このブログを検索

2021年7月18日日曜日

BIKE & HIKE のススメ 妙義山縦走

表妙義縦走について、詳しく書いてみよう。山頂稜線の上級者向け岩綾コースは、どんな感じなのか、参考になればなによりです。

BIKE & HIKE の紹介で書いたことの復習、こちらが概念図。

赤線が縦走路、右から入って左に抜ける

妙義神社のすぐ上にある「大」の字

完全に稜線通しに抜ける「表妙義縦走コース」、ガイドブックには「上級」とか、「危険」と書いてある。

正しい表現をすると、技術的には難しいところはないので、「上級」かどうかは意見が別れるだろう。ただし、「国内一般登山道最難関」とか、「一般登山者の立ち入りをゆるしているのが間違い」と言われるのは伊達では無い。

クライミング経験が無くても、基礎体力があって、三点確保や、腕力に頼らず足に乗るとか、すれ違いなどの状況判断だったり…が身に付いていれば技術としては十分。

問題は、それらを…「一発間違えたら即死」という環境で、ひたすら延々と、一日中繰り返す事ができるかどうかということ。

こんな地形の連続

上の写真は縦走路にある下降点。鎖の先はまったく見えない。しゃがみこんで、鎖を手に取り、身を乗り出して下降する。鞍部に着いたら登り返して、その先に白く続く土の踏み跡を辿って進む。

身を乗り出すとは、つまりはこういう事。

恐怖心をコントロールしながら足場を探す

えっ?ムリムリ!って感じるなら、止めておいた方がいいです。

写真を撮る時とか、対向者とすれ違う時はセルフビレイ(自己確保)があったほうがいいですね。つまり、ハーネスとかカラビナとか、スリングを使った、安全確保のノウハウがあったほうが良い。

セルフビレイを取る

ちなみに、僕は高所恐怖症です(爆)

足を滑らせたら一発でアウトな稜線

高所恐怖症なので、ここに行く度に後悔します。なんで来ちゃったんだろう、こえ〜よ。

鎖場の下が見えない箇所が頻繁に現れる

焦って手順を間違えたり、足を滑らせたら本当にやばいので、急ぐことはできません。淡々と、一歩一歩を確実に進んでいきます。歩きながら写真を撮るのもダメ、絶対。

しゃがんだり、立ち上がったりするとき、ふと立ちくらみっぽくなること、ありませんか?ここではそんなちょっとしたことが、死亡事故の原因になりえます。

死角になる場所では必ずコールすること

鎖場の通過では、アンカーとアンカーの間に複数の登山者が入らないように配慮します。一人がバランスを崩して、鎖を揺らしたら?アンカーとアンカーの間にある、同じセクションは掴んでいたら、振り落とされるかもしれません。

死角になっていて見えない場合は、「気配」を感じるようにしましょう。

「気配」と聞いた時に、ピンと来ない人、透視とかの超能力?って思った人は、このエリアには行かないほうがいいかもしれません。

さっきから時々ちらちらと見える、対向登山者はそのペースから考えてそろそろすれ違いになるはず、そんな風に、同じエリアにいる他の登山者の現在地を大まかに把握しておくことも大事でしょう。先が見えなくても、目の前の鎖を見ます。鎖が小刻みに揺れていれば、誰かがその先で鎖を使っています。もちろん耳を澄ませて、コールが無いかどうかも確認します。それが、「気配」を感じるということ。

そういう意味もろもろを含めて、状況判断(山の総合力)が試されるルートです。

腕に頼り切りでは危険、足場をしっかりと見て体重を乗せていく

あ、そうそう、時々ですが、鎖の長さがたりない場合があるんですよね…

僕はこれを八海山の鎖場で経験しました。後ろ向きで下降していて、あと30cm で地面。そこで鎖が終わって手がすっぽ抜ける。

冷や汗と、声にならない絶叫。「あ、俺、今…死んだ」そう思いました。

そこは、畳半畳くらいの狭くて、よく踏まれた土の鞍部になっていました。
僕はタタラを踏んで、後ろ向きに尻餅を着いただけで、滑落はしませんでした。ラッキー!w

それ以来、鎖の残り部分の長さと、次の安定した足場までの距離は一歩ごとに確認しながら下降するようにしています。

超えても超えても岩綾が連続する

エスケープルートはいくつかあります。ムリだと思ったら、撤退が吉。

長い梯子

ここの怖いところは、「誰が見ても危険な場所」での滑落事故はさほど無いらしい。

有名な難所で、「鷹返し」(または「鷹戻し」)と呼ばれるところがあります。ほぼ垂直の鎖場が3段、小さいテラスでつながっています。動けなくなった人が詰まっていたり、すれ違いがテラス上で発生するなど、緊張感の連続。ところが、ここの核心部では、転滑落事故はそんなに無いらしい。(核心部で落ちる人は、行き詰まって握力がなくなって落ちる、中高年の女性など)。

急な岩場を通過した後が危険

それよりも、この難所を登りきって、岩棚に出る。あー良かったと、一歩・二歩踏み出したところで…岩棚の一部が崩落していて狭くなっていて、そこにハラリと乗った枯葉を踏み抜いて墜ちる。そうした事故が多いらしい。

歩いているとき、体を動かしているときはリラックスできないということでもあります。

小さなテラスで、すれ違い待ち待機

一般登山道は、緊張する岩場と、安心して歩ける場所があります。その配分は、1:9 くらいでしょうか。難コースと言われるところでも、2:8 くらい?

ここは、山頂稜線に出てからは、ずっと緊張を解くことが許されません。休むときはセルフビレイを取って、立ち止まってが鉄則。

鎖が複数かかっている場所

古い鎖・新しい鎖が複数かかっているところもあります。鎖が複数あるからといって、同時に何人かが行動できるというわけではありません。誰かが足を滑らせたり、落石を起こしたりしたら、周囲の人が危険に晒されるからです。

腕力2 脚力8 のバランスで登下降

鎖を降っていくと、地面に着く手前がオーバーハングになっていて、足が壁から離れてしまうところがあったりもします。この場合は、腕力だけで残りの2mくらいを下降しなければならない、とか。

いざというときに、余力を残せるような歩き方、行動を続けていくことも重要ですね。


ここに来る人は基本ヘルメット着用

大岩壁を振り返る

言い忘れるところだった、岩場の途中で雷さまが来ちゃったりするとマジ最悪。周囲の雲の流れにはいつでも気を配ってください。ふと冷たい風が吹いてきて、変な色の雲が湧いてきている…それくらいの兆候でも、逃げた方がいいと、僕は思うなぁ。

そんな意味で、雷&夕立&猛暑で脱水リスクのある夏はお勧めしない。日が長くて天候が安定している梅雨入り前か、紅葉が始まったくらいがいいんじゃないかな。

真夏は暑すぎるので紅葉か新緑の時期がオススメ

そんな苦労を繰り返して、石門エリアに到着。ここは中之嶽神社駐車場から、アスレチック的なハイキングコースが通っています。地元の小中学校の遠足コースにもなっているくらいのレベル感。岩場って楽しいと思うことでしょう。

石門エリアまで来ればそこは遊歩道

カニのタテバイ

石門の厚みはこれくらいしかない

石門の中に大砲岩が見える

実際のところ、石門エリアをのんびりと周遊するだけでも十分に楽しいと思います。体を動かしたかったら、お中道もいいでしょう。

お中道の岩場潜り

繰り返しになりますが、お中道も簡単なコースではありません。距離も長いので、挑戦するなら十分に準備をしてからね。

下山口になる中之嶽と神社駐車場

さあ、こんな思いをして下山してきました。朝7時くらいに入山したとして、順調に進んだとして、お昼も行動食だけで済ませても、多分3時は回っていることでしょう。

で、ここから2時間近く車道を歩くのか…駐車場にデポしてある自転車で、シャーーっと15分で下るのか…

大きな違いですよ…やっぱ BIKE & HIKE でしょ?

では、みなさんご安全に。


2021年7月17日土曜日

Ride17 グンマーの秘境をめぐる(南牧村・上野村の皆様ゴメン)

梅雨明けの 猛暑日予想なので、本当なら車で涼しいところまで行って遊ぶべき。だがしかし、お酒飲んじゃったので移動できず、寝たら動けず、まぁいいやということで自宅から自走でポタリング。

ほどほどの傾斜で、距離が長くて、できれば綺麗な川でパシャパシャできるところがいいなぁ。とりあえず、南牧村目指してみるか。

実は初めて、馬庭念流の道場

富岡製糸場とか、グンマーの古代石碑とかはガン無視しながら進むけど、「馬庭念流道場」の看板があったので立ち寄って見た。写真を撮って気がついたのだけど、ぽっかりと空いた中庭への入り口、その脇で人が寝ていた。

朝っぱらから、しかもすでに暑い中、全く気配も立てずに寝るとは…
お主、只者ではないな??さては馬庭の遣い手か??

話しかけると面倒臭そうなので先へ進む。

下ネタ、違った、下仁田の清流

南牧村に入り、湯ノ沢峠に向かって左折してヒルクライムが始まる。ここまでダラダラ登りだったので、今日初めての本格的な登り。

最近 7% くらいの坂だと物足りなく、いや、なんでもありません

ちょっとした上りで湯ノ沢トンネルに着く。ここを通るのは初めてなんだけど、長さが3kmもあるんね。ヒルクライムで火照った体が、トンネルの冷気でちょうど良く冷えたところで上野村。

本当はここの十石峠やぶどう峠も走りたいんだけど、災害のため全面通行止めが続いている。廃道にはならないでしょうね??

湯ノ沢を降りが十石峠への分岐

ここから先は基本下り坂ボーナス。

あえて国道の対岸に渡ると石仏が出迎えてくれる

だがしかし、今日は向かい風が強くてなかなかスピードが乗らない。焦ってもしかたないので、淡々とペダルをふむ。

丸岩、だったかな?w 適当w

ボルダラーの皆さん、出番です

この街道は、ご飯場所に困るんだけれど、ふと道路脇に車が何台も止まっている店を見つけた。

この濃さ、寄るよね

ざる付き定食750円。美味しく完食いたしました。

割と…好みが分かれるかもしれません…

田舎のおばあちゃんの家に行ったら、ものすごい押し感で出してくれたメニューなんだけど、僕は都会育ち、みたいな?

バスクリン神流湖@下久保ダム湖

もともと青みがかった湖水なんだけど、今日はなんというか、緑。南牧〜上野周辺は、河川の上流域は水量が少なく、今日は薄濁りで川坊主に会えなかった。そして、下って来てこれだと、ちょっと会える見込みが無い(注1)。



ログはこんな感じでした。

おや?と思ったら、今シーズン最長走行距離でした。暑かった。

注1 「川坊主って何?」と思いましたか?そのうちに紹介したいと思います〜

2021年7月16日金曜日

Ride16 サイクリングロード中心にチョイ乗り

 7月12日の記録です

梅雨の晴れ間を狙ってポタリング。しかし、寝坊して出発が遅くなり、毛無峠ヒルクライムから中一日。近場でのんびり身体を動かそうと、練習用の鉄下駄ホイールを付けて出発。

川沿いのサイクリングロードを遡る。行き先はまだ決めていない。

取水のためにそこここで堰が上がっている

水の流れをみていると飽きない

グンマー國は関東平野のどん詰まりで、様々な灌漑施設がそこら中にある。

灌漑設備から圧倒的な力感で流れ出す農業用水

山地から流れ出した川は、関東平野の高崎・前橋辺りまで下ると平地を削って低いところを流れている。せっかく平坦で良い土地があっても、川の水面から高差が5mもあれば、そこは畑地にするしかない。たとえ目の前を流れる川に、豊富な水があったとしても、動力無しに水を汲み上げることは不可能だからだ。そうなると田圃は川沿いの低地に作るしかない。しかし、低地は冠水や洪水の危険が高い場所でもある。

そんなわけで、かって安心して田圃を作れるのは、川面の流れが穏やかで、高差が無く、すぐそこにある下流域が中心であったそうだ。

で、先人は考えついた。平野と川面の標高差が10mあるなら、上流に遡って10m上がったところに行こう。そこから水路で引いてくれば、平野部にも水が行き渡る。

そうやって、榛名湖、赤城山、利根川、烏川、主要な水源から水路が引かれている。水路は道を超え、線路を超え、河川を超え、他の水路を超えたり、下を通ったりしながら流れて、分岐しながら流れて田圃を満たしていく。

背景は榛名山

坂東太郎と呼ばれる利根川の両岸は、延々と堤防が続いている。河川と堤防の管理道路は、普段は歩行者・自転車道として整備されている。前橋・渋川あたりは、右岸がサイクリングロードとして整備されている。

左岸のこちらはガラガラ

走りやすいのは右岸なのだけれど、一般道を交えながらのんびり走るには左岸もいい。

平日なのもあって、誰もいない

渋川の手前で橋を超えて右岸に渡る。利根川には釣り人も多い。
複雑な堰の構造

梅雨時で水量の増した川

UFOのような温泉施設の脇を通り過ぎる。ここの温泉は榛名山系特有の、茶色く濁って温まる良いお湯。オススメです。
しばらく来ていない…コロナのバカ

平野部は暑すぎるので伊香保方面目指して標高をあげていく。
できるだけ林間の、車が通らないところを進む

し・か・し、スタートが遅かったためすでに猛暑。このまま進むと危険と判断して、利根川まで戻る。

奥の堰堤の上に釣り人が??

鮎釣りなのかわからないけれど、足場が藻でツルツルの筈の堰堤の上に、釣り人がいた。足元はスネ高の水流。ここで転んだら、救命ベストしてても、危ないんじゃないかなぁ?

できるだけ寄り道しながら戻る

利根川の右岸にあるサイクリングロードを下りながら、ダートを見かけるたびに寄り道する。この道は、そこかしこに水道と公衆トイレが整備されているのでありがたい。熱中症にならないように、水道をみかけるたびに止まる。感謝をこめて水をいただいて、頭から胸から背中から、ぶっかけて冷やしながら走る。

今日は早く帰ったのでおウチBBQ

ものすごい久しぶりにマルシンハンバーグ

アトランティックサーモンとマルシン 貧乏人グルメ

イモちょうだい

ログはこんな感じ



これからの猛暑、平地ライドはかなり厳しいシーズンになるね。
皆様も、どうぞご安全に。