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2021年9月13日月曜日

Ride30南会津から檜枝岐村を通って奥只見湖

フリーサイト、格安、ワイルド系キャンプサイトの朝は早い気がする。4時半に起きて、5時に片付けを始めると、オートキャンプ場では誰も起きていない。

しかし、いわゆるテン場や、今回泊まった一泊700円(一人一張り)のキャンプサイトだと、みなさん慌ただしく動いている。

お隣のセローライダーは、釣りに出かけたのか?気配すらない、ガチだな…

今日は檜枝岐から七入、そこまではなだらかな登りとなる。そして急登が始まるが、尾瀬の玄関口である御池までは、まぁ、その、平和って感じな道筋。
屏風岩ってどこ?

観光らしい観光もせずに進む。ここは河原に降りてみた。
あ、ここか…写真だとうまく伝わらないかも

七入を過ぎると、尾瀬っぽいブナ林の中の道になる。
いかにもクマが出そうな道を登る

七入ですでに結構標高を稼いでいるので、御池まではさほど苦労せずに…いや、押したけど、押しましたけど、到着。
御池に来るのは2回目

ここは福島側からの尾瀬の玄関口。今夜の宿泊地は、坂を降ったところのキャンプ場(ただし、営業しているかどうかは不明)か、銀山平キャンプ場。どっちにしろ、はっきりしているのは、携帯はほぼ圏外で、商店はなく、食堂などはほぼない。

だから、食事が取れるチャンスがあるなら、食べるのが良い。

御池の売店を覗いたら、カップーラメンお湯付きが売っていたので、とりあえず食べる。
単なるカップラーメンだけど…美味しいよね

とりあえずカップラーメン食べてダウンヒル開始して、いーかげん体が冷え切ったところで、「営業中」のノボリを発見。一瞬通り過ぎかけたけど、営業中?こんな山の中で?

店名「山ん中」…絶賛営業中

チャンスがあれば食うべし、なので、食べました、山菜そば。
実はなめこそばが名物だったらしいw

エネルギー補充して、県境を越えて新潟に入る。
ダウンヒル終わって川を渡るところが県境
ここが只見川の本当の源流域みたいです
平ヶ岳への登山口

平ヶ岳は一度登ったことがある。もう…いいかな…って思ったのだけれど、久しぶりに来てみると、もう一度行ってもいいかな?って思うのが不思議だね。

そして、ここから、地獄の奥只見湖の湖畔道が始まる。

下の写真でわかるだろうか、奥の斜面を左から右に道路が横切っているのが。交通量が多いところなら、対岸から、こちらまで橋を渡せば済む。しかし、ここは、一年の半分以上が雪に閉ざされる豪雪地帯で、交通量も限られていて、橋とかトンネルとか、作れるかボケ!

そんなわけで、画面の中央左からズーーーーーーーット右の奥、写真で影になっているところの、さらにズーーーーーーット奥まで進んで、谷を越える。

ほんでもって、そこから今度は登り返して、登って登って、登って、目の前の尾根を巻いて、今僕が写真を撮っているところに登り上げて来るのだ。
いやもう、うんざりw

で、湖畔道っていうと、湖面のすぐ脇を走っていて、疲れたらちょっと水際におりて、パシャパシャして、キャッキャッウフフみたいな感じじゃないすか?

さりげなく、こんな感じで標高を上げさせられるんですよ(泣)
で、ここ、尾根なんですけど、これから谷を渡るんで、バビューンって画面左に向かって降るんです。で、対岸、湖面のすぐ上を横に通ってる道路があるですよね?あの標高まで下がって、あそこを左から右に通り過ぎて、今後は向かい側の尾根を乗り越えるためにヒルクライムwwwwwww
向かいのシュッとした山の名前すら忘れるw

湖畔道なのに、道中の半分くらいは、尾根筋で日に焼かれながらヒルクライムしている。たまに湖面が見えると、写真を撮るふりをしながら休む。
まぁその、押しますよね
急峻な地形で深さがあるせいか、独特の色の湖面

その、小出からここまで見かけたサイクリストは1名。それくらい、自転車で走るのはアレな場所でしたw  知ってたけどw

途中でキャンプ場探したけど、やっていないみたいだったので、頑張って銀山平まで。

フリーサイトで確か…1,500円くらい。そして、源泉掛け流しの温泉600円が、100円割引になる。

炊事棟の向こう側にご夫婦1組

今日もまた、広大なスペースに伸び伸びとテントを張る。
吊り橋の対岸から渡ってくる

ここのフリーサイトは、駐車場から橋を渡ってこなければならない。荷物運搬用の台車は一応設置してあるけれど、流行りの車横付けできるオートサイトと比べると、人気が無い。

橋の下の渓流
川坊主はいませんでした…

設営を終えて、お風呂をいただきに管理棟へ行く。
温泉は別棟

穏やかでぬるめのお湯がチャポチャポと流れ出ている。貸切でとても良いお湯でした。
露天はなくて、ちょっとこじんまりしたお風呂

サイトに戻ってビールを飲んでくつろいで。
広過ぎて、なにやってもいい…みたいな感じ。
構図自体がヘンw

炊事棟も清潔で広々していて、貸切。
今夜はカルボナーラスパゲティ

パスタを茹でてカルボナーラで食べて…
空腹がおさまらずにもう一人前茹でて、レトルトカレーでおかわりして…

テントに入ったら寝落ちした。

2021年9月12日日曜日

Ride29 小出から六十里峠を超えて奥会津へ

ソロキャンパーが、高規格オートキャンプ場で泊まるのは場違いだったな。
一泊6,000円…だったら温泉民宿とか、もうちょっと奮発して旅館に泊まった方がいいよね。

そんな風に反省しつつ、今日も早立ち。
周囲のファミリーキャンパーの皆さんは、ぐっすりお休み中。
只見線沿いは期待通りの穏やかな路

田園風景の中を、朝靄を突き抜けて走って行くと夜明けを迎える。
生活道路をのんびり進む

川があって、その横を只見線が通り、その横を古い路が辿っている。土木技術が拙くて、大型重機も無く、自動車のパワーもブレーキもひ弱だった時代に作られた道路は優しい。地形を良く読み、起伏を避け、地盤が安定しているところを選んで開削されている。

それに対して、たくさんの車を、速く、最短距離で通過させるためのバイパスは違う。直線的に、トンネルや橋でつないでドカンと道を通す。
山裾に沿って開かれた農道は走りやすい

先を急がない自転車旅なら、もちろん選ぶのは生活道路。道端のお酒屋さんに、この界隈の人が「酒」に向ける情熱を感じながら進む。
「新潟だけの あつい酒」痺れるね

峠に近づくにつれて山が険しくなる。鉄道路線は急勾配を苦手とするので、只見線は長いトンネルの中に潜る。車道は傾斜を増し、カーブを重ねながら標高をあげて峠へと続く。
豪雪地帯特有の山稜
豪雪地帯の山は森林限界が低い。大量に降った雪が、稜線上の植生を根こそぎ奪い去りつつ雪崩れ落ちるから。大きな山塊の頂上近くはスラブ状の岩壁が露出している。

ふと気がついたらトンネルの前にいた。ライトを点灯して長くてひんやりしたトンネルを進み、県境を越える。

車だと一瞬で通り過ぎる県境
福島に入りまーす

峠のトンネルを超えてバビューンとダウンヒル…そんなことはない。
六十里峠開通の碑 会津と越後を結んだ感動が記されている

ダムが建設されて、水が湛えられてダム湖になる。ダムの水面に沿って、等高線と平行に道を拓ければ、走りやすい道ができる。しかし、そもそもダムが建設されるのは深い谷が連続する渓谷地帯。道は「拓けるところに繋いでいく」から、アップダウンを繰り返し、あっちへ行ったりこっちへ戻ったりの連続となる。
只見湖が見えた

登って登って尾根を超えて、降って降って沢を渡る。これの繰り返しでダムの本体へとたどり着く。
わりと終了モードw

快適なダウンヒルとなるのは、ダムの堤体上からボトムまでくらいです。
ダム下の緑地公園

ダム下まで降りると、只見線が再びトンネルから現れる。そこは只見町で、ちょっとした集落になって、コンビニ(デイリーヤマザキ)が複数ある都会。

この周辺にもキャンプ場があったのだけれど、まだ昼前だし、もう少し檜枝岐方面に進んでいたいと思って先に進む。

お腹すいたなー
さすがにこのあたりには、ご飯屋さんはなさそうだなー

そう思っていたら、大型バイクが何台も停まっているお店を発見した。「おかあの台所 五十夢」にイン。
一番人気らしい担々麺
一番人気らしい手作り餃子

一番人気がいくつかある個性的なお店でした。想像を上回る美味しさでした。
豪雪地の消火栓は背が高い

檜枝岐村に着く前に、なんだか、今日はもうこれくらいでいいかなモードに突入。近隣のキャンプ場を確認したら、「久川ふれあい広場キャンプ場」を発見。ここはテント一張り500円、一人200円の合計 700円で泊まれる。 ただし管理人不在で、売店も自販機も無い。ビールなしで泊まるのもさみしいなと思ったら、こんなお店を発見!

BBQラム肉が名物だったらしい…

氷とビールを無事に確保できたので、キャンプ場に向かう。
ここもガラガラで、場所選び放題。

清潔なトイレと炊事棟、よく手入れされた芝生があって、すぐ脇には渓流。地域の皆さんに感謝しながらセッティング。

贅沢にテーブル&ベンチでくつろぐ

お隣のキャンパーはセローでバイクツーリングしている釣り師さん。

キャンプ場からすぐそこに、「赤岩温泉」ってのがあって、日帰り入浴600円の露天風呂でえらくいいらしい。ええっ!行けばよかった!

ビール飲んだあとなので、自転車とは言え、飲酒運転になるから断念…

そして…さっきビール買ってきた「フクエストア」で、実は味付けラム肉・マトン肉が買えたんだそうだ…これがBBQするとゼッッピンらしくて…あーもう!

隙あらば、肉焼こうと思って、ティファールのクックセット(ミニフライパン付き)にしたのに…結局一度も肉焼きませんでしたw

と、ぶつくさ言いながらテントに入ったら寝落ちした。

2021年9月11日土曜日

Ride28輪行ワープ 土樽から小出へ

夏休み2日目は、曇り時々雨の予報。

昨日…フル積載で走ってみて、これで三国峠を超えるのは無いなと結論。早めに脚が終了してしまったら、それでゲームオーバーになってしまう。それは嫌なので、今日は最寄駅から輪行で新潟に抜ける。
日の出とともに出発

前の晩にJR上越線の時刻表を確認しておいた。水上から越後湯沢までの県境を越えるローカル線は、本数が極端に少ない。朝イチの電車に乗れるように、早起きして片付け。岩本駅まで移動して、パッキング。水上駅で乗り換えて県境を超える。

岩本駅で電車を待つ
そのまま弾みで小出まで…行ってしまうと、「サイクリング」にならないので、県境を超えた最初の駅である、土樽で下車。
土樽駅
無人駅を選んでいるのは理由がある。大規模なターミナル駅だと、お客さんの往来が激しい。周囲の邪魔にならずに、輪行の準備ができる場所がなかなかなかったり、場所があっても改札から離れていたりする。

今回のように、サイクルキャンピングの場合は荷物が多くなる。右肩で自転車の入った輪行袋をかつぐ。貴重品や身の回り品をいれた、ハンドルバーバッグは首から下げる。リアパニアバッグ2つは、ストラップで左肩からぶら下げる。そんな荷物まみれで改札を通り、階段を登って降りてホームに行く。

大きな駅だと、この距離が長い。エレベーターがあればまだしも、高齢者やベビーカー、障碍者のみなさんが優先なので、結構な時間がかかる。

ローカル線の無人駅とか小さな駅なら、外からすぐホームみたいな構造なので、楽ができるという訳なのです(注1)。

土樽から小出に向かう道は、ほぼほぼ穏やか〜な下り坂。
田中角栄さんの銅像に見守られて進む

今日は土曜日なので、キャンプ場は空きがないかな?と思いつつ電話してみたら予約取れたのでチェックイン。高規格型のオートキャンプ場で、道路の反対側には温泉施設付き。入浴料込みで 6,000円…
ファミリーばかりのなかソロテントで一人

今回の夏休みにはとあるミッションがある。

僕も奥さんも、糖質を制限して、体重をコントロールしている。だから、お米とか、パスタとか、買い置きが全然減らないのだ。

で、今回は生米五合、パスタ、非常食の常温保存可能なレトルトハンバーグ(賞味期限切れ)を積んできた。どれもそろそろ食べないと、アカンやつら。昨夜も今日も、ご飯を炊いて、ハンバーグライスを食べる。
カニ穴の開いたご飯

ちょっと重量は嵩むのだけれど、ティファールのNon-Stick クックパンセットは優秀。簡単に、美味しいご飯が炊ける優れもの。

明日からがいよいよメインイベント。今回のメインイベントは…奥只見周回。

新潟県の小出から、枝折峠を越えるのが奥只見湖への最短ルート。ただ、小出から枝折峠への標高差と斜度が結構えげつない。

地図を見ていたらふと気がついた。

福島側から登って奥只見湖に降りると、わりと緩やかな登りで標高が稼げるんだな。そして、よく見ると、小出を起点にすると周回ルートが取れそうだ。

小出から只見線にそって福島に抜ける。そして只見湖から南会津、檜枝岐を抜けて、尾瀬の福島側玄関口の御池に上がる。そこから降れば奥只見湖に着く。そして、鉄道が通る峠は、大体の場合、えげつない斜度は無い。ということは、小出から只見湖、そして檜枝岐あたりまでは、穏やかに走っていけそうだな。

ということで、明日は六十里峠を超えて只見湖へ。泊まりは檜枝岐あたりのキャンプ場になるだろうか。

周囲ではファミリーが賑やかだ。花火をする楽しそうな声と、隣の若者はZoom飲みを始めたようだ。

ちょっと、いや、かなり…僕は、ここでは異質な存在なんだなと思っていたら寝落ちした。

注1 土合駅の下り線ホームは要注意。上り線は普通に地上にありますが、下り線は地下のトンネル内にある。地上からホームまでは、階段を480段くらい降りていかなければならない。ここで輪行袋抱えて乗り降りはほんと拷問。上越線下りでこの辺りで下車するなら、お隣の湯檜曽駅を使うほうが幸せになれるでしょう。

2021年9月10日金曜日

Ride 27 遅い夏休み (高崎〜ひするまキャンプ場)

 遅い夏休みを1週間取れたので、自転車でキャンプをしながら新潟を回ることにした。

僕のグラベル・ツーリングバイクは、キャリアをつけられるようにいろんなところにダボ穴(キャリアの取り付けステーを、ボルトでフレームに直接つけられるように設けられた穴)があいている。キャリアを買って、リアの左右に取り付けるパニアバックを手に入れて、セッティングを済ませておいた。

フル積載で走るのは、高校生以来のこと。果たして体力が持つのかどうかだけが心配だ。

9/10金曜日から夏休みがスタート。昼少し前に、歯医者さんの予約を入れていたので、ゆっくり出発とする。

朝のうちに家のもろもろの雑事を片付けて、フル積載したバイクで歯医者さんに向かう。そう、治療が終わったら、歯医者さんからそのまま夏休みツーリングへとスタートというわけ。

覚悟していたほどキツくはないけれど、やっぱり荷物の重さは感じる。停止すると、再スタートが地味に脚にくる。それと、リアのパニアバックの位置が悪いらしく、ペダリングの時に左右にゆらゆら振られている感じ。

汗だくで歯医者さんに行くと、先生や歯科助手さんたちに迷惑をかけそうだ。汗をかかないように、踏み込まずのんびりとバイクを進ませて歯医者さんに到着。

荷物多い患者ランキング No.1

治療を終えて、午後イチの出発になりました。

今日は沼田あたりまで抜けようと思っていたけれど、無理は禁物。ふと、以前から気になっていたキャンプ場を思い出して電話をしてみた。そうしたら、予約が取れたのでそちらに向かう。

「ひするまキャンプ場」に到着。オーナーさん?管理人さん?は作業中のようで、チェックインは後回しで、先に設営してくださいとのこと。ちょうどベンチがあって、日当たりが良い場所に空きがあったので、そこに陣取る。

というか、お客さんが全然いないw
20年物のMOSS Hooped Outland テント

設営を済ませたところで、管理人さんが登場。

えっ?自転車?弱ったなぁ…
えっ?(なに?なに?なんで弱るの?)

もしかして1人?
はい…
それは困ったなぁ。
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いくらもらったらいいんだろ…まぁ、いっかサービスで〇〇‼︎
えっ?

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いやそんなわけにいかないでしょ?
いやーだってさー最近、自転車で一人でキャンプで、平日来るなんて…
高校生ぐらいだからね…

www
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まぁーなんだ、高校生扱いということで!
あざーす! (僕、55歳なんですけどねw)

と言う、到着の儀式を経て落ち着きました。

結構ヤブ蚊がいるので準備は万端にしてどうぞ

利根川がすぐそこを流れていて、トイレはウォッシュレット。ただしシャワーはないし、売店や自販機も無い。急な坂道を上がったところにファミマがあるから、車やモーターサイクリストは買い出しにこまらないけれど、徒歩やサイクリストは事前に購入しておくのが吉です。

ビールを飲んでテントに入る。標高が低いので暑くて寝苦しい…と思っていたら寝落ちした。

2021年9月9日木曜日

中古ホイールセット買いました(追記)

今回買った、Fulcrum R5DB を、鉄下駄とくらべてみよう。

リムサイドにメーカーロゴが入っていると、見た目の印象が結構変わる。最近のモデルは、クロリムにグレーのロゴみたいな、ダークラベルとか、シャドウとか、地味目なのが多い。なので、ちょっと古い印象になるのだけれど、もともとクロモリの細いフレームで、トレンドからは外れたバイクなのでこれはこれでいいのかも。
ちょっと見かけがワチャワチャする?

斜めから見ると気にならない、かも?
ロゴはステッカーなので飽きたら剥がそう…

重量はこんな感じになった。
ホイール本体のみだと、セットで 1.7kg 軽くはないけど2kgオーバーの鉄下駄よりはマシ。QRのシャフト&レバー、ディスクブレーキロックリングを追加して、前後1.9kgになった。ローターを追加すると、前後で2kgは超える。
(赤字)20gのリムテープを外して4gのカプトンに交換

せめてもの軽量化として、リムテープを外す。
リムテープ20g

カプトンテープをリムテープの代わりに貼る。これはチューブレスリムテープとして購入したものなんだけれど、軽くて丈夫なので、クリンチャー用ホイールのリムテープとしても流用している(注)。
カプトンテープは 4g

ホイールの重量は「素」の状態と、いろいろ付属品がついていった状態を考えなければならない。わりと影響が大きいのはやっぱりタイヤ。

700 x 35C のセミスリックグラベルタイヤを履かせた鉄下駄ホイール(フロントは 1.7kg)。
持つとズシッとくる重さw

Fulcrum R5DB のフロントは、同じ条件で1.5kg。
これなら輪行もなんとか…

フロントで200g 、前後で400gの削減は大きい。今回は、鉄下駄ホイールのクリンチャータイヤを、前後ローテーションしてそのまま使う。そのタイヤが寿命を迎えたら、チューブレスレディタイヤに組み替えれば、さらに前後で100g程度は削減できるかな。

秋の長雨の合間を狙って、平地を30km程度走ってきた。漕ぎ出しとハンドリングが軽快になった。700 x 35C でグラベル&キャンピング用と思っていたけど、これに28c の軽いタイヤ履かせても面白そうだな。と、妄想が止まりません。


注 カプトンテープをリムテープの代わりに使う場合は、自己責任でやってください。僕はカプトンテープ一周、バルブホール周辺だけオーバーラップ30cm 程度で組んでいて問題はありません。グラベル・ツーリングバイクなので、タイヤは低圧運用。前後とも3Bar以下です。普通のロードバイクは7Barとかだと思うので、そこまで空気圧をあげると、カプトンテープが耐えられるかどうかはちょっとわかりません。テープを2周にするとかよりも、普通にハイプレッシャーリムテープを使うほうがいいかもね?

2021年9月8日水曜日

中古ホイールセット買いました (2/2)

さて、次はリアホイールのオーバーホールだ。

ハブボディには、フロントと同様にシールドベアリングが圧入されている。違いは、フリーボディがついていること。 そのせいで、分解と清掃がちょっとだけ手間が増える。

ただ、昔のルーズボールベアリングみたいに、ベアリングを落としてしまって、泣きながら探し回るようなことはないのがありがたい(注1)。

まずは球押しを緩めて、ハブシャフトとフリーボディと一緒に引き抜く。
フリーラチェットの摩耗と埃の汚れ

シャフトそのものの汚れはなく、サビも見当たらない。
シャフトは綺麗で汚れもない

さて…フリーボディのロックナットを緩めてシャフトから引き抜いてと…

ロックナットが固着していて回らない…

シャフトの両端に、スパナをハメてクイって回せば外れるのだけれど…よく見ると、ノン・ドライブサイドの、スパナを噛ませるところが…微妙にナメている。

実は、ここのロックナットは「逆ネジ」なのだ。

ははーん! ピンと来た。

前のオーナーは、逆ネジに気がつかなかったのかも?そして、緩めようとしたけど緩まないので、ぎゅっと締め込んでしまってドツボにハマったのか?

こんな風に締めちゃったナットは、慎重な扱いが必要だ。オーバートルクで締まってるので、オーバートルクで緩めないといけない。だが、オーバートルクをかけると、スパナが滑ったり、外れたりするリスクが高まる。スパナが滑ってナットの山を舐めると、取り返しがつかなくなる。

本来ならば、山が甘くなった片側は、万力でがっちり固定しておく。そして、山が生きている反対側にスパナをしっかり効かせて、慎重に緩めていくのだけれど…万力がない。

万力が欲しいなぁ

仕方がないので、モンキーレンチを作業台に万力で固定。固着したロックナットには Wako's のルブを浸透させて慎重に…外れた!

アルミシャフトに、浅いネジピッチ、スパナのかかりが浅いロックナット。こうした設計は「決してオーバートルクで締めないでください」というサイン。3mm 以下のヘックスボルトや、アルミのナット・ボルトなども同様で、特に注意がなければ1~3Nm 程度のトルクで締める。もし、緩みが心配になる部分なら、中強度の緩みどめをつけるべき。

で、そんなパーツを緩めようとして、ダメな場合はよくマニュアルを見るべきだ。「逆ネジ」であった場合は、取り返しがつかなくなるから(注2)

ちょいサビ・汚れ

フリーボディ内部のベアリングからは、わずかに赤錆汚れ。グリスはほぼ抜け切って、汚れを吸っている状態。まだゴリ感は出ていないので、ギリギリセーフなタイミングかな。

綺麗に清掃し、奥に入った汚れはパーツクリーナーで洗い流す。そして、ベアリングと、フリーボディの爪にはチタンスプレーを浸透させる。

清掃完了

グリスを溢れさせがなら組み付けるのはフロントと同じ。ここがグリス切れすると、洗車の時に水が入ってサビを呼ぶことになる。
むにゅっとなー

ここで注意しなければいけないのは、フリーのラチェット部分には専用グリスを使うこと。「フリーハブ・グリース」という、ちょう度のひくい、粘度の低い、つまりは柔らかいのを使う必要がある。
専用グリス、右は汎用グリス

ラチェットの爪が寝たり立ったりすることで、フリーハブは機能を発揮する。ペダルを漕いで時計回りにトルクがかかった時は駆動力を車輪に伝える。ペダルを逆回転させる、またはペダルをこがずに前進するとき、フリーは連結を解いて空転する。

これが、自転車に乗っていて空走状態の時に聞こえる「チーーーー」というラチェット音の正体だ。

固いグリスを入れてしまうと、爪が立ち上がってくる動きを邪魔してしまう。これが極端になると、空走状態から加速しようとペダルを踏み込んだ時が問題だ。ペダルを踏み込んだ時に、爪が起き上がらず、ラチェットに噛まず、ペダルをスカッと空振りする。こうなると、良くてキン◯マを強打、最悪は落車となる。

そして、爪とハブのラチェットはいつでも触れ合っているわけで、ここに異物が入ると途端に寿命が短くなる。そんなわけで徹底的に清掃して、汚れがつかないように注意しながらグリスを入れる。

清潔なヘラでグリスを入れていく

フリーハブグリスは、柔らかいので、浸水防止効果は弱い。そこで、フリーボディをハブに押し込んで行って、パッキンがハブ体に入り込む直前で汎用グリスを封入してやる。
追っかけグリスで防水

フリーボディとハブが一体化すると、この追いグリスは、ほとんど表側にはみ出してきてしまう。実際のところ、これがどれだけ意味があるのかは微妙で、ほとんど自己満足の世界だろうね。まぁその、自己満足が素人メカニックの原動力なんだし、趣味でやってるのだから、危険を招かなければ好きにすればいいかな。
これぐらいの量があればシール効果は期待できる
乗るのが楽しみだなぁ

注1 中学・高校時代にハブの分解清掃では散々痛い目にあった。教訓は、「芝生の上でやってはいけない(磁石で探さない限り発見不可能)」「砂利の上でやってはいけない(同じくw)」「アスファルトの上でやってはいけない(穴に入って見えなくなる)」「コンクリートのもいけない(弾んでどっかに跳んで行くw)」「薄暗いところでやってはいけない(論外w)」。ボールベアリングを落とした時の絶望感w

注2 自転車には、ポイントポイントで「逆ネジ」が使われている。ねじ込み式ボトムブラケット、ペダル、そして今回のようなハブシャフトのロックナット。自動車やモーターサイクルは、頑丈な鋼鉄で径の太いボルトを使って、ハイトルクで締め付けができる。パーツの重量が性能に及ぼす影響は少ないから。だから、軸とその周囲を回る回転体がどっち方向に回っているとかあんまり関係ない。ところが自転車の場合は、高いトルクでの締結ができない(ボトムブラケットで40Nm程度)。だから、そこと接触する回転体が緩み方向に回っていると、いつかはネジが緩んでしまう。で、回転体の締め付けナットは、ロックタイトを使うとか、逆ネジを活用することになる。