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2022年3月27日日曜日

みんな大好きインシュロック(工作教室)

インシュロックは結束バンドのこと。ケーブルロックとか、タイラップとか呼ばれることもある。

柔らかいプラスチックでできた一本バンドで、表面はすべすべ、裏側には、細かくギザギザが切ってある。バンドの片方には穴が開いていていて、もう一方の先を差し込むと輪っかができる。そして、バンドのギザギザが、穴の受けに引っかかって抜けなくなる。で、バンドをキューって締め上げていくと、輪っかがどんどん小さくなっていって、ちゃんと結束できたところで止まる。
細かいことからコツコツと…
見たことあると思う、こんなやつ。尖った先を、もう片方の四角いパーツに開けられた穴に差し込んで結束する。
インシュロック
で、締め上げられるのはいいんだけど、ちょうどいい大きさの輪っかで固定したい時にはちょっと困る。弾みでどんどん締め上げられていって、輪っかがどんどん小さくなってしまう。まぁ、そもそもが「(しっかり)結束する」ためのアイテムだから当たり前なんだけどね。

実は、ウレタンチューブを使って工夫することで、インシュロックの輪っかをちょうどいいサイズで作ることができる。
作りたい輪っかの円周長でチューブを切る
チューブを切ったら、その中にインシュロックの先端を通して、出てきた先を穴に入れて結束する。
こんな感じでこれ以上小さくならない
これを応用して、スノーボードリーシュの、休憩場所を作ってみた。

僕は、スノーボードリーシュ(流れどめ)を、山スキー用の流れどめを流用して使っている。
(過去の投稿はこれ)

で、このリーシュがとても便利で、スタイリッシュ(異論は認めますw)で気に入っているんだけど、ちょっとだけ困る時がある。それは、使っていない時にプラプラしてしまうこと。

パウダーを滑る時とかは、万が一に雪崩が出て、巻き込まれた時は、ボードを外して逃げないと危ない。だからリーシュはつけないんだ。で、そんな時に、リーシュの先っぽがプラプラしているとなんとなく嫌。
裏から見るとこんな感じ
で、上で説明したように、シリコーンチューブとインシュロックで、トウ・ストラップに輪っかを作ってみた。ストラップの予備の穴2つに通して止めるだけ。
これで安定
とても簡単な工夫だけど、リーシュのスタイリッシュなおやすみ場所ができて、ごきげんです。

注: インシュロックは「ジワリ」とかかる負荷には強くて、結構な力に耐えます。でも、実は、衝撃荷重にはとても弱い。「パン」と、輪っかを開くような力がかかると、一発で切れてしまいます。そんなわけで、リーシュそのものをバインに固定するとかには使わないこと。基本的に、大きな力がかからないところ、外れても致命的なトラブルにならないところで、パーツが動かないように固定するためだけに使ってください。 

2022年3月23日水曜日

Towing Leash トーイング・リーシュ(ボードのお散歩ヒモ)

スノーボードの先端に、Towing Hole を開けたら、次に準備するのは Towing Leash 。
要するに引っ張るためのヒモのことを、カッコつけて トーイング・リーシュって言ってるだけ。

なんども書いているけど、僕はもともとスキーヤーで、BCはテレマークスキーで入っていた。その時、Towing にはなんどかチャレンジしている(注)。

で、その時の記憶を辿りながら、必要な条件について洗い出しながら作ったのがこれ。
全体像
条件はこんな感じ
  1. ボードへの着け外しが楽であること
  2. バックパックのストラップなどへ簡単に着け外しできること
  3. 意図せず外れないこと
  4. 長さの調節が簡単にできること
  5. 耐久性に優れていること
  6. 凍結のトラブルをおこなさいこと
まず、バックパック側はこんな感じ。リーシュの途中に、8ノットでループをいくつか作っておく。そして、適当に束ねながらカラビナを通してやると長さの調節ができる。
バックパックにクリップするカラビナ
リーシュの中間地点に、フリーなカラビナをひとつタイイン(結んで固定)しておく。このカラビナは、長さの調整に使う。そして、このカラビナをつかむことで、ボードを引き上げるのが楽になる。ツリーホールにボードがはまっちゃったり、ノーズがどこかに入り込んだりしたときにね。
中間のカラビナ
肝心なのが先端部分、パーツごとに説明してみる。
まず、トーイングホールに通す部分は、頻繁に擦れる。リーシュが擦れて痛まないように、保護のためにシリコンホースを通してある。
先端部分
一番先は、ラビットノットでループを2つ出してある。こうすることで、摩擦に対して強くなる。結び目の残り部分は、接着剤を着けてまとめて、ウレタンチューブの中にしまう。
ラビットノット
Towing に入る時は、リーシュの先端をHole に通し、折り返してカラビナで止める。

ここのカラビナは、雪や氷で凍りついてしまわないように、ワイヤーゲートタイプを選ぶのが重要。そして、不意に外れてしまわないように、カラビナはダブルにして、ゲートの向きを反対方向になるように固定する。

これは、クライミングの考え方と一緒。
絶対に外れてはならないところは、外れ防止のロッキングカラビナを使う。しかし、ロッキングカラビナは凍結しやすいので、この場所には不向き。そんなふうに、なんらかの理由ロッキングカラビナを使えない、でも外れては困る場所には、カラビナをダブルで、互い違いにして使う。
ワイヤーゲート(重要)のミニカラビナ2個
ラビットノットから出た2つのループを、このミニカラビナに通して固定するのだ。
カラビナの向きがずれないように、インシュロックとシリコーンチューブを使っている。
ゲートの向きを背中合わせに
リーシュは、登山用品店などで切り売りしてくれるアクセサリーコードを使っている。細いけれど強度は十分。

まぁ、そもそも… 穴あきのボードを使っている人がほとんどいないから… 参考になるかどうかは甚だしく疑問の投稿ですね…

おしまい

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注 スノーシューに比べると、スキーでの行動は圧倒的に楽。登高も滑走も、スキーは履きっぱなしで良いのがスキーのメリット。ただ、シールで直登するにはちょっと斜度があるような斜面を、キックステップで登るような時は、スキーをどうにかしなければならない。

バックパックに背負えばいいんだけど、キックステップとシール登高を交互に使い分けるような時に、Towing が有効なんじゃないかなって思ったのだ。

そんな場所ある?って思うよね。イメージは、谷川岳の天神尾根。ゲレンデ出口の急斜面は、ツボ足のトレースがあるから、キックステップで良い。その先の痩せ尾根は、基本シールだけど、トレースがあればツボでもいい。で、肩の広場まで上がれば、その先はシールで、みたいな。

2022年3月22日火曜日

備えよ常に…BCギアのメンテナンス

バックカントリースキー・スノーボードでは、ちょっとした道具の不具合が大きなトラブルの元になる。だからこそ、事前のメンテナンスが重要になるのだ。

BCスノーボードの情報と言えば、パウダーヒャッホーイとか、ノートラックとか、そんな楽しいことばかり。ちょっと無責任かも(あ、僕もそうだw)。

BCは楽しいだけじゃなくて、いろいろちゃんとしないと危ないよ。そんなことも書かないと行けないんじゃないかな。

そして、僕はこのブログを、「情報を集めるきっかけ」にするために書いている。

webで「タダで手に入る」情報をそのまま全部信じないほうがいい。

岳人とか山渓とか、先人が書いた専門書籍とかを買って読む、これが大事なんじゃないかな…余計なお世話か…

まずは、凍結の防止、要するに、凍りついて、動かなくなるとかを防ぐ。
湿り雪は妖怪の巣
厳冬期は意外と凍結のトラブルって無い。
凍結のトラブルって、隙間に入った「水」が凍りついて起こる。

厳冬期は寒すぎて、「最初から凍ってる」のだ。雪と氷だけで、「水」が存在しないから、凍結のトラブルが無い(注1)

湿り雪は、「妖怪板掴み」の巣、滑りが不快なのはもちろんなんだけど、「湿り雪」ということはそこに水分が存在するということ。日向の湿り雪ですっ転んで、日陰に入ってしばらくしたら、いろんなところが凍っていたみたいなトラブルはよく目にする。

最初に、ポールの凍結防止について。下の写真のように、テントフレームみたいな構造の奴が要注意。この差し込むジョイントのところが凍結すると、短く収納できないので困る。
伸縮式ポールのジョイント部に凍結防止剤
シリコーンスプレーとか、凍結防止の専用スプレーを吹いておく(注2)。
ちなみに、ハイクアップして滑走準備する時に、ポールが凍結していると焦る。そんな時は、凍結した部分を、ウエアの裾から突っ込んで、お腹か背中で温めれば抜ける(こともある)。

スノーシューにもシリコーンスプレーは有効だ。デッキの裏表、ハーネスにも吹き付けておくこと。
スノーシューには全面にシリコーンスプレー
メンテナンスとはちょっと違うけど、色々な物を無くさないように、流れどめとかリーシュとか言われるものもチェックすること。厳冬期にグローブを無くすと、致命的なトラブルになりかねない。だから、BC用のグローブには、グローブリーシュが付いている。もしくは、リーシュをタイイン(結ぶ)するためにループが付いている。

これも定期的にチェックして、タイインループが毛羽立っていないか、リーシュは傷ついていないか、緩み留めはちゃんと機能するかを確認する。

ちなみに、グローブリーシュを自作するなら、僕のおすすめは「パラコード」。これはパラシュートに使われるヒモで、細いけどムチャクチャ強度がある。そして、水を弾いてくれるので、凍結しないという、リーシュには最高の素材。
グローブリーシュのおすすめはパラコード
欠点もあって、表面がツルツルなので、結び目をちゃんと作らないと緩んでしまうことがある。ボクはフィギュア8で結んで、強く荷重をかけて、解けないようにしている。

パラコードは伸縮性が無いのと、強度がある意味強すぎるので、なかなか切れない。したがって、首周りに何かをぶら下げるためには使ってはいけない。

緊急時のホイッスルとか、小さなナイフを首にぶら下げたりするには、絶対にパラコードを使わないこと。うっかり首を吊ってしまったりしたら、死にます。

最後に、MSRのEVOを使っているなら、ヒールエレベーター(クライミングサポート)の動きが悪くてイライラしませんか?
ヒールエレベーターの動き改善
溝の形をよく見て、少しずつ削って広げてあげてスムーズに上下するようにしてあげるといいと思います(削りすぎ注意ネ)。


注1 厳冬期に注意するのは、暖かい室内とか、シェルターやテント、雪洞から外に出るとき。雪とか氷が溶けて水になっていたら、よく拭き取らなければ凍る。ゴーグルに露や曇りが出ていたら、それも乾かさないと凍りついてしまう。
 

注2 ポールのそれぞれの段を、ねじ込んでいくと中でロックされるタイプの奴は、シリコーンスプレーしてはダメな奴もある。それぞれのポールの説明書をよく読んでください。

2022年3月21日月曜日

お片づけ、その他

今日はBCをサラッと済ませて、早く帰って来たので、お片づけ。
ドパウ専用機のパーティウェーブと、ONE A-ONE を保管スペースに移動。
梁の上が当家のボード保管スペース
SUSHIのソール補修(追加)
この間、メンテナンスしたSUSHIのソールだけれど、思ったよりも凹みが大きくなった。で、まぁいいかと思っていたんだけれど、改めて見るとなんとなく気持ち悪いので、改めて補修。今回はごく浅い傷になってるので、キャンドルで済ませた。
山田うどんは神
そして、芝生の除草剤を撒いたり、奥様を温泉に連れて行ったりと、充実した1日となりました。

おしまい

DAY32/BC11ママチャリ トライアスロンPart.Ⅱ

川場スキー場からBCに入った。
ママチャリ使って、Hike, Ride & Bike のトライアスロン…パートⅡ

パートⅠはこちら https://yukiotokoyamaotoko.blogspot.com/2022/03/day29-bc8.html

S俣沢は、とても楽しかったのだけど、中盤以降が、斜度なさすぎ&ストップ雪で、ストック滑走がちょっと面倒臭かった。
ゲレンデトップから見える剣ヶ峰の東壁
で、地形図で検討したら、S俣沢と尾根を一つ隔てたN沢に気がついた。1箇所だけ、気になる地形(滝?)があるけど、ここも全体的に穏やかな渓相。で、S俣沢より短い、ということは、斜度がもうちょいある。

コッチのほうが、スノーボードにはいいのでは?ということで、チャレンジ。
ゲレンデトップの登山ゲートからイン
あのピーク越えて行く
今日もTowing
風下にはパウダーが吹き溜まり…えっ?
今日は正直、上部ガリガリ、中間妖怪、下部は…腐れ雪?と思っていたのだけれど、僕がこれから滑る風裏には、もしかしたら…パフパフ?

樹林帯をトラバースしたら失敗。でもまぁ、たいしたアルバイトもなしに予定の場所に出る。
コルに出た
正面の小さなピークの右裏が、今日ドロップする斜面。トラバースの時の感じだと、今日は、今シーズンラストのパウダーが待っている。
振り向くと沖武尊は雲の中
ゲレンデのBGMが耳を澄ますと聞こえるような場所とは考えられないような景色。
今日はS俣沢も大変良さそうです
雲が晴れてきた
O2岩を見下ろす
ドロップインポイントについた。
やはり…ウインドパックパウダー15~20cm サイコーかよ
スノーシューで踏み入れたらスネ中…イヒヒ 
オープンバーンを振り返る
O2岩
まだまだ続くノートラックなパウダーバーン
沢筋に入る
地形はナチュラルパイプになっていく
沢の両サイドは当て込みが楽しい
地形図では「滝」の可能性がある場所に着いた

1箇所気になっていた、滝があるかも?という場所。
谷が狭まって、ちょっと屈曲している(注)。

早めに斜面に乗り上げておけばクリアできそうだった、右岸でも左岸でも。今日は左岸を選んで、上から覗き込んだらしっかり埋まっていた。

念のために左岸からドロップして右岸に乗り上げ、「多分ここが滝」というところをすぎてから、今度は左岸に乗り上げて降りる。
しっかり埋まっていた
そのあとは地形図通り、穏やかな渓相が続く。沢もしっかり埋まっていて、幸い、妖怪も出ないので、快適に下降する。

開けた場所に出た。
左岸のこんもりした先を落とす
右岸通しがスムーズなんだけれど、地形図だとこの先で水流が出てくる。そして、右岸斜面は傾斜が急で、落石とかデブリがありそうなので、左岸を取る。
振り返った奥にO2岩
左岸はこんな感じ
ツリーはタイトだけど、木陰のおかげでザラメは締まって固く、板が走る。そして、斜度が少ないので、タイトツリーも気にならないというか、楽しい。
登り返し
途中で2回ほどコースどりに失敗して、ボードを脱ぐ。登り返して標高差5mくらいを稼いでまた滑り出す。
落とし穴が増えてきた
ふと右岸を見ると、林道が見えていた。
落とし穴を避けながら、スノーブリッジを渡って右岸に渡り、林道に出る。
林道スタート
リンボーダンス的なトラップ
ザラメで快適なダウンヒル
今日は締まったザラメで板が走って、壁当てしたりして、遊びながらあっという間に下って行く。
車道に飛び出す
この違和感
今日のボードはSUSHIをチョイス。ガリガリを想定しつつ、もし、パウダー当たった時に、板の選択を後悔したくない。そんなシチュエーションを考えて買った板だけど、今日は、ホントに、そのまんまドンピシャ。

パウダーの浮き、アイスバーンの安定、タイトツリーの切り返し、ザラメの走り、完璧でした。
今日もママチャリ大活躍
そーとーおかしい人
ママチャリでダウンヒルしていると、農作業(リンゴ農家さんとか、花卉農家さん?とか)している人の視線が暖かい。挨拶をかわしながら下って行く。

ダウンヒルを楽しんだら、今日も峠越え。

押せばいいんだヨwww
今日滑ったところを振り返る
峠を越えたらまたダウンヒル。そこからちょっとだけ登ると、車をデポした道の駅。
車に帰ったのは、昼ちょい過ぎ、という、半日で終わるお手軽BC。

遠くからわざわざ来て入るほど、大したダウンヒルじゃぁないけれど、午前中でサクって遊んで早上がりとかにはいいね。

あー楽しかった。



注 他の人の記録とかをみると、スキー場に戻るために、この滝の上部でスキーヤーズレフトにトラバースを始めている。それは、川場スキー場の下部に戻れるから。ただ、ここのトラバースは、樹林がかなりタイトなのと、途中で沢を2本くらい?抜けなければならないので、スノーボードにはかなり大変だろうと思う。ドロップしてからここまでだと、楽しいのはほんのわずかだし、やはり、車をデポしてボトムまで滑走するのが正解なんじゃないかな。