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2022年3月19日土曜日

DAY31/BC10 尾瀬岩鞍でアップして2つのルートを巡る

ユーヤパイセンと道の駅で待ち合わせして、車をデポ。

今日は、2つの、別々のルートを1日でやろうという計画。んで、2つめのルートは全然違うところに下山するので、車をそこに置いておかないと返ってこれない。

ゴンドラで2本アップしながら、雪質を確認。昨晩は雪の予報だったのだけれど、残念ながら夜半から雨になったようだ。

ゲレンデは圧雪の上に3〜4センチの湿り雪で、表面が少ししまっていて引っかかる。なかなか難しいコンディション。
締まった雪面でハイクが捗る
ハイクに入ると、表面は3cmくらいのブレーカブルクラスト。だが、そのすぐ下に、しっかりとした下地があるので、潜ることもない。

ハイクはやりやすいけど、滑るのには結構トリッキーだね。
ユーヤ
ボードをひっかけて怪我しないように、木に突っ込まないように、セーブして滑る。
本日はスプレーナッシング
まぁでも、妖怪風味薄目で、そこそこ走ってくれるので割と楽しい。
開けた沢地形に出る
浮遊感
地形に当て込んで浮遊感を感じながら切り替える。スノーボードならではの楽しさ。
ユーヤが動画を撮ってくれた。

最初に滑ったのは、ツリーランが中心のルート。
次は、沢状地形を下るK沢のルートに向かう。

リフトで標高を稼いでからハイクに入る。相変わらず雪面は固く、ユーヤの足取りは軽く、ドロップインポイントへ。この辺りはどこから入ってもいいんだけれど、とりあえず全体像を把握するために、一番スタンダードなところから。
雪庇の切れ目からドロップイン
最初はスティープなオープンバーンなんだけど、この間の暖気と雨のせいかうねりが強い。
ドロップイン
うねりの先にクラックが開いていたりするとまずいので、スピードが出せない。雪質もどんどん変化するので、慎重に高度を下げていく。沢の流心には、デブリが出始めているので、わずかに沢床を外しながら滑る。
トップシーズンにまた来よう
オープンバーンは収束していって、ナチュラルパイプになる。
右岸上部にもおいしそうな斜面が…
デブリを避けながら当て込んで行く
この辺りまで来ると、少し妖怪がチラホラと出て来る。
そして、沢筋が急に開けて、明るい河原状になる。
ザラメになったら気持ちいいのにね。
メローな沢地形がとても楽しい。
いやー、こーゆーのいいすね、
地形が楽しいっす
この先危険
滝の落ち口が見えるところまで滑って、そこから8mくらいの斜面を高巻きで超える。
短い距離なので、ツボ足で超えるが、腐った春の雪で膝まで潜るので結構大変。
暑い!
焦ると進まないので、膝で雪面を押し付けて固めて、その上にキックステップで確実に高度を稼ぐ。んで、右岸の木の葉落としが、ツリーホールだらけだし、ボトムは沢出ちゃってるしで、意外と神経を使った。
割とアドベンチャーでしたねw
ここから荒れた渓相が始まる。この間、下見でハイクアップした時は、ほぼ埋まっていた沢なんだけど、今日はだいぶ落とし穴が増えている。
BC慣れてないとかなり苦労しそうな場所
スピードを殺さないと、落とし穴や流れに落ちそうになる。しかし、スピードに乗せないと、腐れ雪のトラバースを通過できない。アドベンチャーです。

ゴルジュ帯を抜けると林道に出る。ここで本格的に妖怪が出没し、ストック滑走、一部ではスケーティング+ストック滑走で下る。
舗装路ハイクの準備
舗装路に飛び出して、デポした車まで車道歩きを30分。今日のあそこが良かった、ここがやばかった、次はこんな時期に来よう、おしゃべりが止まらない。
装備を全部背負うと重いよね
舗装路歩きの僕のスタイルはこんな感じ。

 バックパックにボードを固定する。
 スノーシューを重ねてボードの上に置く。
 前後のバインのハイバックにポールを挟んで、トウストラップでテンションを加える。
 ポールとボードの間にスノーシューががっちり挟み込まれるというわけ。

ハイバックの形や、ストラップの長さとかによっては、うまくいかないかもしれないけどね。

デポ車回収と片付け済ませて気がついたら、まだ1時ちょい過ぎだった。14時までの、芳味亭営業時間に余裕で間に合いました。早っ!
芳味亭の牡蠣フライカレー
今日も納得のBCツアーになりました。ユーヤありがとう

2022年3月13日日曜日

DAY30は浅間山東面でBC9…

昨日に引き続き、ソロでBC
単独登山やソロのBCは危ないと言われる。
確かに…そうなんだけど、よく考えてみると本当にそうだろうか?
十分に安全係数を取ることが前提だけど、ソロだから危険ってことも言えないように思う。
今日は、浅間山の東前掛山東面を目指してスタート。
川の奥に見える斜面が今日の目的
普通、浅間山を滑る時は、峰の茶屋から火山地震研究所?の脇を通って入山する。小浅間山との分岐を分けたら、そのあとは尾根状をひたすら登る。ここは火山礫の崩れやすい斜面で、風が吹き付けるせいで雪が薄い。(注1)
通常は山頂から左に延びるスカイラインを登る
で、そこを登って山頂まで行って、そこから東に(今回僕が入った方向ね)滑り降りると、入山口に帰れなくなる。延々とトラバースして戻るか、登り返すか、それとも国道に車をデポしておく必要がある。

つまり、せっかくハイクアップしても、山頂からダイレクトに下る大斜面を滑ることができない。今日は、その手付かずの大斜面を滑ろうということ。(注2)
有料道路の浅間火山ルート
アプローチ的には、浅間火山ルートの六里ヶ原パーキングから往復するのがいいのだけれど、ここが臨時休業中で、駐車場も閉鎖中。路駐は迷惑になりそうだし、そもそもこの有料道路は歩行者は通行禁止。

で、地形図であーでもない、こーでもない見ていたら、火山ルートより下を、平行して走る国道から、河川敷か土手道を通ると六里ヶ原まで行けそうなことに気がつく。それが1枚目の写真にある、片蓋川。
斜度が無いところはトーイングで進む
下部の緩斜面は全面的に…4cmのブレーカブルクラスト…
踏み抜いた下はサラサラの粉ザラメで、ひざ下まで潜る。
クロスカントリースキー向きの場所でした
で、大斜面の下は結構複雑な地形になっている。
2週間くらい遅かったか
雪が切れているので、よく観察して、雪のつながっているところを辿りながらハイクしていく。
沢状地形が3本くらい横切っている
ナチュラルパイプ的なところを横切って、1段急斜面を上がるとようやく大斜面のボトムに着く。
見た目は良く締まった良い斜面
ここまでくると、さすがに踏み抜きはなくなる。だが…アイスバーンの上に積もった2cmくらいの白い雪は…妖怪風味が強め
標高2,000mちょい上で時間切れ
実は僕は浅間山のBCで楽しい思いをしたことがない。それが今回、ソロで来てみようかと思った理由なんだ。

友達をBCに連れ出して、「たまたまの外れ日」なら仕方がない。しかし、何度も出撃して、全てが外れるくらいに、当てるのが難しい場所には、よっぽどの変人くらいしか連れてこれないもんね。

 今日はハズレだったね…
 いや、いつもハズレなんだよ、このエリアは…
 ……
 今、「じゃぁなんで連れて来たんだよ?」って思ったろ?
 ……

気まずいでしょ?
今日は春用ストラクチャーを入れたSUSHIが相棒
今日のダウンヒルは…修行でした。ガリガリの上に妖怪まみれの雪。予定では、大斜面に綺麗に刻んだトレースの写真を撮るつもりだったんだけど…そんな余裕はありませんでした。
大斜面のボトムはナチュラルパイプ
大斜面を下りきったところで、ポールを出してストック滑走に入る。というか、漕がないとスピードでない。
景色はいいんだけどね…
そして…
ハイクアップの時に苦労したブレーカブルクラスト…
朝は固かったから、スノーシューを引き上げるのに引っかかって苦労した。しかし、これだけ固ければ、ボードなら上を滑れるだろう…と思っていたら、気温が上がって柔らかくなっていた。
ノーズがクラストの下に潜り込んで、停まる。こうなると、斜度が無いこともあって、ストックで漕ごうがびくともしない。結局火山ルート手前500m くらいから、スノーシューでラッセル下山となる。
火山ルートに戻って来た

ということで、今日も…楽しいことはこれっぽっちもなかった浅間山BC…
雪が薄いのでソールに傷が…

SUSHI君、ゴメン、今週中に直してあげるから許して…
ログはこんな感じでした

注1 今は火山活動の影響で、火口付近は入山規制(禁止)になっている。だが、僕は火山活動が落ち着いていた頃(随分昔w)に、山頂から滑り降りたことがある。当時はテレマークスキーで、ハイクアップは、礫地帯をほぼツボ足で登った。で、滑走はものすごくつまらないし、あっという間に終わってしまった。

注2 僕は山頂から滑り降りて、東前掛山からスキーヤーズレフトに回り込み、大斜面にドロップ。そこからトラバースに入った。しかし、そこは深さと幅が20cmぐらいの、深くて細い溝が無数に発達した斜面。板が暴れて突き上げられる膝で自分のアゴを蹴り上げそうになり…
で、気がついたら、小浅間山鞍部に戻るポイントに着いてしまっていた。


2022年3月12日土曜日

Day29/BC8は 川場からのHike, Ride & Bike でトライアスロン

バックカントリースノーボードの本質って…というか、登山の本質ってなんだろうね。
それは人それぞれで良いのだと思うのだ。

僕は、自分の持っている力で何ができるかってことを考える。
そして、それを使った楽しい計画を立てて、その通りにやり遂げることが…本質に近いんじゃないかなと思う。

スキーと自転車は10代で、登山は20代で始めた。
クライミングとスノーボードは30代の半ばで始めた。

どのスポーツでも自力で無事に帰ってくる、そこは大事にしてきた(注)
そーとー変な人
で、当然、ちゃんと無事に帰ってくるイメージができないと入山しない。
そんな、温めているプランの中にはいろんなものがある。

今日はそのうちの一つ。入山口と下山口が離れている。車が2台あって、一台をデポできれば繋がる。車が2台あるいう条件が足かせになっていた。

しかしよくよく地形図を見て考えて気がついた。

下山口からは「坂道を下るだけ」なのだ。じゃぁ、スケートボードで チャリでいいよね?
ハイクアップして、滑って、チャリで帰る、三種目を1日で楽しめる。

ほんで、僕はデポするチャリは、娘のお古のママチャリにした。
下山口にママチャリをデポ
チャリなら…グラベルロードとフルサスMTBのどちらにしようか迷う。
しかし、どちらも盗難とか、イタズラとかが心配だ。ホムセンママチャリには、盗難の恐れは皆無。鍵も付いてるしね。

ドロヨケがあるので、融雪剤(ようするに塩)が撒かれた路面を走って水しぶきを浴びてもサビの心配が少ない。帰ってから水で洗えばいいし。

そして、バックパックにスノーボードを装着し、それに加えてスノーシューとポールも付けると重量感がすごいのだが、スノーシューとポールとヘルメットを入れられる前かごがあるw
ボードをつけて、ハイバックでポールを固定しつつスノーシューを挟む
これに気がついた時、僕はママチャリで行こうと決めた。

さて、残るは入山ポイントをどこにするかだけれど、道の駅から入山口のスキー場まで「無料のシャトルバス」が走っている。ということは…

ママチャリを下山地点にデポして、道の駅へ。そこで車を駐めて、シャトルバスでスキー場へ。そこから入山してBCダウンヒル。下山地点からママチャリで道の駅へ。

つながるじゃん
道の駅へ駐車
スキー場からリフトで標高を稼ぐ
快晴だが北風が強く、気温は思ったよりも上がらない。
リフト最高地点から入山
入山地点から先に見える岩壁の先は剣ヶ峰。今日はここにはいかないで、手前からドロップする。
次回はあっちから降りようかな
斜面をトラバースして、S俣沢の源頭近くまで移動する。向かいに見えるのは、積雪期しか入れない、地域の名山。
あっちからこっちまでどこでも滑れそう
ゆるやかな馬の背状に隔てられた、ナチュラルパイプが何本も降っている。ツリーはオープンで、ちょっと尾瀬の至仏山的な雰囲気もある。
今日はちょっと固かったw
剣ヶ峰を超えるとここに出る
右手岩壁が剣ヶ峰
ザラメになったら相当気持ち良さそう
ボトムに降りると穏やかな渓相
T原の尾根からドロップできないかと思ったけど、崖でした
一部タイトな沢も今日は埋まっている
沢筋は傾斜が落ちるので、深雪の時にはボードは辛いだろう。好適期はザラメの残雪期でしょうね。
所々の落とし穴
行程の半分くらいでいよいよ斜度が無くなり、妖怪板掴みが出て来たのでストックを出す。ストックで加速しつつ、日の当たる右岸は妖怪の棲家になっているので、極力左岸を選んで下る。
林道に飛び出した
ザラメの林道は板が進む
林道は斜度が少ないのだけれど、標高が下がったせいもあり、妖怪が消えてザラメになる。
今年は冬らしい冬
道路に飛び出す
振り向いてみるとかっこいい岩
やったぜ
内装3段変速のママチャリで、スノーボード背負って坂道を下るオッサンという…
こんな感じです…
ほとんどが下り坂なんで、ペダル漕ぐこともない。ブレーキの加熱だけに気をつけてのんびりと進む。
気持ちいい下り坂を振り返る
そして、1箇所、峠越えがある。これは、K場スキー場に登る水系の道の駅に車を駐めて入山。そして、T原スキー場から下る水系の道から下山しているから、間に尾根があるのは当たり前。
押せばいいんだよ
じつはここのパートをどうやってクリアするか、結構考えていた。標高差100mくらいで、2〜3キロの登りがある峠。普通に考えたら、軽いギアで登れるMTB。しかし…それくらいの標高差と距離なら、普通にハイキングで登るじゃん?

てな感じで無事に、すべて計画していた通りにつながった最高の1日になりました。
おしまい

注 正確に言うと、無事に帰って来たのだけれど、仲間に相当心配かけていて…こっぴどく怒られたことは1回ある。そして、無事に帰って来たのだけれど、連れて行くべきでない人を連れて行ってしまった(その人は最後は泣いていた)こともあり、他のメンバーを危険に晒してしまったことはある。