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2021年5月20日木曜日

お山のグルメ 芳ヶ平ヒュッテ

僕が芳ヶ平ヒュッテに通うようになってから、かれこれ20年くらいは経つ。ヒュッテはS堀夫妻によって清潔で居心地の良い雰囲気が保たれている。そんな空間に魅かれて、冬も夏も訪れている。

薪ストーブが待っている

ヒュッテは、草津から登ったところ、志賀高原渋峠からは降ったところにある。芳ヶ平は、ラムサール条約にも登録された、世界的にも珍しい高原湿地帯。そこの片隅に、ポツンと立っている。

ヒュッテの横を通るとこんな感じ

ヒュッテは登山道の途中にあって、湿原は木道を歩いて散策ができる。

木道を散策すると見える池塘群

この辺りは標高も高く、湿原から見える稜線を横切る国道には、「日本国道最高所の碑」がある。標高が高いので、気温も低く、夏は涼しく冬はいい雪が積もる。S堀さん夫妻はテレマークスキーヤーで、荷物の運搬や買い出しなどにもスキーで出かけていた(注1)。

雪に閉ざされた湿原に見える赤い屋根

昔はGPS機器もなく、スマホの地図アプリなんてものもなかったので、ガスや風雪で視界がないと、ヒュッテを見つけるのにはちょっとしたコツが必要だったりした(注2)。

BCスキーヤーの聖地

このヒュッテを紹介するのに、僕が適役だとは思わない。だって、ここに泊まったことが無いのだから。噂では、快適なシャワーがあって、チリ一つ落ちていない客室に、サラサラの肌触りがいい寝具があり、周囲に何も無い山小屋だとは思えない夕食と朝食が出るらしい…食べたことないけどw

で、そんな僕が、なぜグルメ投稿で芳ヶ平のことを書くのか?それは、パスタランチがあるから。

ある日のパスタ大盛り

場所柄、具材とか味付けはお任せになる。そのときにある食材で一番いい組み合わせを、お母さんが選んで作ってくれる。苦手なものとかアレルギーがある場合には、相談するか、事前に予約をしておいたほうがいいかもね。

ある日のパスタ大盛り

僕は日帰りでヒュッテを訪れ、ビールを飲んでパスタを食べて、お父さんのコーヒーを飲んで帰る。そこは地形的にBCスノーボーダーには辛いところで、S堀さんたちがスキーヤーなので、スキーのお客さんが多いかな。いろいろな面でゆとりのある、大人の、感じのいい人たちが多く、そこを去るのが名残惜しくなるときも多々ある。

ラウンジでの語らい

芳ヶ平で泊まらないのかって? 泊まるよ…雪洞とかテントとかでねw
ヒュッテの脇はテント指定地になっている。そして、ヒュッテの清潔なトイレを借りられる。僕たちは、テント受付だけ済ませておいて、ランチタイムを楽しむ。そしてお父さんお母さんが、泊まりのお客さんのための準備を始める時。または、泊りのお客さんがヒュッテに到着し始めると、頃合いを見てお会計を済ませて外に出る。そして、僕らのねぐらに戻って、宴会を始めるのだ。

インテリア諸々、ついつい写真を撮りたくなる

グルメって言う時、食べ物の味ももちろんなんだけど、環境とか、接客とか、諸々を含めての「味わい」が重要なんだって言うよね。

集う人が自然に笑顔になる場所

僕は思うんだけど、芳ヶ平ヒュッテは、笑顔も味のウチに含まれている。S堀夫妻と、そこに集う人と、僕自身の笑顔。そこにいることで自然と微笑んでしまうような。

パスタは作る人に似るって言われるけど、確かにここのパスタは、まったく戦わない。やさしくて、すっと消えて行く優しい味がします。

で、僕らBCスノーボーダーとかスキーヤーって、冬場に好き勝手遊んでる人達じゃないですか。で、僕らはスキー背負ったり、ボード背負ったり、荷物背負って山を登るの得意じゃないですか?

だから、梅雨明けくらいに、家族を連れて、草津あたりからハイクアップしてヒュッテに行くのって良いんじゃ無いかな。冬の間、寂しい思いをしていたかもしれない家族は手ぶらで、荷物は僕らが背負うの。そして、ヒュッテに泊まって、木道を歩くの。

草津からロープウェイを使って入山できなくなったから、No密で穏やかなハイキングができると思います。

おしまい

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注1 以前は、草津国際スキー場のゲレンデトップから少しハイクすると、そこから芳ヶ平に滑り込めた。だからヒュッテから滑って下山して、買い出しして、ゲレンデトップまで上がって滑ってヒュッテに行くなんてこともできた。ところが、草津白根山がいきなり噴火し、噴石で死傷者が出る事故が起きた。その影響と老朽化で、ロープウェイが廃止されることになり、スキー場の上部エリアは閉鎖になってしまった。その結果、芳ヶ平に行くには、草津からハイクアップするか、志賀高原渋峠か万座から滑って行くことになる。滑って行くということは、当然、帰りはハイクアップしないと帰れない。

注2 具体的には特徴的な地形を覚えることにある。沢筋がどんなふうに通っているか、丘や窪地がどの辺りにあるか。