こないだ紅葉を見に表妙義に来たのだけれど、ルート間違えて撤退という不甲斐ない結果となった。
これで終わるのも悔しいので、丸一日時間をとって表妙義全山縦走をコンプしに出かけた。
写真がどうしても多くなるので、前半と後半に分けてみた。ちなみに、
過去の記録にここがどんなコースか書いてあるので、よかったら見てほしい。
尚、このコース、普段ボクは自転車をデポしておいて
Bike&Hikeで周回する。中間道で戻ると、中間道だけの標準コースタイムが3時間半なのだ。表妙義の困難な縦走を終えた後に3時間も歩くのはシンドイな、そう考えていたから自転車で戻っていた。でも、こないだ中間道を途中まで歩いて引き返して、「3時間もかからないんじゃないか?」と思った。むしろ、整理運動っちゅうか、トレーニングとして中間道を歩いて帰るのもありかも?そんな風に感じて今回は自転車をデポせずに歩いてみた。
前半のボスはこんな感じ…
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| 東岳から、奥が白雲山山塊手前の岩頭が鷹戻しの頭 |
時間に追われて焦ると危ないし、紅葉目当てのハイカーで混雑すると鎖場で順番待ちになったりする。なのでこのルートは早立ちが基本。
道の駅妙義から少し下にある、登山者専用駐車場に車を止めて準備する。うっすら日が出てきた6時半ちょい過ぎに出発。
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| 白雲山どーん |
この岩壁は東向きなので、朝日を浴びて輝く。それがボクがこちらから登るのが好きな理由の一つ。
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| 妙義神社 |
写真を撮っている人がいた。「そろそろ終わりですね、先週は盛りでした」と、余計なことを言ったら、笑いながら「これはこれでイイんですよ」と言ってくれた、大人❤️。
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| おごそか |
石段を一番上まで上がって、奥宮の右に行くと大の字。左に行くと見晴らし。いつも大の字から上がっているので、今日は初めて見晴らしから上がってみる。
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| あっちは金洞山 |
木立から先が見えた。割と果てしない距離に感じるし、実際はアップダウンが激しいので距離以上に消耗する。
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| 奥の院 |
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| 奥の院の奥の院 |
奥の院についた。鉄梯を登って石像にお参りし、写真を撮る。ここ、照度が足りないので気をつけないと手ブレする。今日も案の定手ブレした。
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| 手ブレしちゃった… |
鉄梯を降りて、落ち葉が積もって滑りやすい(そして踏み外したらタダでは済まない傾斜の)石段を降り、鎖がある岩溝を上に向かう。岩溝の左横の小さなテラスから、奥の院が覗ける。奥の院からここを見上げると、明かり取りになっている穴がこれだ。
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| 上から覗ける奥の院 |
奥の院の上に出ると、いよいよマジな岩場の始まり。まずは易しいけど斜度があって長い鎖。
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| ◯の右横に鎖 |
クライミングをやるとわかるけど、感覚的な傾斜と実際の傾斜は違いがある。普通の人が「絶壁!」って腰が引けるのはだいたい45度くらい。垂直に見える壁は、だいたい70−80度くらい。オーバーハングしてる!ってのがほぼ垂直。
一般登山道で垂直の岩場ってほぼ無くて、スラブ壁の80度以下がほとんどだ。それぐらいの傾斜だと、足に体重を乗せて腕の力を温存できる。岩場が連続するコースで腕が消耗するようであれば、フットワークの練習をクライミングジムでするのがオススメです、楽しいし。
長い鎖を抜けた後…
鎖が無いのが不思議な岩場がいくつか続いて見晴らしに出た。
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| 見晴らし…とても先には行けません… |
この前後には、3〜5mくらいで短いけど切り立った岩場が連続する。他の山域だったら間違いなく鎖が設置されるはずだけれど、そこに鎖はない。多分、ここはあえて鎖を設置していなんじゃないかと思う。ここを通り過ぎて先に行ってしまうと、もう逃げ道が無いし…「ここで厳しいなら帰りなさい」ということなんじゃないかと、思う。
切り立った岩壁の基部につくとそこは「ビビリ岩」
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| ビビリ岩…マジでビビる |
見上げると青空がキレイ…
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| 鎖… |
後ろから早いハイカーが近づく気配がする。ビビリ岩の途中で、自己確保して振り向いて写真を撮った。
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| スケール感 |
トップアウトして、しばらく行くと背ビレ岩。ゴジラの背中登るような感じ…
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| ホールドはたくさんある |
後続のハイカーにここで先行してもらう。話してみたら、ボクと同じルートを歩くらしい。他にも数人、妙義神社→中之岳神社縦走の人がいた。
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| 先行者が空に溶けていく |
いきなり視界が開けると、大ノゾキのピーク。ここからガーンと下がって、登り上げる次のピークが天狗岳。天狗岳にはいくつかのピークがあって、どれが本物かよくわからないw
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| 天狗岳、東のピーク |
大ノゾキからの下降に入る。
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| ピークの石板 |
ここの下降は傾斜はゆるいけれど長い。そして、スタンスが丸まっているので、霜とか朝露で濡れていると滑る。
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| 長い鎖が3何本も連続する |
下降路は左右に屈曲しながら続く。
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| 上部の鎖 |
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| 白いのが鎖で磨かれた岩 |
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| 最後の長鎖 |
さっき見えたピークがどんどん高くなり、いつまで降るんだよとうんざりするとコルに出る。そこから岩や木の根っこを掴んで登り返すと天狗岳。
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| 天狗岳? |
天狗岳から相馬岳までの岩場は、難易度がだいぶ下がる。しかし、落ち葉のせいで足元が悪い。足の下に入り込んだ落ち葉で滑る。落ち葉に隠れた木の根や岩角にけつまづく。枝と落ち葉で隠れた穴ボコに落ち込む…どのパターンでも簡単にサヨウナラしちゃうので慎重に。
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| 相馬岳が見える |
表妙義最高峰の相馬岳…ほぼ水平に見通していたのに…ドンドコ下って下って下って…
見上げて「またあそこまで登るのかよ」そうウンザリしはじめたところでタルワキのコル。
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| 一般ルートへのエスケープ |
表妙義のエッセンスを味わいたいけれど、岩場がそこまで得意じゃ無い。そんな人は、中間道のタルワキ沢から、ここのコルまで上がってくるといい。このコルから相馬岳や天狗岳へ登るのなら、そこまで難易度は高くない。ただし…相馬岳も天狗岳も、そのピークを越えていくなら、装備と覚悟をお忘れ無く。
後半に続く、