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2021年7月20日火曜日

BIKE & HIKE のススメ 女峰山

BIKE & HIKE のモデル的な周回コースとして取り上げた女峰山。

登山開始前に、日光霧降高原に自転車をデポしておく。そして車は日光東照宮まで回して駐車。市営駐車場が何かと便利だと思う。清潔な公衆トイレがあって、隣には交番がある。前夜自転車をデポして、登山まで車中泊をするならば、この防犯環境は捨てがたい。

東照宮の脇を登って登山口に向かう

標高がそこまで高いわけでもないので、夏場ならば早朝からの行動が良いだろう。神仏を身近に感じながら、手がよく入って整えられた杉・檜の香りを感じながら登り始める。

早朝の人の少ない時間

最初は樹林帯の中を歩く。沢が流れていたりして、涼しく快適。

小さな流れで顔を洗いつつ先へ

やがて急登が始まり、笹藪を縫って登山道は高度を上げていく。時々笹が「カサカサ」、「ガサッ」と音をたてる。小さな音は、トカゲや蛇、もしかして蛙。大きな音は、日本鹿。

見晴らしが良い

場所によっては、笹藪が濃く、かき分けて歩くような場所もある。天候や時間帯によっては、ズボンがびしょびしょになることも多々ある。

皇海山周辺に比べればマシだが…

ゴアテックスなどで、防水機能優先したトレッキングシューズが流行りだ。確かに、防水機能は進歩しているのだが、その代わり、一度濡れたらなかなか乾かない。なので、こうした場所への対策として、雨具をすぐに出せるようにしておき、パンツを履いて進む。場合によっては、ロングスパッツだけ、もしくは雨具+スパッツなどの組み合わせもありだろう。

僕の場合は、夏場は濡れてもいいと考える。シューズはメッシュで防水性皆無。ソックスは中厚のウール混。これなら、風が通って蒸れないし、たとえ濡れてもすぐに乾く。

ガレ場の登り




高度を上げるにつれて、樹林はまばらになる。そろそろ疲れが溜まってくるころだろうから慎重に。



稜線に出るとピークは近い。ガスがかかっていなければ、日光や足尾、尾瀬周辺の山々が迎えてくれる。




歴史のある、信仰の山であることは、そこかしこにある石仏や地名にも現れている。


男体山などに比べると、登山者が少なく、静かな山歩きが楽しめる。もっと登られていい山だとは思うのだけれど…




女峰山を越えて先に進む。次はどんな景色が待っているのだろうと、飽きないところが周回コースの良いところ。



樹林が濃くなり、鹿避けの柵やフェンスが見えてくると霧降高原は近い。ゲートを押しあけて中に入る。



ここは延々と続く木の階段が有名です。ランナーがひたすらここを駆け上がっていたり、息も絶え絶えな観光客が、手すりを磨きながら歩いていたり。さまざまな人間模様が(違う)見られる。

駐車場には愛車が待っている。
ここからのダウンヒルは結構ヤバい

スピードの出し過ぎ、対向車の車線またぎ、ブレーキの加熱に十分に注意して坂を降り、東照宮まで戻ろう。

皆様もどうぞご安全に。


2021年7月19日月曜日

HIKE1 苗場山秡川ルート

 タカヤンが苗場山登るって聞いて、いいなぁと呟いたら誘ってくれたw

なんかの花、そこら中が花

6時半に道の駅で待ち合わせし、秡川登山口に移動。7時チョイ過ぎにスタート。すでに暑い。
神楽メインゲレンデの北側を登る

神楽三俣田代エリアは、一緒にプチBCに入ったり馴染みのあるエリア。僕は苗場山は4回目?5回目?で、秡川から入るのは2回目。タカヤンは夏の神楽は初めてらしい。

5ロマ終点を過ぎてまもなく稜線に

朝のうちは晴れたり曇ったりで、登るにつれて雲が多くなってくる。ふと雲が晴れた時に田代の反射板が見えたりする。

あそこの下でカップラーメン食べたね
上部ガリガリでしたよね
あの下がユルんで気持ちよかったなー
早く雪が降りませんかね

そんなスノーボーダーあるある的な会話をしながら登る。

股スリ岩

神楽峰を過ぎたら登山道は一度下り坂になる。今日の雷清水は元気よく流れ出していて、冷たくて美味しい水で喉を潤す。

さ、下って登り返しだ!

苗場山登頂するには、秡川からのルートが一番一般的なんだろう。ただ、一番のネックは神楽峰から鞍部まで下っての登り返し。ピストンの場合は、登って下って登って、下って登って下って…で、ご存知の通り登山で辛いのは下り坂。

最後の最後で、削られた脚で下る辛さw

そんなことを考えながら来し方を振り返ると、こんな感じ。ここは苗場山の肩で、帰るときはここから下って、奥のピークに登り返す。そこが神楽峰で、駐車場までは3時間くらいのダダ下り。

神楽峰と同じくらいまで登って苗場山の肩

苗場山の山頂は平原になっていて、池塘が散在している。その池塘が稲苗を育てているように見えるので苗場山。

ついに来ましたね!

ワタスゲが風に揺れ、鏡のような池塘が左右に広がる山頂湿原を先に進む。

やばい、天国っぽい

風が通って涼しいけれど、登坂で火照った体はなかなか冷えない。

いっそ池塘ダイブして、水で冷やすとか?
タイーホされるね

うっかり足を滑らせてとか言えば?
ほー、なるほど? 
うっかりのくせに、ダイブ前に服脱いでたりして?
バックパック下ろしてたりね
カメラ濡れないようにそっと、木道に置いて
靴脱いで

で、うっかり、ドバーンってダイブ
タイーホされるね

馬鹿話をしながら進む

ワタスゲと木道

いやー本当に綺麗だ。
この山頂湿原にくるのは久しぶり。というか、昨年はコロナの影響で登山に一度も出かけなかった。

いや、マジでダイブっしょ

久しぶりに見る山の緑、お花畑、池塘、すべてが僕においでおいでしている。そして、「おかえり」と言われているようにも思う。

山頂標識

とりあえず山頂に立ち、今日のメインイベント、カップラーメンランチの場所へ移動。

足取りも軽くデッキへ向かう

やっぱりサッポロ黒ラベルっすよね

やっぱりビッグですよね

お腹も膨れて、ふと西を見ると嫌な雲が湧き始めたので帰路につく。それにしても、暑い、ホントーに暑い。

ち、池塘が涼しそう

テント指定地以外で泊まるのは、原則的に禁止。しかし、悪天候とかで、止むを得ず、不時露営(フォースト・ビバーク)するのは認められている。命かかってるから、当たり前だよね。

世界的に貴重な高層湿原、そこの池塘で行水するなんて、ぜったいにいけない。しかし…今日は猛暑で熱中症の危険がある。熱中症は、最悪の場合は命にかかわる。ならば…ち、池塘で行、水、を、ぐはっ!

バカ言ってないで早く帰りましょう

帰りの写真が無いのはですね、暑いし、久しぶりの登山で腿は削られてるし、要するにそういうことです。

和田小屋まで来ればあとは舗装路

ログはこんな感じ。
久しぶりの登山は楽しかった、タカヤンに感謝。


そして、サイクリングと登山は、違うスポーツでした。足首や膝周りの腱や、腿の最大筋力とか、登山で必要な能力の衰えが甚だしい。

暑い間は、できるだけ標高の高い山を登って遊びましょうか。

おしまい

2021年7月18日日曜日

BIKE & HIKE のススメ 妙義山縦走

表妙義縦走について、詳しく書いてみよう。山頂稜線の上級者向け岩綾コースは、どんな感じなのか、参考になればなによりです。

BIKE & HIKE の紹介で書いたことの復習、こちらが概念図。

赤線が縦走路、右から入って左に抜ける

妙義神社のすぐ上にある「大」の字

完全に稜線通しに抜ける「表妙義縦走コース」、ガイドブックには「上級」とか、「危険」と書いてある。

正しい表現をすると、技術的には難しいところはないので、「上級」かどうかは意見が別れるだろう。ただし、「国内一般登山道最難関」とか、「一般登山者の立ち入りをゆるしているのが間違い」と言われるのは伊達では無い。

クライミング経験が無くても、基礎体力があって、三点確保や、腕力に頼らず足に乗るとか、すれ違いなどの状況判断だったり…が身に付いていれば技術としては十分。

問題は、それらを…「一発間違えたら即死」という環境で、ひたすら延々と、一日中繰り返す事ができるかどうかということ。

こんな地形の連続

上の写真は縦走路にある下降点。鎖の先はまったく見えない。しゃがみこんで、鎖を手に取り、身を乗り出して下降する。鞍部に着いたら登り返して、その先に白く続く土の踏み跡を辿って進む。

身を乗り出すとは、つまりはこういう事。

恐怖心をコントロールしながら足場を探す

えっ?ムリムリ!って感じるなら、止めておいた方がいいです。

写真を撮る時とか、対向者とすれ違う時はセルフビレイ(自己確保)があったほうがいいですね。つまり、ハーネスとかカラビナとか、スリングを使った、安全確保のノウハウがあったほうが良い。

セルフビレイを取る

ちなみに、僕は高所恐怖症です(爆)

足を滑らせたら一発でアウトな稜線

高所恐怖症なので、ここに行く度に後悔します。なんで来ちゃったんだろう、こえ〜よ。

鎖場の下が見えない箇所が頻繁に現れる

焦って手順を間違えたり、足を滑らせたら本当にやばいので、急ぐことはできません。淡々と、一歩一歩を確実に進んでいきます。歩きながら写真を撮るのもダメ、絶対。

しゃがんだり、立ち上がったりするとき、ふと立ちくらみっぽくなること、ありませんか?ここではそんなちょっとしたことが、死亡事故の原因になりえます。

死角になる場所では必ずコールすること

鎖場の通過では、アンカーとアンカーの間に複数の登山者が入らないように配慮します。一人がバランスを崩して、鎖を揺らしたら?アンカーとアンカーの間にある、同じセクションは掴んでいたら、振り落とされるかもしれません。

死角になっていて見えない場合は、「気配」を感じるようにしましょう。

「気配」と聞いた時に、ピンと来ない人、透視とかの超能力?って思った人は、このエリアには行かないほうがいいかもしれません。

さっきから時々ちらちらと見える、対向登山者はそのペースから考えてそろそろすれ違いになるはず、そんな風に、同じエリアにいる他の登山者の現在地を大まかに把握しておくことも大事でしょう。先が見えなくても、目の前の鎖を見ます。鎖が小刻みに揺れていれば、誰かがその先で鎖を使っています。もちろん耳を澄ませて、コールが無いかどうかも確認します。それが、「気配」を感じるということ。

そういう意味もろもろを含めて、状況判断(山の総合力)が試されるルートです。

腕に頼り切りでは危険、足場をしっかりと見て体重を乗せていく

あ、そうそう、時々ですが、鎖の長さがたりない場合があるんですよね…

僕はこれを八海山の鎖場で経験しました。後ろ向きで下降していて、あと30cm で地面。そこで鎖が終わって手がすっぽ抜ける。

冷や汗と、声にならない絶叫。「あ、俺、今…死んだ」そう思いました。

そこは、畳半畳くらいの狭くて、よく踏まれた土の鞍部になっていました。
僕はタタラを踏んで、後ろ向きに尻餅を着いただけで、滑落はしませんでした。ラッキー!w

それ以来、鎖の残り部分の長さと、次の安定した足場までの距離は一歩ごとに確認しながら下降するようにしています。

超えても超えても岩綾が連続する

エスケープルートはいくつかあります。ムリだと思ったら、撤退が吉。

長い梯子

ここの怖いところは、「誰が見ても危険な場所」での滑落事故はさほど無いらしい。

有名な難所で、「鷹返し」(または「鷹戻し」)と呼ばれるところがあります。ほぼ垂直の鎖場が3段、小さいテラスでつながっています。動けなくなった人が詰まっていたり、すれ違いがテラス上で発生するなど、緊張感の連続。ところが、ここの核心部では、転滑落事故はそんなに無いらしい。(核心部で落ちる人は、行き詰まって握力がなくなって落ちる、中高年の女性など)。

急な岩場を通過した後が危険

それよりも、この難所を登りきって、岩棚に出る。あー良かったと、一歩・二歩踏み出したところで…岩棚の一部が崩落していて狭くなっていて、そこにハラリと乗った枯葉を踏み抜いて墜ちる。そうした事故が多いらしい。

歩いているとき、体を動かしているときはリラックスできないということでもあります。

小さなテラスで、すれ違い待ち待機

一般登山道は、緊張する岩場と、安心して歩ける場所があります。その配分は、1:9 くらいでしょうか。難コースと言われるところでも、2:8 くらい?

ここは、山頂稜線に出てからは、ずっと緊張を解くことが許されません。休むときはセルフビレイを取って、立ち止まってが鉄則。

鎖が複数かかっている場所

古い鎖・新しい鎖が複数かかっているところもあります。鎖が複数あるからといって、同時に何人かが行動できるというわけではありません。誰かが足を滑らせたり、落石を起こしたりしたら、周囲の人が危険に晒されるからです。

腕力2 脚力8 のバランスで登下降

鎖を降っていくと、地面に着く手前がオーバーハングになっていて、足が壁から離れてしまうところがあったりもします。この場合は、腕力だけで残りの2mくらいを下降しなければならない、とか。

いざというときに、余力を残せるような歩き方、行動を続けていくことも重要ですね。


ここに来る人は基本ヘルメット着用

大岩壁を振り返る

言い忘れるところだった、岩場の途中で雷さまが来ちゃったりするとマジ最悪。周囲の雲の流れにはいつでも気を配ってください。ふと冷たい風が吹いてきて、変な色の雲が湧いてきている…それくらいの兆候でも、逃げた方がいいと、僕は思うなぁ。

そんな意味で、雷&夕立&猛暑で脱水リスクのある夏はお勧めしない。日が長くて天候が安定している梅雨入り前か、紅葉が始まったくらいがいいんじゃないかな。

真夏は暑すぎるので紅葉か新緑の時期がオススメ

そんな苦労を繰り返して、石門エリアに到着。ここは中之嶽神社駐車場から、アスレチック的なハイキングコースが通っています。地元の小中学校の遠足コースにもなっているくらいのレベル感。岩場って楽しいと思うことでしょう。

石門エリアまで来ればそこは遊歩道

カニのタテバイ

石門の厚みはこれくらいしかない

石門の中に大砲岩が見える

実際のところ、石門エリアをのんびりと周遊するだけでも十分に楽しいと思います。体を動かしたかったら、お中道もいいでしょう。

お中道の岩場潜り

繰り返しになりますが、お中道も簡単なコースではありません。距離も長いので、挑戦するなら十分に準備をしてからね。

下山口になる中之嶽と神社駐車場

さあ、こんな思いをして下山してきました。朝7時くらいに入山したとして、順調に進んだとして、お昼も行動食だけで済ませても、多分3時は回っていることでしょう。

で、ここから2時間近く車道を歩くのか…駐車場にデポしてある自転車で、シャーーっと15分で下るのか…

大きな違いですよ…やっぱ BIKE & HIKE でしょ?

では、みなさんご安全に。