と、首のこわばりが激しく、完走後2〜3日程度は肩こり・偏頭痛が出る。こうした痛みやこわばりはRidgebackでは起きないので、400km超のブルベでどうなるかは来年走ってみないとなんとも言えない。

Trek ならば Emonda を持っていて Domaneを買おうか、またはその逆かで悩んでいる人がいたら、参考になれば嬉しいな。

2025年10月22日水曜日

買い換えるべきか? スノーボードブーツのヘタリ

そろそろ25−26シーズンに向けて早割リフト券とか、シーズンパスをどうするか、ソワソワし始めている人もいるのではないだろうか。何を隠そうボクもです。

ギアを買い替えようか考えている人もいるだろう。ギアの中で、買い替えの判断が難しいのはスノーボードブーツではないだろうか?

板やバインなら、シーズン中でもなんとか納得のいくものを買えるだろう。でも、ブーツは、サイズとフィット(甲高とか)とフレックスと、組み合わせする要素が多い。

なによりも、「平均的なブーツサイズから外れる人」は、在庫のあるシーズン初めでないと希望のサイズが手に入らないことがある。

ボクなんか足のサイズが 25.0cm…  US7…

バートンとかの大手ブランドや、小柄な民族もいるヨーロッパ発のブランドはまだマシなんだけど、北米オンリーのブランドだと結構厳しい。北米の新興ブランドだと、メンズモデルのサイズ下限がUS9 なんてこともある。そうなると、もう最初っから選択肢に入らない。ウィメンズならサイズあるけど…もうサロモンでいいです

そんなわけで、シーズンが始まる前の今、ブーツを買い替えるべきか迷っている人に向けた投稿を書いてみた。

「ブーツのヘタリ」には、「アウターシェルの剛性低下」と、「インナーブーツのクッション性低下」の2つの面がある。

アウターシェルの剛性低下(フレックス・レスポンスの低下)

シェルがフニャフニャになってサポートが不足した状態がこれ。こうなると、トウサイドエッジがうまく抑えられなくなる。

トウサイドエッジを強く踏む時、ブーツのタンをスネで押し込む動きが出る。押されたタンがトウボックスを押し込み、ボックスが力をエッジに伝えてくれる。

ということで、プレッシャーが集中する、「タンとトウボックスの境目」にダメージが出る。
裂けちゃった…

ブーツメーカーもそれは分かっているので、この部分の素材を変えたりして補強する。でも、繰り返し繰り返し加わるプレッシャーは、ここにシワを作り、やがては縫い目から裂けたり、素材に折り目ができて崩壊する。

タンそのものにもシワや変形が起きる。
BOAやスピードレーシングのような、細い紐やワイヤーでタンを抑えるモデルは特に注意が必要だ。可能ならば、履くたびに、紐がかかるところを少しずつずらしてやるといい。閉める場所が1箇所だと、そこにクセがついてやがてそこから折り目ができる。

タンの足首にできる溝

ブーツのフレックスを固くする時、「変形しにくい・剛性の高いタン」を使う方法と、「アウターシェルの剛性を高くする」方法がある。もちろん、どちらかだけではなくて、両方を組み合わせて、狙ったフレックス(固さ)とレスポンス(反発のスピードと強さ)を出していく。

で、モデルによっては、タンやアウターシェルに嵌めて剛性を高めるパーツが付属している。

ボクがここ数シーズン履いている、サロモンのブーツにはアウターシェルに嵌め込むパワーバーが付属している。

サロモン・マラミュート

上の写真、左手で押さえているバーで「この辺りに収まる」というイメージがわかると思う。写真の下側に、アウターシェルの一部が写っている。ここに赤く見えるのが、この強化バー。アウターシェル内側の上下に、バーの端っこが収まるポケットがあって、そこにバーを嵌め込んで固定する。

ボクは剛性が高めのブーツを好んで履いてきた。今は、Salomon Malamute を履いている。以前は Burton Driver Xを履いてきた。

個人的な印象だけれど、Driver X はタンの剛性で、Malamuteはシェルの剛性で、それぞれフレックスとレスポンスを高めていると感じている。んで、ボクは、Malamute のほうが合う感覚があったので乗り換えた。

バートンとサロモン

インナーブーツのクッション性低下(フィット感の低下)

「ブーツのヘタリ」のもう一つの要素が、インナーブーツのヘタリだ。クッション性が低下して、足の一部が圧迫されたり、むくんだり、擦れたりといったトラブルが起こる。

ブーツのクッション素材には、可塑性のあるゴムやスポンジが使われている。素材の特性として、ヘタったり、加水分解を起こしたりするのは避けられない。

個人的な感想だけれど、クッション性が優れてソフトなインナーブーツのほうがヘタリが早い感じがする。熱成型方式のサーモインナーも同じで、初期のフィット感がどれくらい続くかというとなかなか難しい。

サーモインナーとクロックスっぽいインナー

上の写真右側の、グリーンが差し色に入っているインナーブーツは、BurtonのSLXで使われていたやつ。確か…2015年くらいだったかな…

昔のバートンには、クロックスみたいな素材でできたインナーブーツがあった。これは重いし蒸れる感じがするけれど、へたりにくく、変な圧迫もなく、とても気に入っていた。アウターシェルと足の間を隙間なく埋めてくれるので、ブーツをフレックスさせた時の反発の出方も自然だった。

バートンがこのインナー素材をやめて、サーモインナーに変わったのもブーツを乗り換えるきっかけになった。

タンが沈み込んでいく

上の写真は、処分する直前のDriverX
タンにスピードレースが擦れた跡がついているのがわかるだろう。そして、その位置が大きくずれているのも見て取れる。

ついている跡は、「インナーが生きていた時についた」跡だ。アウターシェルと足の間に、しっかりとクッションがあるインナーが「みっちり」詰まっていた。

ブーツを履き続けていると、インナーがだんだんと痩せてしまって、シェルと足の間に隙間が生まれてくる。その隙間を埋めるために、タンを上から押さえるので、過去についた跡とちがうところにシューレースがかかるようになる。


長くなったのでそろそろまとめよう。

「今シーズンいっぱいブーツが保つかどうか?」を、今の時期に見極めるとしたら…

アウターシェルのトウボックス周辺に、「シワ」「変形」「縫い目の裂け」がないかどうか。そして、「タンに付いたレースの擦れ跡」を良く観察してほしい。

そして…
自分が小足族か大足族であるという自覚があるならば…在庫がある今のうちに…目星をつけておくことをお勧めしたい。








2025年10月1日水曜日

自分史上もっとも過酷なブルベに挑戦した話

以前の投稿でボクは、「DNFは勇者の証」と書いた。自分の限界に挑戦した結果のDNFは決して敗北では無く、勲章である、みたいなことを書いた。

でも…そんなこと書いてる自分は…どうか?

加齢と衰えを言い訳に、限界っぽい挑戦をしていないんじゃないか?そんなふうに自問自答をして、エントリーしたのが 300kmで 4,300m+アップのブルベ。

ただ、これが走れないとSRが取れない。それは困るので、保険の意味で1週間前に別の300kmを走っておいた。もうSRは確定したので、途中で嫌になったらやめればいいや、もう歳も歳だしネ…

さて、ブルベのルートの難易度には2つの要素がある。一つは言うまでもなく走行距離。もう一つは獲得標高だ。この組み合わせでそのブルベが、どれぐらい困難であるかが「だいたい」分かる。

ボクは登りが苦手なので、長くてもフラット気味なルートのほうが得意だ。そんなボクがほぼほぼ完走できると判断するのは、距離200kmなら獲得標高2,000mくらいまで。300kmなら 3,000m くらいまでなら、貯金を持ってゴールできる。これが400kmくらいになると疲労が蓄積されるので、獲得標高が3,500mくらいが完走できそうなプロファイルになり、600km になれば4,000mくらいになる。

今回のブルベは、300kmの4,300m アップ…
距離が短いので、貯金を稼げるボーナス区間もほとんどない。小さなタイムロスを丁寧に潰して、トラブルを避けるのが最重要になる。

ただでさえ鈍る思考力、限られた時間…安全に完走するには、「いかに余計なことを考えないで済むように準備するか」が重要になってくる。

ポイントのメモ
最近やっているのがこれ。マスキングテープに、チェックポイント(CP)の距離と名称を書いて見えるところに貼っておく。コンビニがCPになっていれば、レシートをもらい、それをブルベカードにこのマスキングテープで貼っておく。こうすれば、CP不通過も、CP間違えも、レシート紛失も避けることができる。

今回はこれに加えて、顕著なピーク(峠)の標高と、走行距離も貼り付けた。ペース配分を上手にやって、脚を残しておかないと帰って来れなくなるからだ。

前夜に天気予報をチェックしたら、天候も風向きも上々。わずかに残っていた降雨予報も消えたので、前後のドロヨケを外し、レインパンツは置いていく。レインジャケットは、モンベルのゴアテックスで、ウインドブレーカーがわりにも有用なので持っていく。

スタート地点の高崎まで車で移動し、秋晴れの中を走り出す。

安中杉並木

横川を通って坂本宿でダブルボトルを満タンにする。ここまで脚を使わないように気をつけていたのでペースは遅いけれども、20分程度の貯金ができていた。

碓氷峠は斜度はそんなにキツくない、けど、距離が長い。焦らず軽いギアで、クルクル回して登っていく。

メガネ橋

自分史上最もラクに、疲労を溜めずに碓氷峠旧道トップに抜けた。
碓氷峠旧道最高点

ここのカーブは184箇所。
碓氷は184(イヤヨ)

軽井沢を過ぎて中仙道に入り、宿場町を辿っていく。
望月宿入口

次の峠は、笠取峠。ここを走るのは2回目だ。佐久南に車を駐車して自転車で走り出し、ここを通って池の平へ出て、麦草峠を越えて佐久南に戻ったことがある。その時に、短いけれど割と大変な印象があった。

笠取峠峠松並木

その時気になっていたけれど、見ていなかった松並木。
笠取峠最高点

ピューっと降ってから、和田峠に向かって長い登りが始まる。
中仙道(和田宿周辺)

この辺の旧道をのんびり歩いてみるのもなかなか楽しいんじゃないか、そんなふうに感じる。それこそ Bike & Hike がいい。峠のてっぺんに自転車をデポしておいて、麓からハイクアップする。てっぺんで自転車に乗って、シャーーーって車まで戻ればいい。今度やってみよう。

和田峠の茶屋(廃墟)

和田峠の旧道をそのまま越えていくのが今回のオリジナルルート。ところが、峠の諏訪側が豪雨災害のため通行止め。そんなわけで、一度ビーナスラインに上がって霧ヶ峰を通って諏訪湖に降りる。
ビーナスライン(車山のドーム)

このコース変更のおかげで、距離は10km弱、獲得標高も数百メート増え、ボクにとっての難易度はさらに上がっている。薄い空気の中、余力を削らずかつ速度を維持するようにしながら前へ進む。
霧ヶ峰
霧ヶ峰の通過チェックで時間を見たら、次のチェックポイントまで1時間を切っている…

油圧ディスクブレーキさん…ありがとう…そう叫びながらダウンヒルで借金を返すアブナイ
高島城

CP2の足切りタイムは16時だった。

レジに駆け込んだボクの受け取ったレシートは 15:59の印字wwwww

これ実はCP2の直前でいろいろあった。

ファミマがチェックポイントだったのに、その手前のセブンにボクは入ってしまった。ボクに釣られて後続の Bianch 乗りの人も入ってきて、レシートもらって、あー時間に間に合って良かった〜ってところで、そのBianch さんが「ん?CP2ってファミマな気が?」って気がついてくれたの。あっ!!!ってんで、二人とも鬼立ち漕ぎでファミマに移動して、ギリギリ通過ってなったのだ。

この Bianch 乗りの人、見覚えがあったので尋ねてみたら、やっぱり以前一緒に走ったことのある人だった。一昨年(2023)の銚子400で寒さに震えつつ、コンビニの駐車場でホットドリンクを啜っていた時になんどか出会って話した人だった。バイクとホイール、そして、いかにも優しそうな笑顔で楽しそうに話すので覚えていたのだ。

そんなわけでドタバタしたのでw、諏訪湖の写真は残念ながら無し。

富士見峠に向かって走り出し、富士見パノラマのすぐ脇を掠める。

富士見パノラマ入口
なんだ…富士パノって自走で来れるんじゃん…

長坂のセブンがCP3。貯金はかろうじて30分程度になっていた。野辺山へのヒルクライムに向けて軽食を取り、サドルにまたがって走り出す。

清里まで、何度か休みつつ登るが、野辺山への最後の直登で押しが入って借金生活。

小諸のCP4までの降り基調で借金返して、追分宿までの地味でキツイヒルクライムこなして、碓氷峠を体重ターボですっ飛ばして降って、気がついたら4人くらいのパックができあがっていた。

せっかくだから、つかず離れずで付いていって無事にゴール。

今日もありがとうございました…

走り切れたことが我ながらちょっと信じられず、ボーゼンとしつつ、一緒にゴールした人たちと完走を祝いつつ、片付けをして帰宅しました。

このルートを時間内できちんと完走できたことは、多分一生忘れないんだろうなと思う。

今までイッチバンキツかったブルベは、2023年の「雲海を見に行こう」300kmの3,600mアップだった。その時を超えた自分にお疲れ様。

おしまい

2025年9月23日火曜日

SR(イケてる自転車バカ)への道・300kmブルベ完走しました

前回走ったブルベは、R東京(ランドヌ東京)さん主催の東京発着。真夏の暑さを避けるために、夜の初めに走り出して夜通し走る200kmだった。その記録に書いたけど、2025年のSR(シュペール・ランドヌール)の称号をいただける基準まで、残すは300kmブルベ一本。

そんなわけで、300kmブルベにエントリーして完走してきました、という記録です。

通過チェック!

今回の投稿は短い、写真が無い、なぜか?

コースプロファイルは割と優しめなんだけど、今回は天候が読めなかった。

というより…天候は悪いと読めたのだけれど…悪いと認めたくない感じだったのだ…なんだそれ

それはねぇ、ずっと、ずーーーーっつと向かい風予報。
大体さぁ、スタート・ゴールがほぼ一緒のブルベって、往路と復路があるわけじゃん?行きが向かい風なら、帰りは追い風になるじゃん?往路で借金しても、復路で返せるとか、計算できるはずじゃん?

ところが、予報がこれ…

後になるほどエグい風

往路は信号峠と向かい風で貯金ミニマム…
折り返しあたりで風向きが反転して、復路も向かい風…なんじゃそれw

この予報図は、平均時速15kmで進行した場合でシミュレーションした。終盤になるほど風が強くなる。強いサイクリストなら巻き進行で早めにゴールすることで、強い向かい風を受ける時間を短くすることもできそうだ。だが、貧脚のボクは、踏みまくることができない…カナシイ

でもって、ボクが貯金を作るには「休憩減らす」「補給ストップ減らす」「写真撮らない」くらいしかできないのだ。

しかも、雨予報…

だいたい予報通りの降水でした…

出走前1週間くらいは、予報がコロコロと変わった。もしかして雨降らないかも?そんな瞬間もあった。

だが、最終的に確定したのがこの予報。スタート雨、いっかいやむけど、昼前から降り初めて、日が暮れる前にザッと降るかもという予報。

雨で嫌なのが電子機器類の浸水。

ボクのiPhone はバッテリーが弱くなってきている。R東京主催のブルベは、通過チェックもゴール申請もスマホが無いとできないから iPhone は生命線。そんなわけで、「雨が降っていない時間帯に充電」して、雨が強い時間帯は防水パックをフル活用という感じになるのだ。

結局、風も雨も予報通りで、特に雨は「豪雨」っぽく降った時間帯もあり、なかなか過酷なブルベになった。でもまぁ、巻き進行の結果、貯金多めでゴールできたのでその点は良かったかも。

今年の自転車シーズンも、もう少しで終わる。来週も300kmエントリーしてはいるんだけれど、こちらはDNF覚悟の厳しいコース。なんか、出走しないでもいいかなぁ、なんて気持ちになりつつある…オイ

冗談はさておき、もう一本AJP(パーマネントブルベ)でエントリーしているやつがある。これも準山岳コースで、ボクにとってはかなり厳しいルート。期限が10月末までなので、そちらもなんとかチャレンジしてみたいと思っています。

おしまい

2025年9月13日土曜日

山力(ヤマヂカラ) 山の生活技術・番外編

山力(ヤマヂカラ)について、ここでボクは何度も書いてきた。

山力とは、体力・(登山)技術・生活技術の3要素の掛け算で表せる、山屋としての総合力評価のこと。ただ、「山の生活技術」といってもピンとこないかも知れない。

今はどうだか知らないけれど、昭和の時代に「山の生活技術が優れている」人たちは、だいたいが山岳部とかワンゲル上がりだった。

山岳部は口数が少ないが、いざ口を開くと声が太い。悪天候の岩場で視界が無くてもコールが届くようにだろうか、普段から腰が入った話し方をする。装備もなんというか独特で、巨大なバックパックザックは色褪せている。

テン場で彼らは早い時間に寝る。いきなりピタッと静かになって寝る。一般登山者がのんびり酒を飲み、声を落として会話を楽しんでいる中、彼らの大きなエスパーステントだけが静まり返っている。

そして…彼らは深夜2時くらいに起きるのだ。

彼らの実力は、撤収に要する時間と、その間に出す音、先輩が指示する声と内容で推し量ることができる。

夜間のテント撤収は重要な生活技術

ある日ボクがテン場で泊まっていた時、山岳部であろうグループと一緒になったことがある。

それは5人くらいのパーティで、ボクの隣に幕を張った。夕暮れにちょっと挨拶を交わして、彼らは誰よりも早く眠りについた。そしてボクが朝4時くらいに起きたら、キレイさっぱり撤収を済ませて居なくなっていた。

テントは単なる布なので、隣り合ったテント同士はなんとなく気配を感じるものだ。なのに、彼らが動く気配はまったく感じることがなかった。

クックキットをガチャガチャさせず、ビニール袋をガサガサさせず、5人の若者が静かに、横に寝ている僕を起こさずに早立ちしていったのだ。

テント、寝袋、マットをたたんでパッキングする。共同装備のどれを誰が持つ。食事はなにをどうやって済ます、そうしたすり合わせ一切合切を、パーティー内で会話せずにすませて去っていった。多分ヘッドライトの光量も控えめに、こちらのテントを無駄に照らさずにいてくれたのだろう。

彼らならば、吹雪で視界が無くても、風が吹きすさんいても、互いの声が通らなくても、テントの設営と撤収は問題なしにできることだろう。片付ける時に装備を無くしたり、変な場所にしまうこともないであろう。彼らならば、どんな状況であって確実に体を休め翌日に行動することができるのだろう。

その朝、彼らのテントがあった空間を見ながら改めて考えた。「山の生活技術」とは、山中の生活でムダ・ムラ・ムリを取り去る技術なのだろうなと。

テント泊、冬季、BC、数日以上の縦走になると荷物は増える。何も考えず、荷物の量が増えるに任せれば、背負える限界を超えてしまうことになる。生活技術を磨いてムダを取り去り、荷物を小さく軽くすることで、より挑戦的な山行が可能になる。それが彼らのような集団が求めている生活技術なのではないか。

振る舞いが洗練されていてムダが無い、そんな登山者をテン場や避難小屋で見かけると、ボクは思う。この人がこうなるまでには、どのような背景があったのだろうか。そしてボクはこうした存在に近づけているのであろうかと。

そして…年齢を重ねて体力がさらに落ちた時、ボクが登山を続けられるかどうかは、その辺りにヒントがありそうだ。そんなふうに感じている。

2025年9月6日土曜日

AJP南湖公園195km完走…暑かった…

AJ宇都宮主催のAJP(パーマネントブルベ)は、ほぼほぼ全部走っている。走れなさそうなやつにはエントリーしてない…弱いのがバレちゃうから…

ふとWebページを見たら、新しいコースが追加されていた。獲得標高少なめで、難易度が割と低めの195キロ。夏の間に走っておこうかなとエントリーして完走したという話。

義経の矢が、矢が抜けない!!

キューシートをGPSデータに落としながら確認したら、なんかAJP那珂川と結構重なっているようだ。AJP那珂川は白河発で南に向かって走る。今回は南の宇都宮から北に向かって走るので、十分にありえる話。

あんまり詳しく下調べすると、当日の新鮮さが薄れてしまうので程々にした。

今年の夏も猛暑なので、涼しいうちに登りを済ませよう、そう逆算したらスタートが3時になった。仕事を終えて帰宅して仮眠して、車で宇都宮に移動。良く調べずに「宇都宮駅」近くのコインパーキングに駐車。

ん?東武宇都宮駅前??あれっ?もしかして、JR宇都宮駅と違う?

Googleマップで見たら、スタート地点まで割と距離がある…アヒャヒャヒャヒャヒャ
時間ギリギリになってしまった…マニアッタカラヨシ

JRと東武…気をつけましょうね

暗いうちにスタートして東に向かう。LTRの軌道脇を離れて山道に入り、小さなアップダウンを抜けると最初のチェックポイント。

茂木駅

ここからルートは北上していく。那珂川町あたりで、見覚えのある景色に気がついた。AJP那珂川120kmの往路ルートを逆向きに走っている。

途中でAJP那珂川の往路から外れて復路に入り直す。那珂川ルートの復路は新白河に出るまでに2つ峠を越えるのだけれど、今回は1つめの峠はパスして2つめのやつだけ超える。

獲得標高も、傾斜も優しめで走りやすいが、すでに暑くなりつつある。登りに入る前に、アイスボトルを買って背中のポケットに入れた。

義経伝説の岩

峠の手前に、義経伝説スポットがちょいちょいある。

抜こうとしたけどムリでしたヤメロ

小芝居しつつ、写真を撮ることを言い訳に休む。

タテカン

峠の手前で2つ目のチェックポイント。

那須町の石塔

今まで何度も超えた峠を今日も超えていく。

こっから白川の領土やで

石段登ったことない…

いつもこの神社は、道路から見上げつつ柏手を打つ。今日は時間に余裕があるんだから、お参りしても良かったかもね。

峠からシャーって降りると、白河ラーメンの名店。今日は流石に朝早すぎて、やってません。白河の関も今日は素通りして先へ進む。

今日も素通り…

南湖公園も今度はゆっくり訪れてみたいなぁ。

初めて気がついた石碑

南湖公園が今日のメイン、チェックポイント3。ここから那須高原にちょっと登ってから折り返しになる。

松平定信候の像

最後のアップヒル手前のセブンイレブンで氷を買って、背中を冷やしながら登る。かろうじて猛暑が来る前に本日の最高標高地点。

チェックポイント4 巻狩鍋

この鍋に水入れて行水したい…ヤメロ

ここから基本下り坂!というわけにはいかず、小刻みにアップダウンを繰り返しながら、矢板の手前まで進む。

ドーピング…

最後の数時間を凌ぐために、氷買って、コーラのミニボトル。

最終チェックポイント

ニューバイクのおかげか、穏やかなコースプロファイルのおかげか、普段の200kmブルベに比べると速いペースでゴール。TREK Emonda の新しいギア比はやっぱり正解。アップヒルでローギアが足りなくなることも、下り坂でトップギアが吹け上がることもなかった。

夏場のブルベはやっぱり厳しいけど、新機材のテストが完了して、次の準備ができて良かったです。おしまい