学生寮のテレコミュニケーションの話に戻そう。
前回の投稿でこう書いた
学生寮だって、とても人数分の回線なんか引けないから、基本的には「下宿住まいの金盛君」と「電話持ってる大家さんの呼び出し」を、大規模に、大々的に拡大して発展させたもの…になるわけだ…コワイヨー
そう…違いは、学生寮の場合は、「大規模に、大々的に拡大して発展させたもの」なだけなのだ。
正面玄関入って左に、事務机を三本横に並べたくらいのカウンターがある。端の「ピンク電話」は発信専用機。その隣に4台だったから5台だったか、受信専用の黒電話がある。
着信があると、こいつが「ジリーリーーリリーン。。。ジリーリーーリリーン」と鳴る。
近くに居る奴がすぐに受話器を取り、応対する。
はい!!!!
和敬塾北寮です!!!オス
えんどう(仮名)が承ります!
最下級生が取るとか、何コール以内に取るとか、どうでもいい封建的なルールは特に決まっていなかった。
いきなりデカい声で応答があるので、大体の相手はビビる…
えっと、そのぉ、フルカワさん、フルカワジロウさんいらっしゃいますか?
フルカワですね!かしこまりました!!確認いたしますので、少々お待ちください!!!!
そして、「在寮生ボードを確認」する。
在寮生ボード(鍵置きになっちゃった) |
ここには寮生の名札が下がっていた。表裏に氏名が書いてあり、表は黒字でそれが「在寮」を意味している。裏の氏名は赤字で、それは「不在」を表している。寮生は、外出するとき名札を裏返し、帰寮すると名札を表にする。
フルカワジロウさんの名札が赤なら外出中。ご要件を聞き、縦横5cm位のメモ用紙に書き取り、古川さんの名札がぶら下がっている釘の頭にブッ刺して止めておく。
名札が黒なら在寮中なので、部屋番号を確認して壁に埋め込まれた「呼び出しボード」のボタンを押す。
呼び出しボードとは、壁に半分埋め込まれた配電盤ボックスみたいなものだ。表面には、タイル状に部屋番号と、指先くらいの大きさの、赤くて丸いボタンが付いている。
ボタンを押すと、その番号の部屋に設置されたブザーが「ジィイイィィィー」と鳴って、呼び出しができる…
でもねぇ、「学生寮の話シリーズ」で散々書いた通り、みんな自分の部屋におらんのよ。友達の部屋にタムロして酒かっくらってんだからサ。ブザー鳴らしたって来ないのよ、誰も。
で、一応ブザーを2、3回、グリグリって押して(接触悪くて実は鳴ってないって噂の部屋もあった)…エンドウくんは正面玄関を出る。
玄関を出ると南寮との間に中庭がある。そこでエンドウ君は仁王立ちになって、呼び出しをする。
きたりょぉぉおおおおおーーーーーー!!!!!ふぅるかわっ先輩ぃぃぃ!!! ハアハアハアお電話でぇぇっすううぅうぅーーーーー!!!!!
これねぇ…
知らない人が見たら、気が◯れたのかと思うよね。
つづく