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2021年4月22日木曜日

Sunbathing 「ちょっとお下品」

時々誤解されることがあるのだけれど、僕はずっと健康体だったわけではない。子供の頃は病気がちで、外で遊ぶよりも、むしろ読書しているほうが多かった。

外で遊んでいいと言われたのは小学校5年生になってからで、その反動か?僕はアウトドアに親しむようになり、 Sunbathing (日光浴) を楽しんでいる。日焼けとか、シミとか歳と共に気になり始めてはいるけど…

こんなところがあれば、ジャボンするよね 烏川源流

ダハハ 芝倉沢

ひとけの無い林道を上半身裸で走ったり(転ぶと危ないのでやめましょうネ)

栗原川林道(廃道)

ひとけの無い源流域でスッポンポンで沐浴斎戒したり

涅槃

で、 Sunbathing の記憶を辿って行ったら、原点的なところにたどり着いた。

僕は新卒で東京の会社に就職した。

その会社はワンルームマンションを一棟まるごと取得して、独身寮にしていた。僕たちはちょうどその年から使われる、ピカピカの独身寮に入居できた。部屋割りは50音順だったのかな?最上階の12階は、ア行とカ行の同期が住んでいて、同窓のI田君も居た。I田君は、最低だけど面白い奴で、頭は切れるけどテキトーで、酒を飲むとI田マンという、アニメヒーローに変身できる特技を持っていた。

アニメといっても、少年〇〇とかじゃなくて、どちらかというと…漫画◯◯とか?大人がこっそり買って読むような雑誌に出てくるキャラね。

彼と僕は本社勤めで、僕は人事、彼は総務部で固い仕事を担当していた。「最低で」「面白くて」「テキトーで」「変身できる特技」のどのあたりが総務に向いているのか、僕には分からなかった。ただまぁ、その会社は就職適性検査とかのサービスも提供してたし、配属もその検査結果を参考にしていた。多分、何かしらの適性はあったんだろうね。口が固いとか?

I田君の部屋は確か東向きで、僕の部屋は南西向きで、エレベーターホールをはさんで向かいが彼の部屋。ピカピカのオートロック付きマンション。そんなサイコーかよみたいな環境で新卒時代を送っていた。

当時から僕はアウトドアが大好きだったんだけど、仕事が忙しくて、午前様で帰宅してぶっ倒れるように寝て、翌日昼前まで寝てるみたいな土曜日はどうしようもない。せめて、日光浴だけでもってことで、クーラーボックスにビール入れて、サングラスして、ヘッドホンでご機嫌な音楽をガンガン流しながら、トランクス一丁でベランダで日光浴する。

そのマンションは下町にあったので、周囲に高いビルも無く、覗かれることもなく日光浴ができた。で、僕は気がついた。

まてよ?ここなら、スッポンポンで日光浴できるじゃん!
パンツの跡がない、全身小麦色の日焼けができる!
めざせ!アグネスラム! ← 時代感

僕はトランクスを脱ぎ捨てた。

はー気持ちイイ

赤外線が体を温め、紫外線がメラニン色素を活性化するのを感じた。目を下にやると、ジュニアも気持ちよさそうに体を伸ばして、だらしなく日光を受けていた。

で、ジュニアと太腿のわずかな隙間から、キ◯キンが申し訳なさそうに覗いていた。

こんなところからスミマセん。ちょっとお天道様を拝ませてください。

彼が太陽を見るのは、もしかして僕が子供の頃、外でおむつを替えてもらう時以来なんじゃ無いかな??あまりにも不憫で、涙が出てきそうになった。

よし、キン◯ン、いつも済まないね。今日は伸び伸び太陽を浴びるが良い!

そう僕はキンキ◯に言うと、いつも遠慮がちに縮こまっているせいで、シワが寄った彼を摘むと、びろーんと上に持ち上げながら延ばしてあげて、隅々まで日光を浴びさせてやった。

はー気持ちイイ ← 2度目

僕もジュニアもキ◯キンも、全員が分け隔てなく太陽を浴びていた。キ◯ンキンが、感極まった口調で言った。

もう、私がこうしてお天道様を拝める機会はないのかと思っていました。

ジュニアが気の毒そうに言った。

いつも俺ばっかり表舞台に立ってごめん、今は立ってないけど。

その時、僕の肩を誰かがツンツンと突ついた。振り返ると、I田君が居た。

おまえwwwwww  何してるん?wwwwwwwwwww
え?ええっ?! なんでここに居るんだよ?勝手に入って来んなよ!

遊びに行かないかって誘いに来たんだよ!
ベル鳴らしても出ないしさ、ドアノックしても出ないし、出かけたんかなと思ったけど、鍵開いてるし!最近のお前、疲れてたから、倒れてるんじゃないかって!!!

で…何してるん?wwwwwwwwww

いや…その…日光消毒というか、紫外線消毒というか、虫干し?

週明けの月曜日、ランチタイムまでのわずかな時間で…

「新卒のI塚君の、かなりユニークな Sunbathing のスタイルについて」

これが、本社で一番ホットな話題になっていた。
ある役員さんは、満面の笑顔で、廊下ですれ違いざまに声をかけてきた。

I田君から聞いたよ〜 日光消毒のI塚君❣️

…アンニャロめ

おしまい

変な日焼け(バンド型心拍計つけて裸で走るのはやめましょう)

パパー…そろそろ大人になろうねー
そうだねーがんばるー

2021年4月21日水曜日

bum というライフスタイル 車中泊とか車横泊とか車上泊とか

僕がトラベルトレーラー(キャンピングトレーラー)を手放した理由は2つある。

娘の部活とか受験とか、家族で泊まりで出かけなくなったこと。
トレーラーが古くなって買い替えが必要になったこと。
一人で出撃するなら、もっと自由に動きたいと、僕が思ったこと。

3つだったネ…理由……

僕はトレーラーを手放して、エクストレイルで車中泊をしながら bum をするようになった。僕のエクストレイルは、後部座席を畳むと、荷室とフルフラットになる。で、前後方向の長さが 170cm ちょい確保できる。普通に座って頭がつかえないくらいの高さもあるので、なかなか快適な車中泊車なんだ。

今はルーフトップテントを装備している

僕の最初の愛車は、ジムニーのJA71というやつで、550ccのインタークーラーターボが載っていた(注1)。排気量の割には良く走ったんだけど、ドッカンターボで、低回転はクソ。そして、どうせジムニー乗るなら、屋根が開くヤツに乗ろうと思って、JA11の幌屋根に乗り換えた。

幌のジムニーは新規格の660cc ターボエンジンで、やっと普通の車に近いくらいの、走行性能が確保されていた。

これは僕が新社会人になった時のことで、スキーバブルの最後の輝きの時代。嘘みたいな混雑が当たり前で、東京を早朝4時に出発したら、苗場スキー場に着くのは普通に昼過ぎになるくらいの感覚だった。そしてリフトは1時間待ちとかだから、ろくに滑れない。対策は前夜到着で、スキー場の駐車場で仮眠するのだけれど、軽のジムニーで仮眠をとるのは結構アクロバティックな技術が必要だった。

だがしかし、幌を開けて走る楽しさにとりつかれた僕は…三菱のジープに乗り換える。

屋根どころかドアも幌、布一枚&隙間だらけ

で、車中泊ライフは続いたわけだけど、ジープの荷室でフラットになるのは畳半畳くらいw

じゃぁ、シート倒して寝るか?

運転席も助手席も、リクライニングしないのだ(嘘みたいだけどほんとです)。

アクロバットどころか、サーカスみたいな感じで寝ていた。幌のドアは隙間だらけで、あまりの寒さで窓のビニールが割れてしまって、そこから思いっきり雪が吹き込んで、朝起きたら寝袋の上に雪が積もっていたこともあった。

その時に覚えたのが、車横泊。真冬はやめたほうがいいけどね。

下の写真は、エクストレイルになってからで、ルーフトップテントをつける前。二人で出動したので、車内で二人で寝るのはわりと無理がある。そこで、野外でコットで寝る車横泊スタイル。

雨や夜露が気になるなら、シートとかタープを車から張り出せばなんとかなるし。ジープ乗ってた時は、社外に出っ張りがいろいろあるので、ロープ結びホーダイだし。

タカさんと戸倉ゲートの開放待ち

ジープがNox規制に引っかかって、手放すことになり、次に乗ったのが三菱デリカスターワゴン。娘が小さい時だったので、流石にジープは厳しいだろうってこともあった。回転対座シートで向き合わせに座って、UNOやったりして、最高の車中泊・宴会車だった。

次はシボレーアストロ。これも車内がアホみたいに広い。一人で車中泊していると、寒々しいくらいに広かった。これで「ミニ」バンってところがアメリカン。

好きなだけ荷物を積めて、好きなように寝られる

で、「もっと自由に動きたかった」と、最初に書いた話に戻る。冬の僕は、パウダーを求めてスキー場に行くわけだ。大雪注意報とか、寒冷前線の通過とか、寒気の南下とか、そーゆー話を聞くとドキがムネムネしちゃう。いよっし、パウダー来る!で、そこに入って行きたいわけだ。

当然、除雪されてるんだかされてないんだかわからないような山道も走る(注2)。

腹を擦るようなラッセル走行はやめましょう…

朝起きてドアを開けようとしたら、なんか抵抗あるなって、気合入れて開けたらこんなのとか(注3)。

困ったなーって言いながら嬉しい ← ほぼ病気

で、これからの数日間は、このエリアが最高になりそうだ!ってなった時…

まてよ???

帰って来れなくなるかも?って思って自粛するのは嫌だったんだ。


この駐車場、出口までは凍結した50mの急なスロープw

牽引よりは単独、重量車よりは普通車が自由だなと。体が動いて我慢が効く今なら、多少不便でも、軽快で自由なスタイルが合っているなって。

そんなわけで、今の僕は車中泊、時々車上泊、まれに車横泊みたいな感じの bum ライフを楽しんでいる。

えっ?なんでルーフトップテントを買ったのかって?その理由は2つある。

まず、真夏の車中泊は暑すぎ。ルーフトップテントなら、四方が網戸で涼しく過ごせる。

次に、宴会する場所が欲しかった。星空宴会もいいけど、雨降ると困るし、車中宴会ならミニバンでないと狭いしね。

そして、宴会は2階で、就寝は2階と1階に別れれば、二人で快適に出かけられる。

最後に、奥様と気楽なオートキャンプに出かける時、快適な2階は奥様に。僕はスクリーンタープのコットで犬と寝る。そうすると、とても快適に過ごせるし、テントがいらないから、設営&撤収もとても楽。

しまった…今度は理由が4つだったネ

おしまい

注1 軽自動車の排気量は、昔は550ccだったって知ってた?さらに前は360ccだったって知ってた?ほんで、今はもう芝刈機くらいにしか使われていない、2ストロークエンジンが結構走ってたって知ってた?ポロポロポロンとかの排気音で白っぽい煙だして走ってるの。

注2 エクストレイルは見かけはオフロード車だけど、下回りはセレナみたいなモンって聞いたことがある。4WDで車高があるので、それなりに走行性能は高いんだけど、僕はマフラーの遮熱板がもげそうになって交換することになりました。あんなペランペランのアルミの板なんか、使うんじゃねーよ 略

注3 こんなことがあるので、エンジンをかけたままの車中泊はやめようね。マフラーが埋まって一酸化炭素中毒になっちゃうからね。簡単に死にます。

2021年4月20日火曜日

bum というライフスタイル Travel Trailer

2004年から15年くらい、僕はトラベルトレーラーを牽引していた。 

僕の仕事は不規則だった。原則土日祝日が休みで、有給休暇も取れる。でも、僕の役割はトラブル対応的なことが多く、突発的な対応で休日をずらさなければならなかったり。いつ、ドタキャンが発生するかわからないから、お宿の予約を取ることが難しい。

そうこうしているうちに、犬を飼うようになり、ペット可の宿しか選択できなくなり、さらに泊まりの旅行が難しくなった。そんな時、自宅の近くにキャンピングカーの店があったりして、気がついたらトラベルトレーラーを手にいれていた。

最初の牽引車(トレーラーヘッドとも呼ぶ)は三菱のデリカスターワゴン。乗ったことのある人はわかると思うけど、2トン以上の重量級ボディに非力なエンジン。あんなんで引っ張れるのか?って思うかもしれない。

4WDのデリカは非力だけど雪道も頑張った

でも、僕のデリカは2.4Lのガソリンエンジンを積んだレア車。回転数をあげればなんとかなった、エンジン音がやかましかったけど。荷物がたくさん乗せられるミニバンと、トレーラーの組み合わせはかなり使い勝手が良かった。

MTB乗りに、富士見パノラマに良く出かけた

デリカは5万キロくらいの中古を買って、17万キロくらいで廃車にした。アンダーパワーなエンジンでエアコンを回しながら牽引すると、夏場はリッター5キロくらいしか走らなかった。最後はエアコンが効かなくなって引退となった。

次はもうちょっと牽引キャパシティがあるヘッドにしようとおもった。しかし、エンジンパワーがあるミニバンは値段が高い。そんな時に知ったのだけど、アストロがたくさん中古車市場に出ているということ。調べてみると、アルファードやエルグラどころか、セレナとかノアなんかよりも安かったりして。一時期アストロはブームになって大量に売れた、それがブームが去って、大量に売りに出て、在庫がだぶついているということだった。

ちょうど自宅の近くに、アメ車を専門にやっているお店があって、そこで履歴がしっかりしているAWD(四輪駆動)のアストロを購入した。4.3LのV6エンジンはトルクフルで、エアコンかけてようが、牽引してようが、高速ならリッター8〜9キロ、街中でも6キロくらいは走った。なんだ、デリカよりいいじゃんw

か弱いおフランスのトレーラーと、荒くれアメリカンカウボーイ、的な

そして、アストロが良い点は他にもあって、レギュラーで走ること(注1)。そして、AWDが凄い性能が良かった。僕は雪道を走ることが多いので、基本的に自家用車は全部4駆なんだけど、アストロのAWDはどれよりも自然で、駆動のかかり方も理想的だった。

で、僕の家族は休みのたびに、ほぼ必ずお出かけしていた。

プーさんも快適

夏休みとか、有給休暇を取って、1週間まるまる放浪とか。娘の夏休みの宿題で、朝顔の観察日記があったので、朝顔の鉢植えも一緒に行動した。

このキャンプサイトで朝顔の鉢があったのは当家だけ、のはず

このトレーラーは Hymer というドイツのブランドで、製造はおフランス。前方に2人掛け、後方に4人掛けのテーブルがあって、それぞれシングルベッドとダブルベッドになる。他の装備は2口コンロと冷蔵庫付きのキッチンに、ファン付きのガスヒーター。3人家族+家犬には何不自由ない空間。

内装のデザインも好きだった

アストロが17万キロで寿命が来て(注2)、次はもうちょっと燃費がいいヘッドが欲しいと思ってエクストレイルに乗り換えた。これはディーゼルターボの2L。排気量は少ないんだけど、ターボの加圧が最大2気圧まで上がる仕様なんで、ガソリンエンジン換算なら3.5Lくらいのトルクがある。燃費も良くて、軽油なので、長距離を放浪するには最高のヘッドだ。

エクストレイル20GT クリーンディーゼル

ヘッドは3代入れ替わったけど、トレーラーの寿命は長い。家族で休みのたびにお出かけをした。ディズニーにも牽引していった。家犬をトレーラーでお留守番させて、TDLで遊んで、ランチタイムに戻ってお散歩とか、昼寝とかして、再度出動するとかね。

ベッドルームはトレーラー、昼間のリビングはスクリーンタープ

家族だけじゃなくて、友達も泊まりに来た。ベッド構成が シングル+ダブルなので、野郎3人の時はちょっと困ったけど。誰と誰がダブルベッドに並んで寝るのか?

まぁ、だいたい、罰ゲームで負けたやつがヘッド車で車中泊するとかになった。そっちはヒーター無いので、寒いけどねw

ヒーターぬくぬくで宴会

鍋物したり、フライパンでミニピザ焼いたり

結露は多少するけど、雪が降っても平気さ

冬の寒さが厳しい欧州で開発されたトレーラーなので、壁の断熱材も優秀で、アクリルの窓は2重構造。どちらかというと、冬を中心にした3シーズンがとても快適だった。

なんというか、僕の人生は割とチャレンジングで、波乱万丈系だった。今、僕は持ち家も財産も無く、大した貯金も無い。だけど、娘が中学校に入るまでの期間、もうこれ以上は遊べないくらい遊んだ。

この間奥さんがしみじみとこう言った。

「あの時期に、たくさんたーくさん思い出作れて、幸せだな〜。あれ以上遊べって言われても、不可能なくらい遊んだもんね。もう、悔いとかまったくないくらいに遊ばせてもらった!」

トレーラー、思い切って手に入れて良かったなって、しみじみ思う。で、そんな僕がトレーラーを手放した理由については、次回。

注1 輸入していたヤナセはハイオク推奨。でもね、アメリカではトラック扱いで、レギュラーで普通に走らせている。そして、北はアラスカから、南はメキシコまで、地続きならどこまでも走ることが求められる車。多少燃料の品質が悪くたってへっちゃらで、30万キロくらい走る。日本のレギュラーガソリン入れたくらいで、壊れないよ。

注2 てなこと言って17万キロで寿命になったのは、下回りのサビ。おそるべし、日本の融雪剤。


2021年4月19日月曜日

Ride 1 初日は平坦なCRをのんびりと 

2021年のサイクルツーリング、シーズン初日は無理せずにサイクリングロード&平坦路を走る。最終到達点は、利根川サイクリングロード(CR)の終点。

僕の住まいは上州グンマー國の「東毛」と言われる場所。赤城山の南東あたりで、名物は赤城下ろし。知ってる人は知ってるけど、グンマー国の冬は北風との戦いだ、「空っ風(からっかぜ)」と呼ばれる北西風がとにかくすごい。

どれくらいすごいかというと、説明に困るな…

空っ風で、タンクローリーが横倒しになったのを見たことがあるとか?

うかつにも傘をさしてしまった高校生が、風に乗って50mくらい土手の上を飛んでって、周りに居た大人が寄ってたかって足を押さえて下ろした。それが翌日、上毛新聞の朝刊トップに出たとか?

そう言えば…空っ風の凄まじさを、イメージできるだろうか?


利根川サイクリングロード終点は「吾妻川」沿いにあることは機密事項

まぁその、それは嘘なんだけどねw

とりあえず、行きは良い良い帰りは怖いは嫌なんで、向かい風の北西方向に向かって走り出す。そうすれば、帰りは追い風になるからね。

なんかわかんないけど、凄い灌漑設備

なんかわかんないけど、凄い分水施設

雪解けであらゆる河川が増水しているグンマー國は、灌漑施設もいろいろ凄いことになっている。そんな、荒ぶる水を見ながら北へのんびりと走る。

向かい風が激し過ぎて、スピードは出ないし、膝とかいろいろの筋肉が張ってくるので…風景写真を撮るふりをして休む。

電線が無いって素晴らしいよね?

一瞬の気の迷いで、榛名山とか登っちゃう?って思ったけどやめた。

よくわからないけど、よくできた灌漑設備

で、まぁ、右往左往しながら、利根川CRの終点へ。

場所がわかりにくいので、意外と知られてない利根川CR終点

さ、ここから基本追い風❤️ボーナスで帰るかね。

そしたら、途中から道を間違えた。

馬さんたち

道祖神

名前はわからない花を愛でながら走る、道間違えたけど

無理やり坂東大橋から本来のCRに戻る

後方にぼんやり見えるのが赤城山


走行時間約6h 走行距離120km、平坦なコースで、平均時速20kmという、のんびりポタリングの1日でした。スタートした時は、無理せず80kmくらいで考えてたことは内緒です。

おしまい




 

2021年4月18日日曜日

山の神様 (2/2) 谷川岳西黒尾根の出会い

その日、僕はトレーニングがてら西黒尾根を登行していた。
落ちる雪がほとんど落ちて、BCスキースノーボードのシーズンが終わった時期の谷川岳登山は楽しい。アックスとクランポンのトレーニングにもなるし、暑過ぎないし、人もそこまで居ないしね。

ラクダの背から双耳峰の谷川岳を見る

これは典型的な残雪期の写真だけど、神様と出会ったのは、もう少し雪解けが進んだ時期だった。正面の尾根が西黒尾根で、そこを突き上げると肩の広場の東の縁に出て、そこから少し登ればトマの耳。

僕が、何かが上部雪面を動いている?ように思ったのは、このラクダの背から30分くらいのところ。ガレ沢のコルを過ぎて、登り返しに入り、ちょっと嫌なトラバースを過ぎたあたりだったと思う。危険な場所を過ぎて、ちょっと肩を回して背中のコリを取ろうと伸びをした。

ふと上を見て、僕は誰か滑落したのかと思った。

肩の広場から、西黒尾根になだれ落ちる雪の斜面を、跳び降りるように下っている…のか、滑落しているのか、尋常ではない速さで人影のようなモノが下降している。

あそこは、、、そこまで斜度は無いが、上から見ると高度感もあるし、足を踏み外したら割とやばいところだったはず。距離も遠いし、ブッシュか何かが風で転がったのかもしれないと僕は思った。

トマ耳から肩の広場の東の縁を下ると、西黒尾根下降点

だってね、上から見るとこんな感じだよ。ここを駆け下りるのは危ないねw

で、多分見間違いだろうと思った。まだ距離も遠いし、その影みたいなのも、今はもう見えないし。

僕はそのまま登り続けて、氷河跡とか滑り台とか言われる、ツルツルの岩場にさしかかっていた。谷川岳と、尾瀬の至仏山は蛇紋岩が主体の山体だ。蛇紋岩の特徴は、ツルツル滑ること(注1)。で、その場所は、名前の通りに、長い期間雪崩を受け続けて、テカテカに磨かれた斜面。

さぁ、気合いを入れていこうと僕は上部を見て…神様を見つけた。

氷河跡の一番上は岩溝状になっているのだが、その上からごま塩の短髪丸顔で、銀縁の眼鏡をかけた顔が覗いていた。その岩溝から、チェックの山シャツを着て、クラッシックな山靴を履いたその人が現れると、「下を向いたまま」岩から岩へ飛び移りながらこちらへ降りてくる。

えっ?って、見ていると、その人はまるで階段を駆け下りるみたいなスピードで、氷河跡をそのまま降ってくる。

で、僕がアホみたいな顔で呆然と見ているのに気がつくと、その人は足を止めることもなく、にっこり笑って挨拶すると、そのまま駆け下りていった。

その人も赤い年季の入ったザックを背負っていた。容量は20~30Lくらいなんだけど、とても小柄な人だったので40L くらいに見えた。とても不思議なことに、すごい勢いで下っているのに、ザックはまったくぶれることもなく、その人の背中に張り付いていた。

で、その赤いザックはすぐに小さな点になって、神様の姿は斜面の向こう側に見えなくなった。

僕は神様が下向きのまま駆け下りたその斜面を、しっかりと三点確保を意識しながら登攀した。そして、肩の広場に出て、とりあえずトマ・オキを回って帰った。

普通の人はこちら、肩の広場から天神尾根を見る

山の会で、先輩にこれらの神様のことを話しした。
驚くかって思ったら、皆さん普通に冷静で、

あーどっか行く前のトレーニングかもね
そうだね、時間が無いけど、身体動かしたいって人かも
西黒なら、記録とって登ればコンディション管理しやすいしね
いやいや、そんな人っていないっしょ?
神様じゃ無いですか?僕はあんなの初めて見ましたよ?

あのな…確かにすごい人たちだろうけど、ありえなくもないんだよ。
本当の山屋って、一般登山道にいないの。
バリエーションとか、登山道じゃないところに棲息してるの。
そうそう、フナがイワナのこと知らないみたいなもんw
多分あれだよ、ママ(注2)が言った時期が、ちょうどイワナとフナが出会うギリギリのところだったんじゃないかな?

フナ呼ばわりされたけど、不思議と腹も立たなかった。

そこで気がついたんだ。

そういえばここにいる人たちも…
それぞれの分野では神様みたいな存在の人もいたような、いないようなってね…

見渡す限り神様www

谷川岳西黒尾根の Trail Head


注1 蛇紋岩は特に濡れているとびっくりするくらいによく滑る。それと、蛇紋岩は木が生えにくいので、森林限界が大幅に下がる。谷川岳が標高が低い割りにアルペン的な景観を維持している理由の一つは、蛇紋岩でできているから。至仏山東面も、樹林帯が低い位置に留められている理由は蛇紋岩でできているから。

注2 山の会で、僕はみなさんにママと呼ばれていた

2021年4月17日土曜日

山の神様(1/2) 越後駒ヶ岳の出会い

*注3を追記しました*

僕は、越後駒ヶ岳と谷川岳西黒尾根で山の神様を見たことがある。今回は、越後駒で出会った神様について書いてみよう。

その日、僕は枝折峠(シオリ峠)から越後駒を目指していた。ここは夜明けに奥只見湖で発生した霧が、風に乗って稜線を超えて滝のように落ちていく現象で知られている。

奥只見湖の向こうに登る朝日

枝折峠から、夜明け前に登り始めるとちょうどいいタイミングで日が登ってくる。そして奥只見湖から湧き出た霧が、湖の上を覆い尽くし、稜線を超え始める。

ふと気がつくと、周囲には三脚を立てた人がたくさん居て、シャッターを切る音があちらこちらでしていた。今日は当たり日だったようだ。

滝雲

滝雲が見られて、越後駒に来た甲斐があったなーと思いながら、僕は淡々と登山道を登っていく。枝折峠にも、登山道にも雪は無かったが、標高をあげるにつれて、周囲には残雪が少しずつ増えていく。

沢筋の雪が繋がっていれば、滑るのも楽しいだろうね

そして、山の神様が現れた。

そこは、ザレた急斜面で、5〜15mくらいのスイッチバックを繰り返しながら高度を稼いでいく。

僕が100m標高を稼ぐのには15分かかり、1時間でだいたい400m を登る。面白いことに、このペースは荷物の重さや、登山道の傾斜にはほとんど影響を受けない。400m/h の登高ペースが僕にとっては快適ということ。で、このペースはそんなに悪く無い。というか、一般登山者が、夏道登山道を歩いている限りでは、速い方だと思う(注1)。僕は普段、他の登山者に追い抜かれることはほとんどない。

この時、ふと気がつくと15mくらい後ろを、彼が歩いていた。僕が歩いているここは、木立が無い崩壊地で、木立が切れてから15分は歩いている(標高差で言えば100m)。で、10分くらい前に振り向いた時には、樹林から抜けたところには、登山者は誰も居なかった。つまり、僕が15分かけて上がってきたところを、この人は5分で上がってきているということになる????トレランか???(注2)

スイッチバックでこの登山者を観察する。180cm を超えるくらいの長身で、チェックのシャツを着て地味な登山ズボンを履き、クラッシックな登山靴を履き、帽子を目深に被っていた。みなりはごく普通の登山者なのだが、その人は音を立てずにスーーーーッと登ってくる。

そこはザレた急斜面なので、僕も落石を起こさないように注意深く歩いていのだが、どうしたって足音はする。足を運ぶ時に、登山靴の下で浮石が動いたり、小石がバラけたりして、コツンとか、バラバラって、何かしら音がする。

だが、後続の登山者の足元からは、まったく音がしない。だから、彼が追いついてきていることに気がつかなかったのだ。

まったくペースが違うことがわかったので、ちょっと広くなっているところで僕は道を譲ることにした。

その人は、スーッと近づいてきて、ちょっと顔を上げて僕を見るとニッコリ笑った。汗もかかず、息も切らさず、「爽やか」という言葉がそのまま服を着たようなこの人は、「ありがとう」とだけ言ってそのまま僕の脇を通り過ぎていった。

彼の背中が見えて、そこに使い込んだ赤いバックパック(ザックと呼ぶのがぴったりの、ウェストベルトのないクラッシックなやつ)が乗っているのを見た。多分40Lくらいあるはずなんだけど、長身の彼の背中では妙に小さいナップザックのように見えた。

で、僕はこの人に付いていこうとした。なんでこんなに速く登れるのだろう、と思って、せめて足運びだけでも学びたいと思ったのだ。ところが、スイッチバックを3回くらい過ぎたところで、彼の足元を見るどころか、彼の姿は小さくなっていた。

肩の小屋

彼に追い抜かれてから、20分くらいで肩の小屋に着いた。雪解け水がジャバジャバ出ている水場で顔を洗い、ハイドレーションに給水していると、さっきの彼が山頂から下山して来ているのが見えた。上の写真で言えば、左側の尾根伝いにある登山道、このガスの中からチェックの山シャツを着た彼が現れ、あれよあれよという間に小屋まで来て、そのままのペースで下山していった。

僕はもうあっけにとられるしかなかった。僕を追い抜いたあのポイントから、たったこれだけの時間で山頂まで往復して来たって?

山頂ってガスで見えないけれどすぐそこなのだろうか?

一休みした後、僕は山頂に向かった。


越後駒ヶ岳山頂

ようやくガスが抜けてくる

山頂まで、近いわけでも簡単なわけでも無かった。尾根の登山道を詰めるとそこは雪渓になっている。で、そこからクライマーズライトにトラバースしていくと、最後の最後が結構急な雪壁になっている。クランポンを出すほどではないけれど、手元にはアックスが欲しいくらいの斜度。そこを、慎重にキックステップを決めて突破し、稜線を詰めてようやく山頂に着く。

ガスが晴れた肩の小屋、右のピークのさらに奥が山頂

山頂で写真を撮って、肩の小屋まで降りて来てリストウォッチで経過時間を見る。。。

さっきの彼は、どうやら現代風の装いをされた天狗様だったに違いない(注3)。

僕のCASIOプロトレックは、そう言っていた。


注1 ちなみに、下山の時には、100m の標高差は10分で下る。つまり、標高差600m ならば、1時間で下り切るということ。

注2 「トレラン」という言葉が、やっと一般に知られるようになったくらいの時代感。

注3 テレマーカーのJSさんから次のように教えていただきました。ありがとうございました。
「越後駒だったらその人は天狗ではありません、豊雲野神です。山頂の写真に写ってます」

2021年4月16日金曜日

Earn Your Turns、Earn Your Fun、人力万歳

こないだ横ノリ文化の Hierarchie について書いた。Surf が一番、SK8が二番、ずっと下がってSnow が三番ってね。で、Snowギョーカイの中の人たちは悩んでいた。

僕はそのギョーカイの人だったけど、バックオフィスの仕事だったので(だからスノーボード未経験なのに採用されたわけだけど)、どっぷりその世界に浸かってたってわけじゃなかった。んで、割と客観的にその辺りのことを見ていた。

僕の考えはシンプルで、「人力で完結するからサーフとスケートはエライ、なんじゃね?」って思ってた。

僕が当時ハマってたのはテレマークスキーで、こんな言葉があった。"Earn Your Turns" (楽しむ分は、自分で稼げ)。テレマークはもともとリフトとか無い野山を、駆け巡るための乗り物。ターンを楽しみたかったら、自分の足で標高差を稼げって言葉。

尾瀬に至仏山という、BCスキー・スノーボードの聖地みたいなところがある。

Rider: Taka3, Earning his turns,  Mt. Koshibutsu, Oze area.

そこの大斜面は広くてオープンで、斜度がちょうど良くて…東向きなので早い時間から緩んで、最高のコーンスノーで、長い!で、その長くて斜度がある2本を滑るために、もちろん2本分ハイクアップするんだ。

谷川岳エリアも、天神平まではロープウェイでドカンと上がるけど、そこからドロップインポイントまでは結構なハイクが待っている。

一ノ倉岳へ登り返す、後方は超えてきたオキノ耳

で、なんというか、その辺りがスポーツとしてフェアであるという、そんなリスペクトは他のスキーヤー達から受けているように感じていた。

サーフィンやったことないから知らんけど、サーファーも同じような感覚なんじゃないかな。サーファーから見たらスノボって、リフトとかゴンドラとか、バックカントリーって言ったって、モービルでブォーーーンとか、ヘリでバビューンみたいな…w

その辺の、エンジンとか、機械とか、モノに依存するスポーツはコアじゃないって、どの分野にもありませんか?

僕は、機械モノに頼るのは嫌じゃない。というかハイシーズンのディープパウダーを、ハイクアップして1日1本だけしか滑れないより…リフトとか、ゴンドラ回しで1日20本滑れたほうがいいよね(あっ、言っちゃったw)。だからこそ、僕はハイシーズンは天気図を真剣に見て、どこのスキー場のどの斜面が一番幸せに近いかを考えながら動いている。

そんな僕だけど、BCでは自力で完結できる範囲で行動している。というのは、機動力に頼りすぎると、撤退が困難になるからだ。

僕は以前、ガチなJeepに乗っていた。これは、大抵のところに入っていけるくらいの機動力がある。その代わり、他の車が入れないところまで行けちゃうので、ハマると帰れなくなる。

志賀草津高原道路

おんなじように、BCのフィールドでスノーモービルがスタックしたらどうする?
普通は出ない沖合でジェットスキーがエンジンストールしたらどうする?

マシンに頼ると、人力では到達できないところまでバビューンて移動できる。でも、そこで何かあったら、マシンに頼らない限り帰ってこれない。

僕は、遭難したらぜひマシンに頼って帰ってきたい。で、無理しないように人力で完結できる範囲で遊ぶのがいいのかなって感じている。

ゼェゼェ言いながらペダル漕いで登って、シングルトラックを降りたり。

Qchan, Mt. Akagi

電気も何にも無いところでヘッドランプの明かりで飲んだり。

Kame-chan & Qchan

「俺、なんでこんなところで、こんな怖い思いしてるんだろう」そんな、根源的で答えようのない疑問の答えを探しながら岩壁を右往左往したり。

Climber: Jibe / Blackrock, Mt. Haruna

途中で一泊して、延々と沢を遡行したり
Jibe & Aokki / Garan-zawa, Kusatsu area

たまにはのんびりと、グンマー國のローカルな温泉宿を目指して田園農村地帯を走ったり。
Yuchan & Keichan

ペダルを漕ぐとスーーーって走ることに感動したり。
First bike, First ride, First joy,

で、まぁ、僕はこの投稿を書きながらだいぶ酔っ払って、マシンでもレスキューできないくらい遠くまで来てしまった…

どうやってこの投稿をまとめるかという、困難な課題に直面して、仕方ないので自力で帰還するならば…

人力万歳、人力最高! でいいですか?www

Hierarchieとか、フェアネスとか、コアとか、とりあえず置いといて、自分の身の丈で遊べばいいんじゃね?ってことで。おしまい ⇦ 雑