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2022年3月21日月曜日

DAY32/BC11ママチャリ トライアスロンPart.Ⅱ

川場スキー場からBCに入った。
ママチャリ使って、Hike, Ride & Bike のトライアスロン…パートⅡ

パートⅠはこちら https://yukiotokoyamaotoko.blogspot.com/2022/03/day29-bc8.html

S俣沢は、とても楽しかったのだけど、中盤以降が、斜度なさすぎ&ストップ雪で、ストック滑走がちょっと面倒臭かった。
ゲレンデトップから見える剣ヶ峰の東壁
で、地形図で検討したら、S俣沢と尾根を一つ隔てたN沢に気がついた。1箇所だけ、気になる地形(滝?)があるけど、ここも全体的に穏やかな渓相。で、S俣沢より短い、ということは、斜度がもうちょいある。

コッチのほうが、スノーボードにはいいのでは?ということで、チャレンジ。
ゲレンデトップの登山ゲートからイン
あのピーク越えて行く
今日もTowing
風下にはパウダーが吹き溜まり…えっ?
今日は正直、上部ガリガリ、中間妖怪、下部は…腐れ雪?と思っていたのだけれど、僕がこれから滑る風裏には、もしかしたら…パフパフ?

樹林帯をトラバースしたら失敗。でもまぁ、たいしたアルバイトもなしに予定の場所に出る。
コルに出た
正面の小さなピークの右裏が、今日ドロップする斜面。トラバースの時の感じだと、今日は、今シーズンラストのパウダーが待っている。
振り向くと沖武尊は雲の中
ゲレンデのBGMが耳を澄ますと聞こえるような場所とは考えられないような景色。
今日はS俣沢も大変良さそうです
雲が晴れてきた
O2岩を見下ろす
ドロップインポイントについた。
やはり…ウインドパックパウダー15~20cm サイコーかよ
スノーシューで踏み入れたらスネ中…イヒヒ 
オープンバーンを振り返る
O2岩
まだまだ続くノートラックなパウダーバーン
沢筋に入る
地形はナチュラルパイプになっていく
沢の両サイドは当て込みが楽しい
地形図では「滝」の可能性がある場所に着いた

1箇所気になっていた、滝があるかも?という場所。
谷が狭まって、ちょっと屈曲している(注)。

早めに斜面に乗り上げておけばクリアできそうだった、右岸でも左岸でも。今日は左岸を選んで、上から覗き込んだらしっかり埋まっていた。

念のために左岸からドロップして右岸に乗り上げ、「多分ここが滝」というところをすぎてから、今度は左岸に乗り上げて降りる。
しっかり埋まっていた
そのあとは地形図通り、穏やかな渓相が続く。沢もしっかり埋まっていて、幸い、妖怪も出ないので、快適に下降する。

開けた場所に出た。
左岸のこんもりした先を落とす
右岸通しがスムーズなんだけれど、地形図だとこの先で水流が出てくる。そして、右岸斜面は傾斜が急で、落石とかデブリがありそうなので、左岸を取る。
振り返った奥にO2岩
左岸はこんな感じ
ツリーはタイトだけど、木陰のおかげでザラメは締まって固く、板が走る。そして、斜度が少ないので、タイトツリーも気にならないというか、楽しい。
登り返し
途中で2回ほどコースどりに失敗して、ボードを脱ぐ。登り返して標高差5mくらいを稼いでまた滑り出す。
落とし穴が増えてきた
ふと右岸を見ると、林道が見えていた。
落とし穴を避けながら、スノーブリッジを渡って右岸に渡り、林道に出る。
林道スタート
リンボーダンス的なトラップ
ザラメで快適なダウンヒル
今日は締まったザラメで板が走って、壁当てしたりして、遊びながらあっという間に下って行く。
車道に飛び出す
この違和感
今日のボードはSUSHIをチョイス。ガリガリを想定しつつ、もし、パウダー当たった時に、板の選択を後悔したくない。そんなシチュエーションを考えて買った板だけど、今日は、ホントに、そのまんまドンピシャ。

パウダーの浮き、アイスバーンの安定、タイトツリーの切り返し、ザラメの走り、完璧でした。
今日もママチャリ大活躍
そーとーおかしい人
ママチャリでダウンヒルしていると、農作業(リンゴ農家さんとか、花卉農家さん?とか)している人の視線が暖かい。挨拶をかわしながら下って行く。

ダウンヒルを楽しんだら、今日も峠越え。

押せばいいんだヨwww
今日滑ったところを振り返る
峠を越えたらまたダウンヒル。そこからちょっとだけ登ると、車をデポした道の駅。
車に帰ったのは、昼ちょい過ぎ、という、半日で終わるお手軽BC。

遠くからわざわざ来て入るほど、大したダウンヒルじゃぁないけれど、午前中でサクって遊んで早上がりとかにはいいね。

あー楽しかった。



注 他の人の記録とかをみると、スキー場に戻るために、この滝の上部でスキーヤーズレフトにトラバースを始めている。それは、川場スキー場の下部に戻れるから。ただ、ここのトラバースは、樹林がかなりタイトなのと、途中で沢を2本くらい?抜けなければならないので、スノーボードにはかなり大変だろうと思う。ドロップしてからここまでだと、楽しいのはほんのわずかだし、やはり、車をデポしてボトムまで滑走するのが正解なんじゃないかな。

2022年3月20日日曜日

春雪ストラクチャー加工

ブログで何度か「春雪用ストラクチャー」って書いたけど、「なんのこっちゃ?」って思った人も多いだろうね。

「ストラクチャー」という言葉を知っていても、「自分ではできない」と思っている人も多いはず。高価なストーングラインド仕上げのマシンに、専用の器具を入れて、初めて加工ができると、チューニングショップの広告にも書いてある。

高齢者である僕は知っている、ストラクチャーのアイデアがどこから来たか。

今から40年以上前の話だけれど、スキーのソールは、ラッカー塗装仕上げの物がまだまだ多かった。ソールがポリエチレン製なら、高級品の証だった。

スキーヤーは買ってきた板のソールに、ワックス(キャンドル・蝋燭)を溶かして、はけ塗りする。アイロン(コテ)塗りする人も居て、繰り返しそうやってると、ワックスが染み込んで良く水を弾き、滑走性がよくなる、と言われていた(注1)。

使い込まれたスキーのソールは、それが単に木にラッカー塗って、蝋燭を磨き込んだだけとは思えないくらいに、「ピカピカに光って」いた。

ソールがポリエチレンに移っていっても、「ピカピカ」「ツルツル」ほど「エライ」という…毛根がやや機能不全な、ハ◯の人が羨ましく思うようなのが常識だった。

ホットワックスして、スクレイプし、最後は「コルク」のブロックで磨き込むのが当時のワクシングだった。そして、光にかざして見て、ピカピカ加減にうっとりする。
左:加工済み 右:加工前
しかし、ここで不都合な事実がある、春の悪雪、湿り雪、ストップスノー、いわゆる「妖怪板掴み」(注2)が生息するような雪で、ピカツルソールは無力化される。
左は細かい縦溝が入っている
実際のところ、ソールの傷に無頓着なスキーヤーが、涼しい顔で滑り降りている横で、ツルピカースキーヤーが、モンドリ打って前転してるみたいな光景は普通だった。

 なんでこうなるの?

で、ある日、スキー雑誌に「ストラクチャー」という話題が掲載されたのだ。

曰く、

 平滑すぎるソールでは、水分の逃げ場がない
 2枚のガラスを合わせて、間に水を入れると剥がれなくなる、アレ
 雪面とソールの間に水が入って張り付くのがストップスノー
 雨の日に溝が減ったタイヤがスリップする、ハイドロプレーニングと同じ
 つまり、水を逃す溝を掘れば良い。

ほんで、「溝」といっても、大きいのを何本も掘る必要はなく、細かいのを沢山掘ればいいということだった。一番滑走性が低下するのが、ツルピカソールだと。

で、滑走性が勝負のマジ◯チ真剣なスキーヤーたちは、こぞってソールに傷をつけ始めた。

この間まで

 ツルピカサイコー!
 ソールが光れば全てヨシ!
 ソールを鏡がわりにして、毎朝ヒゲを剃ってます!

そう言っていた人たちが、

 時代はストラクチャーだよね、ツルピカ?プッ…

思いっきり手のひらを返して、転向したのだ。

その時、僕は「大人って信用できないな」と思った。
電ドルに回転ワイヤーブラシ
僕は、自分でストラクチャーを掘っている。

数シーズン前から、いろいろなやり方を試してみた。YES. PYLには、結構大胆に入れてみたけれど、目で見てわかる程度の細かい傷でも、効果にはあまり差がないことが分かったので、今はあまり大きいのは入れていない。

が、目で見てわかる傷、ではあるので、見かけは正直あんまり良くないかも。

個人的な感覚だけど、滑走性はこんな感じ。

ノーマルソール
 100 レーシングバーン、人工雪の圧雪
   80 コーデュロイ、乾燥した粉雪、トップシーズンの圧雪
   60 降雨後のシャバ雪、ザラメ
   50 普通のシャバ雪、汚れたザラメ
   20 黄砂・花粉で汚れたザラメ
    5 ストップスノー

DIY加工ストラクチャーソール
   90 レーシングバーン、人工雪の圧雪
   75 コーデュロイ、乾燥した粉雪、トップシーズンの圧雪
   60 降雨後のシャバ雪、ザラメ
   55 普通のシャバ雪、汚れたザラメ
   35 黄砂・花粉で汚れたザラメ
   15 ストップスノー

トップシーズンなら、「ツルン」が「シュルン」に落ちる。その代わりに、最悪のコンディションで、「グググッ」が「ズズズッ」に「ビタッ」が「ジリジリ」に改善する。

BCで妖怪に捕まると、ものすごい体力を消耗させられる。僕はそう思っているので、手持ちの板で、BCに持っていく可能性のある奴には、全部春雪用ストラクチャーを入れている。

あくまでも僕の場合は、ということなんだけどね…

注1 ホットワックスを繰り返すほど、ソールにワックスが染み込んで滑走性が高まるって言われている。僕は、その話はここから来ているんじゃないかなって思う。ラッカー仕上げの木のソールは、確かにワックスを吸収しいていたと思う。でもさー、今のソールってポリエチレンだよ。ワックス…染み込まないよね。表面の細かい凹凸に染み込む、それはあるだろう。でもさー、何度も何度もホットワクシング繰り返したら、「奥まで浸透する」ってことは無いように思うんだけどなぁ。

注2 滑っていると、いきなり板が雪面に張り付いてしまって、前方に放り出されて転んでしまうような雪のこと。雪の中にいる妖怪が、板を掴んで離さないみたい、というところから来ている。

2022年3月19日土曜日

DAY31/BC10 尾瀬岩鞍でアップして2つのルートを巡る

ユーヤパイセンと道の駅で待ち合わせして、車をデポ。

今日は、2つの、別々のルートを1日でやろうという計画。んで、2つめのルートは全然違うところに下山するので、車をそこに置いておかないと返ってこれない。

ゴンドラで2本アップしながら、雪質を確認。昨晩は雪の予報だったのだけれど、残念ながら夜半から雨になったようだ。

ゲレンデは圧雪の上に3〜4センチの湿り雪で、表面が少ししまっていて引っかかる。なかなか難しいコンディション。
締まった雪面でハイクが捗る
ハイクに入ると、表面は3cmくらいのブレーカブルクラスト。だが、そのすぐ下に、しっかりとした下地があるので、潜ることもない。

ハイクはやりやすいけど、滑るのには結構トリッキーだね。
ユーヤ
ボードをひっかけて怪我しないように、木に突っ込まないように、セーブして滑る。
本日はスプレーナッシング
まぁでも、妖怪風味薄目で、そこそこ走ってくれるので割と楽しい。
開けた沢地形に出る
浮遊感
地形に当て込んで浮遊感を感じながら切り替える。スノーボードならではの楽しさ。
ユーヤが動画を撮ってくれた。

最初に滑ったのは、ツリーランが中心のルート。
次は、沢状地形を下るK沢のルートに向かう。

リフトで標高を稼いでからハイクに入る。相変わらず雪面は固く、ユーヤの足取りは軽く、ドロップインポイントへ。この辺りはどこから入ってもいいんだけれど、とりあえず全体像を把握するために、一番スタンダードなところから。
雪庇の切れ目からドロップイン
最初はスティープなオープンバーンなんだけど、この間の暖気と雨のせいかうねりが強い。
ドロップイン
うねりの先にクラックが開いていたりするとまずいので、スピードが出せない。雪質もどんどん変化するので、慎重に高度を下げていく。沢の流心には、デブリが出始めているので、わずかに沢床を外しながら滑る。
トップシーズンにまた来よう
オープンバーンは収束していって、ナチュラルパイプになる。
右岸上部にもおいしそうな斜面が…
デブリを避けながら当て込んで行く
この辺りまで来ると、少し妖怪がチラホラと出て来る。
そして、沢筋が急に開けて、明るい河原状になる。
ザラメになったら気持ちいいのにね。
メローな沢地形がとても楽しい。
いやー、こーゆーのいいすね、
地形が楽しいっす
この先危険
滝の落ち口が見えるところまで滑って、そこから8mくらいの斜面を高巻きで超える。
短い距離なので、ツボ足で超えるが、腐った春の雪で膝まで潜るので結構大変。
暑い!
焦ると進まないので、膝で雪面を押し付けて固めて、その上にキックステップで確実に高度を稼ぐ。んで、右岸の木の葉落としが、ツリーホールだらけだし、ボトムは沢出ちゃってるしで、意外と神経を使った。
割とアドベンチャーでしたねw
ここから荒れた渓相が始まる。この間、下見でハイクアップした時は、ほぼ埋まっていた沢なんだけど、今日はだいぶ落とし穴が増えている。
BC慣れてないとかなり苦労しそうな場所
スピードを殺さないと、落とし穴や流れに落ちそうになる。しかし、スピードに乗せないと、腐れ雪のトラバースを通過できない。アドベンチャーです。

ゴルジュ帯を抜けると林道に出る。ここで本格的に妖怪が出没し、ストック滑走、一部ではスケーティング+ストック滑走で下る。
舗装路ハイクの準備
舗装路に飛び出して、デポした車まで車道歩きを30分。今日のあそこが良かった、ここがやばかった、次はこんな時期に来よう、おしゃべりが止まらない。
装備を全部背負うと重いよね
舗装路歩きの僕のスタイルはこんな感じ。

 バックパックにボードを固定する。
 スノーシューを重ねてボードの上に置く。
 前後のバインのハイバックにポールを挟んで、トウストラップでテンションを加える。
 ポールとボードの間にスノーシューががっちり挟み込まれるというわけ。

ハイバックの形や、ストラップの長さとかによっては、うまくいかないかもしれないけどね。

デポ車回収と片付け済ませて気がついたら、まだ1時ちょい過ぎだった。14時までの、芳味亭営業時間に余裕で間に合いました。早っ!
芳味亭の牡蠣フライカレー
今日も納得のBCツアーになりました。ユーヤありがとう